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イノーバ 採用マーケティング責任者 橋口2024/03/18 15:57:111 min read

採用マーケティングを成功させるための完全マニュアル。 施策から最新事例、課題対策を解説します。

昨今、優秀な人材の確保が企業経営における最重要課題の一つとなっています。リクルートワークス研究所の調査では、実に6割以上の企業が人材確保に困難を感じているという驚きの結果が出ています。中途採用実態調査(2023年度上半期実績、2024年度見通し 正規社員)|Works Report|リクルートワークス研究所 (works-i.com)

 

一方で、従業員の定着率が低下し、優秀な人材を失うリスクが高まっています。デロイトトーマツによる調査レポートによると、日本におけるミレニアル世代(1980年代から1990年代にかけて生まれた世代)の49%が今後2年以内に転職を検討しているといいます。2019年デロイト ミレニアル年次調査 グローバル翻訳版

 

こうした状況を打開するための新しい採用手法が「採用マーケティング」です。

 

採用マーケティングとは

定義:採用マーケティングとは、優秀な人材を確保するために、マーケティングの発想と手法を取り入れた新しい採用活動のことを指します。

求職者を"顧客"と捉え、ペルソナの設定やセグメンテーションを行ったうえで、デジタル施策やコンテンツマーケティングなどを駆使し、ターゲットにリーチします。企業のブランド価値や魅力を効果的にアピールすることで、優秀な人材の応募獲得を狙うのが採用マーケティングの目的です。

 

重要性:近年、優秀な人材の確保が経営上の最重要課題となり、優位性の源泉ともいえるようになってきました。一方で、人手不足が深刻化する中で、従業員の定着率低下も問題視されています。

 

こうした状況下で、マーケティングの理念と手法を取り入れた採用マーケティングへの注目が高まっているのです。戦略的なアプローチで企業の魅力を発信し、優秀な人材を惹きつけることが可能になります。

 

本記事では、採用マーケティングの全容を、定義から施策、課題対策、成功の秘訣までを詳しく解説していきます。現状の人材確保の課題を打破するための指針として、ぜひ最後までご覧ください。

 

採用マーケティングの全体像

目的

- 優秀な人材の確保

- 企業ブランドの向上

- 採用コストの削減

- 将来の人材ニーズへの備え

 

ステークホルダー  

採用マーケティングには、経営層、人事部門、マーケティング部門、現場の従業員、求職者など、多岐にわたるステークホルダーが関与します。全社を巻き込んだ取り組みが重要です。

 

プロセス

  1. 分析(内部環境、外部環境、ペルソナの設定)  
  2. 戦略立案(セグメンテーション、ターゲティング)
  3. 施策実行(後述)
  4. 評価とPDCAサイクル

 

主要施策

- ウェブサイト/キャリアサイトの改善

- コンテンツマーケティング(ブログ、動画など)

- ソーシャルメディアでの情報発信  

- 説明会・セミナーの開催

- デジタル化したスカウト活動

 

など、マーケティングの手法を複数の施策で取り入れていきます。  

 

採用マーケティングの実施ステップ  

 

ターゲット層の設定

まずはペルソナを設定し、ターゲットとなる求職者層を明確化する必要があります。属性、志向性、行動特性などを細かく分析し、ニーズに合わせたリクルーティングを行う必要があります。

 

企業ブランディング  

次に、企業理念、雰囲気、強み、労働環境などを効果的にアピールする企業ブランディングを実施します。多様な媒体を使い、一貫したメッセージングが不可欠です。  

 

また、従業員の声を反映させ、リアルな企業の姿を発信することも重要なポイントです。求職者が興味を持つような、魅力的なEVP(従業員価値提案)の設計が求められます。

 

戦略立案

分析を踏まえ、インバウンド戦略とアウトバウンド戦略の2つの側面から実行計画を立案します。

 

1.インバウンド戦略  

- Web広告やSEOでリーチ力を高める

- ソーシャルメディアでの情報発信  

- 魅力的なブランディングコンテンツの作成

 

2.アウトバウンド戦略

- スカウトや現従業員のリファラル活用  

- 説明会やイベントの開催

- 営業的アプローチで直接アプローチ  

 

3.施策実行と改善

立案した施策を実行し、設定したKPIに基づき効果測定を行います。デジタルマーケティングツールの活用により、データに基づく分析を行い、PDCAサイクルを回して継続的な改善を図ります。

 

採用マーケティングの実例と効果

[事例:採用マーケティングに成功した企業の具体的な事例] 

株式会社イノーバでは、3年間にわたり着実に採用マーケティングと採用プロセスの改善に取り組みました。主な取り組みと効果は以下の通りです。

 

【取り組んだ主な施策】

  1. 採用マーケティングの導入 (2020年12月~)

 - 企業の魅力と課題を言語化し、面接やミートアップで候補者へ伝えた

 - 企業理念に共感した候補者を選考に進めることで、歩留まりが解消した

 

2 多様な採用チャネルの活用 (2021年4月~)

 - 求人媒体だけでなく、ソーシャルリクルーティングやリファラル採用を実施

 

3 ダイレクトスカウトの導入 (2021年8月~)

 - メンバー採用に成功、責任者採用は業務委託も活用

 

4 職種別の最適な採用手法の検討・導入 (2022年4月~)

 - 複数媒体の中で特に効果が高い媒体を確認し、活用を強化

 - ミートアップ動画の活用で内定承諾率を向上

 

5 選考フローの改善 (2023年4月~)

 - 適性検査を導入し、候補者の適性をより見極められるようになった

 

【主な効果】

- 採用コストの大幅削減

  2020年: 620万円(62万円/人)

  2023年: 390万円(23万円/人) 

 

- 大量採用の実現

  2022年: 29名入社

 

- 内定承諾率の向上

  2021年: 78%

  2023年: 85%(見込み)

 

イノーバの一人当たり採用費

 

イノーバの内定承諾率

 

採用マーケティングと採用プロセスの継続的な改善により、採用コストを大幅に削減しながら大量採用と高い内定承諾率を実現できました。様々な施策を重ね、 PDCAサイクルを回しながら成果を上げていった好例としてご紹介いたしました。

 

採用マーケティングの課題と対策

 

一般的な課題  

- 予算確保が難しい(マーケティング予算の重要性に対する理解不足)

- 人員の確保と育成が難しい(マーケターの採用難、デジタルスキルの継続学習) 

- 効果測定が複雑(多岐にわたるKPIの設定が難しい)

- 長期的な取り組みが必須(ブランディングには時間がかかる)

- 最新デジタルツールの導入と運用が課題

 

採用マーケティングで外注を活用するメリット

採用マーケティングには高度なデジタル知見が求められるため、自社内で人材を確保・育成するのが困難な場合が多くあります。その際、専門のマーケティング会社に外注することで、以下のようなメリットが期待できます。

 

- 豊富な実績と最新ノウハウを活用可能

- 優秀な人材を確保しやすい

- 変動費で対応できるため、リスクが低い

- 社内の人材育成の手間が省ける

 

課題への対処法

- 経営層への理解促進が何より重要  

- 社内横断的なプロジェクトチームの立ち上げ

- 最新マーケティングツールの積極導入

- データ分析力の強化  

- 継続的な改善サイクルの実行  

 

経営層の強力なコミットメントを得ながら、全社を挙げた取り組みが不可欠です。



予算確保が難しい課題への対処

採用マーケティングへの予算確保が難しいのは、経営層がその重要性を十分に理解していないことが大きな要因です。そのため、何より先に経営層への理解促進が不可欠となります。

 

経営層に対して、採用マーケティングが企業の将来を左右する最重要課題の1つであり、適切な予算投下がビジネス成長の鍵となることを、データを示しながら丁寧に説明していく必要があります。

 

具体的には、優秀な人材の確保が経営パフォーマンスに直結すること、採用マーケティングが効果的な人材獲得に有効であることなどを具体的なデータと事例を交えて示します。さらに、採用マーケティングへの投資による費用対効果や長期的なROIを数値で提示することも重要です。

 

こうした地道な働きかけにより、経営層の理解が深まれば、必要な予算がついてくるはずです。採用は企業経営の根幹を成す重要課題です。経営層自らがその重みを認識し、採用マーケティングへの積極投資を決断することが何よりも期待されています。

 

【説得資料の事例】

1.採用マーケティングの重要性を示すデータ

- 人材不足が経営に与える深刻なリスク (生産性低下、機会損失、従業員異動コストの増加など)

- 優秀な人材確保が企業収益や株価に与える大きなインパクト

2.採用マーケティングの費用対効果の実例

- 費用対効果の高い施策と、それによる採用コスト削減効果

- 内定承諾率の向上による選考プロセス効率化のメリット

3.合他社の採用マーケティング投資事例

- 同業他社の採用マーケティング予算額と人材確保の実績

- マーケティング投資が企業ブランディングにも好影響

4.長期的な投資効果のシミュレーション

- 採用マーケティングへの継続投資による累積効果予測

- 5年間、10年間のROI予測と人材確保の累積メリット

 

採用マーケティングと採用広報の違い

採用マーケティングと採用広報はよく混同されがちですが、以下の点が異なります。

 

- 採用広報: 求人広告など、直接募集に関わる活動

- 採用マーケティング: 企業ブランディングなどの上流工程から、選考プロセスまでを通した全体的な取り組み

- 採用マーケティングは、単なる求人広告ではなく、マーケティング的アプローチで優秀な人材を継続的に引き付け、エンゲージさせていく総合的な活動です。

 

このように、採用マーケティングへの取り組みは高い専門性が求められ、課題も多岐にわたります。外部の専門家への一部業務委託は、有力な対策の一つとなります。



採用マーケティングを成功させる秘訣

 

- ターゲットを明確に設定する

- 現場の従業員の声を反映させる  

- ブランディングを徹底する

- デジタルシフトに対応する

- 効果測定を怠らない

 

採用マーケティングは、単なる求人広告やイベントだけでは実現できない、より高次の取り組みです。マーケティングの発想と手法を採用活動に取り入れることで、より戦略的に優秀な人材を惹きつけ、採用活動の生産性を大幅に高めることができます。

 

しかし、その反面で高い専門性が求められ、多くの課題があることも事実です。デジタルマーケティングのスキルや最新ツールの習得、効果測定の複雑さ、長期的な取り組みが必要なことなど、ハードルは決して低くありません。

 

こうした中で、外部の専門家への業務委託は有力な選択肢になり得ます。豊富な実績とノウハウ、優秀な人材を備えた専門企業に採用マーケティングの一部を任せることで、リスクを抑えつつ、スピーディーに高度な施策を実現できるでしょう。

 

採用マーケティングへの取り組みは避けて通れない道であり、経営層のコミットメントを得ながら、社内外のリソースを最大限に活用していくことが成功の秘訣といえます。デジタル時代の人材獲得競争に勝ち抜くため、ぜひ積極的に採用マーケティングに注力していただきたいと考えています。

 

貴社の採用マーケティングを加速させたい場合は、ぜひイノーバの採用マーケティング支援サービスをご活用ください。詳細は以下のリンクをご覧いただきお気軽にご相談ください。