アクセス解析とは?最強ツール・Googleアナリティクスの導入・設定・データ分析方法から他ツール比較まで!

アクセス解析
Webサイトを効果的に集客や売上につなげていくためには、訪問してくれるユーザーの利用状況を分析する「アクセス解析」を行い、より良いサイトへと改善していくことが重要です。この記事では、これからアクセス解析を始める方向けに、Googleアナリティクスの導入方法、参照するべきデータやその活用方法、他ツールとの比較などをまとめました。
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目次
アクセス解析とは?
アクセス解析とは一言でいえば、企業ホームページやブログなどのWebサイトにおいて、アクセスしたユーザー(サイト訪問者)の行動傾向や利用状況、特性を可視化し分析することです。
サイトを作っただけでは、効果的な集客や問い合わせの増加に繋がらないため、どんな人にどのコンテンツが人気なのか、逆にどのページが魅力的にできていないのかなどをアクセス解析で調べることで、サイトの課題の発見と改善すべき指標の把握が行えるわけです。
以下でアクセス解析の必要性とメリット・効果について、より詳細に解説していきます。
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アクセス解析の必要性とメリット・効果
閲覧した人のデータを視覚化でき、アクセス数の増加とコンバージョン率の改善につながる
制作したページのPV数などのデータを視覚化でき、そのページにどれだけの効果があったかがわかりやすくなります。その結果を解析することで、アクセス数をさらに増加させるための施策やコンバージョン率の改善案を考えるヒントになります。
滞在時間や回遊率などを把握することで、ニーズのあるコンテンツがわかる
アクセス解析をすることで、そのベージの滞在時間や、そこからユーザーが他のページをどれだけ見て回ったかを表す回遊率もわかります。滞在時間が長いということは、そのコンテンツがきちんと読まれたととることができるので、ニーズのあるものだったということがわかります。
閲覧者の地域や訪問時間などがわかると新しいコンテンツ開拓のヒントになる
データの中にはアクセスされた国や時間帯も含まれています。ホームページやコンテンツの内容によっては海外のユーザーからの注目度が高い場合もあり、海外展開を考えている場合には本文を日本語以外の言語で作成することも視野に入れるための指標になります。また、メールマガジンでコンテンツの宣伝をしたタイミングで、きちんと狙った時間帯にアクセスが伸びているか、といったことを確認すると、サイトだけでなくメールマガジンの効果的な配信内容や配信時間を検討する際の参考にもなります。
アクセス解析はどんなサイトに必要なのか
消費者向けのBtoCサイト
BtoCの場合、アクセス解析をすることが商品の売れ行きやサービスの契約数を向上させるきっかけになります。消費者が何を求めるかを把握することで、仕入れの方法や商品ラインナップをより魅力的なものにすることができます。消費者はサイトの見やすさや使いやすさ、デザイン性を重視する傾向にあるため、アクセスが伸び悩む場合は、離脱率やクリック率も調査し、消費者が快適にサイト内を見られるかを検証しましょう。
企業向けのサービスを展開するBtoBサイト
BtoBサイトの場合もBtoCと同じくサービスの契約数や問い合わせ件数の増加のためにアクセス解析を行うことが求められます。また配信しているメールマガジンがコンテンツへの誘導に成功しているかや、広告を出している場合の効果も確認することができます。企業向けのサービスページでは、そのサイトがユーザーの求めるサービスを展開しているかが一目でわからないと離脱する可能性が高まります。離脱率が高い場合には、分かりやすいサービス紹介やキャッチコピーを設置するなどして、フィットするサービスであるかを明快に伝えるための対策を行いましょう。
このように、BtoC企業であってもBtoB企業であっても、ホームページは会社の名刺として”持つ”だけの時代から、売上やお問い合わせを生むために”活用”する時代になりました。ホームページ活用のためのファーストステップがアクセス解析である、といえるでしょう。
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アクセス解析で確認すべき主要指標
アクセス解析でよく使われる、確認すべき主な指標とその意味について解説します。
- アクセス数
文字通りサイトにアクセスされた数のことですが、大きく分けて「ユーザー数(ユニークユーザー数)」「PV数」「セッション数」の3つがあります。それぞれの数値が意味する内容は異なりますが、混同されがちなため注意が必要です。以下でそれぞれ解説します。
- ユーザー数(ユニークユーザー数):Webサイトを訪れたユーザーのうち重複を除いた値のことです。一日に同じユーザーが複数回サイトを訪問したとしても、ユーザー数は1とカウントされます。UUなどと略されます。
- PV数(ページビュー数):Webサイト内のページが表示された総回数を指します。UU数と違い、同ユーザーがサイトを訪れて3つの記事ページを閲覧した場合、PV数は3とカウントされます。前の記事を再度読むためにブラウザの「戻る」ボタンを押した場合も再度PVとしてカウントされます。
- セッション数:ユーザーがWebサイトに流入してから離脱するまでの流れを一回としてカウントするのがセッションです。離脱したユーザーが一定時間を経てサイトに再訪問した場合や、参照元が変更されたときなどは再度新規セッションとしてカウントされます。
- 滞在時間
Webサイトに訪れたユーザーが、サイト内に留まる時間のことです。ページごとの滞在時間を計測・比較することで、人気のあるページやページの読みやすさなどを把握することができます。
- 回遊率
Webサイトに訪れたユーザーが同サイト内の他のページを読んで回ることを「回遊」と言い、1ユーザーがどれだけのページを見て回ったかを示すのが回遊率です。「PV数÷セッション数=回遊率」の計算式で求められます。
- 直帰率
ユーザーが最初に訪れたページを見た後に、その他のページに遷移せずそのままサイトを離脱することを「直帰」といい、直帰したユーザーの割合を「直帰率」といいます。「直帰したセッション数÷全セッション数=直帰率」の計算式で求められます。直帰率が高くなる要因としては、ページの内容がユーザーのニーズにマッチしていないか、そのページ以外に必要な情報がないことが考えられます。
- 離脱率
サイトを離脱したユーザーの割合を示す指標です。「離脱したセッション数÷全PV数=離脱率」の計算式で求められます。購入完了画面などで離脱率が高い場合は問題ありませんが、途中のページで離脱率が高い場合などは対策を講じる必要があるでしょう。
- コンバージョン率(CVR)
コンバージョンとは、Webサイトにおける「目標」のことでサイトに訪れたユーザーにとってもらいたい行動を指します。例としては資料請求やメルマガ登録、問い合わせや商品購入などがあげられます。「コンバージョン数(CV数)÷セッション数=コンバージョン率(CVR)」の計算式で求められます。
▼関連記事:正確なアクセス解析に欠かせない「セッション」正しく理解できていますか?
アクセス解析の定番ツール「Googleアナリティクス」でできること
Googleアナリティクス(GA)とは、その名前の通りGoogleが提供するアクセス解析ツールです。基本的には無料で使用でき(一部有料の機能もあります)、登録したサイトにどういった属性の人がどのくらい訪れたのか、またどのように回遊したのかなどのアクセス状況を可視化することができます。
以下にGoogleアナリティクスで可視化できるデータの具体例を挙げます。
- サイトの訪問者数はどのくらいか
- どこからサイトに訪れたか(検索、広告、外部リンクなど)
- どのような人が訪れたか(性別、年齢、地域、使用端末など)
- どのページにアクセスが多いか
- どの時間帯にアクセスが多いか
- サイト内をどのくらい回遊してくれたか(閲覧ページ数、滞在時間)
- サイトを離脱したページはどこか
これらのデータは、自分の運営するサイトの現状を知り、改善点を見つけるのに役立ちます。
例えば、朝夕の通勤時間など特定の時間にアクセスが集中している場合は、そのタイミングでコンテンツを更新すると効果的かもしれません。また、サイトの滞在時間や離脱したページが分かれば、その理由を探るための手がかりになるでしょう。もちろん、サイト全体の訪問者数やページごとのアクセス数から、人気の高いコンテンツを把握し、それにサイトのテーマを寄せていくといった使い方もできます。
Webサイトを効果的に集客や売上につなげるためには、ただやみくもにコンテンツを増やしても効果はありません。ユーザーがどのような情報を求めてサイトを訪れるのか、どのような使い方をしているのかを把握し、それに沿ってサイト作りを進めることが重要です。Googleアナリティクスはそのための情報を収集する、マーケターにとって必要不可欠なツールと言えるでしょう。
Googleアナリティクスの設定手順
GoogleアナリティクスはGoogleのアカウントを持っている人なら、企業・個人を問わず誰でも無料で使用することができます。まずは以下の手順で、自分のサイトをGoogleアナリティクスに登録していきましょう。
【ステップ1】Googleアカウントの作成・登録
Googleアナリティクスを使用するためには、まずGoogleのアカウントを取得する必要があります。とはいえ、普段からGmailやGoogleのサービスを使用している人も多いため、すでにアカウントを取得済みの人も多いかもしれません。このアカウントをそのまま使用してもいいし、業務で使用する場合は専用のアカウントを新しく作成しても構いません。
【ステップ2】Googleアナリティクスの登録
Googleアカウントを取得したら、Googleアカウントとは別にアナリティクスでもアカウント作成が必要になるため、Googleアナリティクスの登録画面へ進みます。こちらのリンク(https://marketingplatform.google.com/about/analytics/)からサイトにアクセスし、登録するWebサイトの情報を入力していきます。
アカウント名:アカウント名を入力します。企業名、個人名など管理しやすい名前ならなんでも構いませんが、複数アカウントを管理する場合は見分けやすい名前を選択するようにしましょう。
ウェブサイト名:Googleアナリティクスを登録するWebサイトの名称です。あとから変更することも可能です。
ウェブサイトのURL:Googleアナリティクスを登録するWebサイトのURLを入力します。
業種:プルダウンの中から最も近い業種を選択します。
レポートのタイムゾーン:レポートのタイムゾーンを選択します。ここで選択したタイムゾーンが、レポートの中で1日の区切りとして使用されます。
【ステップ3】トラッキングコードを設置
登録が完了したら右側のメニューから「管理」→「トラッキング情報」→「トラッキングコード」の順にクリックし、トラッキングコードを取得します。このトラッキングコードをコピーし、登録したいサイトの全ページのHTMLのタグの直後に貼り付けます。貼り忘れたページがあると、そこだけ正確なデータが計測できないため、忘れずに貼り付けるようにしましょう。
これで登録作業は完了です。
Googleアナリティクスの「指標」と「ディメンション」
Googleアナリティクスを使ってアクセス解析をするうえでは、「指標」と「ディメンション」の2つの違いを理解することが重要です。
「指標」はサイトのページビュー数、直帰率など、Webサイトの解析データにおける具体的な数値を指します。一方「ディメンション」はその数値をどの切り口でみるかというフィルターを指します。
- 「ページ(URL)」ごとに「直帰率」を確認する
- 「ユーザーの使用端末」ごとに「ページビュー数」を確認する
例えば上記のような情報を調べたいとき、「~ごとに」の前にある項目は「ディメンション」を、またそれ以降の項目は「指標」を指します。それぞれの具体例としては以下のようなものがあげられます。
指標の具体例
- ページビュー数
- ユーザー数
- セッション数
- 平均セッション時間
- 直帰率 など
ディメンションの具体例
- ページ(URL)別
- ユーザーの端末別(PC、スマートフォンなど)
- ユーザーのアクセスしている時間帯別
- ユーザーのアクセスしている国別
主要項目の読み方
Googleアナリティクスの操作画面にはさまざまな指標が並んでいるため、複雑でわかりにくい印象があるかもしれません。日常的にチェックするべきは左側のメニューにある「ユーザー」「集客」「行動」「コンバージョン」の4項目なので、まずはこれらの読み方を覚えるようにするといいでしょう。
ユーザー:Webサイトの全般的なアクセスデータを確認
「ユーザー」→「概要」からは、サイトを訪れたユーザー数やセッション数、ページビュー数、また訪れたユーザーの属性(性別、年齢、地域、使用端末など)など、アクセス解析を行う上での基本的な情報を確認することができます。
例えば、目標達成できるだけのアクセスが取れているかを確認したければ「ページビュー数」を、取りたい顧客層が取れているかを見るには「ユーザー属性」や「地域」を、よく使われているデバイス対応ができているかは「モバイル」など、戦略に応じて指標を確認していきましょう。
集客:ユーザーの流入チャネルを確認する
「集客」はサイトを訪れたユーザーがどこから来たかを確認するための項目です。流入チャネルには、主に以下のようなものがあります。
Organic Search:GoogleやYahoo!など、検索エンジンからの流入
Paid Search:リスティング広告などの流入
Direct:URLの直接入力、またはブックマークからの流入
Referral:他のサイトのリンクからの流入
Social:FacebookやTwitterなどSNSからの流入
Display:バナー広告からの流入
Other:その他
「集客」メニューでは、ユーザー数やセッション数、直帰率などの指標を上記の流入チャネルごとに確認できます。オーガニック検索からの流入の割合や、広告に頼っている割合などを把握するのに役立ちます。
行動:サイト内でのユーザーの動きを確認する
「行動」はサイト内でユーザーがどのような動きをしたかを分析するためのメニューです。「行動」→「サイトコンテンツ」→「すべてのページ」からはサイト内のすべてのページにおけるページビュー数やセッション数、離脱率などを確認できるため、どのページにアクセスが集中しているか、また反対にどのページから離脱が多いかなど、ユーザーのサイト内での動きを把握するのに役立ちます。
コンバージョン:目的の達成度合いを確認する
「コンバージョン」は、会員登録やお問い合わせなど、サイトの目標がどれだけ達成されているかを確認するためのメニューです。まずは「コンバージョン」→「目標」から、サイトのコンバージョンを設定しておきましょう。
その他のおすすめアクセス解析ツール?
ここまでアクセス解析の王道としてGoogleアナリティクスを紹介してきましたが、最後にGAでは見られないデータをみることができるおすすめツール・サービスを紹介していきます。
こちらのツールではどのリンクを誰がクリックしたかといった「クリック解析」が一つの特徴です。また、異なるドメインやサイトでもビジターの追跡が可能な「クロスドメイン・サイト解析」ができるため、サイトを訪れた人がどういった行動をしたかをより詳しくみたい場合に有効なツールと言えます。無料で導入可能です。
ahrefsは主に3つの機能からGoogleアナリティクスでは得られない情報を得ることができます。「サイトエクスプローラー」ではドメインやサイト単位で対象サイトのSEO調査を行い、データ収集が可能です。この機能を用いると競合他社のサイトのデータも分析することが可能になり、自社と具体的にどんなコンテンツで差が出ているかを知ることができます。「コンテンツエクスプローラー」ではソーシャルメディアで人気の記事を閲覧することが可能で、コンテンツ作成のネタとして重宝します。「キーワードエクスプローラー」を使うとどんなキーワードでどのようなサイトが検索上位に表示されているのかわかるため、コンテンツに盛り込むキーワードを選定する情報源になります。有料のツールではありますが一歩進んだ情報を入手したい場合に有効です。
SEMrushは、全世界で600万以上のユーザーに利用されているオールインワンの競合分析ツールです。SEO、広告、SNS、コンテンツマーケティングなど様々な領域で競合ホームページの調査・分析、順位変動のトラッキングなどを一元化して調べることができます。マーケッターであれば、このツール一つで広範囲のデジタルマーケティングをカバーし、施策の戦略立案や実行に活用することができます。またGoogleと相性がよく、Google Analytics・Googleサーチコンソールと連携可能です。
こちらのツールはユーザーの行動をわかりやすく可視化できる”ヒートマップ”機能が特徴で、ポップアップなどの動的コンテンツの解析にも正確に対応しています。また、初心者の方にも使いやすいUIや、計測結果の画面表示が早いことも人気です。無料で使い始めることができ、用途や容量に合わせて有料プランが用意されています。
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eMark+は、株式会社ヴァリューズが開発・サービス提供しているインターネット行動ログ分析ツールです。クレディセゾンのネット会員でモニター登録に同意した国内30万人規模の行動ログモニター会員による消費者パネルを活用しています。自社だけでなく競合他社のサイト訪問者数や流入経路、ユーザー層、検索ワードを調べることができ、ブラウザで管理ツールにアクセスすれば、簡単に調査や分析をすることができます。ライバルの競合サイトや、提案予定のクライアントの類似企業のサイトなどを、簡単にチェックすることができます。無償版と有償版があります。
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集客や売上につなげるために欠かせないツール
アクセス解析ツールは自分が運営するサイトの現状を知り、効果的な施策を打ち出すために欠かせないツールといえます。まずはGoogleアナリティクスから始めつつ、慣れてきたら解析ツールとも併用して、マーケティング戦略を強化していきましょう。
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