導入事例
1年後の想定目標セッションを7カ月で達成。伴走支援で自社のマーケティング推進力が向上
- デジタルマーケティングを実践する人的リソースが足りていなかった。要となる”質の高いコンテンツ”を提供してくれるプロの力を借りたかった。
- 新規リード獲得に向けたオウンドメディア「DX GO」の立ち上げ
- 質の高いコンテンツの安定供給によるSEO対策
- 1年後の目標セッションを7カ月で達成。広告掲載の引き合いも生み出すメディアに成長
- コンテンツはリード獲得だけでなく、ナーチャリングにも貢献
- スムーズな対話でマーケティング推進力が向上
業務改善に徹するソフトウェアベンダーの老舗
1971年設立のユーザックシステム株式会社は、バックオフィス業務や受発注、出荷などの業務を効率化させるためのソフトウェアおよびRPA関連の開発、販売、サポートを行うソフトウェアベンダーです。「送り状名人」や「Autoジョブ名人」などの名人シリーズは、業務改革や生産性向上に貢献する定番ともいえるソリューションです。名人シリーズがこれほどソリューションの幅を拡大したのは、常にお客様の声に耳を傾け、要望に応えてきた結果に他なりません。
そんな同社には2021年からイノーバのBtoBマーケティング伴走型支援サービスを、2022年にはサイト制作サービスをご利用いただき、DXをテーマにしたオウンドメディア「DX GO」の立ち上げを実施しました。今回は、マーケティング本部の大崎豊氏にサービス導入に至った経緯からサイト運営の現状まで話をうかがいました。
事業内容
RPA、受発注、帳票の三軸でソリューションを提供
私たちのソリューションは、大きく3つの事業領域にて展開していて、いずれもお客様の業務課題に対して「細かいところまで目が行き届いている」という点が強みです。
まず一つ目の柱が「RPA」です。もう20年近く前になりますが、Web-EDIが浸透してきたころ「Web-EDIの受注業務に手間がかかっている」というお客様の課題をどうにかできないか、と開発しました。おそらくこれが、国内初のRPAではないかと思います。当時は「RPA」という言葉が浸透する前でしたので、「業務を自動化する」というキャッチフレーズで紹介していました。
二つ目が、BtoBの受注業務を支援するEDIシステムです。基幹システムや物流システムとの連携をスムーズにし、流通BMSやRPAと組み合わせてWeb-EDIなどさまざまな受注形式のデータを一元管理できる「EOS名人.NET」です。
三つ目は帳票ソリューションです。発売以来30年以上にわたりご愛顧いただいている指定伝票発行システムである「伝発名人」や、出荷現場コスト削減と効率化に役立つ「送り状名人」があります。
私たちが支援してる顧客の多くは中堅・中小企業で、人材不足や業務効率化に課題をもっていらっしゃいます。2018年に公表されたDXレポートをきっかけに「2025年の崖」「DX化が急務」という必要性は理解しているものの、何から、どのように進めたらよいだろうかと、ハードルを感じる企業が多いのではないでしょうか。
ぜひ、私たちの製品がDXを支える社内の業務自動化・効率化に大きく貢献することを知っていただきたいと思います。
現在、私が率いるマーケティング本部では、お客様の業務課題の解決と私たちの製品、そしてDXをリンクさせ、ケーススタディを中心にわかりやすく「DXへの取り組み」について支援していきたいと考えています。
抱えていた課題
「質の高いコンテンツ」を作るためのリソースが足りない
私は2019年6月にユーザックシステムにジョインしました。当時のユーザックシステムは、まさにこれからデジタルマーケティングに力を入れていこうとしていた時でした。
それまでマーケティング本部の取り組みは、コーポレートサイトで製品を紹介するコンテンツを作成したり、セミナーの運営や集客を行ったりと、販促に近い情報発信が中心で、オンライン上で新規リードを獲得及びナーチャリングするための役割までは担いきれていませんでした。
そこでデジタルマーケティングを強化するために、リード獲得をマーケティングチーム、ナーチャリングをマーケティングチームとインサイドセールスチームが担い、「営業にホットリードを渡す」という明確な役割を持つ「マーケティング本部」への移行をすすめました。
デジタルマーケティングに力を入れようとしたとき、要になるのがやはりコンテンツです。
コンテンツを増やしたい、しかし闇雲に量産すればいいというわけではなく、”良質な”コンテンツである必要があります。
私自身もよくマーケティングに関連したコンテンツを読みますが、内容が物足りなかったり期待外れだったりすると、二度とそのサイトを訪れようとは思わなくなります。質の高いコンテンツを提供しなければ、ユーザーからの信頼が得られないことは想像に難くありません。
コンテンツはとにかく質にこだわりたいと思っていました。
しかしマーケティング本部は人員も限られていますし、担当している業務領域も幅広く、コンテンツ制作だけにかかりっきりになれるわけではありません。安定的に良質なコンテンツを量産したいがリソースが不足しているという課題を補うためにプロの力を借りることにしました。
イノーバに依頼した決め手
比較検討の手間を掛けるまでもなく、信頼できると確信
2019年に私が入社した時、すでに当社とイノーバさんには接点があって、ちょうどコーポレートサイトに掲載するためのSEO記事を十数本作成いただいている最中でした。
このご縁がきっかけで、オウンドメディア「DX GO」を立ち上げる際、一番に声をかけさせていただきました。まだ、オウンドメディアの構想があるが、支援いただけるだろうかというふわっとした最初の打ち合わせに、宗像社長にご登場いただいたことに驚いたのを覚えています。
営業担当の方も当社のサービス内容やマーケットのことなどを良くお調べいただいたことが伝わったので、その場でこちらの課題や希望をお伝えすることができ、ますますデジタルマーケティングへの関心が刺激されました。自発的にイノーバさん主催のいくつかのウェビナーに参加したり、Webサイトで情報収集したりして、イノーバさんについても理解が深まりました。
「DX GO」はSEO記事から新規リードを獲得したいという目標がありました。
イノーバさんは、すでに満足度の高いSEO記事を制作いただいた実績と、私自身に安心感が醸成されたことが決め手となり、コンテンツマーケティング全般のサポートも、オウンドメディアの立ち上げもお任せできると判断しました。
結果、比較検討の手間を掛けるまでもなくほぼ即断でした。
サービス内容について
オウンドメディアを立ち上げ、読者の心を掴むコンテンツを安定発信
2021年より伴走支援サービスを導入し、オウンドメディア「DX GO」の立ち上げに際してサイト制作サービスを併用しました。人材不足や業務効率化に悩む中堅・中小企業に向けて、DXについて発信できるプラットフォームとコンテンツを作りたいという思いがありましたが、イノーバさんに伴走いただくことで実現することができました。
デジタルマーケティングでは、コンテンツの質の高さを重視していますが、イノーバさんは、とにかく質の高いコンテンツを仕上げてくださいます。
SEO対策を徹底するのはもちろんですが、「読み物」としての価値が高い納得感のある記事を納品してくださいます。そのおかげで検索上位を目指すだけではなく、しっかりと読者の心を掴むことができているのだと感じています。
プロとの伴走でリソース不足を補い、”良質”なコンテンツを安定的に発信することが出来ています。
DX GO:https://usknet.com/dxgo/
得られた成果について
1年後に想定していた目標セッションを7カ月で達成
成果としては大きく3つ、成果を実感しています。
1. オウンドメディア「DX GO」の成長
2. コンテンツをナーチャリングにも活用
3. マーケティング推進力の活性化
オウンドメディア「DX GO」の成長
イノーバさんと伴走をはじめてから現在までの1年半は「DX GO」を立ち上げ、SEO対策を駆使して、より多くのお客様に見ていただくための期間と想定していました。当初は「DX GO」の月間セッション数が1万を越えるのに1年ほどかかると予想していました。しかし、実際には予想よりも早く、たった7カ月でこの目標を達成することができました。安定した集客という最初の目標を想定よりだいぶ早く達成できたため、今後の戦略も前倒しで実行できそうです。
検索結果で上位表示されるキーワードも増えてきて、最近では、外部企業様から広告掲載やコラボレーションなどを希望するコンタクトが来るようになりました。「DX GO」がメディアとして認知されていることに成長を感じました。
コンテンツをナーチャリングにも活用
長い間密にお付き合いし、当社についてもよく理解していただいているので、「事例インタビュー」や「eBook(ホワイトペーパー)」などSEO記事以外のコンテンツも、スムーズに制作できましたし、納得感のあるものに仕上げていただきました。これらはSEO記事とともにリード獲得に効果を発揮してくれていますし、ナーチャリングフェーズにもスムーズに活用できています。
マーケティング推進力の活性化
オウンドメディア「DX GO」を立ち上げるという目的は果たしたところですが、運営にかかわる担当者は社内に1名しかおりません。
デジタルマーケティング周辺のテクノロジーは日々進化しているので、キャッチアップしきれない情報がたくさんあります。また、社内ではマーケティングについて、意識や課題感を共有できることが少ないので、マーケティングの話が何でもできる、“通じる言葉”で一緒に対話や議論ができることを嬉しく思っています。そのおかげでスムーズに課題解決ができています。
イノーバさんに伴走いただきながら、情報交換をしたり、ノウハウを教えてもらったりすることで、当社にもスキルが身に付いてマーケティング推進力が活性化しているのを実感しています。
報告書ナンバー1
「成果」とは違いますが、評価していることのひとつが報告書です。定例会で毎回提出いただいている報告書の内容が本当にすばらしい!多くの企業とお付き合いがありますが、イノーバさんの報告書がナンバー1だと思っています。現状の分析や、分析から得られた課題の抽出、その解決策などを丁寧且つ的確にご報告いただいています。
当社のことはもちろん、時流やマーケットのこともよくリサーチしてくれているので、提案は的確で気付きが多く、すぐにトライしたくなるモチベーションも一緒にいただいています。読んでいるだけで勉強になる報告書です。
社内に起きた変化
デジタルマーケティングの推進が組織づくりの基盤に。
当社は50年以上の歴史があるので、年々ユーザーは増え続け、今や相当数のユーザー様がいらっしゃいます。営業担当は、保守・継続・アップセル・クロスセルなど既存ユーザーのカバレッジで手いっぱいな部分も多いので、新規案件の獲得はマーケティング本部が担っています。つまりマーケティング本部がリードを獲得して営業担当につなげていかなければ、新規ユーザーが増えていきません。少しでも確度の高い案件を渡せるようにと常に心がけていますし、新規ユーザーの開拓において営業担当にも期待してもらえるようになってきたと感じています。
当社はTHE MODEL型の組織を導入しています。THE MODEL型の営業プロセスを運用していくうえでは、マーケティング、インサイドセールス、フィールドセールス、そしてカスタマーサクセスという各部門間の連携が欠かせません。強固な組織づくりのため、2022年度から営業関連職の新入社員はまずマーケティング本部に配属し、1年間インサイドセールスを経験してから営業部門に配属する育成プロセスを導入しました。それぞれの部門の役割や部門間が連携することの重要性、SalesForceにデータを蓄積することで新規顧客の流入元、どのような態度変容でインサイドセールスがリードフォーローを始めたか、そしてどのような経緯で営業にリードパスしたかの情報共有の価値を身をもって経験してもらっています。
全社的にデジタルマーケティングを推進するため、横断的な組織づくりの基盤を築きはじめたところです。
今後の目標
リード獲得・教育インフラ・将来的にはマネタイズへの期待。
多面的な役割を持つメディアに成長させる
今後の短期的な目標としては、今まで以上にコンバージョンにこだわり、いかに良質なリードをどれだけ多く獲得するかという点を追求したいと思っています。そのためにはビッグワードでいかにして上位表示させるかが重要です。簡単ではないことは理解していますが、理解したうえでイノーバさんに知恵をお借りしたいと思っています。
また、コンテンツは社内のDXリテラシーを高めるための教育インフラとしても活用していく予定です。
将来的にはDX関連メディアとして成長し、リード獲得はもちろんのこと、広告やタイアップなどで「稼げるマーケティング」としての一面も強化できると期待しています。
このように単なる情報発信プラットフォームではなく、さまざまな側面をもったメディアとして成長させていきたいと考えています。
担当コンサルタントより
ユーザックシステム様は、デジタルマーケティングに対してROIだけでなく、組織づくりや人材育成、ブランディングなどさまざまな価値を見出し、有機的にマーケティングを構築されていらっしゃいます。大崎様のように、マーケティング業界のご出身で知見・経験の豊富な方がBtoB企業のマーケティング部門に携わっておられるケースは少ないので、稀有な成功例ではありますが、目指すべき姿でもあると感じています。
「通じる言葉で会話ができることが嬉しい」とおっしゃっていただきましたが、お客様と”一緒に実行している”というのは、コンサルタントにとっても幸せな感覚です。
マーケティングとしてはまず集客やコンバージョンなどの成果を追うことが中心にはなりますが、目指すべきところのイメージはしっかり共有していますので、ひとつレイヤーがあがった次の一歩も一緒に踏み出せるようサポートさせていただきます。
氏名 | 住谷 梨恵 / Rie Sumiya |
部署名 | コンサルティングG シニアコンサルタント |
経歴 | 大学卒業後、音楽配信サービスを提供している企業のプロジェクト営業課に配属。 新規開拓営業として光回線の代理店営業、グルメサイトの企画提案を行う。 その後、化粧品販売、旅行冊子の企画編集職を経験。 企業規模に関わらず、ユーザーニーズに合ったコンテンツを発信することで 将来の見込み顧客と接点を持て、収益に繋がるコンテンツマーケティングに可能性を感じ、イノーバに入社。 |
企業名 | ユーザックシステム株式会社 |
本社所在地 | 〒103-0015 東京都中央区日本橋箱崎町4-3 国際箱崎ビル4F |
電話 | 03-6661-1210(営業・サポート窓口) |
事業内容 | ・ RPA関連のパッケージ開発、販売、サポート ・ 物流、帳票、EDI関連の業務改善ソリューションの開発、販売、サポート ・ モバイルデバイス用アプリの開発、サービス提供 ・ AR(拡張現実)を利用したアプリの開発、サービス提供半導体、ボード、ソフトウェア、電子部品等の販売、設計・開発 |
企業サイト | https://www.usknet.com/ |
取材:2023年4月