導入事例
成果の出るコンテンツでリードを獲得。営業部門にも期待されるサイトへ
- 戦略商材である「Microsoft Azure」の認知獲得において、Webサイトのアクセス数が伸びず、リードを獲得できていなかった。
- Microsoft Azureの強みや、東京エレクトロンデバイスの技術力など差別化のポイントを明確にする
- 成果獲得だけでなく、サイトは重要な営業ツールであることを実際に示すことでの部署内の意識改革を同時に行う
- アクセス数が大幅に伸び、月次のホットリード獲得目標に対し、最大で2倍を超える成果が出た
- 社内においてWebサイトの重要性が認識され、マーケティングプラットフォームとしての活用が進んだ
技術商社機能をもつメーカーを目指し企業のDXに寄与
東京エレクトロン デバイス株式会社は、半導体や電子デバイスを扱うエレクトロニクス商社としてスタート。ネットワークやストレージ、ソフトウェアなどIT関連の製品の販売、保守へと事業を拡大しながら、プライベートブランド製品の製造、販売や、基板の設計量産受託サービスなどを提供している。
同社のエッジクラウドソリューション部では、2016年に取り扱いを始めた「Microsoft Azure」のサイトを立ち上げたものの認知がなかなか進まないことが課題であった。そのような時にイノーバのサイトで伴走型支援サービスを見つけ、問い合わせを行った。何回かのやり取りの後に伴走型支援サービスを導入。集客・リード獲得を目的とした既存サイトの再構築やコンテンツ制作を行うことで、サイトアクセス数を増やすだけでなく、ホットリードにつながる仕組みづくりに取り組まれ、部署内の体制も整えていかれた。
イノーバの伴走型支援サービス導入から今日まで、得られた成果などについて、マーケティング担当の国分亮子氏、古久保真実氏、福井洋子氏に話をうかがった。
事業内容
IoTソリューションの提案、構築やサポートを提供
国分: 私たち3名が所属するエッジクラウドソリューション部では、組み込み向けソリューションのWindows for IoT(以下Windows)や、クラウドAI・IoTソリューションのMicrosoft Azure(以下Azure)、セキュリティシステムなどを扱っており、製造業のお客様が大半です。
Windowsは取り扱いを開始して30年の実績がありますが、さらに、時代の流れと共にマイクロソフト社のフォーカスがクラウドにシフトしたことに伴い、2016年にマイクロソフト社から、Azure CSP(クラウドソリューションプロバイダー)プログラムにおけるディストリビューターに認定されました。これにより、現在ではWindowsに加えてAzure CSPを自社利用企業様とリセラー企業様に販売しており、2023年1月現在で500社以上の自社利用企業様、180社以上のリセラー企業様にご利用いただいています。また、マイクロソフト製品に対する高い技術力と豊富な実績をもつパートナーを対象に毎年選出される「マイクロソフト ジャパン パートナー オブ ザ イヤー」のInternet of Things アワードを4度受賞しており、多くの企業の DX 推進をご支援しています。
抱えていた課題
Azureをどのように認知させたらいいのかが分からない
国分: 以前は組み込み向けWindowsの販売が中心でしたので、Windows関連の情報を紹介するサイトを充実させ、お客様からのお問い合わせを多くいただいていました。Azureの取り扱いを始める時には、Windows販売で培った製造業の知見を生かしてAzureを製造業向けIoT分野で伸ばしていこうと、新たにAzureのサイトを立ち上げました。ただ当時は IoT という言葉が世の中に浸透し始めたばかりであったこともあり、アクセス数がなかなか伸びず、そもそも IoT を知っていただくには何を訴求すれば良いのか、どのようなコンテンツがあればアクセスを伸ばせるのかなど、正直、いろいろと模索している状況でした。
実は、イノーバさんに支援いただく前にも、別のコンサルタントの方にご支援はいただいていました。ただ、改善の考え方などについてのアドバイスをいただくところまでの契約でしたので、具体的なコンテンツ作成は自分たちで行っていました。しかし、色々と調べる中で、アクセス数を伸ばすなら SEO 対策が必須だと考え、サイト運用に関するアドバイスを受けながら、コンテンツ作成もフォローしてもらえるところを探すことにしました。
古久保: 弊社ではそれまで、足で稼ぐという営業スタイルが中心でしたがデジタルマーケティングにシフトする必要性を強く感じていました。
そこで社外のコンサルタントに入っていただき、当時のサイトが訪問者からどう見えているのかを 外部目線で分析いただき、結果を部内向けの場で共有することで、 部署内のデジタルマーケティングへの意識改革も行いました。 しかし、サイトの重要性を認めてもらうには、リード獲得という成果が何より必要でした。 少しして、コロナ禍でそれまでの営業スタイルを維持しにくくなったという事情もあり、直接会いに行けないお客様をサイトを通してどう取り込むのか、新規のお客様をどう発掘していくのかという課題も浮上しました。
イノーバに依頼した決め手
レスポンスの良さと提案の的確さは、群を抜いていた
古久保: SEO 対策をお願いするなら、Webで検索した時にファーストページに出てくる会社であることが必須だと思っていました。そこで検索して上位に出てくる何社かに資料請求をしたりセミナーに参加したりして、依頼先の検討を進めました。そのうちの一社がイノーバさんだったのですが、宗像社長のセミナーに参加してみたところ、これが本当におもしろかったんですよね。オンラインならではの話し方や見せ方みたいなところも工夫されていて、デジタルを効果的に使うというのはこういうことなのだと感じました。
それで問い合わせをしたらすぐにご連絡があって会話をさせていただいたのですが、こちらからの質問に対して納得のいく的確な返答がいただけました。その後の打ち合わせでも、あらかじめ私どものサイトをしっかりチェックいただいていたようで提案がとても的確だったことも印象に残っています。最終的に、改善後のイメージが最もつきやすかったイノーバさんにお願いしようと決めました。
サービス内容について
改善の第一歩は強みと差別化ポイントを見出し、SEO対策とは何かを知ることから。
古久保: サイトの導線設計から見直し、アドバイスをもとにグローバルナビゲーションを変え、そこから階層全体の調整を進めました。
国分: 今思うと SEO で考慮すべきことが理解できていませんでした。
当社がこれまでサイトで掲載してきたコンテンツは、技術解説など専門性の高いものが中心でした。イノーバさんには、Webサイトにおいて eBook(ホワイトペーパー) やコラムにはどういう役割があるのかという基礎的なことから、SEO の観点からどのようなコンテンツにすべきなのかなどを細かく教えていただきました。また、イノーバさんと会話を重ねることで、自分たちも整理しきれていなかった強みや差別化の要素を再確認することができて、コンテンツの質の面でも深みが出たと思います。
福井: コラムを月2回程度の頻度で更新し始めると、約半年ほどで目に見えてアクセス数が伸び始めました。イノーバさんの伴走支援の一環で2020年11月頃にeBookをサイトに掲載しはじめたのが大きな転機でした。2021年の4~6月の3カ月、10~12月の3カ月間で比較してみると、オーガニックサーチが約3倍に伸びています。
また、最初のゴール設定は Azure サイトから問い合わせを獲得することとしていましたが、アドバイスをいただき、途中からソリューション関連の資料ダウンロードなど明らかに Azure採用見込みが高いホットリードをカウントすることに基準を変えました。その目標についても、2022年に前半にクリアしました。
古久保: もちろん、SEO対策は、対策をした翌日から数値が急に跳ね上がるわけではなく、また、これで絶対に上がるという保証があるわけでもないため、最初のうちはこのやり方で合っているのだろうかという不安がまったく無かったわけではありません。ただ、イノーバさんが当初から言われていた、結局のところ質の高い情報を提供し続けることで評価が上がっていく、ということは正しいとあらためて振り返って思います。
引用:https://esg.teldevice.co.jp/iot/azure/
部署内に起きた変化
部署内でサイトが重要な営業ツールだと認識されるようになった
国分: サイトに対する部署内の理解も深まりました。毎月部署内でレビューを行うのですが、アクセスやリード獲得の大幅な増加を実績として伝えられるようになったことで、営業担当もサイトを重要な営業ツールと認めてくれるようになりました。
コールド・ウォーム・ホットとリードを3段階に分類して、eBook(ホワイトペーパー)やコラムからのページ遷移も見ながら一番注目度の高いホットリードになったら営業につなげるという部署内の流れもつくることができました。現在は、より確度の高いホットリードを増やすために、イノーバさんにアドバイスいただきながらさらなる改善を進めています。
福井: 当初はアクセス数やセッション数など数値を追いかけることに夢中になり、数値が上がると嬉しかったのですが、希望どおりに数値が上がってきた時に何をするんだというところまでは考えていませんでした。イノーバさんからは次につなげるための施策を適宜アドバイスいただいてありがたく、とても勉強になっています。
古久保: また、コラムやeBook(ホワイトペーパー)を紹介するメルマガを配信することで、ダウンロード数が増えました。当初はメルマガも送りすぎると拒否されるのではと懸念していたのですが、テーマや本文などについてイノーバさんにアドバイスをいただいたことでその懸念は杞憂に終わりました。そうした細かいところまで専門家のアドバイスを受けられるので、私たちも何をどうするのかの決断がしやすいです。悩んだら専門家にすぐ相談できる心強さを実感しています。
今後の目標
これまでの知見を生かし、次の目標はより一歩進んだサイトの活用化
国分: 最初は一から十までサポートいただく伴走支援サービスを受けていましたが、私たちも自走できるところを増やしつつ、eBook やコラムの制作をサポートいただきながら、リード獲得を強化していくつもりです。現在はステップメールを送ることでリードのナーチャリングをしていますが、より商談に近いリードを営業に渡せるようなコンテンツを増やしていきたいと考えています。そのためにもイノーバさんの力を今後もお借りしたいと思っています。
古久保: 数値として結果が出たこともあり、社内の意識も変わって、デジタルマーケティングをやりたいという他のグループが増えてきました。商材が違えばターゲットも変わるので、Azure サイトでやったことが全て通用するかどうかは分かりませんが、私はセキュリティ商材のマーケティングも担当していて、こちらにも可能な限り学んだノウハウを取り入れていきたいです。
福井: 次のステージ、ステップに進むためには、やはりイノーバさんの俯瞰的な視点が重要だと思っています。外部の方の視点はすごく刺激的なので、引き続きアドバイスをいただきたいと思っています。
イノーバがご支援したサービスサイトはこちら
https://esg.teldevice.co.jp/iot/azure/
担当コンサルタントより
東京エレクトロンデバイスのご担当のみなさまとは、私もチームの一員として、オンラインマーケティングを推進させていただいています。本プロジェクトにおいては、オンラインマーケティングの現状を詳細にお聞きしたり調査したり、訴求すべき会社や商材の強みを再考するところから始めさせていただきました。
現在のビジネス環境は市場やマーケティング技術が短い期間で変化してゆく特徴があり、短期的な成果も大切ですが、中長期のスタンスや視点を持つことが、マーケターとしてより重要になってきていると考えています。東京エレクトロンデバイスのご担当のみなさまは、本プロジェクトを通してすでにマーケターになられていますが、今後も一緒に、東京エレクトロンデバイス様のビジネスをドライブするマーケティングを推進していきたいと考えております。
氏名 | 高村 治男 / Haruo Takamura |
部署名 | コンサルティングG シニアマネージャー・シニアコンサルタント |
経歴 | 慶應義塾大学法学部卒業。NTT→NTT東日本にて、企業向けネットワーク等の実装および運用の企画提案・プロジェクトマネジメントを行う。その後マイクロソフトにて、Office 365 を中心としたクラウドサービスのソリューションスペシャリストとしてセールス・マーケティングを推進。イノーバでは、インハウスマーケティングを経てマーケティングコンサルティングに従事 |
企業名 | 東京エレクトロン デバイス株式会社 |
本社所在地 | 〒221-0056 神奈川県横浜市神奈川区金港町1番地4 横浜イーストスクエア |
事業内容 | 半導体、ボード、ソフトウェア、電子部品等の販売、設計・開発 ネットワーク、ストレージ、ソフトウェアの販売、保守サービス |
企業サイト | https://www.teldevice.co.jp/ |