導入事例
明確なペルソナ設定とキーワード選定で、法人向けECサイトでの顧客単価が60%増
- ECサイト内にブログページを設けていたが、売上につながるコンテンツ作成と展開ができていなかった。
- コンテンツマーケティングを行いたいと思っていたが知見が乏しく、もっぱら広告運用で予算を消費していた。
- 缶バッジ制作事業者 からの注文数を増やしたい。
- ECサイト上のコラムを充実させることで、競合他社と比較したときの提供情報での優位性を築きたい。
- アクセス数、オーガニック流入数、ユーザー数、PV数、顧客単価等様々な指標数値が向上
製作用パーツと缶バッジマシンの販売に特化したユニークな会社
株式会社ベックは、缶バッジ製作に必要なパーツおよび缶バッジマシンをECサイト「バッジマンネット」で販売しているメーカーです。創業者であり代表取締役のベック・ジョナサン氏の方針で、缶バッジの製作自体を請け負うのでなく、パーツ類の販売に徹していること、実店舗をもたずECサイトに特化されているという特徴があります。
お客様は、コンテンツIPホルダー、コンテンツIPホルダーから依頼を受ける缶バッジ制作事業者、プロモーション活動に使う缶バッジを自社で製作している企業など、多岐にわたります。また、缶バッジマシンは丈夫に造られており、小さなお子さんでも扱いやすいため、缶バッジ製作のワークショップ主催者からのご注文をいただくこともあります。
もともと「バッジマンネット」内のブログページ「ビジネスのための缶バッジ活用術」で缶バッジの魅力や缶バッジがビジネスにどう活かせるのかといった記事を公開はしてきましたが、「最初からECサイトの売上につながるコンテンツの展開ができていたわけではない」と営業担当の山下将人氏は話します。今回は、イノーバのBtoBマーケティング伴走型支援サービスの導入から導入後の成果までうかがいました。
抱えていた課題
既存のオーガニック流入と共食いを起こさない流入経路を作りたい
私がベックに入社した2017年当時は、Google広告での「バッジマンネット」の周知がメインでした。一方で、「缶バッジマシン」、「缶バッジパーツ」など、弊社の商材に合った一部のキーワードでのオーガニック検索でもすでに上位は獲得できていました。
広告を出せばアクセス数は増えます。しかし、それは一時的なもので継続的な投資が必要です。
オーガニック検索で上位を取れているなら、同じキーワードに対する広告を打たずに、違う方法でアクセス数を伸ばしていくべきではないかと思い、マーケティング施策について調べ、コンテンツマーケティングの存在を知りました。
そこで、「バッジマンネット」内に缶バッジビジネスを応援することをテーマした「ビジネスのための缶バッジ活用術」というブログコーナーを作りました。オーガニック検索でブログページに集客し、そこから購入ページへの回遊を増やそうと考えたのです。
最初は、私とデザイナーの2人しか担当者がいなかったので手が足らないこともあり、コンテンツ制作会社に制作を依頼することにしましたが作成されたコンテンツはベックのファンづくりにはつながっているものの、SEO対策ができているコンテンツではなく、最終的な目標であるECサイトの売上にはつながりませんでした。
缶バッジビジネスを応援する BADGE-MAN.NET ブログ
イノーバに依頼した決め手
書籍を愛読、コンテンツマーケティングならイノーバに依頼したい
私がベックに入社して最初に取り組んだのがコンテンツマーケティングでしたが、経験も知識もないので、どのような取り組みが有効なのか、何から手をつければいいのかも分からず、まずはマーケティングリテラシーを身につけるために独学で勉強していました。そのなかで出会ったのが、宗像社長の書籍『いちばんやさしいコンテンツマーケティングの教本』です。
そういった経緯から、コンテンツマーケティングの支援をお願いするのであればイノーバさんにお願いしたいとずっと考えていました。
実際にBtoBマーケティング伴走型支援サービスを利用し始めのは2022年7月からで、支援を受けると決めたきっかけは、私がお客様にお会いして、「バッジマンネット」のコンテンツについての話を聞いたことです。
これまでお客様に「バッジマンネット」について深く聞く機会はなかったのですが、話を聞いてみると「バッジマンネットをよく見ている」、「缶バッジ業界のインフラみたいな存在だ」など、想像していた以上の高い評価をいただきました。
しかし一方で、お客様にいただいている評価の高さに、展開しているコンテンツの質がまだまだ追いついていないのではないかと感じ、このお客様の評価とコンテンツの質の間にあるギャップを埋めるために、プロからの支援を受けることが必要だと感じました。
ベックは展示会への出展も実店舗もなく、オフラインでの露出をほとんどしておらず、ECサイトだけで売上を立てています。
このスタイルは同業の中でもかなり珍しく、オーガニック検索によるブログページへの集客とブログページから購入ページへの回遊で缶バッジの需要喚起ができれば、さらなる差別化につながると考え、本格的なコンテンツマーケティング実施のためにイノーバさんにお声がけをいたしました。
導入現場での所感
こちらの要望にも耳を傾けながら、しっかり結果を出す
イノーバさんにはSEOコンテンツだけでなく、ホワイトペーパーの制作もご依頼しました。制作していただいたホワイトペーパーは、「バッジマンネット」のことや缶バッジマシンのことを広く知ってもらう資料としても活用しています。
制作していただいたホワイトペーパーを「バッジマンネット」に訪問いただいた方にダウンロードしてもらうためにフォームを設けてリード情報を獲得することがBtoBマーケティングにおいて重要な取り組みであることは理解していますが、「バッジマンネット」はECサイトでもあるので、お客様ご自身のご都合に合わせて自由に購入するためのプラットフォームでなくてはなりません。フォーム入力を必須にすると、ECサイトにおいては間口を狭くするだけではないかと考え、フォームの設置はしませんでした。
ダウンロード資料一覧:https://www.badge-man.net/?main_page=document_request
一般的なホワイトペーパー施策においてはリード情報を獲得することは必須かもしれませんが、イノーバさんはベックの特徴やECサイトの特性を理解して、フォーム入力なしでコンテンツマーケティングの仕組み作りを支援してくださいました。
依頼する前は、「コンテンツマーケティングとはこうです」、「こうしなければ結果が出ません」と型にはめられるのではないかと心配していましたが、そんなことはなく、こちらの要望にも柔軟に対応してもらえました。そのうえで結果はしっかり出ていましたし、定例ミーティングで顔を合わせていくなかで一つのチームのような感覚になれたと思っています。
依頼して得られたこと
軒並み数字がアップ。特に顧客単価60%アップは嬉しい結果
「ビジネスのための缶バッジ活用術」のコンテンツ数が充実してきたことの影響か、直近3カ月のアクセス数は去年の同じ期間と比較して63%も伸びました。他の指標についても、オーガニック流入は95.7%、ユーザー数は76%、そしてPV数も53%アップと、ECサイトにユーザーを引き込めていると実感しています。
注目しているのは顧客単価が60%アップしたことです。これは本当に嬉しい結果です。実をいうと、比較した前年同月期間の売上は決して悪くありません。むしろ好調な月でこの結果ですから、今後も期待したいと思っています。
顧客単価がなぜ上がったのかについて考察してみたのですが、私の推測ではペルソナ設定が大きいと思っています。ペルソナ設定については、イノーバさんのサービス開始の段階で細かく打ち合わせをしました。ある業界をターゲットに絞ったのですが、ペルソナ設定がしっかりできたこと、そのペルソナ設定からぶれることなくコンテンツを配信できたことが顧客単価を上げることにつながったのでしょう。
また以前にファンづくりを目的とした他社制作記事と、缶バッジビジネスに役立つことを目的としたイノーバさんの制作記事とを比較すると、イノーバさんの記事からは購入ページに遷移されていることが多く、直帰率がとても低いです。現在も公開しているファンづくりの記事では缶バッジ製作には関係ないキーワードで検索されて流入してきているので、訪れたユーザーは缶バッジ製作には興味がなく、直帰しがちです。違いがはっきりと出ています。
社内に起きた変化
十分な資料が提供され、経営層を納得させることができた
社内でも進捗を報告していますが、軒並み数値が上がったことで信頼されたのか、施策に対して何か言われることはありません。
それよりも社内に変化を起こせたと感じたのは導入時です。BtoBマーケティング伴走型支援サービスを受けるためにはサービス料を支払わなければならず、弊社にとっては決して安い金額ではありませんでした。私としては支援を依頼するなら、イノーバさんしかいないと思っていたので、経営層を説得する必要がありました。
導入推進者である私の課題を乗り越えるために、イノーバさんは資料を作成してくださいました。その資料には競合他社のアクセス数など調査した内容に加え、「バッジマンネット」の集客力も高く評価されていました。ここまで把握されているイノーバさんに依頼すべきだと確信しましたし、この資料が説得材料になり経営層も納得してくれたことで、前進できました。
今後の目標
ホワイトペーパーのダウンロード数向上を目指す
まずホワイトペーパーのダウンロード数をさらに伸ばしたいです。露出を増やしたり、表示方法を変更したりなどして、もっと多くの方に見ていただくようにすることが当面の課題です。
また、ECサイトを活用してリピーターを増やしたいです。新規顧客を取り込むのはもちろんですが、リピーターをいかに増やすかが重要だと思っています。ホワイトペーパーを誰でも自由にダウンロードできるようにしたことが新規顧客向けとするなら、リピーターには限定情報の提供など施策を実施したいです。
担当コンサルタントより
ベック様のECサイト「バッジマンネット」のコンテンツマーケティングをコンサルタントとして支援させていただいております。本プロジェクトにおいては、サービスの強みやビジネスの現状からターゲットペルソナを設計し、ペルソナがコンテンツを通じて態度変容するにはどのようなコンテンツが必要なのかをマッピングする形でバイヤージャーニー設計するところから始めてまいりました。
毎月の定例ミーティングでは、分析結果と課題をご報告し、改善案を提案させていただいております。ベック様はマーケティングに対する意識が高く、提案した施策はいつも素早くご対応くださるので、成果に繋がりやすく好循環を作れていると実感しております。本プロジェクトを通じて顧客単価が大幅にアップしたとお聞きし、間接的にではありますがベック様の売上に貢献できたことを大変嬉しく存じます。今後もベック様のビジネスに貢献できるよう精一杯ご支援させていただきます。
氏名 | 上西 美樹 / Miki Uenishi |
部署名 | コンサルティング部 コンサルタント |
経歴 | 新卒で複合機メーカーに入社し、SCMプロジェクトを推進。企業統合に伴うロジスティクス領域のオペレーション統合などに携わる。その経験を踏まえ、電機メーカーのグループ会社でBPRプロジェクトに参画し業務改革に携わる。その後、Webに興味を持ち始めてWebとグラフィックに関する勉強を始めたことをきっかけにEC代行支援会社に入社し、ECディレクターとしてBtoC商材の売上増加に貢献。マーケティング力をさらに伸ばしたいと思いイノーバに入社し、コンサルタントとしてお客様のBtoBマーケティング活動を支援。 |
企業名 | 株式会社ベック |
本社所在地 | 〒501-4232 岐阜県郡上市八幡町初音4389 |
電話 | 0575-65-5311 |
事業内容 | 缶バッジパーツ および缶バッジマシンの販売 |
企業サイト | https://www.badge-man.net/ |
取材:2023年6月