また、ライブイベントが中止になる一方で、動画ストリーミングが需要と人気ともに高まっている。コロナ危機を迎え、ビジネス全般のさらなるデジタル化が予測されるいまこそ、企業のリーダーたちはデジタルフォーメーション(DX)プロジェクトを推進する必要がある。
そこで、ウォートン・スクールのメディア「Knowledge@Wharton」から、“アフターコロナ”を見据えたDX戦略ガイドを、イノーバ代表取締役社長CEO・宗像淳さんによる抄訳でお届けしよう。
そして新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の危機が起きた。企業は在宅勤務を推進したり、インターネットを通じたサービス提供方法を模索したりするなど、目先の対応に追われている。しかし、コロナ危機のいまこそ、DX化を強力に推進していかなければならない。
DXを失敗させないために
2. 検討に時間をかけすぎる: そもそも、コロナ危機下ではDX検討をゆっくりと進めている時間は無い。かといって、クラウドツール導入を安易に進めて失敗することは避けなければならない。
3. コスト削減だけを考えてしまう: コスト削減や生産性改善を重視しすぎると、ビジネスモデル変革のために有用なアイデアが社内から生まれなくなり、コロナ危機が終わったときに成長余地がなくなるだろう。
デジタルリーダーに必要な「3つのスキル」
コロナ危機のいまだからこそ、デジタル化を推進する経営リーダーやマネージャーは、自らのスキルを強化する必要がある。我々は、トライアスロン選手になぞらえて「デジタルトライアスリート」という考え方を提唱している。
● デジタルストラテジスト: 新たなトレンドやテクノロジーを先取りする戦略家の役割。小さな実験を行いながら、顧客や事業運営の変革を推進する方法を見つける。来るべき未来を想像し、デジタル技術を活用する方法を見つけだす。
● デジタルイノベーター: 現状維持を打破し、未来のビジョンに向けて組織を動かす“起爆剤”となる役割。現状維持の考え方や働き方を変え、企業のデジタルデータを活用し、DXによる競合優位性を確立する。
● デジタルドライバー: 組織全体で部門間調整を行ってスピードを上げる実行管理者の役割。適切にビジョンが設定されていること、変革が継続していること、プロジェクトが迅速に実行されていることを担保する。また、組織全体のデジタル人材の育成も含む。
ウォートンが提唱する「デジタルトライアスリート」になるためは、「デジタルストラテジスト」「デジタルイノベーター」「デジタルドライバー」の3つのスキルを身につけなくてはいけない Illustration: Knowledge@Wharton