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イノーバマーケティングチーム2024/03/08 8:13:145 min read

【保存版】CMSの全機能を網羅!選び方から活用術まで完全マスター

1. はじめに

皆さん、こんにちは。近年、Webサイトの構築・運用には欠かせない存在となったCMS(コンテンツ・マネジメント・システム)。その普及に伴い、CMSの機能も日々進化を遂げています。しかし、CMSを活用しきれていない企業サイトも少なくありません。

本記事では、Web担当者の皆さんに、CMSのもつ多彩な機能と、その効果的な活用方法をお伝えします。基本的な特徴から、最新のマーケティング活用まで、網羅的に解説していくので、ぜひ導入前の検討や、運用改善にお役立てください。

デジタル時代の競争を勝ち抜くために、CMSのポテンシャルを余すことなく引き出していきましょう。

2. CMSの主要機能と特徴

2-1. コンテンツ作成・編集機能

CMSの中核をなすのが、コンテンツ作成・編集機能です。複雑なHTMLやCSSのコーディングなしに、直感的な操作でページを更新できるのが大きな特長ですね。

直感的な操作性

  • WYSIWYGエディタ:見たままの編集画面で、リアルタイムにレイアウトを確認しながら執筆できます。
  • ドラッグ&ドロップ:画像やリンクなどの要素を、感覚的に配置・移動できるのも魅力です。
  • インライン編集:公開ページ上で直接編集できる機能で、手戻りなくコンテンツを改善できます。

リッチテキストエディタ

  • 書式設定・装飾:見出しや箇条書き、テーブルなど、多彩な表現力でわかりやすいコンテンツを作成可能です。
  • メディア埋め込み:動画や地図、SNSの投稿などをビジュアルに組み込んで、訴求力を高められます。
  • ショートコード:特殊な機能を呼び出すための短いコードで、テンプレート化された表現を簡単に実装できます。

メディアライブラリ管理

  • アップロード・分類・検索:画像や動画、資料などあらゆる素材を一元管理。必要な素材にすぐアクセスできます。
  • リサイズ・トリミング:サムネイルの自動生成やトリミング機能で、最適な表示を実現。
  • メタ情報の編集:代替テキストや説明文などを整備して、ユーザビリティとSEOを高められます。

2-2. ページ管理・テンプレート機能

Webサイト全体の構成を把握し、一貫性のあるデザインを維持するのがページ管理・テンプレート機能の役割です。サイト設計の思想を、具体的に体現していく基盤になります。

ページの階層構造

  • 親子関係・順序:トップページを頂点に、各ページの上下関係と順番を定義。情報の関連性を明示します。
  • ナビゲーションの自動生成:設定した階層に基づいて、グローバルナビやサイドバーのメニューが動的に生成されます。
  • パンくずリスト:現在位置を視覚的に示すナビゲーションで、ユーザーの迷子を防ぎ、離脱を減らせます。

テンプレートによるデザインの一貫性

  • ヘッダー・フッター:サイト共通の構成要素を一括管理。ロゴやタイトル、連絡先などを統一的に表示できます。
  • 共通要素の反映:更新日時やカテゴリ、関連記事など、テンプレートに組み込んだ要素が自動的に挿入されます。
  • CSSによるスタイル定義:デザインの詳細をCSSで一元管理。サイト全体の見た目を一気に変更できる柔軟性があります。

レスポンシブデザイン

  • モバイルフレンドリー:PC、タブレット、スマートフォンなど、あらゆる画面サイズに対応した表示を実現。
  • ブレークポイントの設定:画面幅に応じて要素の配置を切り替えるポイントを柔軟に設定できます。
  • 要素の可変対応:文字サイズや余白、画像の縦横比などをレスポンシブに調整。情報の読みやすさを損ないません。

章末要約:コンテンツ作成とページ管理は、サイトの根幹をなす機能です。情報設計に基づいた直感的な操作で、一貫性と柔軟性を両立しましょう。

2-3. ユーザー管理・権限設定機能

サイト運営チームが増えるほど、役割分担と情報セキュリティが重要になります。ユーザー管理・権限設定機能で、安心・安全・円滑な協働を実現しましょう。

複数ユーザーでの分業

  • ロール・権限の概念:ユーザーごとに異なる役割を設定し、できる操作を制限。ミスや不正を防止します。
  • 編集者・投稿者・管理者:代表的なロールとして、コンテンツ作成、公開承認、システム管理などを分担。
  • 部署・拠点ごとの権限分離:組織の構造に合わせて、きめ細かくアクセス範囲を設定できます。

権限によるアクセス制御

  • 機能別アクセス制限:ページの作成、更新、削除など、操作レベルで実行可能な範囲を指定。
  • コンテンツの公開範囲設定:ページやファイルごとに、閲覧・編集できるユーザーやグループを限定できます。
  • IPアドレスによる制限:社内ネットワークからのみアクセスを許可したり、国ごとのブロッキングなども可能。

承認ワークフロー

  • 申請・承認・却下の流れ:コンテンツの変更を申請し、上位者が承認・却下。レビューと公開のプロセスを明確化。
  • 多段階の承認ステップ設定:部長承認、役員承認など、組織の意思決定フローに合わせた複数ステップを設けられます。
  • 差し戻し・コメント機能:修正箇所を的確に指示し、スムーズに品質を高めていけます。

2-4. セキュリティ・メンテナンス機能

Webサイトには、常に内外の脅威にさらされているというリスクが伴います。セキュリティ・メンテナンス機能を適切に活用し、事業継続を脅かす危機を未然に防ぎましょう。

定期的な自動バックアップ

  • データベース・ファイルの保全:サイトを構成するすべてのデータを定期的に保存。不測の事態からの復旧を容易にします。
  • クラウド・外部ストレージ連携:遠隔地にバックアップを保管することで、ローカルの災害リスクを軽減。
  • 世代管理・リストア:異なる時点のバックアップを複数保持し、データ消失前の状態に戻せるようにしておきます。

バージョン管理と更新ログ

  • 差分の記録・可視化:コンテンツの変更箇所を自動で検出し、色分けして表示。改変状況を追跡できます。
  • 任意の時点への復元:過去の状態にワンクリックで戻せるので、更新ミスによる影響を最小限に留められます。
  • 変更内容のレビュー:更新ログを参照しながら、修正方針を話し合える材料になります。

脆弱性対策

  • 最新セキュリティパッチの適用:CMSやプラグインの提供元が公開するパッチを速やかに適用。既知の脆弱性を突かれるリスクを減らせます。
  • 不要な機能の削除:使っていない機能やプラグインは整理し、攻撃対象を減らしましょう。
  • 二要素認証・暗号化:ID・パスワードに加え、もう一段階の認証を設定。通信の暗号化も忘れずに。

2-5. 拡張性・カスタマイズ性

「組織や事業の成長に合わせて、Webサイトも柔軟に進化させていく必要があります。拡張性・カスタマイズ性に優れたCMSを選べば、外部との連携や独自機能の追加にも対応しやすくなります。

プラグインやモジュールによる機能拡張

  • 豊富なエコシステム:オープンソースCMSを中心に、多種多様なプラグインが開発者コミュニティで公開・共有されています。
  • 目的別の追加機能:SEO、ソーシャル連携、Eコマース、多言語化など、あらゆる用途に対応したプラグインを導入できます。
  • 定期的なアップデート:プラグインの開発者が継続的に更新・保守を行うので、新たな脅威や環境変化にも対応し続けられます。

APIによる他システム連携

  • データ連携・自動化:在庫管理システムや顧客データベースとの同期、問い合わせ内容の自動転記など、業務プロセスのシームレス化を推進できます。
  • 外部サービスとの認証連携:ソーシャルログインに対応することで、会員登録のハードルを下げつつ、データ収集の幅を広げられます。
  • ヘッドレスCMS化:バックエンドで情報を一元管理しつつ、表示側を柔軟に組み替えることも可能に。モバイルアプリなどへのコンテンツ流用が容易になります。

ソースコードレベルのカスタマイズ

  • PHPなどプログラミング言語の知識:オープンソースCMSの多くは、PHPで記述されています。詳細な改修を自由に行うには、一定の知識が求められます。
  • 独自機能・デザインの実装:外部のプラグインでは実現できない機能も、自前で開発することで無限の可能性が広がります。
  • パフォーマンスチューニング:表示速度や同時アクセス数など、サイトのパフォーマンス改善に直結するきめ細やかな設定変更が可能です。

3. CMSを活用したマーケティング施策

3-1. SEO対策

検索エンジンからの流入は、多くの企業サイトにとって生命線。CMSには、SEOのための各種機能が備わっているので、手間をかけずに効果的な施策が打てます。

パーマリンクのカスタマイズ

  • 検索エンジンに理解しやすいURL:英数字とハイフンで区切るなど、可読性の高いURLを設定しましょう。
  • キーワードを含める:商品名やカテゴリ名を含めることで、ページ内容と関連性の高い被リンクを狙えます。
  • 英数字・ハイフン区切り:読みやすく、語間の区切りもクリアなので、検索エンジンもページの構造を理解しやすくなります。

メタ情報の設定

  • タイトル・ディスクリプション:的確で魅力的な見出しと説明文を記入し、検索結果での注目度とクリック率を上げましょう。
  • OGP・リッチスニペット:SNSでの見栄えを高め、CTR向上に役立ちます。構造化データを活用したリッチスニペットにも対応を。
  • キーワード・文字数最適化:ターゲットキーワードを盛り込みつつ、適度な文字数に収めるのがコツです。

XML サイトマップ生成

  • ページの網羅的なクロール:サイト内のページを網羅的にリストアップしたXMLファイルを作成・更新。
  • 定期的な自動更新:新規ページの追加や更新を自動検知し、サイトマップに反映するよう設定しておきます。
  • Search Consoleへの登録:Googleの管理ツールにサイトマップのURLを登録。クロールの効率化とインデックス促進が見込めます。

3-2. コンテンツマーケティング

見込み客の興味関心を引き付け、ゆるやかに購買行動へ誘導していくコンテンツマーケティング。CMSの柔軟な記事管理機能とソーシャル連携機能は、理想的な実行基盤になります。

ブログ機能による情報発信

  • カテゴリ・タグ管理:記事をテーマごとに分類し、階層的に整理。関連記事へ誘導しやすくなります。
  • アイキャッチ画像:視覚的インパクトのある画像を設定し、読者の注意を引きつけましょう。
  • ソーシャルシェア促進:TwitterやFacebookのシェアボタンを記事に設置。拡散力を借りて、認知度アップを狙います。

タグ・カテゴリによる関連性の可視化

  • コンテンツのクラスタ化:共通点を持った記事を、タグやカテゴリでまとめることで、テーマごとの「まとまり」をアピールできます。
  • 関連記事表示:現在の記事と関連の深い記事を自動抽出し、回遊を促す導線に。
  • ピルファリング:絞り込み条件を組み合わせて探しやすくする機能で、ユーザーの目的に合った記事を素早く提示できます。

シェア・コメント機能によるエンゲージメント向上

  • SNSシェアボタンの設置:Twitterカードに対応させて魅力的なプレビューを表示。シェアを通じた拡散効果を狙います。
  • コメント欄の設置・管理:記事へのコメントを受け付け、顧客との対話を活発化。ユーザー同士のコミュニケーションも生まれやすくなります。
  • いいね・お気に入り機能:支持や共感を気軽に表明してもらうことで、ロイヤルユーザーを可視化。あわよくば二次利用につなげます。

3-3. リード獲得・ナーチャリング

コンテンツへの関心を具体的な見込み客情報の取得につなげ、成約により近いリードへと育成していく。これらの一連のプロセスを、CMSとマーケティングオートメーションツールが連携して支えます。

CTA(行動喚起)ボタンの設置

  • 資料請求・問い合わせ誘導:ホワイトペーパーなどのオファーへ誘うCTAを記事中・記事下に配置。
  • ポップアップ・スライドインCTA:離脱直前のタイミングを狙って、アクションを促すCTAを表示する工夫も効果的。
  • 目的別ランディングページ:リストに登録すると資料がもらえる、カタログを請求する、など目的に応じたCTAとLPを用意。

フォーム作成・管理

  • カスタムフィールド:住所、会社名、役職など、ターゲット像に合わせた入力項目をきめ細かく設定。
  • 入力データ検証:必須項目チェックや入力形式の検証ルールを設け、精度の高い情報を確実に取得。
  • 通知・自動返信メール:フォーム送信時に管理者に通知。ユーザー側にはお礼と次のアクションへの案内を自動返信。

メールマガジンとの連携

  • フォームとの統合:フォームの送信データを元に、自動でメルマガ登録処理。
  • セグメンテーション:リードの属性に基づいて、配信先リストを自動で振り分け。
  • 配信スケジュール管理:事前にメールの配信予約を行える機能で、最適なタイミングでの継続的なアプローチが可能に。

3-4. データ分析・効果測定

サイトの価値を最大化するには、データに基づく継続的な改善が欠かせません。アクセス解析の知見を施策立案やサイト設計に還元する、PDCAサイクルを効率的に回していきましょう。

アクセス解析ツールとの連携

  • アナリティクス・サイト内計測:Google Analyticsなどの外部ツールに加え、サイト内でもアクセスデータを蓄積。
  • イベントトラッキング:フォーム送信やCTAクリック、動画再生など、ユーザーアクションの発生を詳細に記録。
  • ヒートマップ・視線追跡:ページのスクロールデプスや要素への注目度を可視化し、UIの最適化に役立てます。

A/Bテスト・最適化

  • 表示バリエーション作成:見出しの文言、ボタンの色など、変更したい要素のバリエーションを準備。
  • 自動トラフィック振り分け:来訪者を均等にA/B両パターンに割り振り、一定期間のデータを収集。
  • 目標達成率の比較・検定:CVRなどの目標指標の達成度を比較し、統計的に有意な差があるかを検証。

ダッシュボードでの可視化

  • KPIの一元管理:PV数、直帰率、CVR、売上高など、重要指標をまとめて俯瞰できるダッシュボードを構築。
  • レポーティング・共有:サイト運営報告や施策の効果報告を効率化。チームメンバー全員に気づきと学びを還元。
  • データ連携・エクスポート:サイトデータと他システムのデータを組み合わせた分析を行えるよう、API連携やCSV出力に対応。

4. 業種・目的別のCMS活用事例

4-1. 企業サイト・ブランディング

自社の理念や強みを訴求し、ステークホルダーとの長期的な信頼関係を築くための企業サイト。CMSを使って、戦略的なブランディングコンテンツを積極的に発信していきましょう。

会社情報・ビジョンの訴求

  • 社是・経営理念:創業の原点から現在のビジョンまでを、歴史的文脈も交えて語るコンテンツで、志の高さを印象づけます。
  • 代表挨拶・インタビュー:トップの人柄や考え方を臨場感たっぷりに伝える記事は、組織文化への共感を呼びます。
  • 企業スローガン・タグライン:端的に覚えやすいフレーズを全面に打ち出すことで、ユーザーの記憶に残りやすくなります。

事業紹介・実績アピール

  • 事業領域・ソリューション:自社の手がける事業領域を体系立てて紹介。ソリューションごとに具体的な成功事例を例示するのも効果的。
  • 主力商品・サービス:フラッグシップ商品を魅力的に訴求。機能や価格面だけでなく、ユーザー視点での利点もわかりやすく伝えます。
  • 導入実績・利用企業ロゴ:大手・著名企業に採用されている証を示すことで、信頼感を醸成。

採用情報・問い合わせ導線

  • 社員インタビュー・座談会:若手~ベテランまで、多様なロールの社員の声を届けることで、等身大の会社の姿を伝えます。
  • 採用イベント・説明会情報:オンライン/オフラインの採用関連イベントを告知。参加ハードルを下げる工夫もしましょう。
  • 資料請求・問い合わせフォーム:来訪者の関心に合わせた資料請求や問い合わせの選択肢を用意。できるだけ具体的なニーズを汲み取ります。

4-2. ECサイト・オンラインストア

オンラインでの販売力強化に不可欠なECサイト。魅力的な商品訴求と使いやすい購買導線、安心・安全な取引基盤など、CMSのECパッケージに備わった機能を使いこなしていきましょう。

商品カタログ・在庫管理

  • 商品ページテンプレート:商品の基本情報、画像、価格などを統一的に配置するテンプレートを用意。情報の網羅性と見やすさの両立を。
  • 在庫情報の同期:倉庫管理システムなどと連携し、リアルタイムな在庫情報を反映。品切れ時の案内メッセージも丁寧に。
  • 商品検索・絞り込み:カテゴリやブランド、価格帯などの条件で商品を絞り込む機能で、ユーザーの探索効率を高めます。

受注・決済処理

  • カート機能:複数商品の一括購入を可能にするショッピングカート。ユーザビリティを考慮したUIデザインを心がけます。
  • 決済手段の選択肢:クレジットカード、銀行振込、コンビニ払いなど、ユーザーの利便性に配慮した多様な決済方法を導入。
  • SSL・暗号化通信:機密情報を扱うページでは、SSL証明書を導入し、安全性の高い通信環境を整備しておきます。

おすすめ商品・レビュー

  • パーソナライズド商品推奨:ユーザーの閲覧・購入履歴を元に、興味関心の高い商品を自動レコメンド。
  • ソーシャルレビュー・口コミ:ユーザー同士の評価情報を共有する場として、商品レビュー欄を設置。信頼度向上につながります。
  • 関連商品の表示:「この商品を買った人は、こんな商品も買っています」など、関連度の高い商品を巧みに紹介し、クロスセルを促します。

4-3. メディア・ポータルサイト

オウンドメディアの運営は、自社の強みとなる専門知識を活かしたマーケティング手法として注目度上昇中。CMSのコンテンツ管理機能を土台に、記事の量産と効果検証のサイクルを回していきます。

カテゴリ別の記事一覧

  • 階層的なカテゴリ設計:記事のテーマを網羅するカテゴリを、ツリー状に整理。メインカテゴリとサブカテゴリを適切に設計します。
  • カテゴリ説明文:各カテゴリの趣旨と対象読者を明示することで、読者の適切な導線づくりに一役買います。
  • カテゴリ別RSS配信:RSSリーダー経由での読者獲得を狙うなら、カテゴリごとのフィードを用意しておくのも手。

特集コンテンツの掲載

  • 複数記事をまとめた特集ページ:共通テーマの記事をまとめることで、ボリューム感とテーマ網羅性を効果的に訴求できます。
  • インタビュー・対談記事:業界の著名人へのインタビューや、異分野の専門家との対談企画なども、読者を引き付ける切り口になるでしょう。
  • 動画・音声コンテンツ:テキストだけでなく、動画や音声(ポッドキャスト)といったリッチコンテンツを織り交ぜるのも効果的。没入感が増します。

広告枠の管理

  • ディスプレイ広告の配信管理:サイドバーやコンテンツ間など、サイト内の広告枠を管理。広告主とのコミュニケーションを円滑に。
  • スポンサーコンテンツの掲載:タイアップ広告やスポンサード記事など、広告主とコラボレーションしたコンテンツの制作・掲載も視野に。
  • 広告効果測定のタグ設置:広告クリックや成果の計測タグを確実に設置し、広告主への効果レポートに活用しましょう。

4-4. 会員サイト・コミュニティ

ユーザー同士の活発な交流が生まれるコミュニティサイトは、ロイヤルカスタマーづくりの有力な施策。CMSの会員管理機能と権限設定を活用し、安心・安全なコミュニケーションを促進しましょう。

会員登録・ログイン認証

  • 会員情報の管理:氏名、メールアドレスなどの基本情報に加え、住所や興味関心など、サイト独自の属性情報の登録項目も設定。
  • ログイン機能・パスワード再発行:会員専用ページへのアクセスを制御。シングルサインオン(SSO)にも対応しておくと使い勝手が向上します。
  • ソーシャルログイン・APIログイン:FacebookやGoogleのアカウントを使った認証ログインにも対応。会員登録のハードルを下げられます。

フォーラム・グループ機能

  • スレッド型の掲示板:話題ごとにスレッドを立て、会員同士が自由に書き込める場を提供。
  • グループ参加・作成:共通の興味を持つ会員同士のクローズドなコミュニティ。グループ限定のコンテンツ公開なども可能に。
  • 管理人・モデレーター機能:コミュニティ運営のキーマンとなる管理人を任命。トラブル対応やイベント企画など、柔軟な権限付与を。

プロフィール・実名制の運用

  • プロフィールページ:アバター画像やカバー写真、自己紹介文など、各会員の個性を表現できるプロフィールページを用意。
  • 実名制・ニックネーム制の選択:コミュニティの雰囲気に合わせ、実名制か匿名制かを使い分けます。
  • プライバシー設定・ブロック機能:特定ユーザーからの閲覧を制限する柔軟なプライバシー設定や、ブロック機能も必須です。

5. CMSの導入・運用のポイント

5-1. 自社に適したCMSの選定基準

数多くのCMSの中から最適解を選ぶには、自社の要件を整理し、優先順位をつけることが大切。TCO(総所有コスト)や、将来の移行可能性なども考慮に入れましょう。

求める機能・拡張性

  • 機能一覧のチェック:必須の機能と、あると望ましい機能を洗い出し。前章までに説明した、15の代表的な機能のうち、どこまで網羅できるかを確認します。
  • 他社製品との比較:複数のCMS製品の機能比較表を作成。機能の有無だけでなく、使いやすさや柔軟さも評価軸に入れましょう。
  • 将来の機能拡張の余地:プラグインや連携APIの充実度、カスタマイズの難易度なども観点に。

予算・体制とのバランス

  • ライセンス費用・初期費用:ライセンス体系(買い切り/サブスクリプション)や、同時接続ユーザー数などで価格が変動。予算内に収まるプランを選定します。
  • 運用・保守の内製化/外注:社内のWeb人材を鑑みて、運用保守をどこまで内製化できるかを見極めることが肝要。
  • セルフホスティング/クラウド:自社サーバーでのオンプレミス運用か、クラウドサービスの利用かでもコスト感が変わります。

将来の移行可能性

  • オープンソースか独自形式か:オープンソースCMSは、他システムへのデータ移行がしやすい傾向。独自形式のCMSは、ベンダーロックインのリスクも。
  • エクスポート機能の有無:コンテンツやユーザーデータを、汎用的な形式(CSV、XMLなど)でエクスポートできるかどうかも確認ポイント。
  • 移行を見据えた設計・運用:将来の移行を見越して、データ構造やファイル管理のルールを設計段階から意識しておくことが大切です。

5-2. デザインとコンテンツの準備

サイトリニューアルやCMS移行の成否は、事前準備の質に大きく左右されます。デザインとコンテンツは、戦略レベルから具体的な作業レベルまで、計画的に進めていきましょう。

情報設計・ワイヤーフレーム

  • コンテンツ棚卸し:既存サイトのページ一覧を棚卸しし、継続/廃止/統合などの判定を行います。
  • サイトマップ・カテゴリ設計:サイトの主要カテゴリと下層ページの構成を設計。ユーザーの導線と、社内の管理区分のバランスを取ります。
  • ページ構成のワイヤーフレーム:各ページの構成要素(ヘッダー、コンテンツエリア、サイドバーなど)を、簡易な線画で表現。レイアウトのラフスケッチを作成します。

UIデザイン・モックアップ

  • カラーリング・配色:サイトの色調を決めるカラーリング。ブランドイメージと親和性が高く、かつアクセシビリティにも配慮した配色が理想です。
  • タイポグラフィ・フォント:見出しや本文テキストのフォントを選定。可読性と視認性、ブランド特性との整合性を考慮。Webフォントの採用も検討します。
  • ボタン・フォームなどUIパーツ:ボタンやフォームなど、サイト内で繰り返し使われるUIパーツのデザインを作成。アフォーダンス(押せそう感)などにも配慮。

初期コンテンツの整備・移行

  • 既存コンテンツの移行:既存サイトから継続するコンテンツは、新しいCMSの形式に合わせて移行。この際、内容の再整理も効果的。
  • 新規コンテンツの制作:新設するページ・カテゴリのコンテンツは、公開までのスケジュールを逆算して制作を進めます。
  • クロスレビューと監修:制作したコンテンツは校正・クロスレビューを経て、ステークホルダーの最終監修を仰ぐプロセスを設けましょう。

5-3. 社内体制づくりとルール整備

円滑なCMS運用には、役割と責任の明確化、適切なルールの整備が欠かせません。管理者から編集者、ライターまで、運営チーム全体で共通認識を持てる体制を築きましょう。

役割分担・権限設定

  • 管理者・編集者・ライターの役割定義:サイト運営に関わるメンバーの役割と、CMSでの権限レベルを明文化。責任の所在を明らかにします。
  • 兼任・専任の判断:サイト運営は、他の業務と兼任させるか、専任のWebマスターを置くかの判断が必要。業務量や更新頻度を勘案しましょう。
  • 外部リソースの活用:社内だけでは手が回らない場合は、外部のWeb制作会社やフリーランスライターなどの起用も選択肢に。守秘義務契約などにも留意。

コンテンツ作成・承認フロー

  • 更新頻度・スケジュールの設定:新規コンテンツやページ更新の頻度を取り決め。月間・週間の作業スケジュールを策定します。
  • ネタ出し・取材の実施:定例の編集会議で、記事ネタの出し合いと取材対象の選定を行う。必要に応じて外部への取材も。
  • ライティング・制作:ライターによる記事執筆~画像選定~レイアウト調整~校正など、制作工程のフローを設計。マニュアル化しておくのも効果的。

ガイドライン・規約整備

  • 記事作成のガイドライン:記事の文体、見出しの付け方、画像選定の基準など、コンテンツ制作上のガイドラインを設けることで、サイトの一体感を保ちやすくなります。
  • 公開判断の基準:公開可否の判断基準を明確化。公序良俗に反する内容をNGとするなど、判断軸を示しておきます。
  • ソーシャルメディアポリシー:サイトの記事やコンテンツを、SNSでどこまで発信・共有していいかのポリシーも必要。炎上などのリスクヘッジにつながります。

5-4. リスクと将来の拡張性を見越した設計

安定運用とサイトの成長を見据えた、技術的な設計の視点も忘れてはなりません。非機能要件の策定と、インフラ基盤の最適化にも目を配りましょう。

サーバー・ネットワーク構成

  • サーバースペックの試算:想定するアクセス数やデータ量に基づき、必要となるサーバースペックを試算。CPU、メモリ、ストレージの要件を洗い出します。
  • 負荷分散・冗長化構成:複数台のWebサーバーでの負荷分散や、データベースのレプリケーションなど、冗長化構成の検討も必須。
  • ネットワーク帯域・CDNの活用:高トラフィック時を想定したネットワーク帯域の確保と、CDN(コンテンツデリバリーネットワーク)の活用も視野に入れましょう。

テスト環境・ステージング環境

  • 検証用のテスト環境:本番環境とは別に、CMSバージョンアップなどの検証を行うテスト環境の構築が理想的。
  • ステージング環境の用意:本番公開前のコンテンツを最終確認するステージング環境も、可能であれば用意したい環境のひとつです。
  • 本番環境との同期方式:ステージングから本番へのデータ同期は、「全件入れ替え」「差分のみ反映」など、要件に合わせた方式を設計します。

エンタープライズ向け機能検討

  • 多言語対応:グローバル展開を見据えた場合、多言語対応は避けて通れません。CMSの言語切り替え機能や、翻訳ワークフローの設計が必要に。
  • 会員DBとの連携:会員向けサービスを展開する場合は、会員DBとの連携。SSO(シングルサインオン)など、利便性と安全性を両立する認証基盤の構築がカギ。
  • 基幹システム連携:ECサイトの場合、在庫管理や販売管理など、基幹システムとのデータ連携が重要に。API設計とデータフォーマットの整合性を綿密にチェックします。

6. まとめ

6-1. CMSの主要機能と導入メリットの総括

本記事で解説してきたCMSの主要15機能を、この場で振り返ってみましょう。

進化し続ける機能の紹介

  • 記事の執筆・更新を効率化するコンテンツ作成機能
  • 一貫性のあるデザイン・IA設計を支えるページ管理機能
  • 組織的な役割分担を実現するユーザー・権限管理機能
  • サイトを脅威から守るセキュリティ・メンテナンス機能
  • サイトの成長を加速する拡張性・カスタマイズ性

具体的なメリットの再確認

  • 更新作業の内製化による、時間短縮とコストダウン
  • 複数人での更新作業により、サイトの鮮度を向上
  • デザインの統一によるユーザビリティとブランド力の向上
  • マルチデバイス対応の実現で、アクセシビリティが大幅改善
  • SEOとコンバージョンの自動最適化で、マーケティング効果を最大化

6-2. 持続的な成果を生むためのCMS活用への意識づけ

CMSを導入すれば、それですべてが解決するわけではありません。明確なゴール設定と、推進体制の巻き込み、PDCAサイクルの確立など、人・組織の力が問われます。

体制・ルール・PDCAサイクル

  • 推進チームの組成:経営層を巻き込み、各部門の代表メンバーを集めた推進チームで、全社的な盛り上げを図ります。
  • ルール・ガイドラインの徹底:社内規約やコンテンツ作成ルールを全社で共有。定期的な読み合わせの機会を設けるのも効果的。
  • データドリブンな改善サイクル:アクセス解析などのデータを活用し、月次や四半期ごとの振り返り・施策立案によって、PDCAを回していきます。

CMSを中心とした業務設計

  • オウンドメディア化の推進:自社メディアを通じたブランディングやリードジェネレーションなど、CMSを中核に据えた施策を検討。
  • マーケティングオートメーション連携:CMS上の顧客データを、MAツールと連携させることで、最適なナーチャリングが可能に。
  • 顧客接点の統合:サイトの会員DBと、CRMのカスタマーデータを統合。複数チャネルでのインタラクションデータを一元化し、カスタマーエクスペリエンスの最適化を目指します。

エンディング:読者へのメッセージ

CMSは、Webマーケティングにおける強力な武器になります。本記事を参考に、自社に最適な一台を選び、使いこなしていってください。少しずつでも前進あるのみ。最初の一歩を踏み出す勇気を、応援しています!

【FAQ】

Q. CMSを導入するメリットは?
A. 更新作業の効率化、複数人での分業、デザインの統一、マルチデバイス対応、SEO効果の向上など、多岐にわたります。

Q. オープンソースCMSと商用CMSはどう違う?
A. オープンソースは無料で、カスタマイズの自由度が高い一方、商用は有料ですがサポートが充実しています。用途に合わせて選択しましょう。

Q. CMSの操作は難しい?
A. 直感的な操作性を重視したCMSが主流で、HTMLの知識がなくても簡単に更新できます。研修を受ければ、すぐに習得可能でしょう。

Q. どんなCMSを選べば良い?
A. 自社の要件(予算、機能、拡張性など)をもとに比較検討するのがおすすめ。デモ環境を触って、使い勝手をチェックするのも大切です。

Q. CMSでできないことはある?
A. 高度な機能のカスタマイズや、複雑なデータ連携など、CMSの範疇を超える要件もあります。要件定義の段階で、開発ベンダーともすり合わせましょう。

【チェックリスト】

  •  自社の要件(予算、機能、拡張性など)を整理する
  •  複数のCMSを比較検討し、ショートリストアップする
  •  社内の運用体制(役割分担、ルール、ワークフロー)を設計する
  •  コンテンツ移行の計画を練る(移行対象の選定、フォーマット調整など)
  •  新規コンテンツの制作スケジュールを策定する
  •  編集・承認フローのテストと、運用マニュアルの整備を行う
  •  定期的なバックアップ・アップデートの実施計画を立てる
  •  サイトの目標と、効果測定の方針を関係者で合意する
  •  オープン後の振り返りと、次なるアクションにつなげる

 

CMSに関してもっと知りたい方はこちらの記事をどうぞ

- CMSとは何か? 導入のメリットや選定で押さえるべきポイントとは

- CMSでホームページを制作するメリットとは?種類やシェア率の高いCMSを紹介,

- CMSはどれがいい?種類や選び方のポイントを解説!

 

 

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イノーバマーケティングチーム

株式会社イノーバの「イノーバマーケティングチーム」は、多様なバックグラウンドを持つメンバーにより編成されています。マーケティングの最前線で蓄積された知識と経験を生かし、読者に価値ある洞察と具体的な戦略を提供します。