メンバーの過去から現在までを探っていく特集企画。
第4回目は、WEB制作部のデザイナー天野が登場します。
イギリスでデザインの魅力を知り、デザイナーを志した彼女。
なぜイノーバを選び、今何を思い、この先をどう考えているのか。
その胸の内を明かしてくれました。
デザインやアイデアで売れてないものでも売れるものにできるんです。
「イノーバに至るまでの経緯を教えてください。」
もともと、デザイナーになろうとは思ってなくて、大学を卒業してからは、旅行会社で働いていました。
旅行が好きだったので。
そこでは、旅行サイトの更新作業、外部制作会社と連携を取りながらLPページ作成やバナー作成をしていました。
そんな中、会社の同僚にワーキングホリデーの経験者がいて、ワーキングホリデーという制度を知りました。以前からフジロックやサマーソニックに何度か行っていて、イギリスの音楽に興味があったので、イギリスに行きたいと強く思って。
ビザを取得することが出来たため、後で後悔しないようにと思い、会社を退職しイギリスへ旅立ちました。
イギリスでは、最初の3ヶ月は語学学校に通い、それ以降は現地の旅行会社で働きながら、約2年間滞在しました。
旅行会社では前職と同様に旅行サイトの更新やLPページ作成の他、情報誌に載せる旅行商品の広告のディレクションをしていました。
そのイギリスでの生活の中で、デザインの魅力に気付いたんです。
イギリスで売られている商品は、品質はあんまりなことがしばしばあるのですが、デザイン面での工夫がすごいんです。
例えば、旅行者向け交通系ICカードの表紙がエリザベス女王であったり、観光名所のイラストであったりと、お土産として持ち帰られるようにデザインに工夫がされていたんです。
またロンドンの地下鉄は『世界最古の地下鉄』と言われていて観光名所の一つなのですが、列車の座席シートの布を使ったスーツや靴下やスカーフなどの小物がお土産として売られていました。
単なる交通系ICカードや特徴のない小物であれば、それほど欲しいとは思わないのですが、デザインやアイデアが加わることによって、交通系ICカードや小物を記念品として喜んで購入したりするんです。
つまり、デザインやアイデアで人を喜ばせることができる。
そして、人を動かすことができる。
デザインやアイデアで売れてないものでも売れるものにできるんです。
これってすごいなって、デザインの魅力を知りました。
「私もデザインで人を喜ばせたい。」
それで、本格的にデザイナーになりたいと思いました。
そして日本へ帰国後、再度旅行会社で働いていたのですが、週末にデジタルハリウッドに半年通い、デザインを学びました。
デジタルハリウッドでは主にパッケージ、ロゴ、ブランディング、デザインの提案書の作り方やWebデザインについて学びました。
そして、デジタルハリウッド修了間際、デザイナーとして働くぞってなった時に、
講師と知り合いだった里園さん(WEB制作部ディレクター)に、イノーバに来ないかと声をかけてもらえました。
「イノーバを選ぶときは、迷わなかったんですか?」
面接の時に、IT系企業との取引が多く、IT系のWebデザインをすることが多いと教えていただいたのですが、デジハリでは自分の好みの女性的なデザインばかりを作っていて、そのようなデザインをしたことがなかったため不安がありました。
面接の後、男性的なイメージのデザインや、幾何学的なデザインを必死に調査した記憶があります。
でも、自分の好みに縛られず、お客様に求められるデザインが作れるようになりたいと思ったので、チャレンジしてみようと思いました。
「最初に配属されたのはどこですか?」
Webサイト制作部です。
職種は、ディレクターとデザイナーに分かれています
ディレクターは、自社開発プロダクト 「Cloud CMO」を用いたサイト制作案件のディレクションがメイン業務となります 。
その他、数は少ないですが、CloudCMOを用いないサイトのディレクション業務もあります。
ヒアリング、予算調整、スケジュール調整、要件定義、構成設計、コンテンツ企画提案、顧客折衝、アートディレクション、テクニカルディレクションなど、業務範囲は多岐に渡ります。
そして、私、デザイナーは、自社開発プロダクト 「Cloud CMO」を用いたサイト制作案件のデザインがメイン業務となります 。
また、数は少ないですが、CMOを用いないサイトのデザイン業務もあります。
ロゴ制作、提案、アートディレクション、ビジュアルデザイン制作、UIデザイン制作、素材選定、素材作成などの業務があります。
心がけるのは、お客様目線に立ったデザイン
「今は何を目標にどんな仕事をしているのですか?」
お客様目線で、お客様の要望に応えるデザインを作ることを第一に心がけています。
ただ、この場合の「お客様」は、2種類の意味があります。
1つ目は、Webサイト制作を依頼してくださったクライアント
2つ目は、完成したWebサイトに訪問してくれるユーザーです。
クライアントの要望やコンセプトに沿ったデザインを作ると共に、Webサイトに訪れたユーザーが見やすく、分かりやすい、快適なデザインになるように努めています。そのため、クライアントの要望通りに作るだけではなく、クライアントの競合他社のデザイン調査を行うなどして、デザインの改善案を複数用意したりしています。
今後は、ユーザビリティを意識したUIデザインと、見た目の美しさを意識したビジュアルデザインの両方を突き詰められるようになりたいと思っています。
「今の仕事をするうえで、苦労したこと、工夫したことはありますか?」
ディレクターの方からアドバイスをいただいたことなのですが、「自分の作ったデザインを言葉で説明できるようにした方がいい」と。
デザインは「なんとなくいいと思ったから…」ではなくて、一つ一つに意味があるものだと教えてもらいました。それを意識してデザインをするために、ただデザインを作成するだけではなく、言葉で説明できるようにしました。最初は苦労しましたが、デザインの意図を一つ一つ確認していくうちに、デザインの知識が深まりとてもためになりました。
なによりも、デザインの意図を論理的に説明することで、クライアントが納得してくださることが多くなりました。
デザインで人を喜ばせたい。
「今の仕事のおもしろさ、やりがいを教えていただけますか?」
デザインで人を喜ばせたい。
これが、自分がデザインをする理由だと思っています。
良いデザインだねって喜んでくれる人がいる。
ひと目見て、このデザインなんかいいなって思うユーザーがいる。
単純だけど、そういうものを大事にしたいなと思っています。
あと、Webサイトが完成して、Web上に上がったときの達成感も好きです。
何もないところから、ディレクターがディレクションをして、私がデザインをして、コーディングをして、チームでクライアントと一緒に作り上げたものなので。
「がんばったな。」
「よくやったな自分たち。」
ってなります。
「イノーバで働く中で成長したことはありますか?」
デザインスキルが向上しました。案件が一つ終わるごとに振り返りを行い、良かった点と改善点を洗い出し、後の案件に活かしていきました。
―振り返りのよかったことと改善点の洗い出しの例―
[よかったこと]
・納期を守った。
・自分の好みに引きずられずニーズを捉えてデザインの提案できた。
[改善点]
・フォントの選び方は重要。WEBフォントを研究する。
・文字周りのデザインを研究した方が良い。
・枠や線などで区切って誤魔化すデザインではなく、余白で情報整理、グルーピングがわかるデザインを心がける。
それと、仕事の取り組み方です。
最初のころは、クライアントが期待するレベルのものを提供するのが自分の仕事だと思ってたんです。
お客様の要望通りに、期限を守って、クライアントの期待する100%のものを作ることが一番良いと思ってたんです。
でも同じチームのディレクターの方が、「お客さまの期待を超える120%のものをつくろう」とずっと言い続けていて。
このデザインちょっとおかしいな、改善できるな、という部分があれば、お客様の要望の通りに作るものとは別に、他のデザインを複数提案したり、トレンドを取り入れたデザインを提案したりと、今の自分の実力を最大限つぎ込んで、期限を守りつつも、その中で一番良いものを作ろうという意識で仕事に取り組むようになりました。
「今後の目標を教えてください。」
いいねとか思ってもらえる魅力のあるデザインをつくっていきたいです。
それこそ、クライアントの期待を超えるクリエイティブなものを。
その結果、人を喜ばせることができたなら最高です。
それはきっと、イギリスで自分自身が感動したデザインに一歩でも近づいているってことだと思うからです。