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イノーバマーケティングチーム2024/02/02 14:41:56< 1 min read

マーケットインとは?メリット・デメリットの紹介とプロダクトアウトとの関係を解説

マーケティングを実施する際に把握しておきたい基本概念のひとつに、「マーケットイン」があります。

マーケットインの意味や有効活用する方法を理解することは、マーケティングの基本づくりの第一歩になるでしょう。

これから新規商品・サービスを開発する企業や、マーケティングのために何を重視すべきなのか分からない企業は、まず基本である「マーケットイン」について把握するのがおすすめです。

こちらではマーケットインの基本情報と、メリット・デメリット、同じ基本として語られる「プロダクトアウト」との違いなどについて解説します。

ユーザーニーズに応えるための商品・サービス展開を目指すのなら、まずマーケットインの基本を押さえておきましょう。

マーケットインとは?

マーケットインとは、顧客のニーズに合わせて商品・サービスを開発するマーケティング手法です。

市場調査を行って顧客の具体的なニーズを把握してから、それを満たすことができる商品やサービスの開発を目指します。

独創性を押し出すのではなく、顧客の欲している機能や性能をピンポイントに備えた商品・サービスを展開できるため、顧客満足度を高めることが可能です。

過去には珍しい商品やほかにはない特別な商品を求める顧客も多くいましたが、ネットなどの情報を基にして簡単に比較ができてしまう現代では、商品・サービスの差別化をきっかけに利益を上げるのが難しくなっています。

そのため事前に顧客ニーズを把握して、それに合わせてプロジェクトを進めるマーケットインの方が安定性が高く、利益につながりやすいと注目されているのです。

プロダクトアウトとの違いについて

「プロダクトアウト」とは、マーケットインと同様にマーケティングにおける基本概念のひとつです。

プロダクトアウトはマーケットインとは違い、自社で開発できるものや作りたいものを重視し、企業方針に合わせた商品・サービスの展開を行います。

顧客ニーズに合わせて開発計画を立てるのではなく、自社の得意な技術やこれまでのノウハウを活用した商品・サービス開発を行うのが特徴です。

「商品・サービスが顧客ニーズに完璧にマッチしていなくても、良いものであれば売れる」という考え方が根底にあり、企業側や売り手側の意志が前面に押し出されているマーケティング手法となっています。

かつてはマーケティングにおいて、プロダクトアウトが成功の道となる事例は多数ありました。

例えばAppleのiPhoneや、SONYの携帯音楽機器ウォークマン、検索エンジンのGoogle検索などがプロダクトアウトの成功例として挙げられます。

しかし、多くの商品・サービスが誕生して飽和状態となっている近年のマーケット事情を考慮すると、プロダクトアウトによるアプローチは古い概念と捉えられがちです。

新規事業を展開する企業や起業したての企業も、マーケットインを前提にマーケティングを行うことが多くなっています。

その一方で、マーケットインにもメリットだけでなくデメリットがあるため、事前に詳細を把握しておくことが不可欠です。

マーケットインを実施するメリット

マーケットインを実施するメリットには、以下のような要素があります。

それぞれの詳細を把握し、なぜマーケットインに注目が集まるのかをチェックしておきましょう。

売上予測を事前に立てやすい

マーケットインは顧客ニーズを把握するために事前に念入りに市場調査を行うため、売上予測を立てやすいのがメリットです。

ターゲットとなる購買層のボリュームや現時点での見込み顧客の数などを把握した上で販売に進めるので、売上の見通しを立てやすくなるでしょう。

仮に想定以上、もしくは想定以下の売上だった場合、その原因を調査することで次回以降のマーケティング戦略に活かせる情報が手に入ります。

ある程度の売上が予測できることに加えて、分析しやすいデータを獲得できる点もメリットになるでしょう。

リピーターや企業のファン獲得につなげやすい

顧客ニーズを参考にしたマーケットイン方式は、リピーターや企業のファンの獲得につながります。

「自分に合った商品・サービスを販売してくれる企業」という認識を顧客に与えられれば、再度購入してもらうチャンスや、ECサイトの会員登録をしてもらえる可能性が高まるでしょう。

顧客からの信頼度を自然と高められるマーケティングを行える点も、マーケットインのメリットです。

商品開発における目標が明確になる

マーケットインは、商品・サービス開発における目標を明確にするきっかけにもなります。

基本的に「顧客のニーズを満たせるもの=目標とする商品」となるので、明確な開発指針が簡単に立てられるでしょう。

目標や開発指針が明確になれば、具体的な開発期間の設定や予算の組み込みなどを行うことができます。

短期間での開発や発表タイミングを考慮した納品スケジュールが立てられるので、予想外の開発長期化や予算オーバーといったリスクを避けられるでしょう。

マーケットインの実施におけるデメリット

マーケットインには、いくつかのデメリットもあります。

例えば以下のようなデメリットが考えられるので、事前に内容を把握しておきましょう。

革新的な商品開発などが難しい

マーケットインは顧客が既に持っているニーズに合わせて商品・サービス開発を行うため、革新的なアイデアや仕組みを生み出すことが難しいです。

世間から注目を集めるような大ヒット商品を開発できる可能性については、やや期待薄だと言えるでしょう。

ライバル社と似たような商品になりやすい

マーケットインはほかの企業も積極的に実施しているマーケティング施策であるため、ライバルとなる企業と商品・サービスの特性が類似する恐れがあります。

競合他社とターゲット層を奪い合う形になれば、予想していた利益に届かない可能性も出てくるでしょう。

一方で、ライバルが多いということは、それだけ実際の商品・サービスを参考にしやすいということでもあります。

他社が販売している商品の弱点をカバーするような機能を備えた新製品を開発できれば、同じニーズを持つ顧客の興味をこちらに引き寄せることも可能です。

これまでの企業イメージに合わない商品展開が必要な可能性も

顧客のニーズに合わせるマーケットインでは、ときに自社の方針や企業イメージに合わない開発が必要になるケースもあります。

新規顧客のニーズを意識しすぎて、これまでに確立してきた自社のブランドイメージが損なわれれば、既存顧客が離れていく恐れがあるでしょう。

既存顧客の求める企業イメージからズレるような商品開発をするのではなく、自社の魅力を活かしつつ新規顧客のニーズに合わせた商品・サービスを展開していくのがマーケットインのコツです。

マーケットインとプロダクトアウトには共通する部分も?

マーケットインとプロダクトアウトは、相反するマーケティング手法として紹介されるケースが多いです。

しかし、近年はマーケットインとプロダクトアウトの2つには、共通する部分も見られるとして注目を集めています。

改めて2つの意味を要約すると、マーケットインは「顧客の顕在化しているニーズ」に応えることで、プロダクトアウトは「顧客が気づいていない潜在的ニーズ」に応えることです。

つまり両方はまったく逆の方向を向いているマーケティング手法ではありますが、「顧客のニーズに応える」という点では共通しています。

そのため二元論のように正反対の方法であると区別するのではなく、2つの要素を融合させて新しいマーケティングの考え方を生み出していくことが今後は重要になるかもしれません。

マーケットインに偏りすぎたマーケティングでは画期的なアイデアが誕生しづらくなり、市場のコモディティ化が発生して価格競争による利益の減少が起きる可能性があります。

一方でプロダクトアウトに偏りすぎれば、顧客のニーズに合わない在庫を抱えて赤字になったり、商品の良さを伝えるための広告費などが増加したり、といったことになる可能性もあります。

将来的には、それぞれの特性を理解して、マーケットインとプロダクトアウトを分離するのではなく、同時に活用できるような柔軟性が企業の開発現場に求められるかもしれません。

マーケットインの意味を理解して商品・サービス開発の指針を見つける

マーケットインは、顧客ニーズを把握しやすい現代において基本的なマーケティング手法となっています。

企業の持つ顧客データや、ユーザーのSNSなど、あらゆる情報源から参考となる情報を得られるので、ニーズを理解した上で開発を進めることは難しくないでしょう。

その一方で、マーケットインにはメリットとデメリットがあります。プロダクトアウトとの違いと共通点なども考慮して、そのメリットを上手に活用していきましょう。

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