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イノーバマーケティングチーム2018/02/15 10:00:002 min read

同じ意味で使われている気がする…「検索連動型広告」と「リスティング広告」ってどう違うの?

電通の調査によれば、2016年のインターネット広告媒体費は初めての一兆超え。インターネット広告が普及していくなかでSNS広告の台頭が目立っていますが、長年人気の広告形態としてよく知られているのが「検索連動型広告」や「リスティング広告」です。でも、このふたつは同じ意味で使われたり、違う意味で使われたり、イマイチ違いがわかりづらいですね。詳しく解説していきましょう。

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検索連動型広告は、リスティング広告の一部

「検索連動型広告=リスティング広告」という意味で使われることも多いのですが、正確にはリスティング広告の種類として、検索連動型広告とコンテンツ連動型広告の2種類があります。シェアのほとんどを検索エンジン大手のGoogle、Yahoo! JAPANが占めている広告です。

検索連動型広告にしてもコンテンツ連動型広告にしても、「ユーザーのアクション」を元に配信される広告なので、街で目に入る受動的な広告とは種類が異なります。それぞれ、どんな形態の広告か見ていきましょう。

  • 検索連動型広告

GoogleやYahoo! JAPANなどの検索エンジンにキーワードを入力して検索すると、検索結果画面が出てきます。でも、その一部は純粋な検索結果ではなく、テキスト広告になっていることが多いでしょう。それこそが「検索連動型広告」です。

ユーザーは、

「この言葉はどういう意味だろう?」
「この商品が欲しい!」
「これについてもっと詳しく知りたい!」

といった興味があるときに検索エンジンを利用しますね。キーワードを調べているユーザーは、キーワードに関連する広告に反応する可能性が高いことが予想される「見込み顧客」。検索連動型広告では、そういう人たちに効率的に広告を打つことができるのです。

また、クリック数に応じた広告料を支払う仕組みなので、「クリックされてもいないのに広告料がかかってしまう」という事態が起こりません。

  • コンテンツ連動型広告

コンテンツ連動型広告は、Googleであれば「Gmail」「YouTube」「教えて!goo」など。Yahoo! JAPANであれば「Yahoo! ニュース」や「OKWave」、「All About」などの自社サービス・提携パートナーサイトに配信される広告です。

検索連動型広告はテキスト広告のみですが、コンテンツ連動型では画像や動画を使った広告配信も可能。ユーザーが閲覧しているコンテンツに応じて表示されます。自社のサイトに訪れたことのあるユーザーに向けて広告を配信する「追跡型広告」もあり、自社や自社製品の潜在ファンを本当のファンにできる可能性も。

「こういう記事が好き!」
「この会社の商品、そういえば前も調べたな」

といった具合に、検索連動型ほど能動的なユーザーではないものの、興味を持ってもらえるユーザーにリーチできる可能性が高いです。

リスティング広告(検索連動型)出稿のポイント

では、検索連動型広告を出稿する際に知っておきたいポイントをご紹介します。

  • 準備・戦略立案段階も大切

やみくもに広告出稿を始めるのではなく、戦略を立てておきましょう。「自社の強みは何か」「ターゲットはどんな人に設定するのか」「予算はいくらくらいか」といった部分は決めておきたいですね。

また、広告の質がよくないと判断されてしまった場合、広告が表示されづらくなってしまいます。リンクで飛んだ先のページの品質にも十分気を配りましょう。

Yahoo! JAPANかGoogle、もしくは両方で広告を出稿する

リスティング広告は、主にGoogleの「Google AdWords」、Yahoo! JAPANの「プロモーション広告」を通じて出稿します。そのほかにもリスティング広告を出稿できる会社はあるのですが、シェアのほとんどをこの2社が占めているため、はじめのうちはGoogleかYahoo! JAPANのどちらか、もしくは両方に出稿すればいいでしょう。

課金の仕組みを理解する

リスティング広告は、PPC(Pay Per Click)広告。つまり、1クリックに対して広告費が発生する仕組みになっています。新聞や雑誌の広告、バナー広告等の一部は広告の掲載料が決まっていて、効果が保障されていません。そのため、全く効果が出なくても広告料は発生するということになりますね。

でも、リスティング広告の場合は、一度もクリックされなければ広告料が0円。「慣れないうちからたくさんお金がかかってしまう」ということがないので安心です。

クリック単価は、キーワードによっても違いますし、同じキーワードでも一定ではありません。広告の品質と自分たちが設定した入札価格によって、広告の順位が決まる仕組み。また、実際に支払う広告単価は、設定した上限額の範囲内で、他社の広告出稿状況に影響を受けて変動します。

ライバルが多いキーワードは当然上位に表示されづらくなりますし、クリック単価が高い傾向にあるでしょう。

広告に関する言葉の違い、今こそすっきり整理しましょう!

 

キーワードの選定

「キーワードごとに入札する」ということがわかりましたが、キーワードの選定はとっても大切。これがズレてしまうと想定しているターゲットに情報が届きません。しっかり検討し、出稿後も効果測定を行う必要があります。

例えば、「テレビ」というキーワードはビッグワードと呼ばれ、
「テレビの購入を検討したい人」
「番組表をみたい人」
「テレビ業界を調べたい人」
「テレビアプリが欲しい人」
などさまざまなニーズのある人が検索する可能性があります。

それに対して「テレビ 42インチ 薄型」などのスモールワードで調べる場合は、42インチの薄型テレビの購入を検討している人が多いことが予想されます。

ビッグワードはクリック数が多い可能性もありますが、現実的にクリック単価が高くて手が出せないケースもあるでしょう。また、ターゲット以外のユーザーに無駄に届いてしまう可能性も。一方で、スモールワードはターゲットには届きやすいですが、そもそも検索数が少ない可能性が高いです。両方のメリット・デメリットをふまえて検討したいですね。

マッチタイプを使い分けたり、除外キーワードやキャンペーン設定等をきちんとしたりすることも大切です。

【マッチタイプ】

登録しているキーワードとユーザーの検索の仕方がどれくらい一致しているときに広告を配信するか、を決めるのがマッチタイプ。以下の4種類があります。

・完全一致……
単語も単語の順序も含めて完全に一致した場合のみ配信されます。例えば、「テレビ 42インチ 薄型」で登録した場合、「テレビ 42インチ」や「テレビ 42インチ 薄型 おすすめ」等で検索しているユーザーには届かないということになります。

・フレーズ一致……
完全に一致しているキーワードが“含まれている”場合に配信されます。さきほどの例では、「テレビ 42インチ」は表示されず、「テレビ 42インチ 薄型 おすすめ」なら配信されます。ただし、指定したキーワード部分については「42インチ テレビ 薄型 おすすめ」といった具合に順序が変わっただけでもNGです。

・部分一致……
ユーザーが似た言葉や関連性のあるキーワードを検索した場合にも表示されます。流入数を増やせる可能性がありますが、どこまで“関連する”ととらえられるのかは明確にわからないため、場合によっては無駄に表示される可能性もあります。

・絞り込み部分一致……
設定したキーワードを含んでいた場合に配信されます。「+テレビ +薄型」といったように前に「+」(半角)をつけて入稿すると、キーワードの順序を問わず広告が配信されるという仕組み。部分一致のように類義語で配信されることはありません。使いやすいと感じる企業が多く、人気です。

【キャンペーン設定】

ターゲット設定によっては、配信エリアや曜日、時間などを設定することで広告が届きやすくなります。

【除外キーワード】

無駄に広告を打つことがないように、除外キーワードを設定してターゲットではない人を省くことも大切。完全一致、フレーズ一致、部分一致を選んだ場合は、除外キーワード設定も合わせて考えましょう。例えば、「エリア名 スーパー」というキーワードでお客様を増やしたい場合、「スーパー アルバイト」「スーパー銭湯」などで検索している人は除外したいですね。

こまめに分析して改善することが重要

リスティング広告は、ある程度運用の手間がかかる広告です。アクセスがあったかどうかはもちろん、予算をどう分配するべきか、キーワード戦略は正しかったのか、ターゲットにきちんと届いているのか。アクセスがあったとしても、きちんと成約・購入といった目標にたどり着いているのかどうか。

こういった部分をGoogleやYahoo! JAPANのレポートをチェックし、効果測定を行いましょう。メンテナンスした内容はすぐに反映されるので、こまめに軌道修正可能です。

なお、効果測定のためにあらかじめ「コンバージョンタグ」の設定をしておきましょう。

あくまで広告は、“誘導”するためのもの

リスティング広告の運用方法をご紹介してきましたが、広告戦略のみに注力しないように気をつけたいところです。

マーケティングを語る際に「トリプルメディア」という言葉がよく使われます。メディアをオウンドメディア、アーンドメディア、ペイドメディアの3つに分ける考え方ですが、それぞれどんなものなのか理解しておきましょう。

トリプルメディアって何?

 

英語では“Owned Media”。つまり、企業が所有する媒体のことを指します。公式ホームページや紙のパンフレット、カタログなどの紙媒体も含めてオウンドメディアですが、狭義には「ユーザーが喜ぶ情報を提供するWebマガジン“のことを指すことが多いです。

  • アーンドメディア

一般ユーザーが発信者となるメディアが、“Earned Media”。
Earnedは「信頼される」という意味ですが、ユーザーの本音の口コミが最も信頼できるという考え方ですね。

代表的なものがユーザーのTwitter、Instagram、facebookをはじめとしたSNS。企業が有益な情報や面白い情報を提供した場合、ユーザーの手によって「シェア」「いいね!」などをされてどんどん拡散していくことがあります。拡散度合いをこちらでコントロールすることはできませんが、いかに魅力的に感じてもらうかがポイント。うまくいけば広告料をかけずにたくさんの人のもとに情報が届くことになります。

  • ペイドメディア

英語で“Paid Media”と書く通り、お金を払って掲載するメディアのことです。リスティング広告はもちろん、雑誌、テレビ、ラジオ等のマス広告、SNS広告、アフィリエイト広告など広告全般を指します。オウンドメディアの情報をより多くの人に見てもらい、流入数を増やすことが目的。

しかし、「バナーブラインドネス(banner blindness)」という言葉もよく聞かれるようになりました。ユーザーは、バナー広告をはじめとする広告類を無意識のうちに避け、内容を認識しないままインターネットを閲覧するケースが増えてきたと言われているのです。

「広告のように見えない広告」「コンテンツに溶け込んだ広告」なども数多く登場していますが、広告であるということがわかった時点でユーザーに避けられる可能性があります。

中心にいるべきなのはオウンドメディア

そういった状況も踏まえ、ペイドメディアはあくまで“誘導”するためのメディアであることを認識しておきましょう。まずは、商品紹介ページを含むオウンドメディアをしっかり作っていくことが大切です。せっかくリスティング広告が上位に表示されるようになっても、オウンドメディアがしっかりしていなければコンバージョンにつながらないでしょう。

オウンドメディアで有益な情報を発信するメリット

また、企業がWebマガジン等を通じてユーザーにとって有益な情報を提供・拡散していくことで、以下のようなメリットがあります。

・SEO対策になり、自然流入が見込めるようになる
・自社のファンを増やせる
・コンテンツが資産として残り続ける

やたらと外部リンクを設置する、検索されそうなキーワードをとにかく埋め込み記事を量産する……といった「SEO対策」のみに主眼を置いた施策はいずれも淘汰されてきました。今後も、「ユーザーにとってプラスになるコンテンツか」という視点で検索アルゴリズムが改善され続けていくはず。

ユーザー目線に立ち、有益な情報をコツコツ提供していくことが一番のSEO対策であることは間違いないでしょう。作成したコンテンツは、広告と違って「期間が終了したら消える」ということもありません。“自社の資産”として残り続けていくのです。
  

リスティング広告のみに力を入れてもうまくいかない

人気の検索連動型広告は、上手に運用すれば短期でたくさんのアクセス数を稼ぐことができます。でも、本当に関連性のある質のいい情報が提供されないのであれば、ユーザーの心を掴むことはできないでしょう。

本来、「うまく広告を打つこと」が目標ではなく、「成約・購入」「ブランド認知」といった最終目標があるはず。そもそも自社のメディアに最終的な目標達成につながる仕掛けがあるかどうか。魅力的なページになっているかどうかを確認してみましょう。あくまでオウンドメディアあってのペイドメディアであることを忘れないようにしたいですね。

また、イノーバでは、「戦略策定・計画立案」から、「伴走支援」、各種コンテンツの「コンテンツ制作」まで、幅広くかつ中長期に渡って、BtoBマーケティングをご支援します。伴走型マーケティング支援サービスに関心がございましたら、ご参照ください。

広告に関する言葉の違い、今こそすっきり整理しましょう!

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