リスティング広告の出稿キーワードの選び方

デジタルマーケティング

GoogleやYahoo!といった検索エンジンの結果ページなどに表示されるリスティング広告。Webサイトへの集客手段としてスピーディーな展開が可能です。また、従来のマス広告とは異なり、低予算から始められる点も魅力です。

しかし、そのパフォーマンスを発揮させるためには、適切な検索キーワードで広告を表示させる必要があります。せっかく費用をかけて出稿をしても、ニーズとマッチしないユーザーをサイトに誘導してしまうと、ユーザーにとって無意味なアクセスになる上、広告主にとってもコストの無駄を生んでしまいます。

では、求めているユーザーをWebサイトに呼び込むためにぴったりのキーワードを選ぶには、どうしたらよいのでしょうか。この記事では、効果的なキーワードを選定する流れや方法を紹介します。


<参考記事>

リスティング広告の基礎知識とはじめ方

リスティング広告における検索キーワードの重要性

今この瞬間も、世界中のユーザーがさまざまな検索キーワードを検索エンジンに打ち込み、Web上の情報にアクセスしています。私たちは何らかの情報を求めて、頭に浮かんだキーワードを検索していますから、検索キーワードは、そのユーザーのニーズや関心を表していると言えます。

もちろん個別的なニーズだけではなく、検索キーワードにはタイムリーなトレンドも反映されます。どのようなキーワードが検索されているかを知ることは、ユーザーの求めているコトやモノを知るということであり、サイト運用に重要な事柄であることは言うまでもありません。

ユーザーのニーズを知り、適切なキーワードを選び出すことが、リスティング広告のパフォーマンスを最大化し、ベストな費用対効果で運用を行うための必須条件です。

キーワードの選び方

それでは、ユーザーを呼び込みたいサイトにぴったりの検索キーワードを知るためには、どうすればよいのでしょうか。キーワードを選び出すための、いくつかの方法論について解説していきます。

それぞれのメソッドを駆使しながら、キーワードを表計算ソフトウェアなどにリストアップしていくとよいでしょう。リスティング広告のプラットフォームは、CSV形式ファイルからの入稿に対応している場合が多いので、CSV形式で保存ができる表計算ソフトウェア(Microsoft Excelなど)は、キーワードのリストアップに最適です。

Google AdWordsのキーワードプランナーを活用する

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Google AdWords キーワードプランナー

Webサイトの内容から想定し得る検索キーワードをリストアップしてくれる便利なサービスが、Google AdWordsのキーワードプランナーです。Google AdWordsは、リスティング広告の代表的なプラットフォームです。キーワードプランナーは、Google AdWordsにアカウントを開設すると利用できる運用ツールのひとつです。

キーワードプランナーで、任意のWebサイトのURLを打ち込むと、検索キーワード候補がリスト表示されます。候補リストのなかから、サイトコンテンツとのマッチングが高い、質の良いアクセスが期待できるキーワードを洗い出しましょう。

各キーワードには、「月間平均検索ボリューム」、「競合性」、「推奨入札単価」という3つの指標が表示されます。キーワード選定に重要なこれらの指標について解説します。

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月間平均検索ボリューム

月間平均検索ボリュームは、1ヶ月の間にそのキーワードが何回検索されているかをおおまかに示しています1。この数が比較的多ければビッグキーワードと呼ばれ、少なければスモールキーワードと呼ばれます2。ビッグキーワードは、多くのユーザーが共通して検索に使う言葉であり、それだけニーズが高いと想定されますが、その半面、宣伝したいサイトの内容とのマッチングが低くなる恐れもあります。

例えば、「靴」というキーワードはビッグキーワードです。レディースシューズを専門で販売しているECサイトの広告であるにもかかわらず、「靴」というキーワードで出稿してしまうと、メンズのシューズを探しているユーザーからの流入も増え、コストの無駄を生んでしまいます。

ニッチなスモールキーワードは、広告主とユーザーのマッチングが高まりやすいですが、ニーズが低いキーワードなので、そこから大きな集客効果を期待できない場合も多いと言えます。

このようにビッグキーワードも、スモールキーワードも一長一短です。それぞれの短所を解決し、最適な広告運営をするために必要なのが、後述するキーワードの組み合わせとマッチタイプの設定です。

*1)キーワードプランナーが示す「月間平均検索ボリューム」はあくまでもおおまかな値です。ただし従来はたとえば「6400」、「11万2000」といった具体的な数字が示されていました。ところが2016年8月以降、Googleはキーワードプランナーの機能仕様を変更しており、AdWordsに広告出稿していなければ以前のように具体的な数字が示されず、「10万~100万」といった極めてあいまいな情報しか取得できなくなってしまいました。更に詳しくは、下記の参考記事をご覧ください。

2厳密には、あるキーワードが「ビッグキーワード」か「スモールキーワード」かは、検索回数が絶対値として多いか少ないかではなく、特定のテーマにおいてそのキーワードの意味する範囲が比較的広いか・狭いかという、相対的な尺度です。たとえば、「テニスシューズ」は、「靴」に比べるとスモールキーワードですが、「ハードコート用テニスシューズ」や「メンズテニスシューズ」などと比べればビッグキーワードといえます。

競合性

キーワードプランナーが表示する競合性は、そのキーワードで出稿している他の広告主がどれくらいいるか、またどれくらいの予算がかけられているかなどのさまざま要素から、ライバルが多いかどうかを示しています。競合性が高いキーワードは、まさにレッドオーシャンであり、それだけニーズが多いと言えます。

ちなみに、競合性の高いキーワードであるからといって、広告表示時の順位で上位が獲得できないといったことはありません。広告表示の順位は、さまざまな要素で調整されており、予算と競合性に応じて、あるときは上位、あるときは下位といったように、順位の高低や表示回数などが絶妙にGoogle AdWordsによってコントロールされています。

<参考記事>

広告ランクと表示順序について(「リスティング広告の基礎知識とはじめ方」より)

推奨入札単価

Google AdWordsのリスティング広告は、入札制です。クリックごとに費用が計上されるGoogle AdWordsのシステムでは、クリックあたりの単価を入札単価と呼びます。Google AdWordsが、そのキーワードを表示するために推奨している単価が、この推奨入札単価です。ニーズが高く、他の広告主が多くの予算をかけているキーワードの場合、そのキーワード入札単価は引き上げられます。つまり、競合性の高いキーワードは、大抵の場合、入札単価も高いということになります。

競合性が高く、入札単価が高いキーワード(多くの場合、それはビッグキーワードや人気キーワードでしょう)を選んでも、サイトコンテンツとのマッチングが低ければ、そのキーワードを選ぶことは好ましくありません。

ただし、単価が高いキーワードで出稿をすること自体に問題はありません。全体の予算のなかでの各キーワードの入札単価のバランスを考慮する必要があります。単価や競合性が高くても、サイトコンテンツとのマッチングが高く、どうしても出稿したいキーワードには、多くの期待は持てませんが、低めの予算で出稿しておく手もあるのです。

Webサイトの主要キーワードの拾い出し

Google AdWordsのキーワードプランナーは非常に優秀なツールですが、コアになる重要なキーワードは、ツールに頼らずにしっかりと網羅しておく必要があります。

とはいえ、大量のキーワードをリストアップするのは、なかなか大変なものです。キーワードをスムーズに挙げられるテクニックを段階的に解説します。

最重要キーワードを見つける

まず、最重要キーワードは、サイトの名称、あるいはサイトの内容にまつわる固有名詞です。社名、店名、ブランド名、製品名、サービス名などが、それにあたります。

例えば、A社は、Bという子ども服のブランドを展開しているとします。この場合、最重要のコアキーワードは、社名である「A社」、ブランド名「B」や個別の商品名などが挙げられます。これらのキーワードで検索するユーザーは「指名買い」をしようとしている可能性があるので、取りこぼしが無いようにすべきです。

ただ、こうしたキーワードはリスティング広告を利用しなくても通常は自社サイトが検索結果ページの上位に表示されるので、出稿しないという判断もあり得ます。

最重要キーワードを一般化する

次に、最重要キーワードを一般化します。一般化というと分かりづらいですが、固有名詞から一般名詞への「言い換え」と考えてください。

先のA社の例では、ブランドBを一般化すると、「アパレルブランド」「アパレル」「服」といったキーワードになります。

ソリューション型キーワードとシーン型キーワードへの展開

最重要キーワードは、ユーザーが抱えている課題へのソリューション、あるいはそれを必要としているシーンやタイミングに言い換えることができます。

A社のブランドBのコートを例とすると、ソリューション型キーワードは「防寒」「冬のおしゃれ」といったキーワード、シーン型キーワードは「秋冬」「衣替え」といった風に展開させることができます。

ソリューション型キーワードを思いつくためには、ユーザー視点で考えることが大切です。ユーザーが何を欲しているのか、何で困っているのか、何に興味があるのか、考えてみましょう。こうしたキーワード選定のプロセスは、リスティング広告の出稿にとどまらず、サイト運営やウェブマーケティングにおおいに役に立つことでしょう。

連想語、類義語、関連語の洗い出し

主要キーワードのリストアップが終わったら、主要キーワードから連想する言葉やその類義語、関連する言葉の拾い出しをします。

次のような便利なオンラインツールが多く存在しているので、積極的に活用しましょう。

キーワードの振るい落とし

サイトへのアクセスに関連するキーワードがある程度リストアップできたら、不要なキーワードがないか見直します。そのキーワードでサイトを訪問したとしても、売り上げや成約にはつながらないと思われるキーワードなどを振るい落とします。

また、先に紹介したように、Google AdWordsのキーワードプランナーを利用すると、各キーワードのおおまかな月間検索ボリュームを調べることができます。著しく検索数が少なく、効果が見込めないキーワードも除外するとよいでしょう。

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組み合わせキーワードをリストアップする

単一のキーワードでは、ユーザーのニーズは網羅できません。実際に私たちが日常的にキーワードとキーワードを組み合わせて検索するように、組み合わせキーワードのリストを作り上げていく必要があります。

まず、主要なキーワードごとに、Google AdWordsの広告グループを作成します。それぞれのグループには、各キーワードと一緒に検索される可能性のあるキーワードと組み合わせたキーワードを登録していきます。

例えば、先ほどのA社のコートであれば、「A社 冬物」と検索される可能性があります。「A社」という広告グループに、「A社 冬物」と登録します。関連語のリサーチなどをもとにして、「A社 コート」「A社 アウター」といったように組み合わせキーワードのリストを完成させます。

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4つのマッチタイプを理解する

Google AdWordsでは、キーワードにマッチタイプを設定する必要があります。このマッチタイプの設定次第で、まったく異なる効果が得られるので、よく理解する必要があります。せっかく完成させた膨大なキーワードリストも、マッチタイプの設定を誤ると、コストの無駄を生むミスマッチを起こしてしまいます。

Google AdWordsのマッチタイプには、部分一致、絞り込み部分一致、フレーズ一致、完全一致の4つがあります。

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部分一致とは

Google AdWordsに登録したキーワードには、最初にこのマッチタイプが設定されています。登録キーワードが検索語句に含まれていれば、広告が表示されます。多少の文字ゆれがあっても、誤字があっても、さらには関連語や類義語の検索キーワードに対しても表示されます。

このようにもっとも幅広く検索語句にマッチさせられる部分一致は、その分、不要なアクセスも呼び込んでしまうことを知っておかなければなりません。

絞り込み部分一致とは

登録キーワードの語句の順序を問わず、登録キーワードが検索語句に含まれる場合、広告が表示されます。語句の順序を問わないことが特徴で、次に述べるフレーズ一致との使い分けをします。

例えば、「りんご みかん」と登録した場合、検索語句「みかん りんご」「りんご ぶどう みかん」などに広告表示されます。緻密に網羅した組み合わせキーワードを大量に登録した場合には効果的なマッチタイプと言えます。

フレーズ一致とは

登録キーワードと同じ語順で検索された場合、広告が表示されます。絞り込み部分一致と異なり、検索キーワードと登録キーワードが同じ語順でない限り、広告は表示されません。

例えば、「りんご みかん」と検索した場合、絞り込み部分一致とは異なり、検索語句「みかん りんご」「りんご ぶどう みかん」には表示されません。「りんご みかん ぶどう」「ぶどう りんご みかん」には表示されます。

語順が一致しなければ広告が表示されないという特徴は、絞り込み部分一致と上手に使い分けたいところです。しかし、実際には条件が厳しすぎるため、非常に使いどころが難しいマッチタイプであり、もっとも使用頻度が低いと言えます。

完全一致とは

登録キーワードと検索語句が完全に一致する場合、広告が表示されます。

例えば、「りんご みかん」と検索した場合、「りんご みかん」という検索語句にのみ広告は表示されます。「りんご みかん ぶどう」「ぶどう りんご みかん」といった検索語句は、完全一致とはみなされません。

どのマッチタイプがよいのか?

費用対効果を重視する場合、もっとも無駄が少ないマッチタイプは、完全一致です。広告主が期待しているアクセスを得られる可能性が高いためです。

しかし、完全一致のキーワードでは、表示回数が減ったり、ニーズの高いキーワードが網羅できていなかったり、ユーザーのニーズをすくいきれない可能性があります。そのため、非常に幅広いバリエーションのキーワードを登録する必要があり、入札単価の管理などのメンテナンス作業が膨大になります。

比較的幅広くアクセスを獲得できる絞り込み部分一致のキーワードも織り交ぜて、ユーザーのニーズや関心を取りこぼさないような工夫があるとよいでしょう。

運用開始後のメンテナンス:除外キーワードの設定

広告出稿後、各キーワードの表示回数や表示順位、クリック数、コストなどをチェックします。コストがかかる割に、サイトとの関連性が低いキーワードなどは削除します。もちろんキーワードの予算設定を下げてもよいでしょう。

メンテナンスにおいて大切なのは、除外キーワードの設定です。先ほどのA社のコートの広告を出稿していた場合、テニスコートやフードコート、コート紙といった検索語句でも広告が表示されているかもしれません。このような場合、先の語句を除外キーワードに設定しておけば、無駄なアクセスを生みません。

運用当初から完全に除外キーワードを網羅するのは困難なので、広告の成果を見ながら除外キーワードを登録して、広告コストの費用対効果を上げていきましょう。

リスティング広告は、投下したコストに比例して効果が得られるという単純なシステムではありません。少ない予算でも、予想外のパフォーマンスを発揮することもあります。もちろんコストが潤沢にあるに越したことはありませんが、それよりも、適切なキーワード選定をすることが広告効果を大きく左右するのです。適切なキーワードのリストアップ、マッチタイプの設定、そして除外キーワードの細やかな登録を行い、理想的なリスティング広告運用を目指しましょう。

参考記事

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