Web集客の費用対効果〜自然流入(SEO)とリスティング広告で比較検討〜

KPI/効果測定

Webサイトへの集客のために代表的な手段として、SEO(Search Engine Optimization:検索エンジン最適化)とリスティング広告がよく挙げられます。自社Webサイトへの集客について悩んだり、調べたりしたことがあるなら、きっとどちらの言葉も耳にしたことがあるのではないでしょうか。

一般的に、検索エンジンからの自然な流入(オーガニック)を狙った見込み客獲得は、戦略が必要ですし、時間もかかります。しかし、リスティング広告と比べて、ローコストかつ持続的な効果が得られるメリットがあります。この記事では、SEOとリスティング広告、これら2つの集客手段の費用対効果について考えてみます。

リスティング広告と自然流入の違い

リスティング広告と自然流入を狙ったSEO対策は、集客という同じ目的であっても、その手法は大きく異なります。まずは、これらの違いについて理解を深めましょう。

リスティング広告

リスティング広告は、日本国内では「Google AdWords」や「Yahoo!プロモーション広告」といった広告プラットフォームが代表的です。検索キーワードに応じて、検索結果の上位の広告エリアに表示される形式の広告です。

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短期のコンバージョン達成

リスティング広告の最大の強みは、その即効性です。まず、非常に出稿しやすく、リードタイムがほぼありません。さらに、設定したキーワードでスピーディーにアクセスを獲得することができます。そのため、予算さえあれば、非常に短期間でターゲットにアプローチすることができます。制作を必要とする一般的な広告と比べると、その手軽さやスピード感は圧倒的といえます。

顕在顧客アプローチ

リスティング広告は、顕在顧客にアプローチする手段として、とても有効です。顕在顧客というのは、ニーズが顕在化している顧客のことです。リスティング広告は、設定した検索キーワードの検索結果に表示されますから、広告が表示されたユーザーは、あなたが設定したキーワードで検索をしたということになります。

たとえば、あなたがコーヒー豆を販売するECサイトを運営しているとします。このとき「コーヒー豆 通販」などのキーワードでリスティング広告を出稿していれば、このワードで検索しているユーザーの流入を期待できるでしょう。多くの場合、このユーザーは、コーヒー豆をECで入手しようとしていると考えられます。

つまり、リスティング広告は、必要としているものを明確に自覚している(ニーズが顕在化している)ユーザーに有効ということがいえるのです。

売上直結

前述のとおり、リスティング広告はニーズが明確なユーザーに有効な手法です。そのため、あなたがWebサイトで提供しているサービスや商品とのエンゲージメントが高いといえます。それはすなわち、リスティング広告を経由したユーザーは、購買につながりやすいことを意味します。

ただし、リスティング広告なら、どのようなものでも売上に直結するわけではありません。あなたの提供するサービスとユーザーのニーズを表す適切な言葉を選定し、キーワードとして設定する必要があります。

高いROAS

ROAS(Return on Advertising Spend)とは、投資した広告費用をどれだけ回収できたかを示す指標で、広告費用対効果と呼ばれることもあります。リスティング広告はこのROASの高さも大きな特徴のひとつです。

ROASの計算式は次のようなものです。

ROAS=売上÷広告費×100

たとえば、100万円の売上に対して、広告費が80万円だったとすると、

1,000,000÷800,000×100=125

となるためROASは125%と導かれます。この場合は、80万円の広告費に対して、125%の売上を実現できたことになります。ROASが高い値を示すほど、広告の費用対効果が高いということです。リスティング広告は、低額から始められる上、予算コントロールを細かく設定できます。さらに、これまで述べてきたように、広告から売上に直結しやすいことから、高いROASを期待できます。

一方、ROASと似た指標としてROI(Return on Investment)という指標もあり、こちらは売上ではなく、利益に対しての広告効果を表します。

自然流入/オーガニック(SEO対策)

リスティング広告の特徴について理解したところで、続いては、自然検索(オーガニックサーチ)からの流入を増加させるSEO対策について説明していきます。期待するキーワードでの検索順位を上げていく取り組みです。

もう少し詳しく解説すると、SEO対策とは、検索結果の最適化を目的に、Webサイトのコンテンツなどを整備したり、外部からのリンク(被リンク)を得たりする一連の施策のことです。コンテンツを拡充させていくことはもちろんのこと、ソースコードが適切な文書構造になっているかなども重要です。

それでは、SEO対策の特徴を見ていきましょう。

中長期での対策

検索エンジンの掲載順位は、すぐにはこちらの思い通りにはならず、その順位変動は基本的にはゆるやかなものです。たとえば、あるキーワードで掲載順位30位のWebページが、数日で1位になることはほとんど不可能と言ってよいでしょう。(もちろん検索エンジンのページ評価基準が大きく変わるなどのイレギュラーなケースは除きます。)

また、SEO対策のみを目的としたページ内容の変化やあまりに急激な被リンク数の増加は、検索エンジンからのペナルティを招く可能性もあり、これも短期的な効果を上げにくい理由です。

SEO対策はすぐに結果が出る施策ではないため、コンテンツを充実させるなど中長期的な視点でWebページを育てていく必要があります。

潜在顧客の発掘

SEO対策として自然検索の流入を増やすためにコンテンツを充実させていくと、ニーズが顕在化されていない顧客の流入を期待することができます。

たとえば、購入や申込みを考えていないユーザーが、関心のある事柄を検索しているうちに、あなたのWebサイトにたどり着いたとします。このユーザーは、あなたのWebサイトに関連する事柄に興味があるため、潜在的なニーズを持っている可能性があります。すぐには売上にはつながりませんが、あなたのWebサイトを繰り返し訪れているうちに、ニーズが顕在化するかもしれません。このようなユーザーこそが、リスティング広告ではアプローチできない見込み客であり、将来の売上につながる貴重なユーザーなのです。

継続的な情報発信が必須

自然流入を増加させるためには、自社のサービスや製品の説明といった「売り込み型」のコンテンツばかりでなく、見込み客にとって価値のある情報を発信することが大切です。Webサイトを公開するときに十分なコンテンツがあればOKというわけではなく、継続的に情報を発信し続けることがユーザーの再訪問につながります。再訪問だけではなく、有用な情報はSNSなどでシェアされるなど、ユーザーによる情報の拡散期待できます。

もちろん、検索エンジン対策としてもコンテンツの充実は有効ですから、リピーターによるアクセス増加だけではなく、新規ユーザーからのアクセス獲得にも有効です。

ファンの創出と育成

アクセスしてきたユーザーとのエンゲージメントを一度きりの機会にしてしまうのは、とてももったいないことです。できる限り、再訪を期待できるようなコンテンツづくりを心がけましょう。見込み客のニーズを掘り出してカスタマーにし、カスタマーからファンに育てていくことが大切です。

魅力的なコンテンツを発信し、ユーザーがあなたの製品やサービスやブランドのファンになってくれれば、自発的に繰り返しWebサイトを訪問するようになり、持続的な売上につながることでしょう。

ROASの傾向

投資した広告費に応じて短期的な効果を上げやすいリスティング広告に比べると、短期的(数日、一週間程度の期間)にはSEO対策はROASが低くなりがちです。対策に着手してからコンテンツの作成と掲載を行う、リードタイムが長くなりがちであることも短期的なROASが低くなる一因です。

ただし、長期的なROASは、リスティング広告に比べて、高くなります。一度作ったコンテンツはそのままでも持続的に効果を発揮するため、一定の期間で投資コストが回収された後も売上を生み出すためです。

リスティング広告費用の算出方法

リスティング広告とSEO対策の特徴を理解できたところで、続いては、リスティング広告の費用にフォーカスをあててみたいと思います。

リスティング広告は、PPC(Pay Per Click:クリック課金)型の広告です。クリックされる度に広告費用が発生します。つまり、リスティング費用は次のような式で決定されます。

リスティング広告費用=クリック数×クリック単価

クリック単価は、キーワードによって異なります。そのキーワードがどれくらい検索されているか、そのキーワードでどれくらいの競合広告が出稿されているかなどの条件によって、クリック単価は決まります。Google AdWordsを利用する場合は、同サービス内に「キーワードプランナー」というツールが用意されており、キーワードの単価を調べることができます。

また、リスティング広告にはクリック単価の上限を設定することができます。
実際にGoogle AdWordsの「キーワードプランナー」で、「コーヒー」というキーワードでどの程度の費用がかかるのか計算してみました。この記事を執筆している時点では、推定入札単価(クリック単価)は278円からと表示されました。競合性が低く、比較的出稿しやすい安価なキーワードのようです。日計の予測クリック数は66〜80.7回、日額の費用は2万6,600円から3万2,500円の間に収まるとのことでした。

このように、リスティング広告では、前述のようなツールを利用して、出稿前に予算を算出することができます。

リスティング広告の費用対効果は?

それでは、リスティング広告の費用対効果は、果たしてどのようなものなのでしょうか。そのためには、まずリスティング広告のクリック単価がどのように決められるのかを知っておきましょう。

リスティング広告の価格はどのように決まるか

リスティング広告は入札制のシステムで、ニーズ、検索数、競合入札者などが多いキーワードは相対的にクリック単価が上がります。高いクリック単価が設定されている広告がよりクリックされやすい場所に表示され、さらに表示回数も多くなるように調整されます。一般的には、高額な商材やサービス(不動産、教育、結婚式場、高級ブランドなど)の広告は競合率が高いことに加え広告予算も高額なことが多く、クリック単価の相場が高くなりがちです。

費用対効果の良い出稿方法は?

費用対効果が良い出稿の定石は、関連キーワードや、それらの複数キーワードの組み合わせを網羅し、幅広く出稿する方法です。そして、それぞれのキーワードにクリック単価を緻密に設定していくことで、高い費用対効果を実現できます。

しかし、この手法を実行するには膨大なキーワード管理が必要になります。クリック単価の調整は、経験が必要な作業でもあり、なかなか自社内での運用は大変です。そのため、リスティング広告の運用代行業者がいるのですが、業者に依頼した場合は委託料がかかってしまいます。

コストだけを考えると社内運用が理想的ですが、広告予算にゆとりがあれば、運用代行業者の利用も検討するとよいでしょう。

状況にあわせて適切な手段を選択

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結局のところ、リスティング広告とSEOのどちらを選ぶべきなのでしょうか?

実は、これには唯一の答えはありません。状況や商材、予算など、自社の状況に応じて、適切な手法を選ぶ必要があります。特に重要なのは、短期で効果を求めるか、中長期的に持続的な効果を求めるかです。多くの広告費を集中的に使えない予算状況の場合は、少し長い目でコンテンツを充実させていき、顧客育成を行うのが良いでしょう。

顧客育成に強いマーケティングオートメーションツール

顧客育成のためには、マーケティングオートメーションが非常に有効です。マーケティングオートメーションツールには、コンテンツ管理やアクセス分析はもちろん、顧客管理やエンゲージメントの高い顧客の絞り込み、またそれらのカスタマーへのメールマーケティングまで、顧客育成(リードナーチャリング)のための機能が詰まっています。マーケティングオートメーションツール「Cloud CMO」の導入もぜひ検討してみてください。

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