Webマーケティングにおける「コンテンツ」の意味を考える

コンテンツマーケティング

「コンテンツ」という言葉の意味を、改めて考えたことはありますか?

「コンテンツ」にはいくつかの意味があり、それぞれが異なるニュアンスで用いられているため、文脈に合わせて使い分けるのが混乱を回避する秘訣です。

この記事では、Webマーケティングにおける「コンテンツ」の意味について考えてみましょう。

 

「コンテンツ」の意味を整理しよう

コンテンツは元来Contentという英単語を複数形(Contents)にしたものですが、Contentとはもともと「(入れ物に入っている)中身」や「内容」といった意味合いで使われる言葉。そこから転じて、本や文章などの「内容」を指して使われる場合もあり、本の目次のことを「コンテンツ」というのもその流れから来ています。

一方、出版業界の周辺で「コンテンツ」という言葉を用いる場合は、「新聞や雑誌、書籍などのメディアを使って発信される情報」といったより限定的なニュアンスとなる場合が多いようです。また、コンピュータやインターネットの普及に伴い、近年では「電子的に利用可能な情報」を指してコンテンツと呼ぶことも増えてきました。
Webマーケティングの文脈で用いられる「コンテンツ」という言葉には、この二つを組み合わせたような意味が込められている、と捉えるのが妥当と言えるでしょう。「Webコンテンツ」であれば、「Webを通じて発信される情報」というわけですね。

このように、「コンテンツ」という言葉には微妙にニュアンスの異なるいくつかの語意があり、文脈によってこの言葉が示す事柄が異なる場合があることに注意してください。この点を念頭に置き、前提を明確にした上で言葉を用いることが大切です。

 

コンテンツとコンテンツではないもの

前項で述べた定義にそって考えると、「メディアを通じて発信され」かつ「電子的に利用可能である」情報は、その内容の如何に関わらずすべてがコンテンツであると、ひとまず定義することができます。

しかし、実際に注意して観察してみると、たとえばWebで発信されている情報の中にも、コンテンツという言葉がしっくり来るものとそうでないものがあるようにも思えます。

そこで、「コンテンツの創造、保護及び活用の促進に関する法律」をひもといてみましょう。この法律はコンテンツの著作権保護、コンテンツの健全化などを主な目的として定義されたもので、2004年の通常国会において成立しました。
「コンテンツの創造、保護及び活用の促進に関する法律」の第二条では、コンテンツについて次のように定義しています。

「コンテンツ」とは、映画、音楽、演劇、文芸、写真、漫画、アニメーション、コンピュータゲームその他の文字、図形、色彩、音声、動作若しくは映像若しくはこれらを組み合わせたもの又はこれらに係る情報を電子計算機を介して提供するためのプログラム(電子計算機に対する指令であって、一の結果を得ることができるように組み合わせたものをいう。)であって、人間の創造的活動により生み出されるもののうち、教養又は娯楽の範囲に属するものをいう。

ここでは、映画、音楽、演劇、文学、写真…等々、様々なコンテンツが列挙された上で、「人間の創造的活動により生み出されるもののうち、教養又は娯楽の範囲に属するものをいう」と明記されています。

この「教養又は娯楽の範囲に属するもの」という部分に重点をおいて考えると、前項で仮定したコンテンツの定義、すなわち「メディアを通じて発信され、かつ電子的に利用可能な情報」であっても、教養や娯楽の範囲から逸脱するものはコンテンツではないと区別することができそうです。

 

Webマーケティングにおけるコンテンツと非コンテンツ

そこで、ここまでに述べた内容を踏まえて、Webマーケティングにおいて何をコンテンツと呼ぶべきなのかを改めて考えてみましょう。

たとえばBtoB向けのWebサイトには、トップページ、会社概要、企業理念、社長挨拶、商品・サービス紹介、ブログ、Q&A、問い合わせフォームや資料ダウンロードページ、プライバシーポリシー、上場企業であれば株主向けのIR情報…といったページが含まれます。
ECサイトであれば商品カテゴリーや商品紹介、ショッピングカート、店長紹介、特定商取引法について記載したページなどもありますね。また、最近では、サイト訪問中のユーザとリアルタイムにチャットで対話するプログラムを用意しているWebサイトも増えてきています。
これらのうちのどれがコンテンツで、どれがコンテンツではないのでしょう?

「電子的に利用可能な情報がコンテンツである」と仮定するのであれば、前述のすべてがコンテンツです。一方、「教養や娯楽の範囲に属する」という部分を加味すると、会社概要やプライバシーポリシー、問い合わせフォームなどは、コンテンツという言葉にはあまりそぐわないように感じられます。企業理念や社長挨拶なども微妙なラインかもしれません。
一方で、ブログや商品・サービス紹介は、問答無用で「コンテンツである」と感じる人が多いのではないでしょうか。

実際のところ、単純に情報の種類でコンテンツと非コンテンツを分けるのは簡単なことではありません。つまり、解釈の仕方には幅があり、厳格な規定があるわけではないのです。

たとえば会社概要や企業理念、社長挨拶なども、工夫次第では単なる事実紹介にとどまらない読み応えのあるものに仕立てることができます。単に商品名や規格、値段だけを列挙したページを「コンテンツ」と呼ぶことにはためらいを感じる人が少なからずいらっしゃるかもしれませんが、製品の誕生秘話、利用方法のアイデアなどを併記した興味深い内容に仕立てられていれば、立派なコンテンツとして通用するでしょう。

 

作り手の意図がコンテンツと非コンテンツを分ける

要するに、単にその情報群が扱うテーマのみでコンテンツと非コンテンツが分けられるわけではなく、そこには作り手の姿勢や意図が大きく介在していると言うことができるのではないでしょうか。

Webマーケティング担当者が「うちももっとコンテンツを増やさなくては」と言う時、暗黙のうちにブログやノウハウ記事といった読み物的なものを想定している場合が多いのではないかと思います。しかし前述したように、Webサイトにおけるコンテンツはそうした読み物に限定されるものではありません。

会社概要、企業理念、社長挨拶、アクセスマップから商品紹介、場合によってはリクルートページまでが立派なコンテンツになり得ます。
もちろん、なんでも闇雲に読み物風に面白おかしく書けばよいというわけではなく、戦略に基づいて全体のバランスを取る必要はありますが、こうした姿勢をもってWeb制作に挑むことで、Webサイト全体の質を高めていくことが可能となるでしょう。

 

前提を明確にしてコンテンツ戦略に取り組もう

以上、この記事ではコンテンツという言葉の意味・定義を改めて整理した上で、ビジネスWebサイトにおけるコンテンツと非コンテンツの区別について考察してみました。

前述のとおり、コンテンツという言葉が示す意味の幅は広く、本記事で述べた内容が必ずしも唯一の正解であると断言するわけではありません。しかし、重要なのは汎用的な正解を追求することではなく、関係者間での認識を統一することにあります。

ビジネスWebサイトのコンテンツ戦略を立案・実践する際には、最低限制作チームのメンバー間で「コンテンツの意味」を共有し、何がコンテンツで何がコンテンツではないのか、コンテンツと非コンテンツに対してそれぞれどのような方針で制作に当たるのかを明確にした上で取り組むことが大切です。

TOP