QDDとは、Googleが検索結果を決める際に、「情報の多様性」を重視するようにプログラムされたアルゴリズムを指します。
QDDによってGoogle検索からは多角的な情報を入手できるようになり、ユーザーの持つ検索意図を取りこぼすことが少なくなりました。
こちらではQDDの基本的な概要を解説し、対策方法と対策のメリットを紹介します。
QDDとは?
QDDとは、「Query Deserves Diversity」を省略した言葉で、「多様性のある検索結果」を意味します。
Googleの検索結果は、クエリとインデックスされたサイト情報(Googleによって整理された情報)を組み合わせてそれぞれの価値を決め、ランキングにして表示する仕組みになっています。
しかし、単純なランキングでは、上位表示されている既存記事を模倣したWebサイトが検索結果を独占する恐れがあるでしょう。
それでは1つのキーワードに対して似たような情報しか提供できず、検索エンジンとしての価値を低下させる可能性が懸念されます。
そこでGoogleが取り入れたと考えられているのが、QDDというアルゴリズムです。
QDDは検索結果に多様性を作り出し、さまざまな角度から見た情報を提供します。
その結果同じキーワードを検索しても、似たような情報ばかりではなく、関連するさまざまな情報を表示できるようになったと考えられているのです。
QDDの効果とは?
QDDによる具体的な効果には、以下のようなものがあると想定されます。
それぞれの詳細を確認し、QDDというアルゴリズムの価値について考えてみましょう。
検索結果に多様性を持たせる
QDDは、検索結果に多様性を持たせるためのアルゴリズムです。
1度の検索に対して多くの種類の情報を提供できるので、ユーザーは自分の求める情報源に簡単にたどりつくことができるでしょう。
多様性が検索結果を決めるひとつの要素になるのなら、検索結果は情報量の増加やトレンドの変動によって移り変わっていくことが予想できます。
つまり新規で解説したWebサイトも、情報の質や内容次第では上位表示を狙えるのです。
ひとつのキーワードで幅広い範囲を検索できる
QDDによって、ユーザーはひとつのキーワードだけで幅広い範囲を検索できるようになりました。
例えば「A」という商品のキーワードを検索したとすると、Googleの検索結果には「Aの使い方」「Aの評判」「Aのメリット」など、多彩な情報が表示されます。
ユーザーはそのなかから自由にWebサイトを選択できるので、スムーズに欲しい情報を手に入れられるのです。
同音異義語の検索時も、検索意図を考慮して幅広い情報が提供されるので、検索し直す手間が必要なくなります。
ユーザーにWebサイトを選択させるきっかけを与える
QDDは、ユーザー自身にWebサイトを選択させるきっかけを与えます。
検索を行なった段階では、ユーザー自身が自分の知りたい本当の内容を理解していないこともあるでしょう。
そんな状態ときに、上位表示されるWebサイトに多様性がなかったとしたら、ユーザーはひとつの情報しか見つけることができず、「それが自分の知りたかったことだ」と勘違いする結果になりかねません。
QDDによる検索結果の多様性は、ユーザー自身に本当に知りたいことを理解させることにつながり、Webサイトの情報の価値を高める結果にもなるでしょう。
QDDは公式で明言されているシステムではない
QDDはGoogleの検索エンジンの価値を高める有益なアルゴリズムですが、あくまでその存在は「憶測のレベル」にとどまっています。
GoogleによってQDDというシステムの存在が明言されているわけではなく、「QDDというアルゴリズムが存在する可能性がある」という段階に過ぎないのです。
一方で、QDDのようなアルゴリズムがある可能性は、非常に高いと考えられています。
実際に検索を行えば分かりますが、検索結果にはさまざまな切り口から情報を提供している多様なWebサイトが表示されます。
そのため多くの企業がQDDがあることを前提に、SEO対策を行っているのです。
QDD対策を行うメリットについて
QDD対策の実施は、自社のWebサイトに多くのメリットを与えます。
以下を参考に、どのようなメリットがあるのかを確認してみましょう。
検索結果の「隙間」を狙うことで上位表示を狙える
QDDのアルゴリズムを理解した上で、まだ検索結果に反映されていない情報の「隙間」を狙うことで、Webサイトの上位表示を狙えます。
まだ需要が満たされていないユーザーの検索意図を見つけて、それに応えられるWebコンテンツを発信することで、QDDに評価される可能性があるのです。
ユーザーの検索意図は変化していくものでもあるので、定期的に検索結果を確認して自社コンテンツが特定の需要を満たせている状態をキープしましょう。
自社ならではのオリジナリティをアピールできる
QDDへの対策を行うには、多様性の観点から、既存のWebサイトにはない独自性を持つコンテンツの配信することが有効です。
他サイトとは違った特徴を持つコンテンツはユーザーの印象に残りやすく、リピート流入につながる可能性を高めます。
「以前見たことのあるサイトだ」と認識してもらえれば、安心感を与えられるのでページの滞在時間を伸ばしたり、別ページへの移動を促しやすくなったりするでしょう。
QDDへの具体的な対策は?
QDDの効果について理解したなら、続いて具体的な対策をチェックしましょう。
以下からは、QDDに対応するための対策方法について解説します。
検索結果を確認してユーザーの検索意図を特定する
QDDへの対策を行うには、まず実際に検索結果を確認して、ユーザーの検索意図を特定します。
ユーザーがなぜそのキーワードを検索することになったのか、具体的にどんな情報を知りたいと思っているのかを想定することで、検索意図を明確にしていけるでしょう。
検索意図はひとつであるとは限らないので、複数の可能性をピックアップしてリスト化するのがポイントです。
ユーザーの検索意図を考慮しつつ他サイトにはない要素を取り入れる
ユーザーの検索意図をある程度絞り込めたら、それを考慮しつつ他サイトにはない要素を自社コンテンツに取り入れていきます。
QDDによって多様性が重要視されているため、他サイトではカバーし切れていない情報を載せたWebサイトは価値を高く評価される可能性があるのです。
上位表示されているWebサイトは全て確認して掲載されている情報を把握し、独自性を求めて差別化を図るのがQDD対策につながります。
QDDへの理解がWebサイトの検索順位を上昇させる
今やWebサイトのSEO対策実施は珍しくなくなっています。
しかし、SEO対策を施しているWebサイトは増え続けているので、いくら対策に時間をかけても他企業のサイトをまねているだけでは、上位表示が難しくなっているのです。
QDDを理解して、ユーザーの検索意図に合わせた需要を満たせる独自のコンテンツを提供する、という方法に、今後はより注目が集まると予想できるでしょう。
この機会にQDDという考え方をしって、具体的な対策に活かしてみてはいかがでしょうか。
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