たとえばあなたの名刺に「マーケター(Marketer)」や「マーケティング担当」と、社内での役割が書かれていたとしても、受け取った人はその能力を推し量ることはできません。特にマーケティングは、その実力のほどが定量的に判断しにくい分野。ただし名刺に書かれているのが公的な資格の名前であれば、それはあなたが持つ知識や能力の証明となります。公的な資格とは、自分が知識を習得するものであると同時に、顧客や他の人への能力のアピールになるのです。今回は、マーケティングに関わるおすすめの資格を目的別に紹介していきます。
また、BtoBマーケティングについて初歩的な概念から学びたい!という方は、こちらの資料『はじめてのBtoBマーケティング、何から取り組むべきか?』も参考ください。
マーケティングを体系的に学びたい人におすすめの資格
まずはマーケティングの基礎を体系的に学び直したい、という方にぴったりな資格をご紹介します。
マーケティング・ビジネス実務検定
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概要と特徴
マーケティング・ビジネス実務検定は、マーケティング実務の知識を総合的に判定するために行われている試験です。試験の教材(対策)としてテキストと問題集、通信講座、通学講座が用意されており、対策してから受験することで、理論だけではなく仕事ですぐに役立つ総合的なマーケティングの実務知識が習得できます。試験は難易度別に、A級、B級、C級が用意されています。
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実施期間
年数回実施。A級、B級、C級によって時期と会場が異なるので、公式ページで要確認
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受験費用
A級12,760円(税込)
B級7,480円(税込)
C級6,270円(税込)
他にも併願の場合の受験料あり
マーケティング検定
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概要と特徴
マーケティング検定とは、公益社団法人日本マーケティング協会が主催する内閣府認定のマーケティング能力測定試験です。試験方式として「CBT(Computer Based Testing)」を採用しており、随時、全国のテストセンターで受験できることが特徴です。試験は3級(初心者)、2級(中級者)、1級(上級者、ただし準備中)に分かれ、マーケティングの基礎知識から実務知識までが問われます。
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実施期間
CBTにより随時受験可能
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受験費用
2級 9,460円(税込)
3級 6,600円(税込)
ネットマーケティング検定
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概要と特徴
ネットマーケティング検定は、最も効果的なインターネット・マーケティングを実施できる人材の育成・判定をするための試験です。インターネットの黎明期からWebサイトの役割は大きく変化し、現在では経営戦略と連動した重要な「経営要素」となっています。本試験は、インターネットの特性を理解し、状況に応じたマーケティング手法を選択できるスキルの証明となります。
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実施期間
年2回程度全国一斉に実施(現在はWeb試験)
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受験費用
6,000円(税込)
Webマーケティング・デジタルマーケティングを学ぶのにおすすめの資格
マーケティングの中でも、近年は特にWebマーケティングやデジタルマーケティングが重要度を増しています。マーケティングの実力をもうワンランクアップしたいなら、ぜひこの資格にチャレンジして下さい。
Webマーケター&広告プランナー養成講座
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概要と特徴
Webマーケター&広告プランナー養成講座は、株式会社ウィニングフィールドが運営する「コンバジョニスタベーシック」の中の養成講座です。検定と違って終了時に資格が得られるわけではありませんが、最新のWeb広告運用法やクライアントの獲得方法が、現役マーケターや経験豊富な営業担当者から学べます。クライアントとのトラブル対処法など、現場を経験している人しかわからないような内容を学べることも特徴の一つです。
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実施期間
随時受講開始可能
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受講費用
3ヶ月コース(24,800円~/月 24回分割払いの場合)
6ヶ月コース(39,800円~/月 24回分割払いの場合)
Webアナリスト検定
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概要と特徴
Webアナリスト検定は、日本Web協会が運営するWeb解析の実力を計る検定です。毎月、講座と試験が交互に開催され、Googleアナリティクスを体系的に学ぶことができます。アクセスログ解析は、分析ツールの出力結果を眺めるだけでなく、データを整理し統計的に分析する必要があります。本講座ではユーザーフローに沿って、データ分析のポイントを学べることが特徴です。
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実施期間
毎月数回、講座と検定を交互に実施
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受験費用
受講料と受験料は、主催者、会場によって異なる
Googleアナリティクス個人認定資格(GAIQ)
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概要と特徴
Google アナリティクス個人認定資格(GAIQ)は、Googleが運営するGoogle アナリティクスの習熟度を認定する試験です。Google アナリティクスは初心者にも使いやすく、今や業界のデファクトスタンダードとなっています。本試験を受け認定ユーザーになることで、Google アナリティクスの能力を最大限に引き出せるようになるでしょう。受験方法は、アナリティクス アカデミーの Google アナリティクス初級者向けコースと Google アナリティクス上級者向けコースに置かれたドキュメントをよく読み、スキルショップで受験します。
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実施期間
スキルショップから随時受験可能
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受験費用
無料
IMA検定
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概要と特徴
IMA検定は、クラウドマネージメント協会が運営する全課程を自宅や職場内で実施できる検定です。本検定は、講義でインターネットの集客から、アクセス解析(Googleアナリティクス) 、改善策のレポート作成等の実務スキルを学び、その後の試験までをすべてeラーニングで行えます。コースはStandardコース(サイト分析とリスティング広告の実践運用スキル等)と、Professionalコース(ターゲット別の集客プランの立案とスプリットラン実施ノウハウ等)の2コースです。
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実施期間
年間12回程度実施
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受験費用
Standardコース 受講・受験料 19,800円(税込)
Professionalコース 受講・受験料 19,800円(税込)
データ分析スキルを身に着けたい人におすすめの資格
せっかくWebサイトなどから取得したデータも、分析して今後に活かせなければ意味がありません。データの分析スキルは、今後ますます重要になってくるスキルです。
統計士・データ解析士
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概要と特徴
統計士・データ解析士は、内閣府移行認可団体の一般財団法人実務教育研究所が認定している資格です。講義は通信教育形式で行われますが、統計士は在籍期間内に報告課題と終末試験の成績で基準点をクリアすることで資格を付与。データ解析士は、本講座修了後にデータ解析士認定試験(主催:財団法人実務教育研究所)に合格することが必要です。
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実施期間
随時申し込み・受講可能
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受験費用
現代統計実務講座(統計士) 入学金:5,000円 / 受講料:54,800円(税込)
多変量解析実務講座(データ解析士) 入学金:5,000円 / 受講料:49,500円(税込)
ウェブ解析士
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概要と特徴
ウェブ解析士とは、Webサイトのアクセス解析やWebマーケティング戦略の立案、プロジェクト実行などを通して事業を成功へ導く人材のことです。本検定は一般社団法人ウェブ解析士協会が運営し、認定資格には難易度別に「ウェブ解析士」、「上級ウェブ解析士」、「ウェブ解析士マスター」があります。特徴的なことは資格の有効期限が1年間であること。ウェブ解析士はウェブ解析士協会の正会員、もしくは法人会員としての登録する必要があり、会員資格維持のためには年会費の支払いとフォローアップテストの合格(毎年)が必要です。Webマーケティングという、最先端の知識を必要とされる業務に則した資格となっているのです。
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実施期間
月に数回ウェブ解析士認定試験を実施
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受験費用
ウェブ解析士
講座費用 11,000円(税込)
試験費用 17,600円(認定費用込・税込)
個人会員の年会費:6,600円(税込)
法人会員の年会費:条件により変動
フォローアップテスト(毎年受験要) 正会員・法人会員は無料
統計検定
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概要と特徴
統計検定は、一般財団法人 統計質保証推進協会が運営する統計に関する知識や活用力を評価する全国統一試験で、難易度別に4級から1級まで設定されています。データに基づいて客観的に状況を判断し、論理的に問題を解決できる能力を評価する試験となっています。
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実施期間
年2回程度(級ごとに実施)
CBT(Computer Based Testing)は随時受験可能
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受験費用
1級「統計数理」 6,000円(税込)
1級「統計応用」 6,000円(税込)
準1級 8,000円(税込)
2級 5,000円(税込)
3級 4,000円(税込)
4級 3,000円(税込)
その他マーケティングの各施策に関連する資格
ここからはSEOや広告、ライティングなど、マーケティングを行うときに必要な各種施策に関わる資格を紹介していきましょう。
SEO検定
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概要と特徴
SEO検定は、一般社団法人全日本SEO協会が実施する最新のSEO技術を学べ、資格が取得できる検定試験です。試験は難易度別に4級から1級に分かれ、それぞれのグレードは4級(SEOの基礎知識)、3級(キーワードリサーチと内部要因最適化)、2級(コンテンツSEOと外部要因最適化)、1級(ソーシャルSEOとモバイルSEO)となっているので、SEOの技術を体系的に学んでいくことができます。
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実施期間
月に1~2回程度、全国10カ所で実施
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受験費用
1級 8,800円(税込)
2級 6,600円(税込)
3級 5,500円(税込)
4級 5,500円(税込)
SEOマーケティングアドバイザー
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概要と特徴
SEOマーケティングアドバイザーとは、サイト運営のプロフェッショナルとしてWebサイトのさまざまな問題に対し、SEO対策をベースにアドバイスを行う人を指します。SEOマーケティングアドバイザー認定資格試験は一般社団法人日本技能開発協会が実施しており、試験に合格することによりSEOマーケティングのスキルを身につけたことが認定されます。
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実施期間
随時受験可能(在宅での受験後、解答用紙を郵送)
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受験費用
受験料 11,000円(税込)
テキスト教材+受験費用 49,500円(税込)
Google広告の認定資格
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概要と特徴
Google 広告の認定資格はGoogleが独自に認定する資格で、Google 広告に関しての基礎知識、及び上級レベルの知識を持った人が認定されます。認定資格にはGoogle 広告の検索広告、ディスプレイ広告、動画広告、ショッピング広告、アプリ広告、広告測定の 6 つが用意されています。本資格の認定を受けることで、Google に認められたオンライン広告のエキスパートであることを証明できます。
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実施期間
スキルショップから随時受験可能
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受験費用
無料
Webライティング能力検定
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概要と特徴
Webライティング能力検定は、一般社団法人日本WEBライティング協会が主催する能力検定試験で、同じ問題で獲得した点数により1級から3級の資格が認定されます。試験は国語、コピーライティング、Webライティング、炎上対策など、幅広い科目で実施され、総合的なライティングスキルが試されます。
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実施期間
年4回程度、全国17カ所で実施
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受験費用
13,500円(税込)
ネットショップ検定
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概要と特徴
ネットショップ検定は、ネットショップ能力認定機構が運営するネットショップでの実務能力者(ネットショップ実務士)を認定する検定です。一口にネットショップと言っても種類はさまざまなので、ネットショップ実務士は4つの職種(マネジメント、プロモーション、Web制作、運営)と6段階のレベル(実務士補~レベル5)を組み合わせた、全12種のクラスで資格の認定が行われます。
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実施期間
CBT(Computer Based Testing)で随時受験可能
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受験費用
ネットショップ検定レベル2 7,500円(税込)
ネットショップ検定レベル1 7,000円(税込)
国家資格としてのマーケティング関連資格
最後は独立開業さえ可能な国家資格のご紹介です。いわゆる士業と呼ばれる分野ですが、この資格があればマーケティングだけでなくコンサルティングも可能になります。
中小企業診断士
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概要と特徴
中小企業診断士とは、中小企業の経営課題に対応するための経営診断や経営的な助言を行う、国家資格を持った専門家です。中小企業診断士は1次試験、2次試験(筆記・口述)、実務補習や実務従事を経て認定され、経済産業大臣が中小企業支援法 第11条に基づき登録します。試験の難易度はとても高いものですが、合格(登録)後は経営コンサルタントとして独立開業することや、コンサルティング会社などで活躍ができます。
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実施期間
1次試験 年1回
2次試験 年1回(筆記と口述は別々に実施)
実務補習・実務従事 年5回実施
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受験費用
1次試験 13,000円(税込)
2次試験 17,200円(税込)
実務補習・実務従事 5日間コース 50,000円(税込)
15日間コース148,600円(税込)
マーケティングの資格は本当に必要?
自分には長年の経験と実力があります、と言葉で言ったところで、他人にはそれをなかなか理解してもらえません。冒頭でも申し上げたとおり、公的な資格は知識を習得できると同時に、顧客や他の人への能力のアピールになります。ただし単なる資格マニアでは意味がありません。資格そのものが重要なわけではなく、資格を取得する上で学んだことが重要なのです。取得した資格の名前に恥じない現場での活躍こそが、一番大切なことだと覚えておきましょう。
まずはBtoBマーケティングの基本について資格に頼らず学びたいという方は、こちらの資料『はじめてのBtoBマーケティング、何から取り組むべきか?』も参考ください。