Skip to content
イノーバマーケティングチーム2024/03/25 4:37:482 min read

SaaSビジネスでのはリード獲得成功のポイントを解説【10の施策付】

 

はじめに

SaaS(Software as a Service)企業にとって、リード獲得は事業成長の生命線と言っても過言ではありません。継続的な収益を生み出すサブスクリプションモデルを採用するSaaS企業にとって、新規顧客の獲得は至上命題。しかし、SaaS製品の特性ゆえに、リード獲得には独自の課題が立ちはだかります。

SaaSは無形商材ゆえ、製品の価値を伝えづらい。加えて、競合他社との差別化が難しいのも悩ましい問題です。導入のハードルの高さから、トライアルからの有料転換率が低いのも頭を悩ませるポイント。こうした課題にどう立ち向かえば良いのでしょうか。

本記事では、SaaS企業のリード獲得を加速する10の実践的施策を詳解します。トライアルの最適化からABMの実施まで、SaaSビジネスに特化したテクニックの数々を、マーケティングの第一線で活躍する専門家がわかりやすく解説。記事の最後には、より効果的なリード獲得を支援するツールもご紹介します。

リード獲得の壁に悩むSaaS企業の皆様、ぜひ本記事を参考に、貴社の施策に磨きをかけてください。それでは、早速中身に入っていきましょう。

SaaSに特化したリード獲得施策10選

1. 製品の特性を活かしたトライアル導線の最適化

SaaSビジネスの大きな利点は、手軽に製品を試用できるトライアル(無料試用版)を提供できること。トライアルは、ユーザーが製品の価値を実感するための重要な機会です。トライアル期間中の利用状況が、その後の有料転換率に直結すると言っても過言ではありません。

トライアル導線の最適化では、まず試用期間の設定が肝となります。短すぎては製品の魅力を十分に伝えられませんが、長過ぎてもいつまでもフリーユーザーにとどまられるリスクが。自社製品の習熟に必要な時間を見極め、最適な期間設定を行うことが重要です。

また、トライアル期間中のオンボーディング(初期設定・利用開始の支援)も重要な鍵を握ります。ユーザーが迷うことなくスムーズに利用を開始できるよう、分かりやすいチュートリアルの用意は必須。加えて、チャットやメールでの手厚いサポートも欠かせません。

さらに、トライアル終了後の有料プランへの移行をいかに促すかも重要なポイント。トライアルユーザー向けの特別割引の提供や、トライアル終了間際の個別コンタクトなど、ユーザーの心理に寄り添ったアプローチを仕掛けていきましょう。

2. カスタマーサクセスとマーケティングの連携強化

SaaSビジネスにおいて、顧客との長期的な関係性構築はとても重要。単に新規顧客を獲得するだけでなく、既存顧客にもしっかりと目を向け、離脱を防ぐ取り組みが欠かせません。そのためには、カスタマーサクセス(CS)部門とマーケティング部門の緊密な連携が不可欠と言えます。

CS部門は、日々顧客と対話し、その声に耳を傾けています。顧客の抱える課題や製品への要望は、マーケティング施策に反映させるべき重要な情報の宝庫。CS部門から得られた顧客インサイトを基に、マーケティング部門は適切なアプローチを展開することが可能になります。

例えば、CS部門から「この機能があればもっと使いやすいのに」という声が上がっていれば、その機能のβ版リリース告知をマーケティングで行うなど。顧客のニーズに応える形で新機能をアピールすれば、満足度の向上とアップセルにつなげられるはずです。

また、CSとマーケティングが一体となって、ロイヤルカスタマーの囲い込みに注力するのも効果的。例えば上位プランへのグレードアップ時に、CSからの温かいメッセージとマーケからのお得な特典を同時に提供する、など。両部門が顧客に寄り添う姿勢を共有することで、強固な信頼関係を育めるでしょう。

3. 解約率の改善に注力

獲得したユーザーを離さないこと。これはSaaS企業にとって、新規顧客の獲得と同じくらい重要な命題です。サブスクリプションモデルの要は、顧客生涯価値(LTV)をいかに高められるかにあります。そのためには、解約率(チャーンレート)の改善に真剣に取り組む必要があるのです。

解約の兆候をいち早くキャッチするには、CSツールの活用が有効。ユーザーのアクティビティ(製品の利用状況)を常時モニタリングできれば、急激な利用頻度の低下など、解約リスクの芽を早期発見できます。リスクユーザーに対しては、アラートを上げて個別にアプローチ。利用が減った理由を丁寧にヒアリングの上、適切なサポートに努めましょう。

解約理由の分析・対策も重要な取り組み。解約の際には、簡単なアンケートを実施するなどして、解約理由の把握に努めることが大切です。「製品への不満」「他社サービスへの乗り換え」「予算不足」など、理由によってその後の対応は大きく変わってきます。表面的な理由だけでなく、深層心理にも目を向けた分析を心がけましょう。

そして、得られた知見は製品開発にもフィードバック。解約理由トップの課題から対策を打っていけば、問題点を着実に潰し、製品価値を向上させられるはず。1件1件の解約を、製品を磨く糧にする。その前向きな姿勢が、解約率の改善につながります。

4. 自社の強みを活かしたコンテンツマーケティング

リード獲得の有力な施策として、コンテンツマーケティングは外せません。自社の持つ専門知識を活かし、潜在顧客の課題解決に資するコンテンツを発信することで、ブランド認知の向上とリード獲得の両立が期待できます。とりわけSaaS企業の場合、自社製品の活用事例は、コンテンツの目玉になり得ます。

まずは自社製品の強みを再確認することから始めましょう。競合製品と比べて優れている点、ユーザーから評価されているポイントなどを洗い出し、整理します。その上で、その強みが遺憾なく発揮された活用事例を探します。事例選定のポイントは、読者の共感を呼べるかどうか。読者の業界・職種に近い事例を選ぶことで、親近感を持ってもらいやすくなります。

事例を題材にしたコンテンツを制作する際は、読者目線を大切に。事例を羅列するだけでなく、読者の抱える課題にどう応えたのかを丁寧に解説します。「こんな課題を抱えている企業さまにおすすめ」といった明快なメッセージを添えることで、より強いインパクトを残せるでしょう。

また、事例だけでなく、業界動向や課題解決のヒントを提供するオリジナルコンテンツの発信も効果的です。自社ブログやオウンドメディアを通じて、有益な情報を継続的に届けることが理想。SaaS企業ならではの知見を活かし、他メディアにはない切り口のコンテンツを目指しましょう。

コンテンツ制作と並行して、配信方法の工夫も重要。自社サイトだけでなく、業界メディアへの記事寄稿や、SNSでの情報発信など、多様なチャネルを通じてリーチの拡大を図ることが大切です。適切なハッシュタグを付け、ターゲットユーザーのコミュニティに参加するのも効果的。地道な活動の積み重ねが、リード獲得の土台を築いていきます。

5. リードスコアリングの精度向上

リードの「質」を評価し、優先順位をつけること。これが、リードスコアリングの目的です。リードスコアリングを適切に行えれば、営業リソースを適切に配分でき、効率的なリード獲得が可能になります。スコアリングで高評価を得たリードから優先的にアプローチすることで、成約率の向上が期待できるのです。

スコアリングの精度を高めるには、スコアリング基準の設定が肝となります。自社製品の理想顧客像(ICP)を明確にした上で、ICPとの適合度を測る指標を定めていきます。例えば企業規模や業種、ソフトウェア導入の意思決定権限の有無など。自社にとって「優良見込み客」の条件を整理し、スコアに反映させるのです。

また、オンライン上でのリードの行動履歴も、スコアリングの重要な判断材料。自社サイトでのページ閲覧履歴、コンテンツのダウンロード、ウェビナーへの参加などの情報を、マーケティングオートメーションツールで取得・集計。一定以上の閲覧ページ数や、資料ダウンロード数に応じて、高いスコアを付与する仕組みを設けましょう。

リードスコアリングモデルは、定期的なブラッシュアップも欠かせません。実際の成約データとスコアの相関を分析し、モデルの精度検証を行うことが重要。スコアが高いのに成約に至らないリードが多い場合は、スコアリング基準の見直しが必要です。仮説と検証を繰り返し、自社に最適化されたモデル作りを目指しましょう。

将来的には、AIを活用したスコアリングも視野に入れると良いでしょう。膨大なリードデータをAIに学習させることで、人間の目では捉えきれないリードの特徴を見出し、スコアリングに活かせる可能性があります。リードの「質」を追求し続けることが、リード獲得の効率化につながるのです。

6. パートナー企業との連携によるリード獲得

自社の営業・マーケティングリソースには限りがあるもの。その限られたリソースを補完し、リード獲得の幅を広げる有力な方法が、パートナー企業との連携です。自社製品と親和性の高い製品・サービスを提供している企業とタッグを組み、相互送客を図る。その連携プレーによって、それぞれ単独では到達できない層にもリーチできる可能性が広がります。

連携先の選定は慎重に。自社の強みを活かせるような企業を探すことが大切です。例えば、自社製品と連携すれば顧客により大きな価値を提供できるようなツールを持つ企業。あるいは、自社製品単体ではカバーしきれない課題にも応えられるようなサービスを展開する企業など。提携先との製品・サービスのシナジーを意識しながら、ベストパートナーを見極めましょう。

具体的な連携施策としては、相互紹介プログラムの実施が挙げられます。パートナー企業の顧客へ自社製品を紹介してもらう代わりに、自社の顧客へはパートナー企業の製品・サービスを紹介する。あるいは、双方の製品を組み合わせたソリューションを共同で訴求するのも一案。単独の製品では実現しにくい価値を、連携することで創出できれば、大きな訴求力になるはずです。

パートナーとの連携では、定期的なコミュニケーションが欠かせません。双方の営業状況や、顧客からの声を頻繁に共有し合うことが重要。蜜な情報交換によって、連携施策のブラッシュアップを続けられる関係性の構築を目指しましょう。

7. カスタマーレビューの戦略的活用

見込み客にとって、既存ユーザーの評価ほど参考になる情報はありません。生の声には説得力がある。だからこそ、カスタマーレビューの戦略的活用は、有力なリード獲得施策と言えます。高評価のレビューは最高のセールスコピー。上手に活用することで、新規見込み客の心を掴めるはずです。

レビュー活用の第一歩は、レビューの取得から。アプリストアや専門レビューサイトなど、ユーザーの声が集まる場に目を向けましょう。良い評価があれば、ぜひ自社サイトやランディングページに掲載を。ユーザーの生の声は、見込み客の不安払拭に一役買ってくれるはずです。

一方、ネガティブな評価にも目を向けることが大切。改善要望や不満の声は、製品の課題を浮き彫りにしてくれる重要な財産。真摯に受け止め、具体的な改善アクションににつなげましょう。

また、カスタマーインタビューを実施し、活用事例としてまとめるのも効果的。ユーザー企業の課題解決の裏側を具体的に紹介することで、自社製品の有用性を強く印象付けられます。 インタビューを受けてもらう際は、ぜひ顔写真やプロフィールの掲載もお願いしたいところ。ストーリーに信ぴょう性が増し、共感を得やすくなるはずです。

さらに、SNS上でのユーザーの声にも注目。ポジティブな投稿には、積極的に反応を返していきましょう。お礼のメッセージを添えて、投稿を自社アカウントでシェア。ユーザーの愛着度を高めつつ、フォロワーにも良い印象を与えられる一石二鳥の施策です。

8. セルフオンボーディングの促進

SaaSの導入にあたって、利用開始までのオンボーディング(設定・適用支援)をいかにスムーズに進められるかは、ユーザー体験を大きく左右する重要なポイント。オンボーディングに手間取れば、そのまま解約につながりかねません。 特に、セールス担当が1社ずつ個別対応するハイタッチなオンボーディングでは、対応リソースに限界が。効率的なオンボーディングの仕組み作りは、SaaS企業の急務と言えます。

この課題を解決する鍵となるのが、セルフオンボーディングの促進。ユーザー自身で、スムーズに利用開始できる環境を整えるのです。そのためには、まず操作画面UIの直感的な分かりやすさが大前提。直感で操作できるよう、シンプルなUIデザインを心がけましょう。

加えて、リアルタイムのサポート体制の充実も欠かせません。オンボーディングの途中でつまずいたときに、すぐ助けを求められる安心感は何より重要。チャットサポートの実装や、オンラインマニュアルの整備など、手厚いサポート環境の構築を図る必要があります。

さらに、AIやチャットボットを活用したオンボーディング支援も検討の価値あり。ユーザーの行動を分析し、つまずきそうなタイミングを予測。必要な情報を自動で表示するなど、先回りのサポートが可能になります。

一方で、全てをセルフオンボーディングに頼るのは危険。高単価プランの利用を見込む顧客など、戦略的に重要な見込み客に対しては、営業担当が個別に対応する二段構えの体制が理想的です。自動化とヒューマンタッチのバランスを取りながら、最適なオンボーディング体験を追求しましょう。

9. ウェビナーを軸にしたリード育成

リード獲得も大切ですが、獲得したリードを成約まで育てていくリードナーチャリングも欠かせません。見込み客との継続的なコミュニケーションを通じて、自社製品への興味関心を高めていく地道な営みが、その本質です。この育成フェーズで特に有効なのが、ウェビナーの活用。オンラインセミナーを通じて、見込み客に自社の考え方や製品の魅力を伝えていくのです。

ウェビナーのテーマ設定は慎重に。見込み客の関心を引きつける切り口を探ることが大切です。例えば、見込み客の業界で注目を集めているテーマを取り上げ、自社ならではの視点で論じるなど。旬の話題をいち早く提供することで、見込み客の参加意欲を高められるはずです。

また、ウェビナーの事前告知や集客の工夫も重要。メルマガやSNSでの積極的な告知はもちろん、パートナー企業の顧客基盤も活用したいところ。連携先企業と共同開催することで、集客の幅を広げられます。

ウェビナーを通じたリード育成のゴールは、次のアクションにつなぐこと。具体的には、個別商談の申し込み、高評価の事例資料のダウンロードなど、より深い関与を促す導線を用意しておくことが肝要。ウェビナーの最後には、必ず次のアクションへの誘導を行いましょう。

ウェビナー後のフォローも大切です。アーカイブ動画の提供や、関連資料の送付など、継続的なコミュニケーションを心がけること。一過性の接点で終わらせず、複数回のタッチポイントを設けることで、自社製品との距離を縮めていけるはず。地道な育成の積み重ねが、着実な成約につながっていくのです。

10. 戦略的なABMの実践

ABM(アカウント・ベースド・マーケティング)は、見込み客企業を個別にターゲットし、あらゆる接点で戦略的にアプローチしていく手法。特にSaaSのようなハイタッチセールスを要する高単価商材において、その真価を発揮します。個々の有望顧客に対し、ピンポイントなマーケティングを仕掛けていくことで、強力なリレーションを構築できるのです。

ABMを始めるにあたっては、ターゲット企業の選定基準を明確にすることが大切。自社製品の潜在ニーズが高そうな企業を見極め、アプローチ対象を絞り込む。企業規模や業種、地域などをある程度切り口にしつつ、各企業の個別事情にも目を配りましょう。

選定したターゲット企業に対しては、徹底的なリサーチを行うことが肝要。企業のビジネスモデルや成長戦略、経営課題など、できる限り多くの情報を集め、自社製品との親和性を探ります。加えて、キーパーソンの特定も重要。意思決定に影響力を持つ人物をリストアップし、アプローチ方法を検討しましょう。

ABMの特徴は、営業とマーケが一体となって取り組むこと。両部門が緊密に連携し、情報を共有しながら、ターゲット企業に対するあらゆる接点を戦略的に設計します。訴求すべきメッセージや、タッチポイントごとの役割分担を綿密に設計。相手企業に応じたカスタマイズも厭いません。

例えば、ターゲット企業の課題にフィットしたコンテンツを制作し、メルマガで配信。あるいは、企業の状況に合わせた活用事例を用意し、担当者との商談の場で紹介する。こうした個別最適なアプローチによって、他社には真似できない強い関係性を築いていくのです。

ABMは一朝一夕には成果が出ません。じっくりと腰を据えて、息の長い取り組みを続けることが大切。ターゲット企業の反応を見ながら、アプローチ方法を柔軟に軌道修正していく。トライ&エラーを恐れず、粘り強くリレーション構築に努めましょう。いずれ、強固な信頼が結実するはずです。

以上、SaaS企業のリード獲得を加速する10の施策、その後半5つについて詳しく解説しました。

まとめ

SaaSビジネスにおいて、リード獲得は企業の命運を左右する重要課題。本記事では、SaaSに特化した10の実践的施策を詳しく紹介しました。トライアルの最適化、CS連携の強化、ABMの戦略的実践など、どの施策にも、SaaSならではの工夫が盛り込まれています。

ただし、10の施策を機械的に適用しても、効果は限定的。自社の状況をしっかりと見極め、特性に合った施策を選択することが肝要です。自社の強みは何か、顧客の課題は何か。市場の状況や競合の動向も考慮に入れながら、最適解を探っていきましょう。

そして、一度選択した施策も、環境変化に合わせて柔軟に見直すことが大切。PDCAサイクルをしっかり回しながら、施策のブラッシュアップを続けること。仮説検証を繰り返す中で、自社だけのリード獲得方程式が見えてくるはずです。

SaaSを取り巻く環境は、日進月歩で変化しています。新たなツールやプラットフォームも次々に登場。そうした変化の波を的確に捉え、新しい施策にもチャレンジし続ける。その積極性が、リード獲得力の源泉となります。

リード獲得のカギは、顧客との強い信頼関係にあります。10の施策を通じて培った信頼が、やがて強力な競争優位になる。そう信じて、地道な努力を重ねていきましょう。

最後になりましたが、もし、リード獲得にご関心のある場合は、ぜひ、イノーバにご用命ください。

 

参考:リード獲得に関してはこちらの記事もぜひおよみください。

【2024年最新】リード獲得の基本と実践 - 見込み客を増やす効果的な方法と事例

 

 

avatar

イノーバマーケティングチーム

株式会社イノーバの「イノーバマーケティングチーム」は、多様なバックグラウンドを持つメンバーにより編成されています。マーケティングの最前線で蓄積された知識と経験を生かし、読者に価値ある洞察と具体的な戦略を提供します。