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イノーバマーケティングチーム2024/02/04 15:29:245 min read

WordPress徹底ガイド|他のCMSとの違い、メリット・デメリットまで、完全網羅!

1. はじめに

WordPress(ワードプレス)は、2003年にリリースされて以来、世界中で愛されているWebサイト制作ツールです。「初心者でも簡単にブログが始められる」「無料で使える」などのメリットから、個人ブロガーや中小企業を中心に利用者が増え続けています。

実際にWordPressを使っている人からは、「思ったよりも簡単にサイトが作れた」「無料テーマを使うだけでオシャレなデザインになる」といった声が聞かれます。一方で、「自分で構築するにはちょっと難しそう」「プラグインの選び方が分からない」といった不安の声も。

本記事では、そんなWordPressについて、基礎知識から応用テクニックまで詳しく解説します。WordPressとCMSの違いは何なのか、メリットやデメリットは何なのか、導入方法や活用事例まで、ありとあらゆる情報をまとめました。これを読めば、WordPressの全てが分かること間違いなしです!

2. WordPressとは

WordPressの歴史

WordPressは、2003年にMatt Mullenweg(マット・マレンウェグ)氏とMike Little(マイク・リトル)氏によって開発されました。もともとはシンプルなブログツールとして誕生したのですが、その後の進化により、今や高機能なWebサイト制作ツールへと成長を遂げています。

2004年にはプラグイン機能が追加され、自由に機能拡張ができるようになりました。これにより、ブログだけでなく、企業サイトやECサイトなど、様々な用途に利用されるようになっていきます。

2005年には最初の公式テーマディレクトリが登場。デザインテンプレートの選択肢が広がり、プログラミングの知識がなくてもカンタンにサイトのデザインを変更できるようになりました。

2010年代に入ると、モバイル端末の普及に合わせてレスポンシブデザインに対応。スマートフォンやタブレットからでも見やすいサイトづくりがより身近なものとなりました。

現在、最新のメジャーバージョンは「WordPress 6.2」(2024年3月時点)。セキュリティ面や機能面での改善が重ねられ、ますます使いやすく、高性能になっています。

WordPressの特徴

WordPressの最大の特徴は、「使いやすさ」と「拡張性の高さ」の2つです。

使いやすさの面では、直感的な管理画面が挙げられます。メニューがシンプルで分かりやすく、ブログ記事の投稿やページの作成も、ビジュアルエディタを使えば、Wordを使うのと同じような感覚で行えます。HTMLやCSSの知識がなくても、見たままのデザインでコンテンツが作成できるのです。

また、テーマを適用するだけで、簡単にサイトのデザインを変えられるのもポイントです。無料・有料合わせて数万種類ものテーマが公開されており、自分好みのデザインを選ぶことができます。

拡張性の面では、プラグインの存在が大きいでしょう。プラグインを使えば、デフォルトの機能に様々な機能を追加することができます。例えば、問い合わせフォームを設置したり、SNSとの連携を図ったり、サイト内検索を充実させたりと、思い通りのサイトづくりが可能になります。

SEOに特化したプラグインも多数リリースされており、サイトを検索エンジンに最適化する支援ツールとしても活用されています。All in One SEO Packや、Yoast SEOなどは、代表的なSEO系プラグインと言えるでしょう。

そのほかにも、バックアップやセキュリティ、キャッシュ系のプラグインなど、サイトの保守・運用に欠かせないプラグインも豊富に揃っています。

WordPressの利用状況

WordPressは世界で最も人気のあるCMSで、Web全体の約43%、CMSを使用しているWebサイトの65%以上がWordPressを採用しているとされています(2024年3月時点)。

日本でもその人気は高く、国内シェアは50%を超えるとの調査結果もあります。個人ブログや中小企業サイトを中心に利用が広がる一方で、近年は大手企業のコーポレートサイトやメディアサイトなどでの採用も増えつつあります。

WordPress.orgとWordPress.comの違い

「WordPress」と検索すると、「WordPress.org」と「WordPress.com」の2つのサイトがヒットします。両者は別のサービスで、それぞれ特徴が異なります。

WordPress.orgは、WordPressのソフトウェアを無料でダウンロードできるサイトです。ここで配布されているのは、いわゆる「自己ホスティング版」のWordPress。レンタルサーバーを借りて、自分でWordPressをインストールするタイプですね。カスタマイズの自由度が高く、プラグインやテーマを自由に使えるのが魅力です。ただし、インストールやサーバー管理など、ある程度の技術力が必要になります。

一方、WordPress.comは、WordPress.orgが提供するホスティングサービス。サーバー構築の必要がなく、WordPressをインストールせずに、すぐにサイトづくりを始められます。ただし無料プランでは、独自ドメインが使えなかったり、広告が表示されたりと、制限も多め。有料プランに登録すれば、それらの制限を解除できますが、やはりカスタマイズの自由度はorg版に比べると低くなります。

機能面での違いはそれほどないので、技術力に自信がある人はorg版を、ブログ感覚で気軽に始めたい人はcom版を使うのがおすすめです。

3. CMSとは

CMSの定義

CMS(Content Management System)は、Webサイトのコンテンツを構築・管理するためのシステムの総称です。

Webサイトを作る際の課題の1つが、「更新作業の効率化」。HTMLやCSSの知識がないと、サイトの更新に時間がかかってしまいますよね。その点、CMSを使えば、Webデザインのテンプレートをベースに、ブラウザ上でコンテンツの作成・編集ができるため、素早く簡単にサイトを更新できるのです。

また、CMSは一般的に、複数人でサイトを運営する際に重宝されるツールでもあります。ユーザーアカウントを管理できるため、編集者や承認者を設定して、ページ毎に編集権限を割り当てられます。これにより、運営メンバー全員で安全にサイトを更新できる環境が整うのです。

CMSの歴史

CMSの歴史は、1990年代後半に遡ります。当時は、企業のイントラネットを中心に、情報共有やナレッジ管理のツールとして利用されていました。

2000年代に入ると、Webサイトの大規模化・複雑化が進み、Webサイト管理の効率化を図るツールとしてCMSが注目されるように。オープンソースのCMSも登場し始め、無料で気軽に導入できる環境が広がっていきました。

2003年にはWordPressが、2005年にはJoomla!が登場。Drupalも同時期にリリースされています。これらの「オープンソースCMS御三家」とも呼ばれるツールの登場により、CMS人口が爆発的に拡大。今日に至るまで、CMS界をリードし続けています。

その後、EC-CUBEなどのECサイト構築に特化したCMSや、MovableTypeなどの有償CMSも登場。サイト用途や規模に合わせて、最適なCMSを選べるようになりました。

近年は、クラウド型CMSの台頭も目覚ましいものがあります。インストール不要で、Webブラウザだけでコンテンツ管理が行える手軽さが魅力。今後は、クラウドサービスとの連携が加速し、よりCMSの選択肢が広がっていくことが予想されます。

CMSの種類

CMSは、大きく分けて「オープンソース型」「商用型」「クラウド型」の3種類に分類されます。

「オープンソース型」は、ソースコードが公開されているCMSのこと。代表格はWordPressで、ほかにもJoomla!やDrupalが挙げられます。無料で利用できるのが最大のメリット。ただし、セキュリティ対策などは利用者側で行う必要があります。

「商用型」は、初期費用や月額利用料が必要になる代わりに、手厚いサポートが受けられるタイプです。国産CMSではMovableTypeやSITEMANAGERなどが人気です。

「クラウド型」は、サーバーを持たずにCMSの機能が使えるサービスです。SquareSpaceやWixなどが代表例で、本格的なWebサイトを直感的に構築できる点が特長。ただし、サーバーを共有しているため、動作速度が遅くなるデメリットも。

それぞれ一長一短あるので、サイトの目的や予算に合わせて、最適なCMSを選ぶことが重要です。

オープンソース型CMS

オープンソース型CMSの代表格といえば、WordPress、Joomla!、Drupalの3つ。それぞれに特徴がありますので、簡単に見ていきましょう。

WordPressは、初心者に最も優しいCMSと言われています。テーマやプラグインが豊富なのも魅力。デザインセンスに自信がない人でも、テーマを適用するだけでオシャレなサイトが作れます。

Joomla!は、WordPressよりも本格的なサイト構築に向いているCMS。コンポーネントと呼ばれる機能モジュールを組み合わせることで、高度なサイトづくりが可能です。

Drupalは、大規模サイトの構築に定評があります。セキュリティ面でも優れており、オバマ大統領時代のホワイトハウスでも採用されていました。

そのほか、EC-CUBEやa-blog cmsなど、日本発のオープンソースCMSも数多く存在します。

商用型CMS

商用型CMSの代表例としては、MovableTypeやSITEMANAGERが挙げられます。

MovableTypeは、シックス・アパート社が開発した国産CMS。エンタープライズ向けの導入実績が豊富で、50万ページ規模の大規模サイトにも対応しています。

SITEMANAGERは、ガイアックス社のCMS製品。インストール型とクラウド型の2種類を展開しており、機能性とデザイン性に優れているのが特長です。

海外に目を向けると、Sitecore、Contentful、Craftなど、高度な機能を搭載したCMSが人気を集めています。

クラウド型CMS

クラウド型CMSは、インストール不要ですぐに使い始められるのが最大の魅力。その分、サーバーのメンテナンスなどは不要になるため、管理コストを大幅に削減できます。

Wixは、世界で2億人以上が利用している、Webサイト作成サービス。ドラッグ&ドロップ操作だけでデザインが作れるのが特長で、プログラミング知識がなくてもプロ並みのサイトが作れます。

Squarespaceは、洗練されたテンプレートが特徴のクラウド型CMS。スマホ・タブレット用のデザインも自動生成してくれるので、レスポンシブ対応も簡単です。

ほかにも、Weebly、Jimdo、Shopifyなど、多くのサービスが存在しています。

4. WordPressとCMSの違い

オープンソース型CMSとしてのWordPress

WordPressは、Joomla!やDrupalと並ぶ、オープンソース型CMSの代表格です。

オープンソースのメリットは、なんといっても「無料で利用できる」という点。ロイヤリティや使用料は一切かかりません。また、ソースコードが公開されているため、自分でカスタマイズしたり、機能を追加したりできるのも魅力の1つです。

さらに、世界中の開発者がボランティアで品質改善に努めているため、常に最新の機能やセキュリティ対策が施されているのもポイント。スピーディーなバージョンアップにより、常に最適な状態でWordPressを使い続けられます。

一方で、オープンソースであるが故のデメリットもあります。それは、「自己責任」で使わなければならないという点。

例えば、サーバートラブルが発生した場合、自力で原因を突き止めて対処する必要があります。プラグインの脆弱性を突かれてサイトが改ざんされたら、復旧作業も自分で行わなければなりません。

セキュリティ対策に関しては、WordPressの場合、特に注意が必要です。世界でトップシェアを誇るだけに、攻撃者から狙われやすいのです。定期的にバージョンアップを行い、古いプラグインを削除するなど、適切な管理を怠ると、高いリスクを背負うことになります。

このように、オープンソースのメリットを享受する一方で、運用面でのデメリットは自己責任で対処しなければならないのです。

他のオープンソース型CMSとの比較

では、WordPressと、Joomla!やDrupalなど、他のオープンソース型CMSを比べると、どのような違いがあるのでしょうか。

Joomla!は、コンポーネントと呼ばれる機能モジュールを組み合わせて、サイトを構築していくタイプのCMSです。カレンダーやイベント管理、ユーザー管理など、Webサイトの基本的な機能は一通り揃っており、プラグイン(Joomla!ではエクステンションと呼ばれる)を追加すれば、さらに高度な機能も実装できます。

ただし、プラグインの数はWordPressほど多くありません。また、テンプレートエンジンによるデザインが基本となるため、細かなデザインカスタマイズには向きません。

一方、Drupalは、カスタム投稿タイプやカスタムフィールドをはじめとするコンテンツ管理機能が非常に充実しているのが特徴です。

分類語彙やメニュー構造をユーザー独自に定義できるため、大規模サイトやデータベース色の強いサイトに最適。高度なアクセス制御機能を備えている点も、エンタープライズでの採用が多い理由の1つです。

その反面、学習コストが高く、導入難易度も高め。中小規模のサイトには、やや過剰な機能性とも言えるでしょう。

これらと比べると、WordPressは使い勝手の良さが際立っています。高機能かつ拡張性が高く、なおかつ直感的な操作性。サイト規模や用途を問わず使える、まさに「万能CMS」と言えるでしょう。

商用CMSとの比較

WordPressのライバルは、オープンソース型CMSだけではありません。MovableTypeやSITEMANAGERをはじめとする商用CMSとの比較も欠かせません。

機能面で見ると、商用CMSは全般的に、エンタープライズ向けの機能が充実しているのが特徴です。

例えば、MovableTypeは、100万ページ以上の大規模サイトにも対応できるスケーラビリティを誇ります。サイト構造が複雑化した際も、直感的な管理画面で効率的にコンテンツが管理できます。

また、SITEMANAGERのデータベースは、オラクル社製など大手ベンダーのエンタープライズ製品に対応。機微な顧客情報を扱う金融機関のサイトなどで重宝されています。

一方、WordPressの管理画面は、シンプルで使いやすい反面、高度な設定には向きません。大規模サイト構築となると、パフォーマンス面でも不安が残ります。

コスト面で比べると、商用CMSは初期費用と月額利用料が必要になるため、導入コストが高くなる傾向にあります。

加えて、カスタマイズにも費用がかかるケースが多いのがネック。テンプレートの改修1つとっても、ベンダーに発注しなければならず、少額では済みません。

これに対し、WordPressは無料で導入できるのが最大のメリット。テーマやプラグインも豊富にあるため、低コストでサイトが作れます。中小企業やスタートアップにとっては、魅力的な選択肢と言えるでしょう。

ただし、セキュリティ対策などの保守コストは別途見込む必要があります。この点は、商用CMSを選べば、ベンダーサポートに任せられるため、負担が少なくて済みます。

サポート体制に関しては、商用CMSの方が手厚いと言えます。問い合わせ対応はもちろん、緊急時のサポートや運用支援など、専任のスタッフが対応してくれるのは心強い限りです。

WordPressの場合は、基本的に情報をWebで探したり、フォーラムで質問したりする必要があります。ベンダーサポートを受けられる点は、商用CMSの大きなアドバンテージだと言えるでしょう。

以上の比較から分かる通り、WordPressと商用CMSは、コストや機能面で一長一短。

社内にシステム管理者がいて、セキュリティ対策もしっかりできる体制であれば、WordPressを選ぶメリットは大きいでしょう。

逆に、高機能さとサポートの手厚さを求めるなら、コストはかかりますが、商用CMSを選ぶのが賢明です。

5. WordPressのメリット

ここからは、WordPressのメリットについて、より詳しく解説します。
冒頭でも触れた通り、WordPressは「無料」「カンタン」「カスタマイズ性が高い」の3拍子が揃った、まさに理想的なCMSです。

サイト運営者にとって、これほど魅力的なツールはないでしょう。以下、具体的なメリットを見ていきます。

無料で利用できる

WordPressは、オープンソース・ソフトウェアとして公開されているため、無料で利用できます。
ソフトウェアの使用権を購入したり、ロイヤリティを支払ったりする必要はありません。

もちろん、ドメイン代やサーバー代は別途かかりますが、トータルのコストを抑えられるのは大きなメリットです。
資金面に不安を抱える個人サイトや中小企業サイトにとって、経済的な負担が少ない点は見逃せません。

加えて、プラグインやテーマの多くも無料で利用できるのがポイント。
機能拡張やデザイン変更に追加コストがかからないので、低予算でも自由度の高いサイトづくりが可能です。

ただし、無料プラグインの中には、十分なセキュリティ対策が施されていないものもあるため、導入の際は注意が必要。
有料版の方が、機能的にも性能的にも優れているケースが少なくありません。

サイトの目的や規模によっては、有料テーマの利用も視野に入れると良いでしょう。

専門知識がなくても使える

WordPressは、直感的な管理画面が特徴。初心者でも、戸惑うことなく操作できるようデザインされています。
投稿記事の作成やページの編集も、ビジュアルエディタを使えば、まるでWordを使うかのように簡単。HTMLやCSSを知らなくても、見たままのデザインでコンテンツが作れます。

テーマを適用するだけで、一瞬でサイトのデザインを変更できる点も初心者に優しい機能。
プログラミングスキルがなくても、プロ級のデザインが適用できるので、見栄えのするサイトを短期間で立ち上げられます。

さらに、Webサイト構築に関する情報が豊富なのも心強いポイント。
検索すれば、初歩的な操作方法から、本格的なカスタマイズ方法まで、サイト運営に必要なノウハウが簡単に見つけられます。

オンラインマニュアルやチュートリアル動画なども充実しているので、独学でWordPressを習得するハードルは低いと言えるでしょう。

拡張性が高い

先にも触れた通り、WordPressは優れた拡張性を誇ります。
プラグインを使えば、ECサイトの決済機能からSNSとの連携、フォーム作成機能まで、さまざまな機能をサイトに追加できます。

プラグインの数は5万点以上。機能に特化したものから、セキュリティ対策やバックアップなどの管理系プラグインまで、あらゆるニーズに対応しています。

その多くは無償で提供されているので、低コストで機能を拡張できるのも大きな魅力。
費用をかけずに、高機能なWebサイトを構築できるのは、WordPressならではのメリットと言えるでしょう。

加えて、テーマによるデザインの自由度も見逃せません。
4万点を超える無料&有料テーマから、サイトの目的やイメージに合ったデザインを選べるので、オリジナリティあふれるサイトづくりが可能です。

自分でテーマを作ることもできるので、他サイトにはないデザインを実現したい場合にも対応できます。
PHP、HTML、CSSの知識があれば、オリジナルのテーマ開発に挑戦してみるのもおもしろいかもしれません。

SEOに強い

検索エンジン最適化(SEO)の観点では、Wordpressは非常に有利なCMSだと言えます。
ここでは、WordPressがSEOに強い理由を解説します。

まず、WordPressの最新バージョンでは、検索エンジンがサイトを効率的にクロールできるよう、セマンティックなマークアップが自動的に施されます。

具体的には、投稿ページにはarticleタグ、見出しにはh1タグ、サイト名にはpublisherタグなどが設定される仕組み。
スキーママークアップと呼ばれるこの機能により、Googleをはじめとする検索エンジンに対して適切な情報を的確に伝えられます。

また、パーマリンク設定によって、検索エンジンに優しいURL構造にできる点も見逃せません。
記事タイトルをURLに含めることで、検索クエリとの関連性を高められるのです。

加えて、代表的なSEOプラグインである「Yoast SEO」や、「All in One SEO Pack」などを使えば、SEOのプロ級テクニックを簡単に導入できます。
メタ情報の最適化やサイトマップ作成、ソーシャル設定など、Web担当者でなくてもSEO対策を施せるのは心強い限りです。

実際、WordPressで作られたサイトの多くが、検索エンジンで上位表示されています。
タイトルタグやメタディスクリプションを最適化し、オリジナルのコンテンツを定期的に配信していけば、集客力の高いサイトづくりも夢ではありません。

情報が豊富

冒頭でも少し触れましたが、WordPressに関する情報は、ネット上に溢れています。

最新のニュースは、WordPress.orgのニュースページで公開されており、海外と日本の動向を合わせてチェックできます。
バージョンアップの内容や注目のプラグイン、ユーザーインタビューなど、役立つ記事が満載です。

また、初心者向けのオンラインマニュアルも充実。
Codexと呼ばれるドキュメントサイトには、WordPressの基本的な使い方から、テーマ作成のノウハウまで、網羅的にまとまっています。

ユーザー同士の交流の場としては、WordPress.orgが運営するフォーラム「WordPress Forums」が有名。
7つの言語で運営されており、日本語版の「WordPress フォーラム」も活発に利用されています。
トラブル対処法やおすすめプラグインなど、ユーザー目線の生の声が集まる貴重な情報源と言えます。

そのほか、書籍やセミナー、オンライン学習サービスなど、WordPressについて学べる場は多岐にわたります。
中でも、毎年各地で開催されている「WordCamp」は、ユーザーによるユーザーのためのカンファレンスとして親しまれています。
WordPressについて理解を深める絶好の機会なので、ぜひ一度参加してみると良いでしょう。

6. WordPressのデメリット

ここまで、WordPressのメリットについて詳しく見てきましたが、デメリットも理解しておく必要があります。
メリットが際立つ一方で、セキュリティ面や運用面での不安は拭いきれないのが実情です。

個人サイトならともかく、企業サイトの場合は、これらのデメリットにどう対処するかが、導入の可否を分ける重要なポイントになるでしょう。

セキュリティ対策が必要

WordPress最大の弱点は、セキュリティの脆弱性です。
オープンソースであるが故に、ソースコードに不備があると、世界中のハッカーから狙われる危険性があります。
プラグインの脆弱性を突く攻撃も後を絶ちません。

実際、2021年には、世界で最も利用されているプラグインの1つ「All in One SEO Pack」の脆弱性が発見され、大きな話題となりました。
この脆弱性を悪用されると、サイトが改ざんされたり、情報を盗まれたりする恐れがあります。

WordPressを狙ったサイバー攻撃の手口は、実に多様です。
具体的には、総当たり攻撃と呼ばれるものがあります。
ありとあらゆるパスワードを片っ端から試し、不正ログインを図る手法です。

最近では、「コンテンツインジェクション」という攻撃も増えてきました。
コンタクトフォームなどから不正なスクリプトを挿入し、サイトをダウンさせたり、情報を抜き取ったりする巧妙な手口です。

加えて、ボットによる自動化攻撃の被害も深刻化しています。
大量のトラフィックを送信して、サイトをダウンさせるDDoS攻撃などがその代表例。
常時SSLの導入が必須となった現在、常時ネットに接続された状態は、ボット攻撃に狙われやすい環境だと言えるでしょう。

こうした攻撃から身を守るには、日頃からセキュリティ対策を怠らないことが肝心です。
具体的には、以下のような対策が必要不可欠。

・WordPressを常に最新バージョンに保つ
・定期的にバックアップを取る
・推測されにくい複雑なパスワードを設定する
・信頼できるセキュリティプラグインを導入する
・不要なプラグインは削除する
・ファイアウォールを設置する

セキュリティ対策には手間も時間もかかりますが、サイトの安全性を維持するためには避けて通れません。
専任の管理者を置けない場合は、セキュリティ面に長けたレンタルサーバーを選ぶのも1つの手です。
マネージドWordPressホスティングと呼ばれるサービスなら、セキュリティ更新もサーバー側で代行してくれます。

いずれにせよ、セキュリティリスクは運営者側で管理しなければならない点は、覚悟が必要なところ。
商用CMSのようにベンダーサポートは受けられませんから、自己責任での対応が求められます。

アップデートへの対応が必要

セキュリティ対策の一環として、WordPressの定期的なバージョンアップは欠かせません。
バージョンアップにより、機能の改善やセキュリティホールの修正が図られるからです。

ただ、その頻度の高さに頭を抱える人も少なくないのが実情。
メジャーバージョンアップともなれば、新機能の習得にも時間がかかります。

バージョンが上がるたびに、過去の投稿や固定ページを確認・修正する必要もあるため、サイトボリュームが大きいほど作業負担は増大。
人的コストの面でも、無視できない負担となります。

また、バージョンアップのタイミングで、プラグインとの互換性の問題が発生するケースもあります。
プラグインによっては、最新バージョンに対応できず、機能しなくなることも。
その場合は、別のプラグインに乗り換えるか、プラグインの開発者に改修をお願いするしかありません。

加えて、テーマとの相性が悪化するパターンもよく見られます。
特にカスタマイズ性の高いテーマほど、バージョンアップによる影響を受けやすい傾向にあります。
実際にバージョンアップしてみないと、不具合が起きるかどうか分からないのが難しいところ。
テストサイトを用意して事前に検証する、といった地道な作業が必要になります。

こうした事情から、バージョンアップを躊躇するユーザーも多いのですが、セキュリティリスクを考えれば、先送りは禁物。
最新バージョンにいち早く追随することを習慣づける必要があります。

ここでも、信頼できるレンタルサーバーを選ぶことが重要になってきます。
中にはバージョンアップを代行するサービスを提供しているサーバーもあるので、手間を省きたい人はチェックしてみると良いでしょう。

専門的な機能の実装には知識が必要

WordPressは、プラグインによって機能を自由に拡張できるのが魅力ですが、高度なカスタマイズを行う際には、専門知識が必要になります。

例えば、オリジナルのプラグインを開発する場合、PHPの知識は不可欠。
テーマをカスタマイズするにも、HTML、CSS、PHPの基本的な知識が求められます。

また、Webサイトの表示速度を上げるためには、データベースの最適化が欠かせません。
大規模なサイトともなれば、サーバーやデータベースの知識も必要になってくるでしょう。

こうした専門的な作業は、Web制作会社に委託するのが一般的。
自社にシステム担当者がいない場合は、外部リソースの活用も視野に入れなければなりません。

結果的に、導入時のコストメリットが相殺されてしまうケースもあるため、費用対効果を見極める目が肝心です。
「高機能さ」と「低コスト」を同時に叶えるには、一定レベルの社内リソースが求められると言えるでしょう。

カスタマイズの自由度が高い分、管理が複雑化する

WordPressは、自由度の高いカスタマイズが可能な半面、その管理が複雑になりがちなのも事実。
機能追加を重ねるうちに、プラグインの数が膨れ上がり、システムが肥大化してしまうのです。

プラグインが増えるほど、管理の手間は増大します。
定期的な更新作業だけでなく、プラグイン同士の競合をチェックする必要もあるため、気が抜けません。

加えて、カスタマイズを繰り返した結果、ソースコードが複雑になり、サイトの表示速度が低下するケースも。
ページ読み込みに時間がかかるサイトは、ユーザビリティの面でも問題があります。

また、Webサイト内の情報も整理が難しくなりがち。
記事のカテゴリーやタグづけが適切でないと、コンテンツ管理が煩雑になるのは目に見えています。

こうした事態を避けるには、設計段階から拡張性を意識したサイト設計が不可欠。
プラグインの管理方法やコンテンツの最適化など、運用ルールをしっかりと定めておく必要があります。

特に、複数人でサイトを運営する場合は、明確なガイドラインの共有が欠かせません。
メンバー全員が同じ認識を持って更新作業に臨めるよう、マニュアル化を図ることが重要です。

こうした地道な取り組みを怠ると、せっかくの自由度が仇となり、管理コストが跳ね上がってしまうので注意が必要。
デメリットを最小限に抑えつつ、メリットを最大限に活かす工夫が求められます。

7. WordPressの導入方法

ここからは、WordPressの導入方法について、具体的に解説します。
手順は大きく分けて、「レンタルサーバーの選択」「ドメインの取得」「WordPressのインストール」の3つです。

レンタルサーバーの選択

レンタルサーバーを選ぶ際は、以下のようなポイントをチェックしましょう。

・WordPressに対応しているか
・PHPのバージョンは7.4以上か
・MySQLのバージョンは5.6以上か
・十分な容量のSSD対応か
・常時SSL(https化)に対応しているか

セキュリティやサポート面の充実度も見逃せません。
マネージドWordPressホスティングであれば、セキュリティ更新やバックアップなども安心して任せられます。

サーバースペックや費用、サービス内容をよく比較して、ニーズに合った最適なプランを選びましょう。

ドメインの取得

WordPressサイトを運営するには、独自ドメインが必要不可欠。
運営目的やブランドイメージに合ったドメイン名を選ぶことが大切です。

ドメイン名は、覚えやすく、短く、キーワードを含むのが理想的。
SEO対策の面からも、サイトの内容が想像できるネーミングを心がけましょう。

また、ドメインの信頼性も重要なポイントです。
登録期限切れのドメインや、スパム行為に利用された経歴のあるドメインは避けた方が無難。
中古ドメインを購入する際は、慎重に選ぶ必要があります。

ドメインの取得は、お名前.comやムームードメインなど、大手のドメイン登録サービスを利用するのが一般的。
料金体系や付帯サービスを比較して、信頼できるサービスを選びましょう。

レンタルサーバーとセットでドメインを取得できる場合もあるので、一括管理できるサービスも検討してみるのがおすすめです。

WordPressのインストール

続いては、WordPressのインストール方法を見ていきましょう。
インストールには、「自動」と「手動」の2つの方法があります。

・自動インストール
多くのレンタルサーバーで採用されている方法です。
サーバーのコントロールパネル上で、簡単な情報を入力するだけでインストールが完了。
専門的な知識は不要で、初心者でも迷わず設定できるのが魅力です。

・手動インストール
WordPressの公式サイトからファイルをダウンロードし、FTPソフトを使ってサーバーにアップロードする方法。
MySQLでデータベースとユーザーを作成し、wpconfig.phpファイルを編集する作業も必要になります。

インストール自体は、慣れれば10分ほどで完了。
ただ、専門用語が並ぶ設定画面に戸惑う人も多いのが実情です。
トラブル対処のノウハウも身につけておきたいところ。

自動インストールに対応していないサーバーを利用する場合や、セキュリティ面で自己管理したい場合などに利用される方法です。

インストール後は、管理画面にログインし、「設定」メニューから各種設定を行います。
「一般設定」では、サイトのタイトルや説明文、メールアドレスなどを。
「パーマリンク設定」では、記事のURLの構造を決定。
「ディスカッション設定」では、コメントの受付方法などを設定します。

こうした初期設定を終えたら、いよいよ記事の投稿が可能に。
魅力的なコンテンツを発信して、Web戦略の要となるサイトに育てていきましょう。

まとめ

最後に、WordPressについて学んできたことを振り返ってみましょう。

・WordPressは、世界で最も人気のあるCMS
・CMSの中でも、導入のしやすさと拡張性の高さが特長
・初期費用を抑えられる点は、中小企業に特に嬉しいメリット
・セキュリティ対策などのデメリットは、自己責任で取り組む必要あり
・自動インストールにより、初心者でも始めやすい
・用途に合わせた活用事例は豊富。企業サイトでの導入も増加中

以上のポイントを押さえれば、WordPressの特性と向き不向きが理解できたのではないでしょうか。

では、WordPressを使うべきケースと、避けるべきケースを整理してみましょう。

【WordPressを使うべきケース】
・初めてWebサイトを作る個人・中小企業
・コストを抑えつつ、高機能なサイトを目指す
・ブログやメディアサイト、ECサイトを作りたい
・デザインの自由度を求めている
・更新頻度の高いサイトを作りたい

一方、WordPressには不向きなケースもあります。

【WordPressを避けるべきケース】
・セキュリティ面や保守管理に不安がある
・大規模・複雑なサイト設計を求められるケース
・サイトの表示速度が特に重視されるケース
・機微な個人情報を扱うサイト

こうしたデメリットは、運用体制の見直しやプラグインの最適化によって、ある程度は軽減できるとはいえ、結局のところ自己責任で対処しなければなりません。
自社のリソースや目的を見極めつつ、導入の是非を慎重に判断する必要があるでしょう。

その上で、WordPressの導入を決めたなら、日々のバージョンアップはもちろん、セキュリティ対策や表示速度の改善など、地道な運用の積み重ねが欠かせません。
プラグインの管理方法を定め、社内での情報共有を図るなど、サイトの品質を保つための体制づくりにも注力したいものです。

さらに、ユーザビリティを意識したサイト設計も重要。
記事の読みやすさやページ間の導線など、訪問者目線での使いやすさにこだわることが、サイトの評価を左右します。
アクセス解析を定期的にチェックしながら、PDCAサイクルを回していく習慣を身につけましょう。

今後のWordPressの展望としては、ますますの高機能化と、それに伴う管理の複雑化が予想されます。
最新のWebテクノロジーへの対応も進むでしょう。

例えば、2021年にリリースされた「WordPress 5.8」では、サイトエディタ機能のアップデートにより、ノーコードでのサイト構築が可能に。
ますます敷居の低いサイト運営の選択肢が広がりそうです。

一方で、高度なカスタマイズを求める企業にとっては、開発者の負担増加が懸念材料となっています。
ブロックエディタ(Gutenberg)の拡張など、新機能への対応には、専門的な知識が必要とされるためです。

加えて、ヘッドレスCMSやJAMstackなどの新たなアーキテクチャーの台頭も見逃せません。
これらを組み合わせることで、Webサイトのパフォーマンスをさらに高められる可能性があります。

そうした技術革新の波を的確に捉えながら、自社に最適なWordPressの活用方法を探っていくことが、これからのWeb戦略に求められるのではないでしょうか。

長々と解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。

WordPressは、導入のしやすさと拡張性の高さから、今やWebサイト構築に欠かせないツールとなりました。
個人利用から本格的なビジネス用途まで、幅広いニーズに応えられる懐の深さは、他のCMSの追随を許しません。

ただし、そのメリットを享受するには、セキュリティ対策をはじめとする適切な運用が不可欠。
プラグインの選定やコンテンツの最適化など、地道な努力を怠らないことが肝要です。

変化の激しいWeb業界にあって、唯一無二の存在感を放つWordPress。
今後も私たちのWebライフに寄り添い続けてくれることでしょう。

本記事が、読者の皆様にとって、WordPressの理解を深める一助となれば幸いです。

以上で、「WordPressとは何か? CMS初心者向けに徹底解説」の記事は終わりとなります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

<WordPressについてのFAQ>

Q. WordPressは本当に無料で使えるの?
A. はい、WordPressのソフトウェア自体は無料でダウンロードして利用できます。ただし、WordPressを使ってWebサイトを公開するためには、レンタルサーバーとドメインが必要です。これらは有料のサービスとなります。

Q. WordPressのインストールは難しい?
A. いいえ、多くのレンタルサーバーでは、WordPressを簡単にインストールできる機能が用意されています。ボタン一つでインストールが完了する「クイックインストール」機能などを利用すれば、初心者でも迷わずインストールできます。

Q. WordPressでECサイトを作るには?
A. WordPressでECサイトを構築するには、EC機能を追加するプラグインを利用します。「WooCommerce」や「Welcart」など、無料・有料の様々なプラグインが提供されているので、目的に合ったものを選ぶことが大切です。

Q. WordPressのセキュリティ対策は必要?
A. はい、WordPressは人気のCMSだけに、攻撃者のターゲットになりやすいのが実情です。定期的なバージョンアップや、セキュリティプラグインの導入、複雑なパスワードの設定など、適切なセキュリティ対策が欠かせません。

Q. WordPressの表示速度を改善するには?
A. 表示速度の改善には、まずは不要なプラグインを削除することが重要です。また、キャッシュプラグインの利用や、画像の最適化、CLOUDFLAREなどのCDNサービスの活用も効果的。サーバー側の設定見直しも検討しましょう。

<WordPressサイト構築のチェックリスト>

□ レンタルサーバーを契約する
□ ドメインを取得する
□ WordPressをインストールする
□ 必要なプラグインをインストールする
□ テーマを選択し、サイトのデザインを整える
□ 固定ページ(About、Contact等)を作成する
□ 記事カテゴリーを設計し、記事を投稿する
□ メニュー構造を最適化する
□ セキュリティ対策(SSLの設定、パスワードの変更等)を行う
□ バックアップ方法を確立する
□ サイトマップを作成し、サーチコンソールに登録する
□ アクセス解析ツール(Googleアナリティクス等)を導入する
□ SNSとの連携を図る
□ 表示速度の改善に取り組む
□ 定期的なメンテナンス(バージョンアップ等)を習慣化する

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イノーバマーケティングチーム

株式会社イノーバの「イノーバマーケティングチーム」は、多様なバックグラウンドを持つメンバーにより編成されています。マーケティングの最前線で蓄積された知識と経験を生かし、読者に価値ある洞察と具体的な戦略を提供します。