【SNS別】インフルエンサーマーケティングの基本情報とケース・スタディ3選

コンテンツマーケティング

米国のインフルエンサーマーケティング支援企業Tomosonは、インフルエンサーマーケティング1ドルの投資に対して、企業は6.5ドルの収益を得ているという結果を発表しています。このデータからも伺えるように、インフルエンサーマーケティングは、従来のPRや宣伝費用を最小限に抑え、かつ高い効果が見込めるマーケティング手法として注目を集めています。日本では、主にBtoCビジネスでのインフルエンサーマーケティングの活用が目立ちますが、米国ではBtoBビジネスでの成功事例も耳にします。

ここでは、インフルエンサーマーケティングの基本情報と、注目を集めている理由と背景、ソーシャルメディア別の成功事例をご紹介します。

インフルエンサーマーケティングとは?

インフルエンサーマーケティングとは、企業や商品、サービスの情報を、社会的に影響力を持つ人物(インフルエンサー)を介して拡散し、市場における認知度や興味・関心を向上させることを目的としたマーケティング手法を指します。

有名ブロガー、YouTuber、著名人、芸能人がその主な代表例になりますが、ここでは、オンライン上のメディアやソーシャルメディア(以下、SNS)で膨大なフォロワーを持つ人物をインフルエンサーと定義します。企業は、インフルエンサーに報酬や対価、インセンティブを提供し、インフルエンサーの持つメディアを通して、PRしたい商品やサービス、ブランドに関する情報を拡散する仕組みです。

インフルエンサーマーケティング_図1.png

 

インフルエンサーの種類

米国のSNS支援会社TINTでは、インフルエンサーは、大きく二つのグループに定義されています。

10万人以上のフォロワーを持つインフルエンサーをメガインフルエンサー、2,000人から10万人のフォロワーを持つインフルエンサーをマイクロインフルエンサーといいます。

それぞれのインフルエンサーには特徴があり、目的によって使い分ける必要があります。

 

例えば、10万人を超えるフォロワーを持つ芸能人のようなメガインフルエンサーは、認知度を高めることを目的とした場合、ある程度の効果が見込めます。しかし、フォロワーの興味・関心、嗜好が多岐に渡るため、特定の分野に特化した商品やサービスのPRには向いていない場合があります。実際に、メガインフルエンサーのエンゲージメント率はマイクロインフルエンサーに比べ低いという調査結果も出ています。

  • メガインフルエンサー、1.66%のLike/0.05%のコメント率
  • マイクロインフルエンサー 8.03% Like数/0.56% のコメント率

 

マイクロインフルエンサーのフォロワーは特定のトピックに興味・関心があるフォロワーが集まっている傾向があるため、コメントを通したインタラクションも多く、影響力や効果が大きいと言われています。

 

インフルエンサーマーケティングとステルスマーケティングの違い

インフルエンサーマーケティングの仕組みを聞いて、ステルスマーケティングを思い起こす方もいるかもしれません。これらの違いについて明確にしておきます。

ステルスマーケティングとは、企業とインフルエンサーが金銭契約を交わしているにも関わらず、あたかも利益供与のない一ユーザーであるかのように口コミを投稿することで、「ユーザーを騙す」行為です。

 

一方、インフルエンサーマーケティングでは、インフルエンサーは投稿した情報に必ずPR活動であることを明示します。これにより、ユーザーはPR活動であることを理解した上で、その情報を参考にします。日本では、ステルスマーケティングにおける法整備が進んでいないものの、企業の信頼性や透明性を維持するためには、自主的にこのルールに則り、インフルエンサーマーケティングを運用することが、消費者との信頼関係構築には欠かせません。

 

どんな人がインフルエンサーになり得るのか?

実際のインフルエンサーマーケティング運用をイメージするために、どんな人が自社のインフルエンサーになり得るのでしょうか?BtoB、BtoC別に人物像のイメージをまとめてみます。

インフルエンサーマーケティング_図2.png

BtoC のインフルエンサーで最も重要となる点は、インフルエンサーへの「信頼」と「共感」です。指標となるのが、インフルエンサーへの投稿のLike数やコメント数とも言えます。インタラクションがあるほど、フォロワーとの関係性が強く、フォロワーに与える影響力も強いことが予測されます。

BtoBにおいては、意思決定者へのインパクトが重要になります。例えば、ターゲット企業の意思決定者が定期購読している雑誌とのコラボレーションで、自社を露出していくというのも手法の一つです。

 

インフルエンサーマーケティングのニーズが高まる理由

消費者の購買行動の変化と情報収集方法の変化

従来のテレビコマーシャルやインターネット広告(主にバナーを使った広告)を中心に行われていたPRや宣伝活動は、現代のユーザーに対する効果のほどが問われています。

 

ニールセンの調査によると、消費者の84%が「友人・家族などによるクチコミが信頼できる」と答え、更に、68%が「インターネット上の消費者レビューを信頼する」と回答しています。消費者の購買動機は、CMは広告ではなく、口コミやオンラインでの情報収集が主流になっていることがわかります。

また、オンライン上でもユーザーの情報収集に変化が起きています。これまではGoogleなどの検索エンジンからのリサーチが主流とされていましたが、これに加えSNSの検索機能やハッシュタグを使った、情報収集の方法も主流になっています。ユーザーの本音が聞けるというメリット、スピード感もその理由の一つでしょう。

 

こういったユーザーの購買プロセスにおける行動の変化に合わせ、企業側のマーケティング戦略も変化しつつあります。見込み客の目に触れやすいウェブやSNSへ露出対策は欠かせなくなってきています。

 

コストの削減と費用対効果の高さが見込める

インフルエンサーマーケティングでは、従来のPRや宣伝コストが抑えられ、かつ高い効果が挙げられていることです。冒頭でも、ご紹介したように米国では、1ドルの投資あたり、6.5ドルの収益を得ているという調査結果を発表しています。

 

また、インフルエンサーによって作られるユーザージェネレイトコンテンツ(ユーザーが作成するコンテンツ)は、企業が作成するコンテンツよりもエンゲージメント率が高い傾向があります。企業としては、コンテンツ制作費用が削減でき、かつ高い費用対効果が得ることができます。

 

すでに興味・関心を持つターゲット層へアプローチできる

インフルエンサーを取り囲むフォロワーは、すでに共有の興味・関心領域にいます。インフルエンサーが、企業のPRしたい商品やサービスに強い興味・関心で繋がる人物であれば、企業はわざわざ広いマーケットから見込み客を探し出すというプロセスが省くことができ、角度の高い見込客のグループに最短距離でアプローチすることができます。

 

 

インフルエンサーマーケティングに適したSNSは?ケーススタディ3選

BtoC ビジネスにおけるインフルエンサーマーケティングの主流はInstagramになりつつあります。これは、商品である衣服や生活雑貨などが、ビジュアルで表現しやすく、また、人物とのコラボレーションがしやすいことが挙げられます。

 

しかし、BtoBマーケティングにおいては、商品やサービスがビジュアル化しにくいものである場合もあり、発信するコンテンツの特徴やターゲットの属性を鑑みて、Instagramに限らず、TwitterやFacebookなどのSNSを活用していく必要があります。

ここでは、ソーシャエルメディア別、3つの成功事例をご紹介します。

 

Microsoft×National Geographic×Instagram

Microsoftは、ソフトウェアを開発し、BtoB、BtoCビジネスへ展開しています。IT業界では、若手の人材育成が大きな課題になっており、また、STEM領域における女性の就業率のボトムアップは、国(アメリカ)をあげての政策になっているほどです。

そんな課題を抱えるMicrosoftでは、Instagramに86.6百万人のフォロワーを持つNational Geographicsをインフルエンサーに選び、「International Women’s Day(国際女性デー)」に、STEM領域の女性人材を増やすことを呼び掛けるキャンペーンを行いました。

 

有名な冒険写真家がとった30の投稿には、「@Microsoft - Empowering girls to change the world, stay in STEM, and be the ones to #MakeWhatsNext. Microsoft welcomes girls for a free workshop with @natgeo personalities at select Microsoft stores on 3/18/2017.(マイクロソフトは、世界を変えるためにSTEM領域で活躍する女性を応援します。「#MakeWhatsNext」次世代を担う一人になってください。2017年3月18日にMisrosoftの店舗でナショナルジオグラフィックと開催するワークショップに無料でご招待します)」というキャプションとハッシュタグがつけられました。

 

結果、このキャンペーンで挙げられた30の投稿には合計3.5百万のLikesが。ユーザーによってされた「#MakeWhatsNext」の投稿は1,000を超えました。Microsoftのキャンペーンは大成功をおさめたと言えるでしょう。

 

 

MENCAP×Twitter 

MENCAP とはイギリスのハンディキャップを持つ人々を支援するチャリティ団体です。MENCAPがインフルエンサーに起用したのは、UKで14万人近くのTwitterフォロワーを持つNIKI and SAMMYです。彼らは、元々は一般人の双子でしたが、ここ数年でYou Tuberとして認知度をあげ、インフルエンサーとして活躍しています。

 

MENCAPは、ハンディキャップを持つ人々に対する知識を、世の中に広める目的で実施しているキャンペーン(Here I am)の認知度アップのためにTwitterを使ったインフルエンサーマーケティングを選びました。Twitterは他のSNSに比べ、ユーザーとの繋がりが簡単で、情報のシェアや、コメントも気軽にできます。時に、爆発的な拡散能力を発揮することから認知度アップを見込んだキャンペーン活動には有用なチャネルです。

 

NIKIanSAMMYを含む、合計43人のマイクロインフルエンサーを起用した結果、10百万人のソーシャエルメディアユーザーにリーチ。21,000のLikeを獲得しました。

このように世界全土への認知度アップを目的としたキャンペーンの場合には、「Twitter×有名人」という戦術も有効です。

 

 

SAP×Facebook 

ヨーロッパ最大級のソフトウェア会社SAP。BtoB企業向けにファイナンス、ロジスティック、HRに特化したERPシステムの構築に力を入れています。SAPは、第三者団体(サードパーティー)であるビジネスコンサルタントや教育機関、著名人をインフルエンサーとして起用しました。全てのインフルエンサーは、SAPのターゲット企業の意思決定者に対して強い影響力のある人物であったことが成功の鍵でしょう。

 

使用したコンテンツは、毎年フロリダで行われるSAP主催のイベントにおいて、インフルエンサー11名のインタビュー動画です。これを、Facebookで拡散したところ、大きな反響がありました。

 

Facebookでは240分までの動画の投稿が可能です。直接動画をアップロードした場合は、フィード上で自動再生するシステムになっており、ユーザーの目に触れるチャンスも増えます。日本では、Facebookが最もユーザーの年齢層が高いチャネルです。20代から40代のビジネスマンにアプローチしたい場合には、活用したいSNSの一つです。

 

まとめ

新しいPRの形として注目を集めるインフルエンサーマーケティング。インフルエンサーという一ユーザーによって作られる信頼性の高いコンテンツを通して、的確なターゲット層に対し、有益な情報として届けることが可能です。大きな予算をかけず、効果的な結果が期待できる企業にとっても魅力的なマーケティング戦略ではないでしょうか。

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