顧客行動を大きく左右するCTA、その効果的な作成方法とは?

コンテンツマーケティング

「新しくキャンペーンサイトを作ったのに、いまいち反応が鈍い」

「潜在顧客と接点創出のためにホワイトペーパーを作ったけど、思ったほどダウンロードされない」

このように、企業サイト運営にあたり思ったような反応が得られない場合は、CTAの見直しが必要かもしれません。顧客をうまく誘導し、お問い合わせや資料請求などのコンバージョンにつなげるためにはどうすればいいのでしょうか。効果的なCTAの作成方法や効果測定について考えてみましょう。

CTAは顧客に行動を想起させるもの

CTAとは「Call To Action」の略で、Webサイトを訪れたユーザーに何らかの行動を喚起させるためのテキストや画像、リンクボタンを指す言葉です。日本語で「行動喚起」と訳されていて、具体的には以下のようなものを指します。

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上記は弊社イノーバのWebサイトのトップページですが、中央下に配置されている「サービスを見る」のボタンがCTAにあたります。サイトを訪れてくれた顧客に対して、弊社のサービス内容を見るという行動を喚起させるためのボタンと考えると、どういったものを指すかイメージしやすいかもしれません。

CTAはWebマーケティングにおいては昔から知られてきた概念ですが、それが一躍注目を集めるようになったのは、2008年のアメリカ大統領選の際のオバマ氏のWebサイトがきっかけだったと言われています。

当時まだ候補者の一人であったオバマ氏は、自身のメールマガジンへの登録数を増やし、選挙資金を集める目的でWebサイトを開設しました。その際、登録ページには分析ディレクターを務めたダン・シロカー氏とともにA/Bサイトを繰り返し、コンバージョンにどう違いが出るかを入念に検討したと言われています。

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【引用】How Obama Raised $60 Million by Running a Simple Experiment | Optimizely Blog

こちらが登録ページの当初のパターンです。信頼性が高いとされるブルーを基調に、ユーザーを混乱させないシンプルな構造が特徴的です。CTAボタンの文言も「SIGN UP(登録する)」とひと目でわかりやすく、一見すると何の問題もないように見えます。ところが、さらに検討を繰り返し、実際に大きな成果を上げたのは次のようなページでした。

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【引用】How Obama Raised $60 Million by Running a Simple Experiment | Optimizely Blog

写真を温かみのある家族写真に変更したことと、ボタンのコピーが「LEARN MORE(もっと詳しく)」になったこと以外に大きな差は見られません。サイトを訪れた人に伝えられる情報もほぼ変わらないと言っていいでしょう。一見すると、複数案のひとつといった感じで、効果に大きな差はないようにも見えます。

ところが実際に公開してみると、メールマガジンのコンバージョンは40%もアップし、メールマガジンの登録者数は最終的に1,000万人にものぼったのだとか。仮に登録ページを変更しなかった場合の機会損失は288万人とも推定されており、寄付金の額は6,000万ドル(約56億円)近く差が出たと言われています。

メインビジュアルとボタンの文言だけの変更。「だけ」と言ってしまえばそれまでなのですが、決して小さな変更でないことは効果を見れば明白でしょう。もしかしたら、この変更がなければオバマ大統領は誕生していなかったかもしれません。
このように、ページを見る人の印象を大きく左右し、制作側が意図したような行動を喚起させるのがCTAの力なのです。

関連資料:効果的なメールマーケティングの基礎知識

コンバージョンが発生しない場合は、CTAの見直しが必要

CTAは資料請求や会員登録などのボタンの色や文言を指すものとして認識されることが多いのですが、実際はボタンだけでなくテキストや画像など、顧客の行動を喚起させるあらゆる要素を指します。それがどれほどの効果をもたらすのかは、実際にテキストやボタンを変更してみるとよく分かります。

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上記はこの記事へのリンク広告を、比較用にできるだけ極端な例になるよう作ってみました。

先ほどのオバマ氏の例でもそうですが、この2つの広告に含まれる情報量に大差はありません。同じ広告主が出しているのであれば、リンク先で得られる情報も同じでしょう。それでも、この2つの例から受けるイメージや、リンクをクリックする際の期待感は大きく異なります。

上記の例はあえて極端な差をつけて作成しているので、左の例のような広告を作成する人はいないと思います。ただ、実際に会員登録や資料請求をうながすページを作成した時、左の例のようにいまいちユーザーの心に響かない文章やボタンを作成してしまう例は少なくありません。

CTAとは言い換えれば、ユーザーが抱く「期待感」を操作する手法と言うこともできます。「会員登録をすることでお得にものが買えそう」「請求する資料には有益な情報が書かれていそう」といった期待感が強くなければ、ユーザーはボタンをクリックしてくれません。

一般的に「SEO流入は増えているが、コンバージョンが発生しない」という課題を持っているサイトはこのCTAの検討が不十分であることもあります。せっかくサイトに流入があるのに、肝心のコンバージョンにつなげるCTAが、いまいちユーザーの心に響いていないのです。期待感を強めるためには、そのページを見ているユーザーが求めているもの(情報、お得感etc)を理解し、どういう文章で誘導すればクリックしたくなるかを、しっかりと突き詰めることが重要です。

効果をもたらすCTAの設置方法とは?

このように、CTAは顧客行動に大きな影響をもたらすものです。具体的には、どのような考え方で作成すればいいのでしょうか。いくつか具体例をご紹介しましょう。

1. ボタンの位置は視線の流れを意識する

CTAを設置する際は、ユーザーの視線の流れを意識するのが基本です。例えば問題提起となる文章は最初に目に留まる位置に、また会員登録や資料請求などコンバージョンにつなげるボタンはコンテンツのすぐ下、つまり読んで興味を持ったあとすぐに押せる位置に置くのが理想です。

またキャンペーンページやLP(ランディングページ)などでコンテンツが長い場合は、コンテンツのブロックごとにボタンを配置することもあります。こうすることで、コンテンツが長くても最後まで待つことなく、興味を持った段階でクリックすることができます。

2. アクションの選択肢はできるだけ減らす

CTAボタンを設置する場合は、基本的にユーザーの行動の選択肢が2つ以上にならないようにしましょう。例えば資料請求を促すボタンの場合、「資料請求」だけなら行動は明白ですが、「さらに詳しい情報」「FAQ」「利用者の声」などのように複数の選択肢があると視線や意識が分散し、迷いや混乱の原因となってしまいます。

ターゲット層がいくつか考えられるページでは複数のCTAを設置するケースもあります。ただ、その場合もアクションを喚起させるボタンは並列して置くのではなく、優先順位をつけ散らして配置するようにしましょう。

3. 「得をしたい」より「損をしたくない」を重視する

CTAはユーザーに何らかのアクションを起こしてもらうために設置します。しかし、よほど信頼している人からの言葉ならともかく、初めてページを開くユーザーは警戒心があり、思ったように行動してくれないこともあります。

そんな時に意識したいのが「得をしたい」より「損をしたくない」と考えるユーザー心理です。これは「損失回避の傾向」と呼ばれ、マーケティングにおける行動心理の代表的なものとして知られています。特に「会員登録」や「資料請求」など心理的なハードルがあるCTAの場合は「1ステップで登録」「無料で資料」などのように手間がかからないことをアピールするのも一つの方法です。

4. リンク先の内容をイメージできる言葉を使う

CTAの目的は、Webサイトに訪れたユーザーの行動を喚起させることにあります。そのため、ユーザーに「この行動を取ることで自分にメリットがある」と思ってもらうことが重要です。

そのためには「資料請求はこちら」などのように漠然とした表現よりも、「売上を上げる秘訣はこちら」「サービスの導入事例」などのように、リンク先の内容や、クリックすることで得られるメリットをイメージできるような言葉のほうが心に響く可能性が高いと言えます。CTAボタンの言葉はリンク先のページ内容をそのまま載せてしまいがちですが、もう少し具体的な言葉にできないか、考えてみるといいでしょう。

関連記事:ウェブサイトの遷移とは。リンクを改善してコンバージョンを増やそう

5. ユーザーに具体的な行動をイメージさせる

ユーザーに行動を喚起させるという意味では、行動内容を具体的にイメージできる言葉を使うのも有効な方法の一つです。例えば「会員登録」や「資料請求」よりは「サービス詳細を見る」や「無料で2週間お試し」などの言葉のほうが、自分がこれからしようとしていることを具体的にイメージできるでしょう。
特にキャンペーンサイトのLPなど、ユーザーに取ってほしい行動(コンバージョン)がはっきりとしているサイトでは有効に使えます。

CTAの活用レベルを上げる効果測定のススメ

すでにWebマーケティングに日々携わっている方には改めて言うまでもありませんが、CTAは設置さえすればいいわけではありません。本当にその文言でユーザーの行動は喚起できるのか、色や位置、レイアウトに変更の余地はないかなどを検討し、よりコンバージョンに近付けるためにはどうすればいいかを、分析・改善していく必要があります。

例えば、CTAボタンの色は一般的には目を引きやすい赤などがいいとされていますが、サイトの雰囲気やターゲット層、載せる文言などによっても効果は変わります。必ずしもセオリー通りの赤がベストとも言い切れず、こればかりは「実際にやってみないとわからない」という側面もあります。

CTAがうまく機能しているかを検証・改善する際は、基本的にはA/Bテストが役立ちます。色や位置、レイアウト、文言などを変えた数パターンのページを作成し、KPIを設定した上で、実際に効果が高い(コンバージョン率が高い)のはどのパターンかを探るという作業を繰り返すことになるでしょう。その際は、タグマネージャーやGoogleアナリティクスなどのツールが役立ちます。

一般的に、CTAのKPIには以下のような指標が設定されます。

PV数:CTAがどのくらい閲覧されたか
クリック率:PV数に対して、どのくらいの割合でクリックされたか
クリック数:どのくらいのユーザーがクリックしてくれたか
コンバージョン率:ユーザーの中でアクションにつながった割合
コンバージョン数:ユーザーの中でアクションにつながった数
フォーム内離脱率:CTAの先にあるフォームで離脱したユーザーの割合
有料会員の転換率:無料会員登録から有料会員に転換したユーザーの割合(トライアル商品購入から本商品購入などの転換率もこれに該当する)

設定したKPIに対し、目標数(率)に大きく到達しない場合は、CTAの見直しを行い再度テストを繰り返すことになります。目標に到達しない理由にはさまざまなものが考えられますが、以下のポイントをチェックしてみることをおすすめします。

・CTAがユーザーの求めているものと乖離している
・コンテンツ自体に魅力がなく、ユーザーの心に響いていない
・そもそもCTAが読まれていない(長すぎるなど)

CTAに対するA/Bテストは、色や文言、位置、レイアウトなど検討すべき項目が多いうえ、細かい作業になることも珍しくありません。ただ、こうした小さな改善を積み重ねがサイトのパフォーマンスを大きく改善することにもつながるため、根気強く取り組んで行く必要があります。

CTAはコンバージョンに直接つながる重要な施策

通常、企業でWebサイトを構築・運営する場合は会員獲得や売上の向上といった目的が必ずあります。この目的を果たすためにはコンテンツを充実させたりSEO対策を行ったりといった施策も重要ですが、それだけでは肝心のコンバージョンにつながらないこともあります。

今回ご紹介したCTAはコンバージョンの達成率に直接つながるケースも多く、その意味では重要度の高い施策と言えるでしょう。特にアクセス数は上がっているのにコンバージョンにつながらないという悩みを抱えている方は、CTAが十分かどうか、確認してみるといいかもしれません。