リアルタイムを超えて「予測」に基づいて判断する。いまプレディクティブマーケティングが注目される理由

デジタルマーケティング

まだまだ日本では聞き慣れない方もいらっしゃるかもしれないですが、「プレディクティブマーケティング」という考え方が徐々に広まってきています。現状ではなく未来の状況予測に基づいて施策を実践していくプレディクティブマーケティングについて見ていきましょう。

プレディクティブとは?

最近になって「プレディクティブ」という英語が、主にビジネスの分野で日本でも聞かれるようになりきました。プレディクティブ(predictive)とは予測的な、という意味。すなわち、今起こっていることからさらに進んで、将来に起こることを詳細に予測・分析することにより次の一手を決めていく、という考え方です。

将来起こりそうなことをできるだけ誤りなく見通し、意思決定をしていく。これは、業界の違いを超えてビジネスには必要不可欠なものです。これまでは過去のデータを活用して人間が勘や経験から判断することがほとんどでした。

しかし、近年、特にAIが飛躍的に発達したことによって、大量のデータを瞬時に解析するハードルがぐっと下がっています。これを実際のビジネスに応用できれば、過去や現在進行形のデータでさえも手作業を介さずに分析し、より素早く、より根拠のある意思決定ができるのです。「予測」のアルゴリズムの実践はビジネスのさまざまな場面で徐々に始まっています。

プレディクティブマーケティングは他の手法と何が違うのか?

さて、そんな「予測」のインテリジェンスを応用したマーケティング手法が、プレディクティブマーケティングです。これは、マーケティング施策による影響や効果をあらかじめ詳細に検証・分析することで、より正確な将来予測にもとづいた施策を導き出すというもの。

マーケティングや営業活動といった社内にあるさまざまなデータをツールによって解析することで、顧客がどのように商品の購入に至ったか、またそこに企業が行った施策はどのような効果を与えたのか、といった点が詳細に明らかにされます。プレディクティブマーケティングは、こうした顧客行動を明らかにすることによって、何が企業にとって最適な成功パターンかを導くことを主眼としています。当然、こうした成功パターンを把握することができれば、それに当てはめた次のマーケティング施策を迅速に決定することが可能です。

もちろん、これまでも(マーケティング分野に限らず)これまでの顧客や営業のデータ、過去のマーケティング施策を測定した効果から「次の一手」を考えることは行われてきました。プレディクティブマーケティングが従来と違うのは、AIを活用したツールを用いることで大量のデータを高速に、より精密に分析できることです。

これだけ聞くとなんとなく物足りなく感じるかもしれませんが、ますます多様化する消費者のニーズによりきめ細かく寄り添うこと、SNSや各種マーケティングツールの普及によって分析すべきデータ自体も膨大になってきていることからも、「正確に」「迅速に」成功するパターンを読み取る必要性が高まってきているのです。

プレディクティブマーケティングのメリット① マーケティング活動の効率化

こうしたプレディクティブマーケティングにおける具体的なメリットとは、何でしょうか。1つとして、マーケティング活動の効率化に貢献することが挙げられます。

たとえば、近年ホットなワードである「マーケティングオートメーション」とは、顧客からの見込み(リード)を獲得し営業につなぐまでのマーケティング活動を体系的に管理・自動化しようという仕組みやツールを指します。要は「営業が商談に入るまでに受注確度を高める」あるいは「商談の数を増やす」ことです。

プレディクティブマーケティングは顧客行動と企業活動の相関性に着目して成功パターンを導き出そうとするマーケティング手法であり、「どのリードにどのような施策を打てば効果的か」を予測し、マーケティングオートメーションなどで実施する施策の計画策定支援が行えます。

プレディクティブマーケティングのメリット② リードスコアリングをより正確に

獲得したリード(見込み)の受注確度を上げるためには、顧客の現状を把握して適切な施策を打っていかなくてはなりません。顧客が購入に至るまでの心理・行動をカスタマージャーニーと呼び、多くの場合、図式化された「カスタマージャーニーマップ」で示されます。これを作ることで、顧客が現在どの段階いるのか(多少関心を持っているレベルなのか、積極的に商品の購入を検討しているレベルなのか、など)が把握でき、どのような施策を打っていくべきか明確になります。さらに、「どの段階にいるのか」を数値で表すために使われるのがリードスコアリングという手法です。顧客は大手企業なのか中小企業なのか、コンタクトしている人物は営業なのかシステム担当者なのか、あるいはメールのやり取りから現状のシステムに不満を持っていること、カタログ送付の依頼があった、などの情報・行動に点数をつけていく(スコアリングする)のです。

プレディクティブマーケティングはこの分野にも貢献するでしょう。

現在は「リードの行動に対して何点を付与する」といったことを手動で設計・実装する方法が中心ですが、今後はAIを応用して大量データの解析を迅速に行うことにより、何千・何万とあるようなリードアクティビティについても瞬時に数値化された結果を引き出すことも可能になるでしょう。また、リードスコアリングの点数基準についても、プレディクティブマーケティングによって得られる成功パターンを応用することで、運用し続けることにより基準の精度を高めることが期待できます。

プレディクティブマーケティングのメリット③ コンテンツの最適化に貢献

近年注目されているマーケティング手法において非常に重要な位置を占めるのがコンテンツです。潜在顧客に自社を見つけてもらう、興味をもってもらい商品の購入につなげる、さらに自社のファンになってもらい定着を目指す、これらを達成するために必要なのが「顧客にとって有益な情報を提供する」コンテンツです。ここでプレディクティブマーケティングが貢献するのは、主に2つの点です。

1つはターゲッティングです。どの顧客にどのコンテンツを発信するのが効果的なのか、先にも述べたように見込み顧客のカスタマージャーニーにおける位置付けがプレディクティブマーケティングの持つデータ解析によって明らかにされます。ここから、コンテンツ発信に向いているターゲットを割り出すことも可能です。

また、プレディクティブマーケティングはコンテンツそのものの最適化にも応用できるでしょう。顧客が熱心な反応を見せた、次のアクションを取ることにつながった、といった要素が何なのか特定することが可能だということです。これもプレディクティブマーケティングの「成功パターンを導き出す」一例といえます。これは、ターゲットとする消費者の興味に合わせてオンラインの広告内容を変える(予測による)パーソナライゼーションにもつながっていくのです。

 

予測のカギを握るAI

昨今のビジネスで話題のビッグデータとAI。これらをマーケティング分野に応用した考え方が予測分析によるプレディクティブマーケティングだといえます。ただし、特に BtoC マーケティングにおいては、あまりに細かい行動・嗜好パターンの解析はターゲットの抵抗も引き起こすことがあることも、次なる課題として認識しておく必要があるでしょう。

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