1800年代まで遡る、コンテンツマーケティングの歴史

コンテンツマーケティング

コンテンツ・マーケティングは21世紀に入ってからアメリカでその重要性の認識が高まってきたマーケティング手法である。その意味では、コンテンツ・マーケティングは比較的新しい手法であるといえる。

しかし、近年発売されたコンテンツマーケティングのベストセラーによれば、コンテンツ・マーケティングの歴史は19世紀から始まっていたという。

アメリカでベストセラーとなっているコンテンツ・マーケティング本

Joe Pulizzi著の“Epic Content Marketing: How to Tell a Different Story, Break through the Clutter, and Win More Customers by Marketing Less”という書籍が先月アメリカで発売され話題になっている。

Joe Pulizziとは他ならぬ、先述のCMIの創設者であり、コンテンツ・マーケティングの第一人者だ。

この本は、彼のコンテンツ・マーケティングに関する最新の知見をまとめたものだが、この書籍に関連してPulizzi本人によるコンテンツ・マーケティングの歴史への考察が一部紹介された記事“What Content Marketing’s History Means for Its Future”があるのでご紹介したい。   

John Deereというコンテンツ・マーケティングの祖

この記事では、John Deereというコンテンツ・マーケティングの祖の仕事が紹介されている。彼は、19世紀に鍛冶屋から始めて現在も世界最大を誇る農業機械会社“Deere & Company”を創設した人物である。

その彼の意志を引き継いで、彼の死後1895年に発刊されたのが“The Furrow”という農業雑誌だ。この雑誌がコンテンツ・マーケティングの始まりとされるのは、これがいわゆるDMで送られてくる商品カタログのようなものではなく、農家の役に立つ記事や情報を集めたものだったからだという。

媒体がWebに移行しつつある今日ではあるが、現在主流になっているコンテンツ・マーケティングの考え方に完全に沿ったものであるという点には筆者も驚いた。この雑誌は、今もなお月に一度、12の言語に訳されて出版されており、1500万人もの読者がいるという。

まだまだ奥が深いコンテンツ・マーケティングの歴史

19世紀のおわりにJohn Deereによって始まったコンテンツ・マーケティングの歴史は、20世紀に入って、様々な企業・媒体によって進化を遂げていくこととなる。

その事例や通史については、記事内でもいくつか紹介されている他、CMIのクリエイティブ・ディレクターJoseph Kalinowskiによる非常に興味深い通史表のリンクも貼られている。

残念ながら、先述の Joe Pulizziによる“Epic Content Marketing: How to Tell a Different Story, Break through the Clutter, and Win More Customers by Marketing Less”はまだ翻訳本が出版されていないが、さらなるコンテンツ・マーケティングの歴史をもっと知りたいと思った方は、原書のKindle版を購入したり、これらの資料にあたってみたりすることをお勧めする。

まとめ

実はこの事例、現在のコンテンツマーケティングにも通ずる「普遍的な考え方」を見事に示してくれている。この件につき、Pulizziが記事の末尾に記しているので、記事の締めくくりとしてご紹介させて頂きたい。   要約すると、「ブランドというものは、メディアの数が限られてきた時代からそのブランドストーリーを語ってきたのであり、それがメディアが膨大に増えた現在にも続いていると考えられる。的確な相手に、的確なタイミングでコンテンツを届ければ大きな効果を持つが、大切なのはメディアが変わっても優れたコンテンツやストーリーテリングは変わらぬ力を持つのだ」、と彼は記している。

今も昔も、「コンテンツの質が重要である」という点は、普遍的に通ずる大原則なのであろう。

ただ、今のコンテンツマーケティングと当時のコンテンツマーケティングには、決定的に異なる点がある。

それは「デジタル」の活用だ。 現在のコンテンツマーケティングは、主にウェブ上で行われ、データを用いて顧客レベルを管理し、そのレベルに合わせて最適なコンテンツを配信している。コンテンツの質の重要性は共通点だが、そのコンテンツをどうデジタルマーケティングのプロセスで最適化するのか?という視点の有無が、今と昔のコンテンツマーケティングは決定的に異なるのだ。

昔から変わらない魅力を持つコンテンツと近年誕生したデジタルマーケティング、この交差点に位置するのが「コンテンツマーケティング」なのである。

参考元: ・What Content Marketing’s History Means for Its FutureContent Marketing Institute Photo:Some rights reserved by Jack Snell, Flickr