データからウェブサイトの質を考える 直帰率の平均値と目安とは?

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企業のウェブサイト運営担当者の方は、常にサイトに埋め込んでいる分析ツールからデータを集め、それらのデータをもとにサイトの改善を検討することが大切です。特に、デジタル社会の現代、顧客層が使っているネット上で良い結果が出せない場合、ビジネス全体にまで強く影響してしまいます。

SEO視点でウェブサイトの改善を行う際、例えばファイルサイズの軽減化を行いネットスピードの改善を行ったり、モバイル対応をしていないサイトのサイトモバイル対応をしたりすることは重要です。しかし、サイトの平均直帰率を低くすることも、同等に重要な点な改善検討のポイントです。

一般的に、サイト内での回遊性やクリック率を上げることで直帰率は下がります。そして、ウェブサイト内で上手に顧客のページ移動を促すことは、コンバージョン率の増加につながります。

今回は、サイトの質改善に大きく関係してくる直帰率について復習し、自社サイトがどれくらいの直帰率を目指すべきなのかさまざまな要因によって変化する直帰率の平均値の目安を見ていきましょう。

直帰率とは?

直帰率とは、ウェブサイトを訪れた人のなかで「直帰」をした人の割合のことを示しています。そしてGoogleは「直帰」を1ページのみを閲覧して去ってしまったことと定義しています。つまり、直帰率=1ページのみを閲覧して去ってしまったことの数÷全セッション数ということになります。

直帰とは?

Googleアナリティクスでは、読み手がウェブページに来たときに以下の行動を取った際、「直帰」(シングルページセッション)としてカウントします。

  • 検索結果に戻る
  • ブラウザを閉じる
  • 新規のURLを入力して別サイトに飛ぶ
  • 外部サイトに飛ぶリンクをクリックする
  • インターナルリンクに飛ぶリンクをクリックしない
  • ページに留まり、セッションタイムアウトする

たまに、直帰と「読み手がページに留まった時間」に関係性があると勘違いをしているマーケティング担当者やウェブサイト運営者が存在します。しかし、以上をみてわかる通り、読み手がページに何秒いたとしても、上に当てはまる場合は直帰とみなされるのです。

高い直帰率が意味すること

一般的に、直帰率が高いということはいくつかのことを意味します。

第一に、高い直帰率はページ自体の質が悪いことを示している可能性があります。読み手がページにたどり着いても、ページ内容の質が悪いと読み手はわざわざ他のページを見に行こうとはしません。次に、ページに来る顧客層と、コンテンツがターゲットとしている顧客層がずれている可能性があるということも伺えます。特に、広告などでお金をかけてトラフィックを入れ込んでいる際、そこでのターゲット顧客層とページのコンテンツ内容にずれがある場合、せっかくページに呼び込んだ読み手はページ内容に興味を持たず、それ以上のアクションを行いません。

一般的に高い直帰率は悪いことだと考えられがちですが、必ずしもそうではありません。例えば、オーガニック検索でページにたどり着いた読み手が検索していた情報を全て得られた場合、それ以上他のページをクリックすることはないでしょう。また、ブログなどリピーターが多いサイトでは、新しい記事だけを読んで他のページを見ないということもあるでしょう。

つまり、ページの目的や種類によって、目安とすべき直帰率は変わってくるのです。

ページ目的別に見る直帰率の平均

全ての種類のウェブサイトを全体的にみると、どのサイトも26%くらいから70%くらいの直帰率に収まっているはずです。しかし、先ほど述べたように直帰率は高いから悪い、低いから良いと簡単に考えることのできない数字です。

では、自社の直帰率が平均と比べて高いのか、低いのかということはどのようにすればわかるのでしょうか。

的確に直帰率の平均目安を理解するには、まずページの目的毎に分析をする必要があります。以下が、ウェブページの種類毎の一般的な平均目安になります:

  • 20−45%:通販サイト
  • 25−55%: B2Bサイト
  • 30−55%:リードジェネレーションサイト
  • 35−60%:コンテンツサイト
  • 60−90%:ランディングページ
  • 65−90%:情報サイト

先ほど述べたように、コンテンツサイトでは直帰率が60%近くても悪くはありません。また、情報サイトやランディングページなど、そのページに来てもらうこと自体が目的となるページでは、90%近くの直帰率も悪いものとは言えないでしょう。しかし、通販サイトのように商品ページから決済ページまでナビゲートをさせることが目的のページでは、45%くらいが直帰率の限度となります。

業界別にみる直帰率の目安

直帰率の目安は、ページの目的別だけでなく、業界別にも異なってきます。以下が、業界別にみる直帰率の目安となっています。

  • 65.62%:飲食
  • 62.24%:科学
  • 58.04%:ペット、動物
  • 57.93%:ニュース
  • 56.52%:芸術、エンタメ
  • 55.86%:美容、健康
  • 55.06%:法律、政府
  • 54.54%:コンピューター、機械
  • 54.04%:趣味
  • 53.59%:インターネット、テレコム
  • 51.71%:ファイナンス
  • 51.12%:スポーツ
  • 50.65%:トラベル
  • 49.34%:求職、教育
  • 45.68%:販売
  • 44.50%:物産

数字を見てわかる通り、飲食系のサイトと物産のサイトでは20%も目安値に幅があります。その理由は、業界によってサイトの目的や作り自体に違いがあるからです。

たとえば、多くの人は飲食系のサイトに営業時間、場所、メニューなど、「一定の情報」を探しに行きます。よって、サイト自体も情報を探しやすいようにシンプルに作られています。それに比べ、物産サイトでは読み手に様々なページを読んで見比べてもらうことを目的として作られているため、直帰率の目安は必然的に低くなるのです。

つまり、業界、目的を視野に入れずに直帰率の目安を決めることは不可能なのです。逆に言えば、「最新記事を読んでもらう」ことを目的としている企業であれば、低い直帰率を目指すことがパフォーマンスをあげることには必ずしも繋がらないのです。

チャネルごとの直帰率目安

次は、チャネルごとの直帰率の目安について見ていきます。ウェブサイトにはさまざまなチャネルを通して読み手が訪れてきます。お金を払って表示するバナー広告からのトラフィックと、顧客が自主的に登録したメーリスからのトラフィックでは、もちろん直帰率の目安は変わってきます。以下に、チャネルごとの直帰率の目安を記します:

  • 56.50%:バナー広告
  • 54.00%:SNS
  • 49.90%:ダイレクト
  • 41.10%:ペイドサーチ
  • 43.60%:オーガニックサーチ
  • 37.50%:リファーラル
  • 35.20%:Eメール

例えば、SNSからのトラフィックは比較的高い直帰率を見込みます。なぜならば、SNSからくる読み手は1つの情報を手に入れた後はSNSに戻る傾向があるからです。

しかし、Eメールやリファーラルからくるトラフィックの直帰率が高いことは問題となります。なぜならば、これらのチャネルからくる読み手は、既にある程度の興味を示している読み手だからです。なので、彼らに直帰されてしまうということは、読み手にとって質の良いコンテンツになっていないということを示唆します。

コンテンツサイトでは正しい直帰率をはかるべき

ブログを立ち上げてコンテンツサイトに集客を図ろうと考えている企業は、特に注意して直帰率をはからなければなりません。なぜならば、直帰率の説明で記した通り、Google Analyticsは読み手が何分かけてページをじっくり読んだとしても、他のページに飛ばなければ直帰として数えてしまうからです。

コンテンツサイトでは、そのような「1ページだけでも時間をかけて読んでくれた」読み手の情報も重要な情報となります。では、どのようにすればこれらの読み手の情報を「直帰」としてカウントされないようにできるのでしょうか。

方法1

1つ目の方法は、通常のGoogle Analyticsを調整する方法です。

まずは、企業として何秒以上ページにとどまった読み手を直帰としてカウントしないことにするか決めてください。平均的には、15秒から1分くらいページを見ているセッションを直帰とカウントしないことが多いです。しかし、こちらの秒数はページの内容によって変わってくるので一概には言えません。なかには、3分間ページに止まらないと直帰と同じ意味をなすと考える企業も存在します。つまり、企業ごとに目安は変動するのです。

秒数が決まった後は、ヘッダーに入れてあるGoogle Analytics埋め込むスクリプトのタグの直前に、以下のタグを挿入するだけです:

setTimeout("ga('send','event','adjusted bounce rate','15 seconds')",15000);

こちらの例では、「15秒以上」ページにとどまった読み手を直帰としてカウントしないような設定にしてあります。

 コードの中の赤文字の部分は何秒かということを示し、青いところは何ミリ秒かということを示しています。よって、30秒と設定したければ赤文字は30 seconds、青文字は30000、60秒と設定したければ赤文字は60 seconds、青文字は60000となります。

このタグを入れることにより、最低◯秒ページを読んだ読み手を直帰と数えなくなり、真の意味での直帰率(ページすら読まないでいなくなったセッション)の計測が可能となるのです。

方法2

2つ目の方法は、WordPressで管理されているページでのみ行うことのできる方法となります。WordPress上で、「Complete Analytics Optimization Suite (CAOS)」というプラグインを設定してください。そして、プラグイン設定画面に自社のトラッキングIDを入れ込み、「Use adjusted bounce rate?」というところに希望する秒数を入力するだけです。

 

では、結局直帰率の平均値は何なのか?

ここまで見てきてわかるように、直帰率の平均値は、業界、サイトの目的、チャネルなど、さまざまな要因によって変わってくるものなのです。よって、「サイト全体の直帰率の平均値は何なのか」ということを大雑把に気にするのではなく、「自社のこのページの直帰率は他の似たようなページに比べてどうなのか」ということを気にする方がサイト自体の向上に役立つのです。つまり、「この数値が良い直帰率」というものはなく、時と場合によって直帰率の意味は変わってくるということなのです。

特に、直帰率をはかる際はチャネル別、セグメント別に分析することが大切です。例えば、サイト全体の直帰率だけを見ると、業界別の直帰率目安平均より高くなっている東京にある情報サイトがあるとします。しかし、データをセグメントして再度分析してみたところ、大阪からのオーガニックトラフィックがサイト全体の直帰率を高めているということがわかりました。つまり、読み手は「東京の情報」ということに気づいた途端、サイトからいなくなっているということが読み取れるのです。よって、サイト全体の直帰率が高いことは、この場合必ずしもサイト内のコンテンツが悪いからではないという結論に至ることができます。

もちろん、直帰率の平均値を知ることは間違っていません。しかし、時には「平均値」や「目安」というものが誤解を招くこともあるということも心に留めておきましょう。データの分析においては、あなたの企業のコンテクストに合った見方をしないと正しい意味をなさないのです。

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