バンドワゴン効果の意味とマーケティングへの活用方法を解説!

経営・ビジネスハック
行動心理学の世界には「バンドワゴン効果」という用語があります。バンドワゴン効果は、私たちの生活のさまざまな場面に見られる、人間の普遍的な心理法則です。
バンドワゴン効果は政治、経済など、色々な分野において応用されていますが、ビジネスやマーケティングの世界でも重宝されていることをご存知ですか?
この記事では、バンドワゴン効果の基礎知識や、マーケティングへの活かし方について解説していきます。マーケティング施策のヒントが欲しい方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
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目次
バンドワゴン効果とは何か
バンドワゴン効果とは、多くの人に選ばれている選択肢が、より多くの人の選択を呼び寄せるという現象のこと。
ネットで買い物をするときに、レビューの数や評価の高さを基準にして商品選びをしている人は多いのではないでしょうか?これこそ、バンドワゴン効果による影響を受けているいい例です。
他にも、行列のできている飲食店を見ると、「めちゃくちゃ並んでいるな…そんなに美味しい店なのか」と感じる人がさらに長い行列を作っていく、というのもバンドワゴン効果によるもの。
ちなみに、「バンドワゴン」という用語の意味については、Wikipediaに以下のように書かれています。
「バンドワゴン」とは行列先頭にいる楽隊車のことであり、「バンドワゴンに乗る」とは時流に乗る・多勢に与する・勝ち馬に乗る、という意味である。
要するに、バンドワゴン効果は同調圧力に近い現象だと言えますね。特に、日本人は同調圧力の影響を受けやすい国民だと言われているので、自分の選択を周りに委ねてしまった経験に心当たりがある人は多いのではないでしょうか。
バンドワゴン効果の関連語
バンドワゴン効果に関連のある用語を紹介します。
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アンダードック効果
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社会的証明
アンダードック効果
アンダードック効果とは、少数の人にしか選ばれていないものや、弱者に対して同情の気持ちが集まる現象のこと。バンドワゴン効果の対義語として使われます。
たとえば、スポーツ大会の決勝で、優勝候補と、全く勝つことを期待されていなかったチームが激突するとしましょう。このような場合、優勝候補のファンでない人以外は、多くの人が後者を応援するのではないでしょうか?
しかし、アンダードック効果はあくまで同情を元にしているため、マーケティングには使用しづらいものだと考えられています。
社会的証明
社会的証明は、「みんながいいと思っているものは正しいものだ」と考えてしまう人間の傾向。バンドワゴン効果とほぼ同じ意味で使われますが、社会的証明が「傾向」を指すのに対し、バンドワゴン効果は「その傾向の結果」を指すものだと区別できます。
「都会の人間は冷たい」という印象がありますよね。実際、都会で明らかに困っている人がいたとしても、助ける人はなかなかいません。
しかし、これは決して都会の人間が冷たいからではなく、社会的証明によるものだと考えられます。人間は未知の状況で決断に迷ったとき、周囲の人間の行動を参考にして、同じアクションを取ろうとするのです。
バンドワゴン効果の具体例
バンドワゴン効果は、日常のさまざまな場面で確認できる現象です。ここでは、私たちの身の回りに潜んでいるバンドワゴン効果を確認してみましょう。
政治でのバンドワゴン効果
政治活動、特に選挙において、バンドワゴンを利用して勝利を目指す政治家が見受けられます。
メディアによって「〇〇氏が圧倒的優勢」と報道された政治家には、さらに多くの票が集まってきます。また、演説に対してたくさんの聴衆が集まっている映像を流すのも、バンドワゴン効果の威力を視覚的に高めてくれます。
特に、これといった支持者・支持政党がない人は、多くの人が支持しているところへ票を投じる傾向があるというわけです。
SNSでのバンドワゴン効果
SNSにおいては、しばしば「バズる」という現象が発生します。バズるとは、コンテンツが短い時間で爆発的な評判を集め、多くの人に拡散される現象のこと。実は、これにもバンドワゴン効果が隠れているのです。
バズったコンテンツは、「多くの人が面白いと思っているのだから、面白いに決まっている」という先入観を閲覧者にもたらします。その結果、より多くの人の目に触れられ、さらにコンテンツが広がっていくのです。
YouTubeでのバンドワゴン効果
YouTubeにおいて、YouTuberの人気を測る指標の1つは「登録者の数」ではないでしょうか。
たとえば、料理系の動画を見てみましょう。登録者の少ない料理家と、多い料理家の作る料理は、クオリティー自体はそこまで差があるものではありません。基本的にどんな動画を参考にしても、美味しい料理が出来上がるはずです。
しかし、登録者の多い料理系YouTuberがつくるものの方が、「自分でも美味しく作れそう」と感じてしまいますよね。
これも、バンドワゴン効果による影響だと言えます。
バンドワゴン効果のマーケティングへの活用例
本章では、バンドワゴン効果のマーケティングにおける活かし方をご紹介します。バンドワゴン効果は様々な分やにおいて応用されますが、マーケティングの世界においても活用されています。
数字を意識したコピーを作る
バンドワゴン効果のカギは、何といっても「数字を利用した訴求」です。数字を使ったコピーは具体性が高く、支持者の多さをダイレクトに伝えられます。
たとえば、以下2つのパーソナルジムの広告コピーを比較してみましょう
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短期間でダイエットを成功させませんか?人生を変えたい人は、ぜひ〇〇ジムへ!
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1000人が、2ヶ月で-10kgの減量に成功しています。まだ夏には間に合いますよ!
後者のコピーでは、人数と期間、体重の変化を数字で表すことで、多くの人がダイエットに成功している事実を具体的に示しています。実際、ダイエットジムを探している人にとって、後者のコピーはほぼ確実に心に刺さるでしょう。
数字を使って具体的な訴求ができないかを考えて、マーケティング施策に活かしてみてください。
名言に見る、数字の威力
科学者のトーマス・エジソンは、以下のような名言を残しています。
「失敗なんかしちゃいない。うまくいかない方法を700通り見つけただけだ。」
心に響く言葉ですが、よく考えてみると「失敗は成功のもと」と言っているのにすぎません。
要するに、至極当たり前なことでも、数字を使って表現するだけで、これだけ印象の違う文章になるということ。みなさんも、名言を作るような意識を持って、コピーを考えてみてください。ポイントは、やや大げさな表現を取り入れてみることです(もちろん嘘はいけません)。
「みんなと一緒」という訴求
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同世代はもうみんな使ってますよ
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20代男性の40%が当社商品を選んでいます
このような訴求は、「みんなもやっているから、自分もしてみようかな」という気持ちを引き出します。
前述の通り、人間は周りの人の行動を基準にして決断を下す傾向があります。いわば、「空気を読む」とも言い換えられるでしょう。
また、この方法は「みんなに遅れたくない」「自分だけ違うのはいやだ」という、ネガティブな感情にもアプローチできます。たとえば、「まだ〇〇を使っているのですか?」のようなコピーは、人に焦りの感情を与えます。
加えて、この方法と数字を組み合わせれば効果はバツグンです。
実績提示で信頼感を高める
多くの人が利用しているという事実、すなわち「実績」は、商品・サービスの信頼度を担保する大変重要な要素になります。
たとえば、大学受験予備校を選ぶ場合。施設設備や先生の質も気になるところではありますが、何よりも重視すべきなのは「どの大学に何人、合格させた実績があるのか?」ではないでしょうか。
東京大学に合格したい学生は、東大に合格させた実績のある予備校に通いたいもの。実績を提示するだけで、広告の訴求力大きく上がります。
また、人には「得したい」よりも、「損したくない」という感情の方が強い傾向があります。多くの人に選ばれているという事実は、「みんなが満足しているなら自分もきっと大丈夫だろう」という安心感を引き出すことにもつながるでしょう。
何か訴求に使えそうな実績がある方は、ぜひキャッチコピーや広告に取り入れてみてください。
期間や個数を限定する
行動心理学に「希少性の原理」という用語があります。希少性の原理とは、貴重なものや数少ないものに対して魅力を感じてしまうという人間心理のこと。
たとえば、以下のような文を見かけたことがないでしょうか。
・◯時まで限定セール!
・この商品は限定20個です!
これらは希少性の原理を活用した訴求ですが、実は、その裏にはバンドワゴン効果も隠れています。
・「〇時まで限定セール」=「それだけ人気のある商品だということ」=「自分も欲しい」
・「限定20個」=「人気が高くて数多く用意ができない」=「いい商品に違いない」
このように、希少性は、「多くの人から支持を集めている」というメッセージを暗に伝えることが可能。ぜひ利用してみてください。
まとめ
ここまで、バンドワゴン効果について解説してきました。
バンドワゴン効果は様々な分野に活用されますが、ビジネスにおいてもとても役立つものです。この記事を参考にして、バンドワゴン効果を自社のマーケティングに活かせないかどうかを考えてみてください。
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