ウェブサイトの離脱率とは?

アクセス解析

多くの企業ウェブサイトの目的がビジネスリード(見込み客)獲得であり、その獲得率を測る指標をコンバージョン率と呼びます。

ウェブサイト担当者がコンバージョン率向上施策の検討過程で、サイトの分析とサイトパフォーマンスの改善を考えるうえで欠かせないデータの1つが、「離脱率」です。今回は「離脱率」の基礎知識からその改善策まで解説していきます。 

離脱率とは

ウェブサイトにおける「離脱」とは、自サイトへの訪問者が次の段階(ページ)に進まずに、そのページを出口としてブラウザを閉じることをいいます。また、別サイトへのリンクをクリックして、自サイト以外のサイトに移動することも「離脱」に含まれます。Googleアナリティクスの仕様では、「セッション中(※)に午前0時になること」や訪問者がサイトを訪れてから30分以上放置され何もアクションを行わないままである状態のことも「離脱」となります。

「離脱率」とは、そのページが開かれた回数のうち、どのくらいの割合で「離脱」されたかを表すもので、「そのページの離脱数÷そのページのPV(ページビュー)数×100」という計算方法で導き出されます。

※「セッション」とは、ユーザーがサイトを訪れてから離脱するまでの間に連続して行う一連の行動のこと。あるユーザーがサイトを訪れてから離脱するまでを1セッションとカウント。

離脱の1つの例を見てみると…

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5名のユーザーが、あるサイトのランディングページ(検索やメルマガなどから訪問したページ)を訪れたあと、Aというページを閲覧しました。その後、3名は同じサイト内のBというページに移動。残りの2名のうち1名はAページの閲覧後にそのままブラウザを閉じ、他の1名はすぐに他サイトに移動しました。

この例においては、AページのPV数は5回、離脱数は2回なので、2÷5×100=40という計算になり、Aページの離脱率は40%ということになります。

このとき、もしBページに移動した3名のうち2名は、Aページから直接Bページに移動したわけではなかったとしたら、離脱率の計算は異なるものになります。例えば、2名はAページ内に設置されたリンクからいったん他サイトへ移動し、その後Bページを訪れたとします。この場合、2名はAページから「離脱」したことになるので、全体では離脱数は“4”となります。すなわち、離脱率は4÷5×100=80(%)です。

ウェブサイトの離脱率とは_画像2.jpg

つまり、離脱率の計算では、あくまでも「そのページ」の「次」に訪れたのはどのページかということが基準になります。

離脱率をチェックする目的

ウェブサイトの運営において離脱率をチェックする目的は、サイトのどのページに問題があるかを発見することです。離脱率が高いページにはさまざまな原因が考えられますが、そのページに魅力がない、書かれている内容が分かりにくいといった大きな問題が含まれていることもあります。そうした点を見直し、「資料請求」「商品購入」といった訪問者に行ってもらいたいアクションをしてもらうコンバージョンの率を高めることが、ウェブサイト担当者の最終目標です。また、そのようにして個々のページを改善することで、最終的にサイト全体の収益アップやビジネス価値の向上に結びつけることが可能になります。

直帰率との違い

「離脱率」と混同されやすいのが「直帰率」です。どちらもウェブサイトの各ページの効果をチェックする指標となりますが、この2つは別のものです。

Googleアナリティクスのヘルプでは、離脱率と直帰率の違いについて、次のように説明されています。

  1. 離脱率は、個々のページのすべてのページビューにおいて、そのページが訪問者のセッションの最後のページとなった割合を示します。
  2. 直帰率は、あるページから始まったすべてのセッションにおいて、そのページが同一セッションに存在する唯一のページだった割合を示します。ページの直帰率は、そのページで始まったセッションだけが計算の対象になります。

もう少し具体的に考えたほうがわかりやすいかもしれません。

例えば、あるサイトの「A」というページについて考えてみると…

(※その日に、以下のセッションしか行われなかった場合での計算です)

  • ユーザーのXさんとYさんがそれぞれ、あるウェブサイトを訪問したとき、最初に見たページがAページだったとします。その後、2人ともすぐに他サイトに移動した場合、Aページの「直帰率」は100%ということになります。
  • ユーザーのXさんとYさんはあるウェブサイトを訪問した際、最初にあるページ(ランディングページ)を訪問し、次にAページに移動したとします。その後2人ともすぐに他サイトに移動した場合、Aページの「離脱率」は100%ということになります。

つまり、サイトを訪れ最初のページだけを見て離脱したユーザーの割合が「直帰率」です。一方、あるサイトで1つのページの「離脱率」を計算する際には、サイト内で最初にそのページを訪れたか否かにかかわらず、そのページから離脱したユーザーの割合を導き出します。

もう少し長い期間の計算例をあげます。

A、B、Cという3ページから成るサイトで、次のようなセッションがあったとします。(他にはセッションがないと仮定)

  • 月曜日:Aページ→Cページ→離脱
  • 火曜日:Aページ→Bページ→離脱
  • 水曜日:Bページ→離脱
  • 木曜日:Cページ→離脱
  • 金曜日:Bページ→Aページ→離脱

この場合、離脱率と直帰率は、それぞれ以下のとおりとなります。

離脱率:

  • Aページ:約33.3%(Aページを含むセッションが3回、そのうちAページからの離脱が1回)
  • Bページ:約66.7%(Bページを含むセッションが3回、そのうちBページからの離脱が2回)
  • Cページ:100%(Cページを含むセッションが2回、そのうちCページからの離脱が2回)

直帰率:

  • Aページ:0%(Aページを最初に見た後、そのままAページから離脱したセッションがないので。)
  • Bページ:50%(Bページで始まったセッションが2回、そのうちBページからの離脱が1回)
  • Cページ:100%(Cページで始まったセッションが1回、そのうちCページからの離脱が1回)

Googleアナリティクスのヘルプの2.で説明されているとおり、直帰率の計算では、この例のように、「そのページで始まったセッションだけが計算の対象になる」点がポイントです。

離脱率のチェック方法

離脱率は、Googleアナリティクスなどのアクセス解析ツールを設置することで調べることができます。ここではGoogleアナリティクスでのチェック方法を簡単に説明します。

  1. まず、Googleアナリティクスのレポート画面を開きます。
  2. 次に、左側にあるメニューから「行動」→「サイトコンテンツ」→「すべてのページ」と進み、すべてのページのデータを表示します。
  3. ページごとのデータ一覧の右のほうに、「離脱率」が表示されます。

ここで表示されるデータ一覧では、ページビュー数、ページ別訪問数、平均ページ滞在時間、閲覧開始数、直帰率なども同時に確認することができます。こうした指標も併せて分析に活用します。

離脱率が高いのはよくない?

しかし、そもそも離脱率が高いことは良くないことなのでしょうか?これは、一概に「良くないこと」とは言い切れません。ユーザーは、サイトを訪問した際、いずれどこかのページで必ず離脱します。

問題になるのは、コンバージョンに直接つながるページなど、離脱を意図していないページでの離脱率が高いときです。例えば、資料請求のページでの離脱率が高い場合は一般的には「良くない」状態になっていると言えます。よく見られる原因としては、そのページやそのページの前に見られていたページがユーザーを惹きつけるだけのコンテンツを提供できていないこと、あるいは、資料請求ページの資料請求ボタンが分かりにくい位置にあったり、色が目立たなかったりなど、ページのデザインに問題が含まれている可能性もあります。

また、関連性が高い他サイトへのリンクをたくさん含めすぎると、ユーザーがそこを経由して他サイトへと流れてしまい自社サイトに戻ってこない……といったことも起こり得ます。そもそもあまりリンクが多いと、ユーザーがその都度リンクをクリックして関連情報を確認したほうがよいのかどうか迷いを生じさせるなど、意図せずしてストレスを与えてしまうことになりかねません。

商品の購入ページでの離脱率が高い場合は、商品の説明が分かりにくい、画像やコピーに魅力がないといったことも考えられます。あるいは、購入ボタンを押すまでに通るページでの離脱が多い場合は、購入するまでのプロセスが複雑すぎる、入力項目が多すぎるなどの可能性もあるでしょう。

対策を立て、離脱率を下げるべきところは?

ポイントは、重要なページの離脱率を改善することです。上で挙げたこともふまえて、離脱率の改善に必要なことをまとめると、次のようになります。

コンテンツの質のアップ

離脱率の高いページのコンテンツを全体的に見直します。内容が競合サイトと比べて魅力的か、差別化されているか、また、文章が長すぎないか、読みやすいかなどは大きなポイントです。内容が深くても、文章が長すぎたり、適度な間隔で見出しが入っていなかったりすると、途中で読むのが嫌になってしまうかもしれません。コンテンツの文章は、タイトルや見出しで大まかな内容がわかり、各段落が適度な長さで収まっているのが理想です。ただ、どのくらいの長さの文章が適当か、どの程度の深さの内容にしたらよいかは、業界や業種によっても異なりますので、同業他社や似た業界のサイトなどを参考にしましょう。

ビジュアルも大切な要素です。改善しようとしているページには、ユーザーを惹きつける魅力的な画像やイラストなどが含まれているでしょうか? 適度にカラーを使うなど、飽きが来ないデザインになっていますか? そういった点を見直していきます。

配置を見直す

リンクボタンなどの位置が分かりにくいと離脱しやすいので、目立たせる工夫が必要です。また、知りたいことがどこに書かれているか一目でわからないと、それを探すことをすぐにあきらめるユーザーも出てきます。そのページをパッと見ただけで、ユーザーがすぐに次の行動を決められるような明瞭さが必要です。

読み込み時間を短くする

ロード時間が長いことも、離脱の大きな理由となります。ページのインパクトを強めるために、イラストに動きを入れたり、解像度が高めの画像を多く使ったりすると、ページ全体が表示されるまでに時間がかかるため、その間に他サイトへ移るユーザーが出てきます。ブランディングの一環としてウェブサイトのビジュアル面を強化することは大切ですが、ユーザーからすると、「そこまで凝ったデザインは求めていない」という場合もあります。むしろ、必要な情報を早く閲覧できるほうがありがたかったりもします。

入力フォームの最適化

入力フォームに到達したユーザーは多いものの、そのあと離脱したユーザーの割合が高い場合は、入力フォームの最適化(EFO:Entry Form Optimization)を行うことで、コンバージョン率のアップを狙うことができます。入力フォームまで到達したということは、そのユーザーは、訪れたサイトで提供されている商品やサービスなどにかなり強い興味を持っていることになります。それにもかかわらず、入力フォームへの入力が完了する前に離脱してしまうということは、フォームそのものに問題がある可能性が高いことを示しています。入力項目の数は多過ぎないか、入力欄の幅は狭すぎないか、入力例がわかりやすく記載されているか、などを入力するユーザーの目線でチェックするようにします。

モバイル最適化

スマートフォンやタブレットでのウェブサイト閲覧が多くなった今、モバイル最適化は重要なポイントです。ユーザーは、「モバイルでは見にくかったから、パソコンで同じページを見よう」とは、なかなか考えてくれないものです。モバイルで見やすいサイトにすぐに移動してしまうでしょう。最初にアクセスしてくれたときに確実にユーザーを惹きつけるために、モバイル最適化は欠かせません。

まとめ

今回は、「離脱率」の意味やチェック方法といった基礎的なことから、「離脱率の下げ方」という次のステップまでを説明してきましたが、いかがだったでしょうか?

離脱率の分析においては、「直帰率」との違いや、どんなときに離脱率を改善すべきかといったポイントを押さえたうえで、具体的な策を練ることが大切です。この記事で紹介した内容を参考に、ステップ・バイ・ステップでサイトパフォーマンスをアップさせてください。

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