音声検索からのアクセス対策をするための音声検索最適化(VSO)とは?

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音声検索は、「Hey,Siri」や「OK,Google」などの言葉とともに、一つの検索手段として認知されてきています。デバイスに直接呼びかける形で検索できることから、従来のテキストスタイルと比べて手軽かつスムーズに情報を引き出すことが可能です。
音声検索は特に海外で少しずつそのシェアを伸ばし、Googleによると2018年時点で全世界のオンラインユーザーの27%が使用しているというデータがあります。日本で2019年に実施されたアンケート調査でも、音声アシスタントに「日常的に話しかけている」とした人がアメリカでは25.1%と高い水準になりました。同調査における日本の回答が6.2%であることを考えると、海外の音声検索は普及率は非常に高いと判断可能です。
日本ではまだ音声検索が主流とはなっていませんが、スマートスピーカーの一認知度向上などによって少しずつ広まっていく可能性はあります。今後は海外と同様に、音声検索が一般的な検索手段となることも考えられます。
目次
どのような音声検索ツールが使われているか
2021年現在、音声検索には「Google Assistant」「Alexa」「Siri」といった複数の種類があります。これらのツールはiPhoneやiPadといったデバイスと、Amazon EchoやGoogle Homeなどのスマートスピーカーで使用されるのが一般的です。
音声検索ツールは、ユーザーの話した言葉をテキストとして認識し、Web上のコンテンツから該当するページを検索します。その際には従来のSEOではなく、「VSO」と呼ばれる音声検索への対策が重要です。
音声検索最適化(VSO)とは
VSOとは「Voice Search Optimization」の略称で、日本語では音声検索最適化という意味を持ちます。具体的にはWebサイトを音声検索に適した形にする対策のことで、音声による検索時にピックアップされやすくする効果に期待が可能です。音声検索の利用ユーザー数の増加に合わせてVSOの注目が集まり、検索エンジン最適化(SEO)だけではカバーしきれない部分の対策として実施され始めています。
音声検索最適化(VSO)を実施するポイント
音声検索最適化(VSO)は、今後音声検索が普及する可能性を考慮した際に重要な対策となります。
実施する場合にはどのようなポイントがあるのかを、下記で確認してみましょう。
音声検索のニーズを理解する
音声検索最適化(VSO)を実施する際には、音声検索のニーズを理解することが重要です。音声検索は素早く検索ができることやハンズフリーで利用できることがメリットなので、生活におけるちょっとした調べものをするときや、何か別のことをしていて手が離せないときに使用されることが想定されます。
「知りたいことがあるけど、わざわざ検索エンジンを使うほどではない」「いますぐ知りたい情報がある」といったニーズが考えられるので、その点を意識して音声検索最適化(VSO)を進めていくことがポイントです。
日本と海外では音声検索に対する意識が異なることを理解する
日本では海外と比べて、日常的に音声検索が使われていないため、テキスト検索と比較して気軽に利用しづらいことが考えられます。
2017年のKDDIの調査によると、日本人の約7割が「人前で音声検索を使うことが恥ずかしい」と回答しています。音声検索でデバイスに向かって声をかけることができない人は、決して珍しくありません。音声検索最適化(VSO)を実施する際には、周囲に人が多い公共の場では使われづらいことや、比較的短文で検索される可能性があることを意識する必要があります。
自社コンテンツが音声検索の回答として使用されるように意識する
音声検索最適化(VSO)の目的は、音声検索時に自社コンテンツが「回答」として使用されることです。そのためにはWebサイトの質を評価してもらうことよりも、音声検索ユーザーが求める「正しい情報を素早いレスポンスで与えること」を意識する必要があります。例えば音声検索の回答となる部分を簡潔にまとめて冒頭に配置することが、音声検索最適化(VSO)につながります。これまでのSEOとは違う構成や言葉の配置を考えることも、音声検索最適化(VSO)を実施する際のコツです。
音声検索最適化(VSO)の具体的な対策
音声検索最適化(VSO)には、以下のような具体的な対策がいくつかあります。
実際に音声検索最適化(VSO)を実施することを考えて、どのような対策が可能なのかチェックしてみましょう。
「話し言葉」を採用する
音声検索ではユーザーが直接話しかけるような言葉を使うことが想定されるため、「話し言葉」を意識してWebサイトの文章を作ることが音声検索最適化(VSO)につながります。「音声 検索」といった単語ではなく、「音声検索ってなに?」といった会話への返答をするつもりで、キーワードを調節するのが対策の一環です。
ロングテールキーワードの対策をする
話し言葉を採用するのと同時に、ロングテールキーワードを対策することもポイントです。複数のキーワードを組み合わせたロングテールキーワードの設定は、音声検索最適化(VSO)と同時にSEO対策として効果を発揮します。それぞれの検索方法で高い流入数を確保するために、キーワードの選定を行うことがおすすめです。
FAQページを作成する
FAQページは質問に回答するという問答形式を取っているため、音声検索最適化(VSO)と非常に相性が良いです。無理なく話し言葉をWebサイトの文中に設置できるので、まずは既存のサイトにFAQページを追加することから始めることも考えられます。FAQページの作成時には、あらゆるパターン方向から音声検索がされることを意識して、5W1Hの質問を軸に回答をまとめてみてください。ユーザーからの質問への適切な回答は、Googleによって「強調スニペット」でピックアップされることがあります。
ページの応答速度を高める
音声検索ではユーザーへの素早い返答が重視されるので、ページの応答速度を高めることも音声検索最適化(VSO)に含まれます。「Google PageSpeed Insights」などを活用して、現在のサイトの表示スピードと改善点を確認してみましょう。
ローカルSEOを意識する
音声検索では、そのユーザーが生活している限定的な範囲に関する情報が検索されることも多いので、ローカルSEOを導入して音声検索最適化(VSO)を高めることも考えられます。「地域名 飲食店 おすすめ」のようにローカルなキーワードが音声検索では想定されるため、地域名を含んだ見出しの作成や住所や電話番号の表示などを行うことがおすすめです。
そのほか「Googleマイビジネス」に登録して、Google検索やGoogleマップに自社コンテンツの情報が記載されるように備えることも対策になります。
?音声検索の普及からわかること
音声検索の普及からは、今後のコンテンツマーケティングやSEO対策についてのヒントを得ることもできます。
これからの将来を考えるために、以下のポイントも参考にしてみてください。
これまでと同じSEO対策を続けていくだけでは不十分
音声検索の普及によって、企業はこれまでと同じSEO対策を続けていくだけでは不十分である可能性が出てきました。音声検索最適化(VSO)は2021年時点ではまだ主流になっていませんが、日本でも一定の需要を獲得することは考えられます。そのため早めに具体的な対策を把握して、将来増える音声検索ユーザーへの備えをすることが、結果的に自社コンテンツの成長につながるかもしれません。
音声検索最適化(VSO)のような新しい要素の誕生は、SEOトレンドを変えるきっかけになる可能性もあります。
音声検索最適化(VSO)と同時にSEOトレンドを常にチェックして、そのときの「最善」を尽くせるように意識していくことが重要です。SEOは時代に合わせて変化し、新しい技術もどんどん取り入れていきます。現状のSEO対策を維持するだけでなく、積極的に最新の情報にアップデートしていくことを検討しましょう。
SEO対策よりも優先順位が高いわけではない
音声検索の普及と音声検索最適化(VSO)の重要性を解説してきましたが、いますぐにVSO対策が必須かというと、その答えはNOです。SEO対策よりも優先的に実施する必要はないため、あくまでコンテンツを充実させるための施策の一環として捉えることが考えられます。
その一方で、従来のテキストによるキーワード検索よりも、音声検索の方が使いやすいと感じる人もいます。例えば文字入力に慣れていない高齢者や体が不自由な人などは、音声検索によってこれまで以上に検索をする機会が増えるかもしれません。そういった音声検索ならではの需要に応えるための準備は、自社コンテンツを成長させることにつながります。音声検索には入力スピードの速さやストレスの少なさといったメリットも多いため、今後は若者に普及する可能性もあります。
自社コンテンツがそういった音声検索を利用する可能性が高い人たちにマッチするのなら、今の段階から積極的に音声検索最適化(VSO)を実施していくことも必要です。
音声検索からのアクセスを意識することがコンテンツの成長につながる
音声検索は少しずつ私たちの生活に浸透しているため、いずれはポピュラーな検索手段になるかもしれません。音声検索からのアクセスを意識したサイトづくりは、将来的に自社コンテンツを成長させることにもなり得るでしょう。
音声検索最適化(VSO)として、今の段階からできることはいくつかあります。
SEO対策につながる要素も多いので、音声検索最適化(VSO)を学びながらコンテンツを見直してみてはいかがでしょうか。
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