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イノーバマーケティングチーム2024/03/08 7:43:471 min read

記事広告やLINEスタンプも!「広告は不快…」という声に応えて登場したネイティブアド広告

「バナー・ブラインドネス」という言葉も聞かれるようになり、ユーザーは無意識のうちに広告を見ることを避けるようになりました。悪質な広告は減ってきているものの、ユーザーを不快にさせるWeb広告を見た経験から、「広告=目障りなもの」と考えているユーザーも多いでしょう。

そういった状況を踏まえて増えてきたのが“ネイティブアド (ネイティブ広告)”。ネイティブ広告の概念は少し理解しづらい部分がありますが、具体例を挙げながら解説してい見ていきましょう。

※広告に関する情報や画像は2018年1月時点のものです。出稿を検討する際は改めて公式情報をご確認ください。

ユーザーの目が肥えて広告を避けるように

Web広告を邪魔だと思ったことがある人は多いでしょう。

  • 「邪魔な位置に表示されて間違えてクリックしてしまった」
  • 「見るだけも不快に思う広告が表示された」
  • 「広告だと思っていなかったのに実は広告だった」

といった嫌な経験をすると、当然ユーザーは広告を避けるようになってしまいます。ユーザーのニーズに応じて、「アドブロック」という広告を表示させないようにする機能も急速に普及してきました。しかし、広告が表示されなくなると、メディア運営側が収益面で成り立たなくなってしまいます。

そのため、アドブロック機能を使っているユーザーがコンテンツを閲覧できないようにするなど “アンチアドブロック”の施策を講じるサイトも増えました。広告を見せたいメディア側と、広告を見たくないユーザー側の攻防が繰り広げられているのです。

無意識に広告を見ないユーザーも増加

また、アンチアドブロック機能を使っていなくても、無意識に広告を見ないユーザーが増えています。「バナー・ブラインドネス」といって、自分に必要な情報のみを見て、無意識のうちに広告を見ないようにしてしまうのです。ユーザーの目が肥えて、必要な情報と不必要な情報をすぐに見分けられるようになったのですね。

以前のように「ユーザーを騙してクリックさせる」という時代は終わりを迎えています。ユーザーが自発的に興味を持って見るような広告作りが大切になってくるでしょう。

ネイティブ広告の台頭

そのなかで台頭してきているのが、ネイティブ広告。ネイティブ(native)には「自然の」「土着の」という意味がありますが、ユーザーにストレスを与えないよう、メディアに溶け込むように作られている広告のことを指します。

「広告」「PR」という表記はきちんとされている

ネイティブ広告は、「ステルスマーケティング(ステマ)」ではないか? と思う人もいるかもしれませんが、違いますのでご安心を。ステマというのは、ユーザーに気づかれないように(騙して)広告宣伝活動をすること。例えば、芸能人・有名人が広告主から金銭を受け取り、自分が純粋に気に入って購入したものであるかのようにブログで宣伝するような行為がステマとして一時問題になりました。

しかし、ネイティブ広告の場合は、あくまで広告。[広告][PR][AD]などの表記はしっかりされているため、ステマとは明確に異なります。

ネイティブ広告は、主に以下の5つに分類することができます。それぞれ、詳しく見ていきましょう。

【1】インフィード広告

Webメディアのフィード(feed、見出しや要約文の配信)一覧のなかに一般コンテンツとともに表示される広告。ニュースサイトの記事一覧とともに出てくる広告や、SNSのタイムラインに表示される広告などがこれに当たります。

例えば、facebook広告であればタイムラインの友達の投稿とともに広告が表示されるのです。SNSの投稿を見るのが習慣になっているユーザーは増えています。また、SNSでは学歴や住まい、出身地、ライフイベント、誕生日など自分の情報を詳しく登録しますし、チェックイン、フォローや「いいね!」などを通じて趣味・嗜好もわかるでしょう。ターゲティングを細かくできるというメリットがあります。コンバージョンにつながりやすいユーザーに向けて、効率的に広告を配信できるのです。また、ユーザーが「いいね!」することで、友達に広告が拡散していくことも期待できますね。

ただし、ユーザーが多い検索エンジンとは異なり、facebookを利用している人にしか広告が届きません。また、はじめから爆発的に効果を得られるというよりは、試行錯誤を繰り返して運用していくケースが多いでしょう。ある程度長期的に運用していく前提で出稿することになります。

出典:facebook business(https://www.facebook.com/business/learn/facebook-create-ad-video-ads

  • facebook広告の料金

予算と入札価格を設定し、予算を上回る広告費を支払うことはありません。そのため、低予算でも少しずつ出稿できます。広告を出すだけでお金が発生することはなく、ユーザーのアクション(広告を見る、クリックする、アプリをインストール・起動する)に対して課金される仕組みです。

【2】ペイドサーチ型

ペイドサーチ型は、リスティング広告の「検索連動型広告」のことを指します。Yahoo! JAPANやGoogleでキーワードを入れて検索した際、自然検索結果とともに出てくるテキスト広告がそれです。Google AdWordsやYahoo! プロモーション広告などから出稿できます。

[広告]という表記はされますが、以下の画像のように検索結果とほとんど同じ体裁で表示されますので、これもネイティブ広告に含まれます。検索エンジンを利用するユーザーは非常に多いうえ、「調べたい」「購入したい」などの意欲があってキーワードを入力していますので、見込み客に対して効率的にアプローチできるでしょう。また、キーワードによって異なりますが、低予算からでも出稿可能です。

ただし、人気のキーワードはクリック単価が高騰し、手が出せないということも多いでしょう。また、広告文の制作やキーワードの選定、ターゲティングなどを考えながら運用していく必要があります。手間がかかることを考慮のうえ、検討しましょう。

予算を自分たちで設定でき、クリックされない場合には広告費がかからない「クリック課金型」。キーワードごとに上限クリック単価(ここまでなら1クリックに対して払ってもいいと思える単価)を設定し、広告の質も加味しながら広告の優先順位が決められていきます。目標コンバージョン単価制といって、コンバージョンが発生したときに課金されるようにすることもできますが、こちらは上級者向きです。

【3】レコメンドウィジェット型

コンテンツを閲覧した際、「おすすめ記事」「関連する記事」「こんな記事も読まれています」などの表記とともに、表示される広告がレコメンドウィジェット型です。インフィード広告の場合は他のフィードと混在して表示されますが、レコメンドウィジェット型は、他の記事を読み終わった後に見る位置に表示されるという点で異なっています。

記事を読み終わる前に離脱するユーザーもいるため、メディアを閲覧している人全員の目に留まるわけではありませんが、記事を最後まで読んだ人は意欲の高い人であることが予想できます。また、ユーザーの読んだ記事と関連がある広告や興味・関心に沿った広告が配信される観点からも有効だと言えるでしょう。

 

【4】プロモートリスティング型

プロモートリスティング型は、検索結果に表示されるという意味では検索連動型広告に似ていますが、特定のWebサイト内の検索結果に表示される広告です。「Amazon」や「楽天市場」などのECサイト、「食べログ」や「ぐるなび」などのグルメ検索サイトなどで採用されています。

例えば、「食べログ」のプロモートリスティング型広告の場合。口コミ評価が変動することはもちろんありませんが、ユーザーがお店を検索した際に優先的に表示されるようになるのです。ユーザーは「飲食店を探したい」という明確な目的があるため、予約・来店につながりやすいでしょう。

出典:食べログ(https://owner.tabelog.com/owner_info/top?lid=ownerinfo_rsttop_side#service_plan_tablelist

  • 食べログの広告料金

食べログの場合、「月額固定費+従量料金」というプランになっています。月額に関しては10万円、5万円、2万5,000円、1万円の大きく分けて4プラン。標準検索結果に優先表示されるのは、2万5,000円以上のプランです。5万円以上のプランでは、予約されやすい時間帯に最も目立つ枠に表示させる「ゴールデンタイム強化」サービスも。

なお、従量課金部分は、食べログから送客された場合にディナーの場合で1人200円、ランチの場合には1人100円課金されるという仕組みです。

【5】カスタム型

最後は、カスタム型。こちらは、これまで紹介した4つに当てはまらないネイティブ広告のことです。さまざまな広告形態がありますが、代表的なものは「記事広告」(編集記事とよく似た体裁でPRする広告)や「LINEスタンプ」です。

LINEスタンプは、公式アカウントを持っている広告主が、無料スタンプを配付することで認知を広げるというもの。公式アカウントに登録した人だけにスタンプを配布するパターンと、何もしなくてもダウンロード可能なスタンプの2種類があります。ユーザーのLINEトークの流れのなかでスタンプとして自然に使われるため、ネイティブ広告に位置づけられるのです。

広く認知されますし、ユーザーとの接点が増加するためメリットは多いですが、高額な公式アカウント登録費用とLINEスタンプ配布費用がかかります。低予算の場合は難しいケースもあるでしょう。

 

AdSenseやAd Exchangeにもネイティブ広告

Google AdSenseやDoubleClick Ad Exchangeにも新しいネイティブ広告が登場しました。それぞれ簡単に内容を理解しておきましょう。

  • Google AdSenseのネイティブ広告

Google AdSenseというのは、Webサイトの運営者がGoogleに出稿されている広告を掲載することで収益を得られる仕組み。もともとAdSenseには「関連コンテンツユニット」というネイティブ広告がありましたが、2017年に新たに「インフィード広告」「記事内広告」が登場しました。インフィード広告は、記事一覧ページなどに挿入できる広告。記事内広告は、ブログ記事等の文章のなかに挿入できる広告です。あくまで「記事内広告」であり、「記事広告」とは異なります。

広告主としては何か大きな変化があるわけではありませんが、ユーザーが自然に閲覧できる広告が増えるのは喜ばしいことですね。

  • DoubleClick Ad Exchangeのネイティブ広告

Googleでは、「DoubleClick Ad Exchange」という広告配信枠をリアルタイムで売買できる仕組みも提供しています。広告主はたくさんの媒体に出稿すると運用が大変ですが、Ad Exchangeを利用すれば課金方法や広告フォーマットが統一されて、とても便利。入札型のインプレッション課金制がとられており、落札できれば広告が掲載される、という流れになります。

このAd Exchangeでも、2017年からネイティブ広告が解禁されました。広告主はDFP(DoubleClick for Publishers)というプラットフォームで一元管理・入稿をすることになります。このDFPで必要な要素を入力しておけば、アプリやサイトに合わせて自然に馴染むように広告を構成してくれるのです。

不快に感じない広告は受け入れられやすい

ユーザーは不快な広告を避けますが、自分に必要だと思える情報や興味を持った広告なら進んで見てくれるはず。趣味・嗜好に合った広告やタイムライン、ニュースサイトに馴染んだ広告のほうが、ユーザーにクリックしてもらいやすいでしょう。さまざまな形態のネイティブ広告があるので、ターゲットや目的に沿って検討したいものです。

しかし、ネイティブ広告であっても広告や商品・サービスの質がよくなければユーザーをがっかりさせてしまうことに変わりはありません。商品やサービスの魅力を磨き、自社サイトをしっかり作り込むことにも力を入れていきましょう。

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イノーバマーケティングチーム

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