時代遅れなんて誤解! メールマーケティングは顧客育成の有力手段

マーケティングオートメーション

メールマーケティングとは、メールを利用して、既存顧客や見込み客に役に立つ情報を配信し、商品やサービスの購買につなげるマーケティング手法のことです。日本では時代遅れだと思われがちですが、マーケティング先進国の米国では、今も当たり前のように使われています。なぜなら見込み客をフォロー、育成していくために効果的な方法と考えられているからです。今回は、メールマーケティングの各ステップで押さえておきたいポイントや成功するコツを紹介します。

 

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目的を明確にする事前準備の重要性

企業がメールマーケティングを始めるときには、その狙いや目的を明確化して、しっかりと事前に準備を行います。具体的には、以下のようなことを実施しておきましょう。

  • 継続的に配信できるメールアドレスを獲得するための戦略立案
  • 競合企業がメールマガジンをどう活用しているかの実態調査
  • コンテンツの構成やフォーマットの確定、テキスト/HTML形式の選択
  • メールの開封率やクリック率、コンバージョン数などの目標の設定

さらに、これらの情報をマーケティングの組織だけでなく営業や広報、情報システムなどの他の組織と共有することも重要です。

メールマーケティングを成功に導くコンテンツとは?

事前準備が終わったら、コンテンツ制作に入ります。顧客に直接メッセージを届けることができるため、見込み客のフォローや育成に適しているメールマーケティングにおいては、顧客に受け入られるコンテンツが、何より重要です。

知っておくべき適切な文章量やレイアウトデザイン

メールという媒体の性質上、顧客が読みやすい文章の量にも、送信者が指定できるレイアウトデザインの美しさにも限界があります。一般的には、以下のようなフォーマットや文章が「読みやすい」と言われています。

  • 件名は30~35文字程度で、数字や装飾文字などを挿入する
  • メール本文の文章量は最大100行程度で、改行を活用してホワイトスペースを作る
  • メール本文の冒頭に目次を設置する
  • 箇条書やナンバリングなどを活用して、冗長な表現を避ける
  • 適度に飾り文字や罫線などを活用する
  • 適度にURLを配置すべきだが、長すぎないように注意する
  • 自社や部門、担当者なりの表記ルールを決めて、統一する

視覚的に読みやすく整理された文面だと、読者への配慮が感じられ、読む気にさせることができます。

メールの開封率が上がる良質なコンテンツ

文章量やレイアウトデザインも重要ですが、継続的に読み続けてもらうには、やはりコンテンツそのものの魅力が欠かせません。開封率が上がると言われているコンテンツには、以下のような特徴があります。

  • パーソナル感を醸成する

顧客にとって有用な商品やサービスの情報は大切ですが、いつもそればかりではプロモーション色が強くなってしまいます。「1対1」の関係性が生まれるメールマーケティングでは、自分の体験や悩みをシェアしたり、読者に向かって語りかけたりなど、送信者のパーソナル感が好まれます。例えば、冒頭のあいさつでは、その回のテーマに関する短い質問を投げかけたり、編集後記では、自分の趣味に関するコラムを連載してみたりするとよいかもしれません。

  • メールのCTA(Call To Action)を考えている

本文メールには、「CTA」を呼ばれる、顧客のアクションを促すしかけを盛り込むようにします。例えば、お問い合わせや資料請求、会員登録などのボタンやリンクを貼ります。ただし、顧客は選択肢がたくさんあると迷ってしまいます。重要なのは、顧客にどのようなアクションを起こしてほしいのかをひとつに絞り、テーマとCTAを考えることです。

  • 顧客のことを考えている

メールを受け取る顧客がその前後に起こしたアクションと関連のないメールには、あまり効果はありません。単にメールマガジンに登録した顧客と、ホワイトペーパーをダウンロードした顧客では、自社に対する知識や目的にも差があります。顧客のアクションに応じて適したコンテンツを準備しましょう。すべての顧客に一様に合わせたコンテンツは表面的になってしまいがちで、開封されなくなってしまいます。

顧客の興味関心と、企業が顧客にとってほしいアクションが合致するところに最適なコンテンツの種があり、それを題材にすることで適切なコミュニケーションが生じるのです。

 

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やってはいけない!顧客を遠ざけるコンテンツ

一方で、せっかくのメールマーケティングのメリットを生かしきれないコンテンツになってしまっている例もあります。

  • プロモーションばかりしている

企業が商品やサービスのプロモーションばかりしていると、顧客はそれを自慢話と受け取り、印象が悪くなってしまいます。また、スパムとして扱われてしまうこともあります。

  • 雑多なテーマを盛り込まない

新しい商品やサービスの案内、イベントやキャンペーンの紹介など、さまざまなテーマがひとつのメールに盛り込まれていると、CTAが多すぎて、顧客はアクションを起こさなくなります。

  • しゃくし定規なメッセージを送る

まるでロボットが書いたような決まりきった文面だと、顧客は自動メールが送られてきたと感じます。自分が特別ではないと思い、メールを開封しなくなってしまいます。

読みやすい文章量や文体、フォーマットを意識しながら、顧客に受け入れられ、次のアクションを喚起するコンテンツ制作を目指しましょう。

配信時に押さえておくべきポイントとは?

コンテンツ制作が完了したら、いよいよ配信を開始します。顧客のもとにメールを届けて、そのマーケティング効果を測定し、分析する段階です。

配信には専用ツールを使うべき

多数の顧客にメールを送信するというメールマーケティングの性質上、個人情報流出のリスクや業務上のミスを避けるためにも、メールマーケティング専用のツールを使ったほうがよいと考えられています。

専用ツールには、メール配信のみを行うシンプルなものから、メールマーケティングのフローを自動化するものまで、さまざまな種類があります。可能であれば、無料トライアル期間があるツールを選び、その間の使い勝手も考慮したうえで、自社の課題や目標、リソースに合ったツールを選びましょう。

効果を最大化するための5つのチェックポイント

配信した段階で押さえておくべきポイントは、以下の5つとなります。

  1. 送信したメールがメールサーバに届いているか

    送信したメールがメールサーバに届いていないことに気づかずに、送り続けてしまうこともあります。必ずテストメールを自分宛に送る、モバイル向けならモバイルにも送るといった対策を取りましょう。
     
  2. 迷惑メール判定されずに、メールボックスに入るか

    迷惑メールやスパムと判定されてしまうと、相手のメールボックスには入りません。海外のメール配信サービスには、チェックツールを備えたものもあります。
     
  3. 顧客がメールを開封するか

    顧客がメールを開封するときの判断材料は、「差出人」です。メールアドレスだけではなく、送信者名もわかりやすく設定しておきましょう。
     
  4. メールを読んだ顧客が行動を起こすか

    顧客がCTAをクリックしたかどうかは、メールの形式を問わず、URLパラメータをつけて計測します。URLパラメータについては、顧客によって受け取り方がさまざまなので、いろいろ試してみましょう。
     
  5. その顧客の行動がコンバージョンにつながるか

    Webサイトの解析ツールを用いて、最終目標であるコンバージョンが達成されているかどうかを確認します。その結果を踏まえて、今後のメールマーケティングを改善していきます。

メールマーケティングの中心はコンテンツにあり

顧客に直接届いて、「1対1」の関係性が構築できるメールマーケティングは、見込み客のフォローや育成に適していると言われています。その中心にあるのは、顧客のメールボックスだけでなく、心に届くコンテンツです。メールマーケティングの仕組みを踏まえて、良質なコンテンツを制作し、効果測定をしながら、費用対効果の最大化を目指しましょう。

そんな顧客の育成に欠かせないメールマーケティングの最新手法を知りたい方は、無料eBook「効果的なメールマーケティングの基礎知識」を参考にしてみてください。

参考:

 

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