近年、多くの企業がオウンドメディアを活用し、ブランディングや見込み客の獲得、採用など様々な目的を達成しています。オウンドメディアとは、企業が自社で保有するメディアのことを指します。企業のWebサイトやブログ、SNSアカウントなどが代表的な例です。
本記事では、オウンドメディアの運営で成果を出している企業の事例を目的別に紹介し、それぞれの成功のポイントを解説します。これからオウンドメディアを立ち上げる予定の方や、すでに運営しているが思うような結果が出ていない方は、ぜひ参考にしてみてください。
オウンドメディアを運営する目的は企業によって様々ですが、大きく分けると以下の7つに分類できます。
オウンドメディアを活用して自社のブランドイメージを向上させている事例として、サイボウズ株式会社の「サイボウズ式」が挙げられます。同社は働き方・生き方やチームワークに関する情報を発信することで、多様な働き方を推進する企業としてのイメージを確立しています。
株式会社ファッションヘッドラインの「FASHION HEADLINE」は、ファッション業界の最新動向を独自の視点で発信するメディアです。中立的な立場からコンテンツを制作することで、同社の専門性の高さを印象づけています。
見込み客の獲得を目的としたオウンドメディアの事例には、株式会社ベーシックの「ferret」があります。Webマーケティングに関する実践的な情報を発信することで、マーケティング担当者からの問い合わせを増やしています。
株式会社ベネフィット・ワンの「ボーグル」は、福利厚生に関する情報に特化したメディアです。企業の人事担当者のニーズを捉えたコンテンツを制作し、自社サービスの利用につなげています。
優秀な人材の採用を目指して、自社の魅力を伝えるオウンドメディアを運営している企業もあります。株式会社メルカリの「mercan」は、社員へのインタビューを通して、同社の価値観や社風を伝えるメディアです。
自社サービスの利用者を増やすことを目的としたオウンドメディアの運営事例もあります。アサヒグループ食品株式会社の「アマノ食堂」では、自社製品を活用したレシピを紹介することで、購買意欲を高めています。
株式会社クラシコムの「北欧、暮らしの道具店」は、同社が運営するECサイトと連動したメディアです。北欧雑貨の魅力を伝えるコンテンツを通して、自然と商品購入につなげています。
オウンドメディアを通して自社の認知度を高めている事例として、株式会社アイデムの「ジモコロ」が挙げられます。地方の魅力を伝えるユニークなコンテンツが話題を呼び、多くのメディアで取り上げられています。
株式会社BAKEの「THE BAKE MAGAZINE」は、同社のブランドコンセプトである"お菓子のスタートアップ"を体現するメディアです。お菓子業界の最新トレンドを発信することで、同社の存在感を高めています。
ここからは、オウンドメディアを成功に導く8つのポイントを詳しく解説します。
オウンドメディアを運営する上で、最も重要なのは明確な目的を設定することです。ブランディングなのか、リード獲得なのか、採用なのか。目的によって、コンテンツの方向性や配信方法が大きく変わります。
また、数値化された目標、つまりKPI(重要業績評価指標)を設定することも大切です。PVやUU、CVRなど、目的達成に向けた指標を定め、定期的に検証・改善していきましょう。
オウンドメディアで成果をあげるためには、ターゲットとなる読者の属性や興味関心、行動特性などを深く理解する必要があります。ペルソナを設定し、ターゲットの気持ちに寄り添ったコンテンツを制作しましょう。
ペルソナを深く理解するには、ストーリーを書いてみるのが効果的です。ペルソナに感情移入しながら、日常生活の中での行動や心の機微を想像してみましょう。リアリティのある具体的なストーリー設定がポイントです。
オウンドメディアが他社と差別化するためには、オリジナリティのあるコンテンツが不可欠です。競合サイトにはない切り口や情報、自社ならではの視点を大切にしましょう。
オウンドメディアの記事フォーマットは、ターゲットの属性や記事の目的によって使い分ける必要があります。代表的なフォーマットには以下の8つがあります。
オウンドメディアを多くの人に届けるためには、検索エンジン最適化(SEO)の実施が欠かせません。基本的なSEO対策を抑えつつ、ユーザー目線を大切にすることが重要です。
SEO対策において、自社メディアへの被リンク(外部サイトからのリンク)を獲得することは非常に重要です。以下のようなコツを押さえましょう。
オウンドメディアを長期的に発展させるには、ユーザー視点に立ったコンテンツ設計が不可欠です。読者にとって価値ある情報を最適な形で届けることを心がけましょう。
事例として、レッドブル・ジャパン株式会社の「Red Bull」は、アクションスポーツに特化した迫力ある動画コンテンツが特徴的です。PCでもモバイルでも直感的に操作でき、ストレスなくコンテンツを楽しめるユーザビリティの高さが好評を博しています。
オウンドメディアの認知度を高め、記事の拡散力を上げるには、SNSの活用が効果的です。メディアの特性に合わせたSNS運用を心がけましょう。
LINE株式会社の「OnLINE」は、同社のサービスに関するニュースをタイムリーに配信するメディアです。TwitterやFacebookと連動した情報発信により、記事はSNSでも大きな反響を呼んでいます。
オウンドメディアを長期的に成功に導くには、PDCAサイクルを回し続けることが重要です。仮説検証を繰り返しながら、継続的な改善を積み重ねていきましょう。
オウンドメディア運営では、ありがちな失敗にも注意が必要です。以下の5つの失敗を犯さないよう、十分に気をつけましょう。
オウンドメディアの目的やコンセプトがはっきりしていないと、中途半端なコンテンツになってしまいます。ターゲットに刺さる明確なコンセプトを設定しましょう。
ペルソナ像とかけ離れたコンテンツを発信しても、読まれることはありません。ターゲットを深く理解し、リアルなペルソナ像を描くことが大切です。
SEO対策が不十分だと、せっかく良質なコンテンツを作っても見つけてもらえません。基本的なSEO対策は必ず押さえましょう。
オウンドメディアを始めたばかりの段階から収益化を急ぐのは得策ではありません。まずはユーザーに愛されるメディアを目指しましょう。
社内での役割分担があいまいだったり、コンテンツ制作の優先順位が定まっていなかったりすると、継続的な運用が難しくなります。しっかりとした運用体制を整備しましょう。
最後に、弊社イノーバがご提供しているオウンドメディア支援サービスについてご紹介します。
イノーバでは、オウンドメディアの立ち上げから運営までを一貫してサポートするサービスを提供しています。単なるコンテンツ制作の代行ではなく、御社の事業成長に資するオウンドメディア運営を、戦略的にサポートするのが私たちの使命です。
御社の状況に合わせて、戦略立案から記事制作、データ分析まで、必要な支援メニューを柔軟にカスタマイズ可能です。少しでもオウンドメディア運営に課題を感じている方は、ぜひ一度イノーバにご相談ください。
本記事では、オウンドメディア運営の成功事例をもとに、目的別の運用ノウハウについて詳しく解説しました。
オウンドメディア運営では、自社の目的に合った先行事例を参考にすることが近道です。本記事で紹介した7つの目的別の事例を参考に、自社に適用できる学びを見つけましょう。
記事の後半では、オウンドメディアを成功に導く8つの法則について解説しました。明確な目的の設定から、ターゲットの理解、独自の価値提供、SEO、UX、SNS活用、PDCAサイクルの重要性について、自社の体制に合わせて取り入れていきましょう。
オウンドメディア運営では、コンテンツ制作や運用体制の整備など、さまざまな課題に直面します。必要に応じて外部の支援サービスを活用することで、効率的に課題を解決することが可能です。
最後に強調しておきたいのは、オウンドメディア運営はマラソンのようなものだということです。最初から完璧を目指すのではなく、まずは着手してみることが重要です。小さく始めて、PDCAサイクルを継続的に回していくことが、成功への一番の近道と言えるでしょう。
本記事が、これからオウンドメディアを始める方や、運用に悩んでいる方の一助となれば幸いです。
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