オウンドメディアを立ち上げたい。でも、どうやって企画書を作れば良いのかわからない…。予算は?人員は?コンセプトは?このように、さまざまな不安や疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。本記事では、オウンドメディア企画書の作成方法から、上司への説明術、さらには運営のコツまで、オウンドメディア立ち上げに必要な情報をまとめました。この記事を読めば、あなたも自信を持ってオウンドメディア企画書が作れるはずです。ぜひ参考にしてください。
オウンドメディアとは、企業や団体が自ら情報発信するためのメディアのことです。企業サイトとは異なり、自社の製品やサービスを直接的に売り込むのではなく、ユーザーにとって有益な情報を提供することで信頼や好感度を高め、ビジネスにつなげていく施策です。ブログや情報サイト、メールマガジンなど、様々な形態がありますが、いずれも自社で情報を編集し、コントロールできるメディアである点が特徴です。
なぜ多くの企業がオウンドメディアを始めているのでしょうか。その理由は、オウンドメディアならではのメリットにあります。
オウンドメディアを通じて有益な情報を発信し続けることで、企業ブランドに対する信頼感が醸成されます。記事に人格を感じてもらうことで、ユーザーは企業に親しみを抱くようになるのです。
オリジナルの質の高い記事を量産することで、検索エンジン経由の流入を狙えます。オウンドメディアはWebマーケティング施策の要ともいえるでしょう。
記事経由で読者の興味関心を惹きつけ、問い合わせや資料請求などのコンバージョンにつなげることができます。自社にとって見込み客となる読者を効率的に獲得する手段となります。
コメント欄やSNSとの連携により、読者とのコミュニケーションが生まれます。また、メルマガ登録を促すことで、リピーターを増やすことも可能です。自社サービスへの関与を高める接点を増やせるのです。
オウンドメディアを始めるなら、まずは企画書を作ることからスタートしましょう。なぜ企画書が必要なのか、その理由を説明します。
オウンドメディアは一朝一夕には成果の出ない施策です。SEO効果が出るまでには早くても半年、ブランディング効果はさらに時間がかかります。中長期的視点を持って取り組むことが求められますが、そのためにはしっかりとしたビジョンと計画性が不可欠。企画書はその指針となるのです。
コンテンツ制作、編集、システム構築・・・オウンドメディア運営には様々な業務が発生します。そのため専任チームの組成やライターの確保など、社内リソースの割り当てが必要になります。企画書によって必要なリソースを洗い出し、経営層に承認を得るのです。
オウンドメディア運営は、企業の様々な部門が関わる全社的取り組みです。成功のカギは関係者の理解と協力を得ることにあります。
中長期視点の施策であるため、トップの強い理解とバックアップが必要です。企画書を通して、オウンドメディアの戦略的意義を説明し、積極的な投資を引き出すことが求められます。
コンテンツ制作には営業やサポート部門など、他部門の協力が欠かせません。巻き込み型の運営を行うには、事前の根回しと役割分担の明確化が重要。企画書はその共通言語となります。
ここからは、企画書の作成手順を具体的に説明します。ステップを踏んで、説得力のある企画書を作り上げましょう。
まずはオウンドメディアのコンセプトとミッションを固めましょう。ここがブレると、読者にとって薄っぺらなメディアになってしまいます。
オウンドメディアは自社ブランドの一部です。企業理念やブランドコンセプトとの整合性を取ることが重要。ブランドのパーソナリティを体現する世界観を構築しましょう。
「なぜそのメディアを作るのか」を一文で表したものがミッションステートメントです。ユーザーにどんな価値を届けるのか、その存在意義を言語化します。
ミッションを考える際は「3C」を意識すると良いでしょう。
この3つの視点からミッションを練り上げていきます。
オウンドメディアの読者ターゲットを明確にしましょう。ペルソナ設定は、読者視点に立った価値ある情報の提供に欠かせません。
ペルソナ設定の際は以下の点に留意しましょう。
これらの項目を具体化することで、ターゲットへの理解が深まります。
文章だけではなく、ペルソナのイメージ画像などを用いて視覚化すると、より社内関係者にイメージが伝わりやすくなります。
よく使われるペルソナシートの例としては以下のようなものがあります。
ペルソナの特性を一目で把握できるシートを企画書に盛り込みましょう。
他社の追随を許さないオリジナリティを打ち出すことが、オウンドメディア成功の秘訣です。差別化のポイントを明確にしていきましょう。
競合他社のメディアを分析しましょう。扱うテーマ、コンテンツの切り口、更新頻度など、自社メディアとの差異を認識することが重要です。「○○というテーマを、△△という観点から掘り下げる」など、差別化ポイントを言語化します。
自社の強みを活かすことも重要なポイントです。社内にしか蓄積されていないデータやナレッジ、取材や調査で得られたオリジナルの知見など、他社には真似できないコンテンツは価値があります。自社ならではの視点を料理して提供していきましょう。
いよいよメディアの具体的な姿を描いていきます。サイトマップ、カテゴリ構成、コンテンツ案などをまとめていきましょう。
扱うテーマをいくつかの大カテゴリに分類し、サイトマップに落とし込みます。ユーザーにとって必要な情報にたどり着きやすい、直感的なサイト構造を意識しましょう。
どれくらいの頻度で記事を更新していくのか。1記事あたりのボリュームをどの程度にするのか。それを踏まえて必要な記事数を試算します。最初は少なめに見積もっても、継続的に記事を増やしていくことを意識しましょう。
企画倒れに終わらないためにも、明確な評価指標を設定しておくことが肝要です。オウンドメディアのKPIについて整理していきましょう。
オウンドメディア運営の目的は何か。ブランディングなのか、リードジェネレーションなのか。最終ゴールをまず設定し、それを評価できるKPIを逆算的に落とし込んでいきます。
KPIを設計する際は、以下の点に留意しましょう。
漠然としたKPIでは評価ができません。モニタリング可能な指標を設計しましょう。
KPIの設定には「SMART」の原則が使えます。
この5つの条件を満たすように、KPIを精緻化していきます。
最後に、実際の運用イメージを固めます。誰がどんな役割で携わるのか、全体像のイメージを共有しましょう。
オウンドメディアの運営には、多岐にわたる業務が発生します。ライター、編集者、ディレクター、デザイナー、エンジニアなど、どういったスキルセットが求められるか洗い出しておくことが大切です。
コンテンツ制作の中心を担うのがライター・編集者です。専任か兼任か、社内リソースで足りるのか、外部ライターも起用するのか。いずれにせよ、コンテンツ制作を継続的に回せる最低限の人員は確保しておく必要があります。
また、サイトのビジュアルを整えるデザイナーや、サイトの改修を担当するエンジニアの存在も欠かせません。
コンテンツ制作からサイト公開、プロモーション、効果測定に至るまでの一連の流れを設計し、役割分担を明確化しましょう。曖昧な責任の所在は、運営の効率を下げてしまいます。誰が何をするのかをフロー図などで可視化すると良いでしょう。
1年を通したスケジュール感を持つことも重要です。オウンドメディアには、コンテンツ制作以外にもサイトリニューアルやタイアップ企画など、様々な業務が発生します。社内イベントや商戦期などの企業カレンダー、アニバーサリー企画など、年間を通して実施するイベントなどもスケジュールに落とし込んでおきましょう。
ここまでのステップを経て、具体的な企画書を作成します。企画書に含めるべき項目は以下の7つです。
オウンドメディアの基本情報をまとめます。
ターゲットに合わせたコンテンツ設計をします。
他社との差別化を明確にします。
サイト設計をビジュアルに表現します。
具体的な評価指標と目標値を設定します。
運用フロー、実施スケジュールを定義します。
オウンドメディア運営に必要なコストを洗い出します。
企画書の土台が整ったら、最終チェックをしましょう。以下のポイントを確認します。
改めてオウンドメディアの必要性を問い直してみましょう。自社にとって本当に有効な施策なのか、社内の意識合わせを図ります。
あいまいな目的設定のままでは、運営が迷走してしまいます。ミッションとゴールがしっかり定まっているか確かめます。
ペルソナ像が曖昧だと、読者から共感を得られる情報発信は難しくなります。ペルソナの具体像がイメージできているかチェックします。
「なんとなく情報発信していれば良い」では、埋没してしまいます。明確な差別化ポイントが打ち出せているか見直します。
現実的な数値目標が立てられているでしょうか。高すぎず、低すぎない目標設定かどうかを再考します。
運用開始後の全体像が関係者に伝わっているかを確認します。誰が見ても具体的な運用イメージが描けるかがポイントです。
企画書ができあがったら、あとは上司の承認が必要です。決裁者を納得させるプレゼンのコツをご紹介します。
企画書の内容をコンパクトにまとめた要約版資料があると便利です。時間の限られた説明の場では、ポイントを絞った説明が肝要。企画書本編との差別化を意識しましょう。
承認の場では必ず質問が生まれるもの。考えられる質問をリストアップし、その回答を準備しておきましょう。
「本当に成果は出るのか?」「専任は必要なのか?」など、管理職の立場ならではの質問が多いもの。客観的なデータを示しつつ、自信を持って答えられるようにしておきます。
起承転結の構成を意識し、ストーリー性のある資料を目指します。オウンドメディアを始めた経緯から、現状の課題、解決策としての施策、期待される効果まで、筋道立てて説明します。
第三者データを効果的に活用し、企画の客観性を高めましょう。市場動向、ユーザー調査、他社事例など、信頼できるデータをうまく盛り込みます。
一度きりのプレゼンで終わりにしないことが大切です。フィードバックを受けて磨き上げていきましょう。
プレゼン中の決裁者の反応を観察しましょう。うなずきの多さ、質問の鋭さなどから、企画への納得度が測れます。手応えがない場合は、追加の説明を検討します。
プレゼン後は率直な意見を聞くようにしましょう。企画のどの部分がわかりにくかったのか、どこを補強すべきかを知る良い機会です。
プレゼン後の動きも大切です。承認を得るための働きかけを継続しましょう。
プレゼンの内容を議事録に残し、関係者に共有を図ります。決裁者の印象に残った点、課題認識などを明文化することで、共通理解を深められます。
一度だけでは伝わりきらないこともあるでしょう。定期的に進捗報告の場を設け、オウンドメディアの重要性を繰り返し説明することが肝要です。承認はゴールではなく通過点に過ぎません。
最後に、オウンドメディアの企画でよく寄せられる質問にお答えします。
コーポレートサイトが企業情報の開示を主目的とするのに対して、オウンドメディアはユーザーの課題解決を主眼に置いた情報発信が特徴です。ユーザー目線に立った有益情報の提供がミッションとなります。
独自ドメインを取得するのが望ましいですが、サブディレクトリ(example.com/blog/)やサブドメイン(blog.example.com)で始めるのも一つの方法です。いずれにせよドメインはブランドと関連性の高いものを選定しましょう。
オウンドメディア開設のスケジュールは、コンセプト・設計・リソース次第で変わります。最低でも2ヶ月〜3ヶ月は必要と言われています。ドメイン取得やサイト制作、事前コンテンツの準備など、多くのタスクをこなす必要があるためです。
自社に専任のライター・編集者を置くのが理想ですが、社内リソースが足りない場合は外部に委託するのも一つの手。ライター人材バンクの活用や、編集プロダクション・制作会社への発注など、様々な選択肢があります。
オウンドメディアの初期費用は、作り込み度合いによって大きく変わります。シンプルなブログから本格的な情報サイトまで、予算の幅は数十万円から1,000万円超まで広がります。自社の目的とリソースに合わせて無理のない設計を心がけましょう。
最後に、オウンドメディア企画書作成をサポートするイノーバのサービスをご紹介します。
最後に、弊社イノーバが提供するオウンドメディア支援サービスについて、簡単にご紹介させていただきます。
イノーバでは、オウンドメディアの立ち上げから運営までを一貫してサポートするサービスを提供しています。単なるコンテンツ制作の代行ではなく、御社の事業成長に資するオウンドメディア運営を、戦略的にサポートするのが私たちの使命です。
御社の状況に合わせて、戦略立案から記事制作、データ分析まで、必要な支援メニューを柔軟にカスタマイズ可能です。少しでもオウンドメディア運営に課題を感じている方は、ぜひ一度イノーバにご相談ください。
オウンドメディアの全体像を知りたい方は、こちらをお読みください。
オウンドメディアの立上げ方、始め方を知りたい方は、こちらをお読みください。