「CMSを使ってWebサイトを構築しようと考えているものの、具体的な方法や手順が分からず困っている。」
「何から始めればいいのか、どんな点に注意すべきなのか、イメージが湧かない。」
CMS導入に関する情報は色々ありますが、実際にどのように進めていけばいいのか、具体的なイメージを持つのは難しいですよね。特に、Webサイト構築の経験が少ない方にとっては、何をすべきかが見えにくいものです。
この記事では、CMS構築の基本的な流れを具体的に解説します。各フェーズで何をすべきかを詳しく説明し、開発経験が少ない方でも着実に進められるようにしています。また、つまずきやすいポイントや、円滑に進めるためのコツやノウハウも満載。事例も数多く紹介しているので、自社での導入イメージが湧いてくるはずです。
この記事を読めば、CMSを使ったWebサイト構築への理解が深まり、自信を持って取り組めるようになるでしょう。
特に、マーケティング担当者、Webサイト運営者、これからCMSの導入を検討している方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
CMSとは、Webページの制作や運用をサポートするシステム・プラットフォームを指し、「コンテンツマネジメントシステム」の略称として浸透しています。
Webサイトの構築には、本来ならHTMLやCSSなどのプログラミング言語や、サーバーへFTPアップロードを行う知識などが必要ですが、CMSを導入することで誰でも簡単にホームページの更新、追加、修正などを簡単に行えるようになるのが特徴です。
CMSを使うことで専門知識がなくてもWebページの構成が可能となるため、アウトソーシングへの依頼や専用の人材確保が不要となるでしょう。
自社内でWebページの立ち上げおよびその後の運用を行いたい場合には、CMSを導入して環境を整備することがおすすめです。
▼CMSに関する詳しい解説記事はこちらから
CMSとは何か? 導入のメリットや選定で押さえるべきポイントとは
CMSの構築とは、ツールを使用してWebサイトの編集・運用環境を独自に作り上げることを意味します。
CMSの構築によって簡単に更新や編集が行えるようになれば、中長期的な運用もしやすくなり、ストレスなく日々の運用業務を行えるようになります。
また、CMSで構築した編集・運用環境には、自社コンテンツに必要な機能をピックアップして自由に追加することが可能です。
自社商品・サービスに最適なWebサイトを立ち上げられるので、その後のサイト運営がやりやすくなるでしょう。
CMSの構築を行う際には、あらかじめ機能や環境が網羅されている「オープンソース型CMS」「パッケージ型CMS」「クラウド型CMS」で簡単にはじめるケースと、1から必要な環境を構築して独自性の高いWebサイトを作り上げる「オンプレミス型CMS」を使うケースがあります。
どちらにもそれぞれメリット・デメリットがあるため、自社の目標や予算に応じて使用するCMSツールを選択するのがポイントです。
CMSを使ってWebサイトの構築を行うことには、さまざまなメリットがあります。
各メリットの詳細を確認して、CMS構築にどのような魅力があるのかをチェックしてみましょう。
CMSを使ってWebサイトを構築する場合、自社コンテンツに必要な機能を計画的に導入できるメリットがあります。
例えばネットショッピングサービスを提供するのなら、ショッピングカート機能や支払い方法の選択機能などが必要です。
CMSの構築を行うことで、Webサイトの目的に合わせて必要な機能を追加できるため、計画していたサイトのスタイルを実現できます。
オープンソース型CMSやクラウド型CMSでは、プラグインやオプションを追加することで必要な機能を付与できます。
一方で、自社に必要な機能がサービスに含まれていない場合には、フルスクラッチ型CMSで機能を自前で構築することが求められるでしょう。
CMSを自社で構築することは、運用にかかるコストの削減につながります。
無料で使えるオープンソース型CMSやクラウド型CMSなら、初期投資を抑えてWebサイトの構築が可能です。
クラウド型CMSの場合にはサーバーのインストールにかかる手間なども削減できるので、時間的なコストもかけずに済みます。
CMSにでWebサイトの構築したあとは、専門知識が不要で誰でも運用可能になります。
プログラミング知識やサーバーへのアップロードの手順を知らなくても、簡単にWebサイトの更新ができます。
CMSは利用者のことを考えて操作性を向上させたものも多く、ドラッグ&ドロップだけでレイアウトを変更できたり、文章の装飾や画像の添付などができたりといった機能があります。
スマホやタブレットなどのデバイスからアクセスできるものも多いので、手軽に更新や修正が行えるでしょう。
一方で、オープンソース型CMSを使う場合には、クラウド型CMSと違って管理者がいないためセキュリティの脆弱性に関するアップデートなどを手動で行わなければなりません。
Webサイトの安全性を確保するためにも、最新の情報収集を意識するのがポイントです。
CMSによるWebサイトの構築は、SEO対策の一環にもなります。
CMSを使うことでSEOに強くなる「W3C基準」のHTMLが自動で出力されるため、検索エンジンに評価されやすくなるのです。
W3C( World Wide Web Consortium)とは、 Web技術の標準化を進めている非営利団体で、Web媒体の品質向上やスムーズな開発を目標とした仕様を公開しています。
W3C基準に合わせてWebサイトを構築することは、有効なSEO対策の一環となっているのです。
さらにCMS使用することで作業を簡略化することでWebサイトの更新の頻度を増やせるので、SEOの効果を高められます。
簡単にSEO対策を行えるので、CMSを使うことが自社のWebサイトの検索エンジン最適化に貢献するでしょう。
CMS構築には多くのメリットがありますが、使い方次第ではデメリットを感じることもあります。
以下を参考に、CMSでWebサイトを構築する際のデメリットも確認しましょう。
求めるWebサイトの形によっては、CMS導入にかかる初期費用が高くなることがあります。
CMS構築の際に特別な機能や独自性の高いデザインを採用したい場合には、制作会社に依頼して1からサイトを構築していくのが基本です。
構築費用は依頼する開発会社によって変動しますが、数十万から数百万円規模を見積もる必要があるでしょう。
実装する機能の数が増えれば費用が高くなるだけでなく、工数が増えてWebサイトの公開まで時間がかかります。
1からCMSでWebサイトを構築する際には、あらかじめ余裕のあるスケジュールで計画を立てることがポイントです。
既存のWebサイトを新たにCMS環境で使うためには、データを移行する必要があります。
このデータ移行に時間がかかる可能性があるため、スムーズにWebサイトの構築ができないこともデメリットになるでしょう。
ページURLやカテゴリーといった各種データをCMSの環境に移すことになるので、サイト規模が大きいほど作業に手間がかかります。
間違ってデータを削除するといったミスが発生することもあり得るため、バックアップの作成などの準備も欠かせません。
CMSの構築をはじめる際には、前もって確認すべきことがいくつかあります。
以下を参考に、CMSの構築を行うための準備を進めてみましょう。
CMSによる構築を行うのなら、まずCMSツールを導入する目的を明確にし、社内で共有します。
目的が社内に周知されていないと、なんのためにCMSを使うのかがわからず、せっかくの便利機能を持て余す可能性があるでしょう。
「作業効率化のため」「SEO対策のため」といった目的が一貫されていれば、Webサイトの更新や編集を行う従業員も、その目的に合わせて作業を自分で工夫しやすくなります。
自発的にCMSを使った作業フローの改善やWebサイトを盛り上げるアイデアを提案できるようにもなるので、業務の活性化を促せるのも特徴です。
CMSによる構築を行う際には、具体的にWebサイトに必要な機能をピックアップすることも重要です。
必要な機能の種類と規模によっては、無料のオープンソース型CMSでも十分なケースもありますし、初めから独自のCMSをつくりあげたほうがトータルの費用が無料CMSの場合より安くなるケースもあります。。
「WordPress」などは後から追加できる無料のプラグインが豊富に備わっているので、組み合わせることでWebサイトにさまざまな機能を付与することが可能です。
一方で、特殊な機能や類似性の低い機能は、専門業者に開発を依頼してオンプレミス型CMSの環境を制作する必要があるでしょう。
自社の求める機能が具体的にどのようなものなのか、それは無料CMSでも実現可能なのかといった点を、事前に確認しておくことで無駄な出費を避けられます。
CMSの導入を成功に導くには、KPI(重要業績評価指標)を設定しておくのがおすすめです。
KPIが設定されていないと、CMSの構築そのものがゴールになってしまい、その後の成果を客観的に把握しづらくなります。
CMSの構築が事業として成功したことを確認できるように、WebサイトのPV数やCV数などを具体的な数値で決めておくことがポイントです。
CMSの構築時には、自社コンテンツのターゲットになるユーザーに合わせたデザインを事前に考案しておくことも重要です。
●●業界向け、女性向け・男性向け、●●歳以上向けなど、セグメントでターゲットをあらかじめ絞り込んでおけば、どのようなデザインがサイトに相応しいか明確にできます。
CMSの構築ではWebサイトのデザインも自由に表現できるため、事前に方向性を決めてオリジナルデザインを発注することもおすすめです。
一方で、無料CMSにもテンプレートが豊富に備わっていることが多くなっています、
こだわりがなければテンプレートを使って、コストをかけずにデザインを決めることも可能です。
CMSの構築時には、基本となる流れがあります。
以下からは、仮に外注で開発会社にCMS構築を依頼した場合の流れを解説します。
CMSの構築時には、まず最初に要件定義を行います。
開発会社と自社の担当者で話し合いを重ね、CMS導入の目的や方向性、予算範囲や実装までのスケジュールを決定します。
要件定義で基本的な軸が定まったら、続いてCMSで構築する具体的な設計内容を決定します。
Webサイトのデザイン、サイト内の構成、UI/UXの構成、公開画面と管理画面の設計などを行います。
既にWebサイトを所有している場合には、CMSへの移行計画なども話し合います。
完成形の構成が見えてきたら、実際にCMS環境の開発を進めます。
管理側、公開側それぞれのプログラムを開発し、実際に使用する形に整備します。
開発がきちんと成功しているか確認するテストを行い、必要に応じて修正等を実施します。
テストには、単体テスト、結合テスト、データ移行テスト、受け入れテストなど、複数回にわたって行われます。
テストの結果に問題がなければ、実際にWebサイトの運用をCMSで開始します。
リリース日を決定してWebサイトを公開する準備をし、必要によってはSNSなどで広告を出すことも考えられるでしょう。
運用開始に合わせて、効果測定の方法や従業員に浸透させるマニュアルの作成なども行います。
CMSの構築をはじめて行う場合には、いくつか注意点があります。
事前に注意点を把握して、CMSの導入にミスが起きないように備えましょう。
CMSの環境によっては、後から機能を追加できない可能性があります。
機能の追加をするために多大なコストや時間がかかるケースもあれば、そもそも1からCMSを構築し直さなければならないこともあるのです。
後から機能の追加や変更が必要になることも考慮して、CMSの拡張性は事前にチェックをしておきましょう。
オンプレミス型CMSやクラウド型CMSは、基本的に既存のシステムの範囲内でしか機能が追加できません。
商用のパッケージ型CMSなどは後から機能の追加を相談できることもあるので、依頼前に拡張の可否を確認するのがおすすめです。
CMSの構築後には、どのような運用計画を行うのか事前に決めておくこともポイントです。
CMSの管理を誰が行うのか、どのような運用フローで作業を進めていくのかを決めておかなければ、すぐにWebサイトの更新や編集ができなくなることも考えられるのです。
管理者や利用時のルールを決めて、社内ですぐにCMSを活用できるように備えましょう。
CMSの利用時には、サービスの提供元からサポートを受けられるか確認しておきましょう。
クラウド型CMSやオンプレミス型CMSは、専任のサポートやコンサルティングによる支援が受けられるケースがあります。
CMSの便利な使い方や効率的なシステム構築につながるアドバイスを受けられれば、よりCMSのメリットを体験できるでしょう。
オープンソース型CMSはサポートを受けることができないため、問題点や不明点が見つかったときには自分で調べて解決する必要があります。
CMSは、Webサイトの構築とその後の運用をサポートする便利なシステムです。
自社内だけでWebサイトの運用を進めていくことができるので、コスト削減や作業効率化などさまざまなメリットにつなげられるでしょう。
これからWebサイトの制作や運用を行うのなら、CMSによる構築を検討してみてはいかがでしょうか。イノーバではBtoB企業が抑えておくべきCMSの要件を解説した資料をご用意しております。 ぜひこちらもご活用ください。
無料お役立ち資料:『BtoB企業におけるCMS選定のポイント』
CMS運用・構築についてもっと知りたい方はこちらの記事をどうぞ
- CMSのデザインテンプレートとは?デザインにこだわるメリットと注意点を解説
- CMSの利用・構築の料金相場とは?コストがかかる理由と安く抑える方法を解説
- CMSにはサーバーが必要?基本的な仕組みや準備が求められるケースを紹介
CMS構築のステップバイステップリスト
ステップ1:目的と要件の明確化
- Webサイトの目的を明確にする
- 必要な機能とデザインを洗い出す
- 予算と期間を設定する
ステップ2:CMS選定
- 自社に適したCMSを選ぶ
- オープンソース型、クラウド型、オンプレミス型などを比較検討
- 拡張性、セキュリティ、サポート体制を確認
ステップ3:設計
- サイトマップとワイヤーフレームを作成
- デザインのラフスケッチを描く
- 管理画面と公開画面の設計を行う
ステップ4:開発環境の構築
- CMSのインストールと初期設定
- 必要なプラグイン・モジュールのインストール
- 開発用サーバーを用意
ステップ5:サイト構築
- デザインの実装
- 各ページのコンテンツ作成
- 機能の実装とカスタマイズ
ステップ6:コンテンツ移行
- 既存サイトからコンテンツを移行
- 移行したコンテンツの整合性チェック
- URLの変更に伴うリダイレクト設定
ステップ7:テスト
- 機能テスト
- デザインテスト
- セキュリティテスト
- パフォーマンステスト
ステップ8:SEO対策
- SEOに適したURLの設計
- メタタグ、見出し、alt属性の最適化
- サイトマップの作成と送信
ステップ9:運用体制の確立
- 管理者アカウントの設定
- 運用ルールの策定
- 管理・更新マニュアルの作成
ステップ10:公開
- 本番環境へ移行
- DNSの変更
- サイト公開の告知
ステップ11:運用とメンテナンス
- 定期的なコンテンツ更新
- パフォーマンス監視と改善
- セキュリティアップデート
- バックアップの実施