WEBサイト翻訳におけるイノベーション。サイト多言語化ツール「WorldJumper」インタビュー

デジタルマーケティング
海外でのビジネス展開に興味のある方にぜひおすすめしたいサービスがある。それはWorldJumperというサービスだ。
Webサイトにコードを一行書き込むだけで、サイトの中身を多言語翻訳してくれるサービスである。
本日は、「WorldJumper」のマーケティング責任者である湊氏にインタビューをする機会があったのでご紹介したい。
WEBサイト翻訳におけるイノベーション。サイト多言語化ツール「WorldJumper」インタビュー
WorldJumperとは、日本発のベンチャーである八楽(やらく)株式会社が開発・提供しているサービスである。
宗像:まずはWorldJumperがどういうサービスなのか、概要を教えて頂けますか?
湊(敬称略):はい。WorldJumperは翻訳したいWEBサイトに1行のコードを埋め込むだけで、 短期間で完璧な外国語サイトができるサービスです。現在の対象言語は、英語・中国語・韓国語です。
特徴は3点ありまして、「高品質」・「低価格」そして「導入・運用が簡単」ということです。 従来の翻訳会社や、Google翻訳などの機械翻訳では両立できなかった「コスト」と「品質」を、最新技術の活用により両立した点が特にお客様から評価を頂いております。
日本初の「人間翻訳」+「機械翻訳」のハイブリッドソリューション
[caption id="attachment_5591" align="aligncenter" width="500" caption="WorldJumperWebサイト"][/caption]
宗像:「コスト」と「品質」を両立させるとのことですが、どのような仕組みでそれを実現しているのでしょうか?
湊:はい。まず大きいのはWorldJumperが「機械翻訳」と「人間翻訳」の組み合わせである、という点です。まず最初に機械翻訳を実施し、翻訳の質が低い文章のみをプロの翻訳家が翻訳することで、スピードとコストの両立を図ることができます。
もう1点重要な点は、翻訳メモリを各社ごとに準備している、という点です。 例えば、このTHE CONTENT MARKETINGでも、繰り返し使っている単語や文章ってありますよね。そのような単語や文章は、一度WorldJumperで翻訳すれば、自動的にTHE CONTENT MARKETING固有の翻訳メモリに蓄積されます。そして、次回以降の機械翻訳の実行時に優先的に出てくる訳です。 こうして、何度も使用する単語や文章の翻訳が自動化されることで、コストダウンやスピードアップに繋がります。「翻訳をすればするほど、どんどん賢くなる仕組み」なのです。
外国語サイトの運用・管理の手間を大幅に軽減できる
宗像:なるほど。人力と機械翻訳を組み合わせているのは面白いですね。運用が簡単になる、との話もありましたが、そこについてもお聞かせ頂けますか?
湊:はい。Webサイトの管理をされたことがある方は骨身に染みていると思いますが、外国語サイトの運用・更新はかなり手間がかかる業務です。更新したくなったら、まず日本語のテキストを翻訳し、翻訳結果をHTMLファイルに反映し、サーバーにアップする。これは思った以上に面倒な作業です。なので、名だたる大手企業でさえも更新しないまま放置された外国語サイトが多くなってしまう。
我々のWorldJumperは、日本語のサイトを更新すると、その更新箇所を自動的に検知し、「翻訳メモリ」と「機械翻訳」のプロセスまで一瞬で実施してしまいます。外国語ページ用のHTMLファイルの制作も不要なので、管理画面で「承認ボタン」を押す、または「人間翻訳を依頼する」のボタンを押すだけ。面倒な更新作業を10秒で作業が完了することができます。
[caption id="attachment_5593" align="aligncenter" width="500" caption="WorldJumper管理画面"][/caption]
宗像:Webサイトの更新作業は不要だという事ですね。だとすると、外国語ページ用のHTMLファイルを作る必要も無いという事ですか?
湊:そうなんです。テキスト情報をWebサイトから抽出して、翻訳する仕組みなので、日本語サイトのサイトデザインをそのまま活用することができます。なので、早く・安く・運用も手軽というメリットが生まれてくるのです。加えて企業ブランディングにおける統一感も担保できる。
宗像:画像はどうなるんですか?さすがに、画像に埋め込まれたテキストは、翻訳出来ないと思うのですが。
湊:仰る通り、画像に埋め込まれたテキストの翻訳はできません。恐らくどんな仕組みでも難しいと思います。但し、例えば、英語用の画像と日本語用の画像を2通り準備しておいて頂ければ、画像の出し分けが可能です。
様々なサイトに導入可能
宗像:ワールドジャンパーは、どんなサイトに向いているのでしょうか?
湊:いわゆる通常のWebサイトでしたらそのまま導入して頂けます。20ページ程度のサイトでしたら最短1週間ほどで公開できます。また、ECサイトやポータルサイトなど、動的なサイトや更新が頻繁なサイトについては、APIでデータベースと直接繋ぐことで長期・安定的にお使い頂けます。先日、大手企業のポータルサイトにもこの方法で導入頂きました。 また対外的なWEBサイトだけでなく、海外スタッフへの社内FAQやマニュアル、サポート情報の共有などの用途でのニーズも多く頂いています。
宗像:導入しているのはどんな企業が多いですか?
湊:海外からの観光客の受入を目指す旅行・観光関係や海外展開を本格化するメーカーなど、様々な業種に導入頂いております。企業規模も、上場企業様から従業員10名程度の会社様まで幅広くお使い頂いております。
翻訳コストが従来の半額から3分の1程度に
宗像:コストについても教えて頂けますか?
湊:はい。大きく初期費用と月額費用に分かれております。初期費用は最初に翻訳する文字数によって変わってきます。月額費用は通常月1万円となっております。それ以外に、プロの人間翻訳に依頼する度に、都度翻訳料がかかります。 WEBサイトは企業によって違いも大きいので都度サイトを拝見しながら最適な導入方法をご提案し、金額の見積もりを行っています。
目安としては、ページ数や内容にもよりますが、お客様からは見積もりを比べると、大体他社の半分~3分の1程度と言われます。これに毎月の翻訳プロセスの手間の大幅削減を考えると、実際はこの表面上の金額以上の経済的効果が得られるということになります。
宗像:月額1万円だったら利用しやすいですよね。
WEBサイト翻訳から、その他の社内の翻訳まで
宗像:今後の展開について教えて下さい。
湊:今はWEBサイト翻訳に注力しておりまして、SEOを強化したバージョンが今月半ばにリリースされます。これにより、従来よりも多くの外国からのアクセスを集めることになり、ビジネスチャンスが広がります。 また、現在お客様からの引き合いが強い、WEBサイト以外の翻訳については「フリーフォーム」という、テキスト情報を貼り付けるだけで同じ仕組みが使えるサービスを開発中です。WEBサイト翻訳との間で翻訳メモリを共有することで、カタログの翻訳など、社内の翻訳をより効率的に実施して頂くことができるようになります。
宗像:では、最後に何かお伝えしたいことはありますか?
湊:そうですね、WorldJumperはこれまでコストや労力、質の担保の面で、敷居が高かった「翻訳」というものをより身近に、手の届くものにする為に開発されたサービスです。 日本企業の持つ素晴らしい製品やサービスを、海外のより多くの人に向けて情報発信して頂き、日本企業がもっと元気になるのに貢献したいと思っています。 また、ウェブ制作会社様や翻訳会社様にも、生産性を上げるツールとしてお使い頂いている例もあります。コンセプトを気に入って頂けたら、無料トライアル等もしておりますので、是非お気軽にお問い合わせ頂ければと思っております。
宗像:今後のご活躍を期待しています。本日はありがとうございました。
WorldJumperホームページ http://www.worldjumper.com/
【八楽株式会社について】 多言語コミュニケーションツールの開発・運営を行う東京都渋谷区のベンチャー企業。メンバーのうち半数をスウェーデン人、台湾人、インド人などの外国人が占める多国籍ベンチャー。 http://www.yaraku.co.jp/ 【湊幹氏プロフィール】 総合商社、外資系コンサルティング会社、海外留学を経て、楽天、日本オラクルなどでマーケティングチームをリードした後、日本企業の海外展開支援に注力するため独立。現在、八楽株式会社でマーケティングの責任者を務めている。 東京大学法学部卒、INSEAD(仏)MBA。マサチューセッツ大学MBAプログラム講師。
まとめ
どうだろう?「機械翻訳」と「人力翻訳」のいいとこ取りをした面白いサービスではないだろうか?WorldJumperは本年4月末にリリースされたが、このハイブリッド型のアプローチを取っている会社は、世界中で八楽株式会社とアメリカのもう1社だけだとのこと。とてもユニークなサービスである事が良くわかる。
弊社の創業の理念にも書いているが、僕は、日本の中小企業が海外でビジネスを拡大するのを支援して行きたいと考えている。せっかくいい技術を持っているのに、海外では全く知られていないという事が大変多いからだ。 今回のWorldJumpberのサービスを使えば、Webサイトを簡単に外国語対応させる事が出来る。一気にビジネスの対象を世界中に広げる事が出来る。ワクワクするサービスである。
同社自身も、今後、海外進出を計画しているそうなので、応援していく予定だ。ご興味のある方は、同社のWebサイトを訪問して欲しい。
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