米国のベンチャーキャピタルをウォッチすべき理由とは?

経営・ビジネスハック

マーク・アンドリーセン(Marc Andreesen)という人を知っているだろうか?彼は、世界初のブラウザNetscapeを立ち上げた伝説の起業家であり、Andersen HorowitzというVCを立ち上げた人でもある。僕が最も注目している米国のベンチャーキャピタリストの1人だ。先月参加したDreamforceというイベント(イベントレポート前半後半)で、偶然にもMarc Andreesenの講演を聞く事ができて、やっぱりMarc Andreesenすげえな、と再び実感する事が出来た。


そもそも、彼との出会いは今から4年前の2010年。たまたまネットサーフィンをしていて、彼がスタンフォード大学で行った講演を視聴したのがきっかけだった。当時は、Marc Andreeesenの事はそれほど知らなかったけれど、講演を聴いて、とにかく彼のすごさにぶっ飛んだ経験を覚えている。

学生が、Marcにどの分野に注目しているのか?という質問をすると、彼は次のように答える。

ーーー以下、超意訳ーーー
「僕は、特に特定の分野に投資をするというような、テーマ投資はしないんだ。しかし、今、あえて1個だけあげるとするならば、Consumer Electronics(家電)だという。どうして、Consumer Electronicsか?と思うだろう。なぜなら、Consumer Electronicsは、日本、韓国、中国の独占場で、アメリカの企業に勝ち目は無いと思われているからだ。

しかし、今、Consumer Electronicsは、大きな変化を迎えている。それは、付加価値がハードウェアからソフトウェアに移ってきているという事だ。ハードウェアは、off-the-shelfと呼ばれるコモディティ化された型番商品を買って来て、そこにソフトウェアを載せると製品が出来上がる、そういう世界が来はじめている。

その時に、一番付加価値の源泉になるのは、ソフトウェアだ。そして、世界で一番優れたソフトウェアエンジニアがいるのは、シリコンバレー。だから、僕は、シリコンバレーのコンシューマーエレクトロニクスに投資する。

例えば、このJawbone。これはイヤホンだけど、Bluetoothがついていて、Blackberry端末と交信する事が出来る。そして、メールを読み上げたり、音声入力をする事も出来る。更には、Jawbone自体にAppstoreがついていて、third partyのソフトウェアを載せる事も出来る。これってすごいって思わないか?
ーーー超意訳、終わりーーー

上記のような話を超早口の英語で一気にしゃべりまくるのである。

僕が伝えたいのは、マークアンドリーセンが、2010年の段階で、すでにウェアラブルやIoT的な世界観について、具体例をあげて話をしていて、これがテクノロジーの未来だと予言している事なのである。日本では、最近話題になってきているIoT。それが4年前から話されているという事。この持つ意味を理解出来るだろうか?

テクノロジーの変化は、早くて将来を予測するのが難しいという事が言われる。しかし、それは事実ではない。変化は早いけれども、世の中には変化を正しく予測して、それを実現する方向へ世の中を動かしている人達が確実に存在する。マーク・アンドリーセンは、確実にそのうちの1人だ。

アメリカからイノベーションが生まれる理由としては、このような未来のあるべき姿について、共通認識が形成されていて、これが一種のOSのような働きをしているのではないかと、僕は思う。数多くのイノベーションが生まれ、スタートアップに関する知見が貯められた事で、この分野に関する共通認識が形成されているのだ。

もし、あなたがベンチャーを起業したい、あるいは、新規事業を興したいと思うのならば、シリコンバレーのベンチャーキャピタリストに注目するのがいいだろう。なぜなら、彼らは、我々には見えていない未来を見ているのだから。