FAQページとは?自社サイトにFAQページが必須な理由

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顧客からのよくある質問に答えるページであるFAQページ。ECサイトやSNSのほか、Webサービスを提供しているサイトには必ず設置されているページです。ただ、自社サイトではあまり見かけないのではないでしょうか。企業概要や製品・サービス一覧、最新情報などに比べ優先度が低く自社サイトには必要ないのではと思われがちです。しかし、実際には自社サイトでもSEOやUXの向上にも役立つうえ、BtoBサイトでお問い合わせを獲得するためにも欠かせないコンテンツの一つです。そこで、今回はFAQページの重要性、設置場所、つくり方など、自社サイトにFAQページを設置するうえで必要な情報をお伝えします。
また、イノーバのBtoB企業専門のWEB サイト制作サービスにご興味がありましたら、こちらもご覧ください。
目次
FAQページとは?
FAQページを自社サイトに設置するうえで、まずはFAQページとは具体的にどういったものなのか、どういった種類があるのかなどについて説明します。
FAQページとは
冒頭でも触れたように、FAQページとは、Webサイトに訪問した顧客がそのWebサイトやWebサイトで提供されている商品、サービスに対して疑問に思うことを解決するために設置するものです。一般的には、良く質問を受けるようなことがらに対する回答をQ&Aの型式で掲載します。
似たコンテンツとして、問い合わせページがあります。違いは、問い合わせは顧客が疑問に思ったことをフォームやメールでWebサイトの管理者に質問し、管理者が個別に回答する。これに対し、FAQページは予め多く寄せられる質問を回答とセットで閲覧する全顧客に提供します。
FAQページの種類(目的)
FAQページには、顧客の目的に応じ、「購入サポート」と「利用サポート」の大きく2つの種類があります。それぞれの具体的な内容は次のとおりです。
- 購入サポート
主にBtoC企業が運営するECサイトで利用されるFAQページです。まだ購入経験のない顧客に向けたFAQが中心です。内容的には、「サービスの内容」「注文の仕方」「支払い方法・配送方法について」「商品について(食品であれば賞味期限や保存方法、雑貨であれば手入れの方法など)」などに対する質問と回答を掲載します。
例えば、オフィスお惣菜サービス「おかん」のFAQページでは、次のようなFAQが掲載されています。
項目 | FAQの内容 |
サービス内容 | おかんとはどのようなサービスですか?
コース変更の仕方を教えてください など |
配送について | 注文後、商品はいつ届きますか?
配送日時は指定できますか? 自宅以外に配送はできますか? など |
お惣菜について | どのようなお惣菜が届きますか?
商品の内容は選べますか? など |
保存について | 保存方法を教えてください
家の冷蔵庫に入るか不安です など |
お問い合わせ先について | 質問があるのですが、どこに問い合わせればいいですか |
出典:よくあるご質問「おかん」
- 利用サポート
BtoB、BtoCに限らず、自社サイトやブランドサイト、特定商品専用のWebサイトで利用されるFAQページです。すでに商品を購入した顧客に向けたFAQが中心です。内容的には、「機能一覧」「機能ごとの使い方・設定方法」「トラブル・故障時の対応」など利用にかんする質問と回答を掲載します。
例えば、イノーバのマーケティングツールCloud CMOのヘルプセンターでは、次のようなFAQが掲載されています。
項目 | FAQの内容 |
スタートアップガイド | Cloud CMOスタートアップガイド |
ダッシュボード | ダッシュボードの見方 |
ブログ | 記事を作成する
記事本文にファイルを追加する カテゴリーを作成・編集する など |
メール配信 | メール配信の基本設定の方法
メール一覧画面の機能の使い方 メールの送信元を設定する など |
サポート | Cloud CMOに関するお知らせを確認する
Cloud CMOのアップデート・メンテナンスについて |
出典:Cloud CMOヘルプセンター(イノーバ)
FAQページはなぜ必要か
FAQページはECサイトに限らず自社サイトであっても不可欠なコンテンツの一つです。それは、FAQページを設置することで様々なメリットがあるからですが、具体的には次のようなものが挙げられます。
FAQページを設置するメリット
- UX(ユーザーエクスペリエンス)の向上
UXとは、ユーザー(利用者)とエクスペリエンス(体験・経験)を掛け合わせた造語です。Webサイトを制作する際によく使われる言葉で、「デザインが良い」「テキストの視認性が高い」「Webサイト内の導線がわかりやすい」など主に顧客の使い勝手の良し悪しを表します。
また、見た目や使い勝手以外にも、「コンテンツの質が高い」「欲しい情報が掲載されている」「問い合わせの対応が迅速で丁寧」といった部分にかんしてもUXは使われます。そして、充実したFAQページを設置しているのも、UXを向上させる施策の一つです。
- 製品やサービスについて伝えたいことを効果的に伝えられる
FAQには、実際に顧客から問い合わせの多い質問と回答を掲載しますが、それ以外にも製品やサービスについて、企業側が伝えたいことを伝える手段としても利用可能です。
例えば、前出のオフィスお惣菜サービス「おかん」では、「1ヶ月保存できるのはなぜですか?」という質問に対する回答は、自社商品の調理方法や品質管理を徹底していることのアピールにもなっています。商品ページでももちろん、伝えられますが、FAQページで改めて伝えられるのは大きなメリットといえるでしょう。
- 信頼の獲得
単純に顧客が疑問に思った点や不安になっている点について、適切な回答を提示できれば、それが顧客の企業に対する信頼感につながります。
- コンバージョン率・購入率の増加
例えば初めてのECサイトで、「購入の仕方がわからない」「支払い方法の種類がわからない」「注文してからどれぐらいで届くのかがわからない」といったケースは珍しくありません。仮に商品をカートに入れた後でも、そうした疑問がわけば、途中でその答えを探そうとします。
しかし、商品ページにも記載がない、FAQページがないとなれば、後は電話や問い合わせフォームからWebサイトの担当者に直接聞くしかありません。ただ、ほとんどの顧客はどうしてもそこでしか買えない商品でもなければ、問い合わせをせずに離脱してしまうでしょう。つまり、FAQページがないことで、購入率が落ちてしまう可能性があるのです。
では、すでに商品を購入していて、使い方がわからないといった場合ではどうでしょう。これもやはりFAQページが欠かせません。なぜなら顧客が欲しいと思ったタイミングで適切な情報を伝えられないことで、信頼感をなくしてしまう可能性があるからです。今回は購入してもらえましたが、次回は競合に乗り換えてしまうかもしれません。もちろん、FAQページの有り無しだけで決断されるわけではないでしょう。
しかし、そうなってしまう可能性が1%でもあるならば、FAQページを設置したほうがコンバージョン率・購入率を下げてしまうリスクを下げ、結果として増加につながる可能性が高まるといえます。
- カスタマーサービスの費用や時間の節約
FAQページを設置すれば、顧客はわざわざ問い合わせをする手間が省けるメリットがあります。そして、企業側にとっても、同じ質問に何度も答える手間が減り、カスタマーサービスの費用と時間の節約につながります。また、企業側は費用と時間が空いた分、充実したサービスの提供に向けられるようになるため、UXや生産性の向上が実現するのです。
- 顧客が欲しい最新情報を見つけやすい形で更新できる
FAQページは一度作成したらそれで終わりではありません。製品のバージョンアップ、ポリシーの変更などがあれば、都度、更新を行い、常に顧客の懸念を払拭できるよう最新の状態にしておく必要があります。これだけを見ると手間がかかって負担になると思われるかもしれません。しかし、これがFAQページの大きなメリットでもあるのです。
例えば、製品のマイナーチェンジや軽微な変更など、プレスリリースや正式な発表をするほどではない小さな事項だったとしても、FAQページに掲載しておけば顧客は最新の情報にアクセスできます。別に最新ニュースとして掲載もできますが、通常、最新ニュースは時系列で表示されるためすぐに流れてしまい、顧客が欲しい情報を見つけるのに手間がかかります。しかし、FAQページは上書きで更新するため、顧客が欲しい情報をすぐに見つけ出せるのです。
また、直近のお問い合わせで増えた質問をタイムリーに追加できます。つまり、情報の更新性を高められるため、些細な変更を顧客の探しやすい形で周知できるというのがFAQページのメリットです。
- オーガニック検索にヒットしやすくなる
特に、利用サポートのFAQページでは、製品の機能、使い方の詳細な説明をします。これが、検索エンジンの評価基準の一つとして考えられている、「顧客の問に適切な回答をしている」「顧客の課題解決に役立っている」などに当てはまります。その結果、オーガニック検索で上位に表示される可能性が高まるのです。
ここまで、FAQページを設置するメリットを紹介してきました。これらのメリットを享受するには、「顧客の購買を手助けする」「顧客が製品の機能を最大限に活用できるよう手助けする」といった考え方が重要です。
この考え方は、近年、従来の営業活動の概念を変えるアプローチとして、注目を集めているバイヤーイネーブルメントと呼ばれています。具体的には、顧客のより良い購買活動を行えるように支援する営業施策です。これまでのプッシュ型の営業施策とは異なり、企業側から情報を押しつけるのではなく、顧客自らが情報収集を行い、意思決定したもらい、スムーズな購買につなげます。FAQページの設置は、このバイヤーイネーブルメントの考え方を実行するのに最適なコンテンツであり、バイヤーイネーブルメントの考え方を前提に作成することが欠かせません。
バイヤーイネーブルメントについて詳しく知るためには「BtoB営業に求められる発想の転換、バイヤーイネーブルメントとは?|Innova」を参照ください。
FAQページをサイト上で設置する場所
実際に自社サイトにFAQページの設置を検討する場合、まず決めておかなくてはならいなのは、Webサイト上のどこに設置するかです。もちろん、基本は顧客が見つけやすい場所です。顧客の多くは、訪問したWebサイトで疑問、不安に思ったことがあった際、まず、FAQページを探します。
しかし、そのFAQページがどこにあるのかわからなければ、ほとんどの場合、離脱してしまいます。わざわざ、Webサイト内をくまなく探してくれはしません。そのため、FAQページは必ずわかりやすい場所に設置する必要があります。具体的には次の2か所が考えられます。
商品・サービスページ内に設置する
FAQページでよくある質問とされるものの多くは、商品やサービスにかんするものです。つまり、商品やサービスページを閲覧している際に疑問、不安に思う点が出るわけですから、そこにFAQの欄を設置すれば、顧客は移動しなくても、回答を見られます。設置場所はECサイトであれば、注文ボタンの下。自社サイトであれば、製品の製品説明がすべて終わったその下に設置するのがよいでしょう。
FAQページを独立したページに設置する
商品・サービスページ内に設置するには、項目が多過ぎて長くなってしまう場合は、FAQページを独立したページとして設置します。商品・サービスページ内に記載してしまうと長くなり過ぎるため、見づらくなってしまうからです。特にクラウドソフトウェアやシステムの使い方など、項目が非常に多くなりそうなときはFAQサイトやヘルプサイトの別建てを検討してもよいかもしれません。
FAQページを独立したページとして設置する場合、重要となるのはリンクボタンです。基本的にはすべてのページのヘッダー、フッターに入れますが、それ以外にも商品・サービスページの見やすい場所にリンクボタンを設置します。
一番、見やすくわかりやすい場所は、商品ページであれば注文ボタン付近、サービスページであれば資料請求や問い合わせボタン付近です。要は顧客が何かしらのアクションを取る場所にFAQページへのリンクボタンを設置すると、わからないから離脱といったリスクの軽減につながるでしょう。
FAQページをはじめてつくるには
これから初めてFAQページをつくる際、どうやってつくっていくのがよいのか、その方法について説明します。
目的の明確化
まず、FAQページをつくる目的を明確にします。ポイントは、「誰に向けてつくるのか」「何のためにつくるのか」この2点を決めることです。
- 誰に向けてつくるのか?
FAQページのターゲット設定を行います。ターゲットは大きく2つに分類できますが、1つはまだ商品、サービスの購入をしておらず、商品にかんする疑問、注文方法や支払い、配送方法に疑問を持っている顧客向け。そして、もう1つは。すでに商品、サービスを購入していて、設定方法や使い方、トラブル時の対応などを知りたい顧客向けです。
- 何のためにつくるのか?
商品、サービスの購入前後にかぎらず、顧客の疑問を解決するという目的が大前提ですが、FAQページには、企業側で抱える課題を解決するという観点もあります。
具体的には、人手不足のため、少しでも問い合わせを減らしてカスタマーサービスの負担を減らしたい。注文方法や支払い方法がわからないという理由での離脱を減少させたい。商品の設定や使い方の疑問を解決させ、顧客満足度の向上を実現したいなどが挙げられます。
着手できるところからスモールスタートする
FAQページはその内容によってはかなり大がかりなものになってしまいます。特に製品の設定、使い方などを掲載するとなると、場合によっては何十、何百ページもつくらなければなりません。そのため、まずは、もっともよく聞かれる質問に対する回答を掲載し、そこから少しずつ増やしていくようにします。
慣れてきたら、Zendesk等のツールを活用すると便利
FAQページを作成してしばらくたつと、掲載内容も増え管理が難しくなってきます。カスタマーサポートの負担軽減を目的にFAQページを作成したにもかかわらず、その管理に手間がかかっては意味がありません。そこで、ある程度、慣れてきたら管理の負担を減らすツール導入を検討しましょう。おすすめは、Zendeskです。
Zendeskは元々、カスタマーサービスの業務負担を減らす、クラウド型カスタマーサービスプラットフォームです。メールや電話、チャットサービスなど顧客とのコミュニケーションツールを統合し、分析管理が行えるものですが、そのなかの機能の一つとして「Zendesk Guide」があります。
Zendesk Guideとは、社内限定のナレッジベースやコミュニティの構築のほか、顧客が様々なコミュニケーションツールから行った質問を集約、分析し、よくある質問を抽出。それを基にFAQページの作成が行えます。オリジナルデザインで作成もできますが、デザインテンプレートが用意されているので、ブログを投稿するような形で更新も可能です。そのため、HTMLの知識がない方でも簡単に更新でき、カスタマーサポートの負担軽減にもつながります。
FAQページを作成するためのツールはほかにもありますが、Zendeskであれば、カスタマーサポート機能と併せての業務効率化が図れるという点で、非常の高い効果が期待できます。使用する機能によって価格も変わってきますが、カスタマーサポート、FAQページ管理の負担軽減を検討しているのであれば、選択肢の一つとしておすすめです。
FAQページに入れる質問の選定方法
高い効果を発揮させるためのFAQページでもっとも重要なポイントは、どういった質問を掲載するかです。当たり前のことではありますが、顧客にとって知りたいことが掲載されていなければ、離脱率の増加にもつながります。そこで、FAQページにはどういった質問を入れればよいのか、その選定方法を紹介します。
「よくある質問」のリスト化
よくある質問といっても、実際にどういった質問がよくされているかは、その質問に対応している人間でなければわかりません。そこで、営業やカスタマーサービスで、「商談時や電話、メールなどでよく顧客に聞かれる質問」を収集。リスト化します。そのなかから、特に多かった意見を掲載していく方法です。この方法であれば、現場の声を生かしたもののため、実際の顧客の声にもっとも近いものとなります、
競合他社のWebサイト等を参考にする
社内でよくある質問を収集する方法は、既存事業であったり、すでに多くの質問を顧客から受けていたりする際には有効です。しかし、新規事業や、お問い合わせがまだ少ない場合にはこの方法は使えません。その際、おすすめは、競合他社のWebサイトを参考にする方法です。
ECサイトであれば、他社で自社と同じカートシステムを使っているECサイト、同じ商材を扱っているECサイトを参考にします。自社サイトであれば、自社と同じ業種のWebサイト、競合商品を扱っているWebサイトを参考にするとよいでしょう。
FAQページを使いやすくする工夫
ECサイトでも自社サイトでも、顧客にとってどれだけ使いやすいか、価値のある体験を提供できるのかは重要なポイントです。FAQページも同様で、設置位置にかんしては前述していますが、ここではFAQページ自体をどうやって作成すれば顧客が使いやすいページになるのか、その方法について紹介します。
わかりやすいページタイトルにする
顧客がWebサイト内のどこにいけば疑問が解決するのかが一目でわからないと不満が溜まり、離脱の要因になります。そのため、FAQページはわかりやすいタイトルにしなければなりません。一般的には「よくある質問」「FAQ」「お客様ヘルプページ」などがよく使われています。
また、わかりやすいページタイトルにするのと同時に、一目でリンクを設置している場所をわかるようにする工夫も必要です。例えば、リンクテキストではなくボタンにする、少し大きめのフォントにするなどほかのページへのリンクと差をつけると一目でわかるようになります。
質問に対する回答はできるだけ簡潔にまとめる
FAQページにすぐにたどり着け、疑問に思っている点にかんする回答があったとしても、その回答がわかりづらければ顧客の疑問は解決しません。例えば、まだ購入していない顧客向けのFAQなのに、専門用語が多用されている。また、誰にでもわかる用語で書かれているが文章が整理されておらず理解できないなどが考えられます。
顧客の疑問を解決し、スムーズに購入、製品の使い方がわかるようにするためには、一目で見てわかるように、専門用語を使い過ぎないように注意しつつ、100~200文字程度でまとめるようにしましょう。
顧客が自分の質問を探しやすい工夫をする
最初はスモールスタートで初めても、少しずつ質問数が増えてくると、FAQページのなかから自分が知りたい質問を探すのに手間がかかるようになってしまいます。そこで、できるだけ簡単に顧客が自分の質問を探せるようにするための方法をいくつか紹介します。
- カテゴリー分けにする
例えば、先述したオフィスお惣菜サービス「おかん」のFAQページでは、サービス内容、商品、配送にかんするFAQを「サービス内容」「配送について」「お惣菜について」「保存について」「お問い合わせ先について」の5つのカテゴリーに分けています。
イノーバのマーケティングツールCloud CMOのヘルプセンターでは、ツールの初期の設定のほか、「ダッシュボード」「マーケティングレポート」「コンテンツレポート」「ブログ」など機能別に15のカテゴリーに分けています。このように、カテゴリーで質問を分けると、顧客は自分が求めている質問を探しやすくなります。
- プルダウン形式にする
カテゴリー分けは顧客が自分の求めている質問を探す効果的な方法の一つですが、カテゴリー内の質問が多くなってくると、ページが長くなってしまい探すに手間がかかります。特にスマートフォンで閲覧している場合はより面倒になってしまうでしょう。
イノーバのマーケティングツールCloud CMOでは、カテゴリー分けし、そのなかで主な質問を表記したうえで、それ以外の質問は「…続きを見る」をクリックし、別ページで閲覧できるようにしています。これも一つの工夫ですが、これ以外にもプルダウン形式を使う方法があります。
プルダウン形式を使えば、多くの場合、ファーストビュー内にすべてのカテゴリーを掲載でき、顧客が求める質問を短時間で探せるようになるでしょう。
- 検索窓を設ける
FAQページで、質問を掲載する際、その順番は企業側が決めます。一般的には基本的なことを最初に掲載し、段々と細かい質問にしていくといった形ではないでしょうか。もちろん、それは間違いではありませんが、顧客によっては、ずっとスクロールしていかないと自分の求める質問にたどり着けない場合もありえます。そこで、おすすめの方法が検索窓の設置です。
検索を使って求めている質問を探せれば、スクロールやプルダウンを使わず、すぐに自分の求めている質問にたどり着けます。そのため、検索窓は必ず、FAQページの一番上に設置するようにしましょう。
- 「新着」や「よく利用されているFAQ」を上部に設置する
例えば、新商品が発売された時期、既存商品のバージョンアップがあった時期などは、それらにかんする質問の閲覧が急増します。そのため、FAQページに訪問してすぐにわかるよう、検索窓の下に「新着」のよくある質問欄をつくり、そこに新たに更新された質問を掲載します。
また、過去一週間でもっとも多く利用されたFAQをページ上部に掲載するのも、顧客が求めている質問を早く見つけるのに効果的です。ただし、「新着」や「よく利用されているFAQ」をあまり増やしてしまうと、そのなかに求めている質問がない顧客にとっては、不便になってしまうリスクがあります。そのため、それぞれの質問を掲載する分量には十分、注意しましょう。
- サイドメニューや商品バナーなどは設置しない
顧客がFAQページに求めているのは、自分が感じた疑問や不安点を迅速に解決することです。そのため、質問以外のこと、例えばサイドメニューや商品、サービスのバナーなどはFAQページに必要ありません。
特にスマートフォンで閲覧している場合、環境によってはバナーの表示に時間がかかり、質問を探す妨げになってしまう場合もあります。
画像を含んだ商品、サービスのバナーは設置しない。ほかページへ移動するためのメニューは、グローバルメニューもしくはフッターのなかのメニューだけにするなど、質問を見つけるのに集中できるレイアウトを心がけましょう。
例えば、株式会社任天堂は、ほかのページが任天堂のカラーである赤を基調とした明るい配色なのに対し、「Q&A(よくあるご質問)」はグレーを基調としているうえ、ページ上部とフッター部分にホームへ戻るリンクがあるだけです。
- 検索でよく使われる語句、キーワードを掲載する
自分が何を知りたいかはわかっているものの、それをどういった語句、キーワードで検索すればよいかがわからないといったケースは少なくありません。そうした際、検索でよく使われている語句、キーワードを一覧で表示すると、質問を見つけられやすくなります。
例えば、PayPayのフリーマーケットアプリ、PayPayフリマの「ヘルプページ」では、最初は、検索窓の下に「よくある質問」が掲載されています。この時点では、誰が見ても同じ「よくある質問」が表示されています。
しかし、その下にある「言葉のヒント」のなかで自分が知りたい質問に関連する語句をクリックすると、その語句を含んだ質問が「よくある質問」の欄に表示されます。これにより、顧客は細かい検索キーワードを考えなくても、簡単に求める質問にたどり着けます。
ほかに、サイボウズ株式会社の業務改善クラウドサービス「kintone(キントーン)」の「よくあるご質問(FAQ)」では、ワードクラウドとして、よく使われている語句を大きく表示し、クリックすると別ページでその語句を含んだ質問の一覧が表示されます。
バイヤーイネーブルメントの観点からも自社サイトにFAQページの設置を
自社サイトにはFAQページは必要ない、特にBtoB企業のサイト担当者のかたはそう考える方が多いのではないでしょうか。しかし、今回説明したように、自社サイトであってもFAQページを設置するメリットは多く、顧客満足度の向上やカスタマーサポートの負担軽減といった意味でも重要な施策の一つです。また、近年、従来の営業活動の概念を変えると大きな注目を集めているバイヤーイネーブルメントを実行するうえでも欠かせない施策といえるでしょう。
FAQページの設置で重要なポイントは、顧客が抱えている疑問、不安を迅速に解決することです。そのためには、「サイト内のどこに設置するのか」「誰を対象に何を目的に設置するのか」「顧客が迷わずに使えるためにはどういったレイアウト、表示の仕方が必要なのか」などを明確にする必要があります。
今回、紹介した方法や考え方を参考に顧客満足度を高め、購買率、コンバージョン率の向上を実現するFAQページの作成を目指しましょう。
弊社では、集客から見込み客の獲得や商談の創出を可能にするウェブサイトへリニューアルに関して、BtoB企業専門のWEB サイト制作サービスをご用意しております。是非、ご活用ください。
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