なぜ海外ブランドがコンテンツマーケティングに取り組むのか?もう一つの理由。

コンテンツマーケティング

海外でコンテンツマーケティングが急速に盛り上がっている。その中でも特にコカコーラがYoutubeに掲載したコンテンツ2020が話題だ。内容は、コカコーラが全社をあげて、コンテンツ制作に取り組んでいくというものだ。

Coca-Cola Content 2020 Part One Coca-Cola Content 2020 Part Two

なぜ、海外ブランドは、これほどコンテンツマーケティングにシフトしようとしているのか?消費者のデジタル化、ソーシャルメディアの普及など様々な理由があるが、実は、有料コンテンツの普及もその一因なのである。

具体的に見てみよう。

今後コンテンツにお金を払う人は急速に増えていく

米調査会社のフォレスターの予測によると、ヨーロッパでコンテンツ課金の市場が急速に伸びている。下記のグラフが示すように、各分野で課金型コンテンツを購入する人の数は、2012年~2017年の間、8~12%という非常に高い成長率が見込まれている。

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2017年には2億弱の人が有料コンテンツを消費し、有料コンテンツの市場は、?10.2 billion (=約1兆円)規模にまで成長すると考えられている。

日本でも有料コンテンツ市場は伸びる

このようにヨーロッパで有料コンテンツの市場の急成長が予測されている。日本はどうだろうか? ソーシャルゲーム、有料スマートフォンアプリ、音楽のダウンロード購入などはもちろん、最近では有料メールマガジンも増えている。

欧米の傾向を見れば、動画コンテンツ購入が増えていくのも自然な流れだと考えられる。これは企業のマーケティング担当者にとって何を意味するのだろうか?

広告依存型 → コンテンツマーケティングへ

レポートを書いたダリカ・アーレンズによると、有料コンテンツの一般化は、企業のマーケティングに大きな影響を及ぼすという。 まず、有料コンテンツの消費が一般化する事で、テレビや雑誌のような広告型のコンテンツが相対的に減っていく。これは広告の出稿先が減る事を意味している。

こうして「有料コンテンツが増える → 広告枠の減少 = 消費者に認知してもらう機会の減少」という流れが生まれる。したがって今後企業は、自社のブランドを認知してもらうためには、広告出稿を中心にした従来型のマーケティングから脱却しなければならない。

そこで注目されているのがコンテンツマーケティングなのだ。欧米で既にトレンドになっているように、コンテンツマーケティングでは企業自らコンテンツ制作を手がけ、広告を介さずにインターネット経由で、「直接」消費者にコンテンツを届ける。

つまり、海外ブランドは、予想される広告枠の減少傾向に対応し、広告依存モデルからの脱出を実現するために、コンテンツマーケティングに積極的に取り組んでいるのだ。

まとめ

どうだろうか?

日本は、ケータイの有料コンテンツへの支出は世界中で最も高い。スマートフォンでアプリを買ったり、GreeやDeNAでお金を払ってゲームをするのが一般的になっている。さらに、動画コンテンツ最大手のHuluも日本に進出し、動画のストリーミングサービスを毎月定額で広げようとしているのも注目の動きだ。

このように有料コンテンツの市場が広がると、日本でも広告メディアが相対的に縮小していく可能性が高い。フォレスターが指摘しているように、広告の出稿先が少なくなる事が予想されるのだ。

マーケターは、このような動きを注目しつつ、マス広告中心のマーケティングから、自らコンテンツを作り、直接消費者へ届けるチャネルを確立しておく必要がある。

そうしないと、気が付いた時は、テレビや雑誌などの広告の出稿先が無くなってしまい、消費者にブランドを認知してもらえない状況に陥るだろう。

出典:As paid content booms, will ad opportunities shrink?

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