ローカライズ型コンテンツマーケティング戦略で顧客との信頼関係を築く方法

コンテンツマーケティング

上場以来、約20年間で売り上げ規模を45倍に伸ばした米オーガニック系スーパー「ホールフーズ」。

同社のコンテンツマーケティングは何年も前から常に注目され、手本とされてきた。

現在、社員約6万人、約300店舗を擁する大企業へと成長した同社だが、「大企業病」にはかかっていないようだ。「事なかれ主義」や「縦割り主義」などとは無縁の活気ある現場が、魅力的なコンテンツを生み出している。そして、それが多方面から評価されているのだ。

その巧みなコンテンツマーケティング戦略が、同社の成長を支える大きな力になっているのだが、一体どのような点が優れているのだろうか? その特徴を見ていくことにしよう。

ローカルなソーシャルメディア・アカウント

ホールフーズのコンテンツマーケティングの大きな特徴として、「細分化」ということが挙げられる。コンテンツのテーマ別や店舗別にソーシャルアカウントを持ち、顧客の細かなニーズに対応できる体制にしているのだ。

その中でも、今回は特に「ローカライズ」という点に注目したい。

同社は早くから「顧客のニーズは地域ごとに違う」ということに着目し、いくつものローカルなソーシャルメディア・アカウントを作成してきた。

それぞれの店舗がFacebook、Twitter、Pinterestなどで異なるアカウントを持ち、工夫を凝らして運営している。ホールフーズでは、それぞれの社員が自ら動く「自律型の組織体系」を維持しているので、ローカルのマーケターにコンテンツ制作の権限を持たせることに成功している。

例えば、イリノイ州ノーズブルック店のFacebookページを覗いてみよう。

すると、料理教室やセールの情報などの他に、「災害で迷子になったペットの里親探し」の情報なども載せているのが分かる。

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出典:Whole Foods Northbrook Facebook Page

そして、この里親探しに関し、「Wholefoodsでペット用品を買って、この迷子たちに寄付しよう!」という投稿もあった。その中の、「レジの近くに箱を用意するので、寄付したいものは何でも入れてね!」という言葉に背中を押される人は多かっただろう。

このように、地域に密着した情報に触れることによって、顧客は「地域コミュニティ」というものを意識するようになる。そして、「コミュニティの一員」として有益な情報を提供してくれたホールフーズへの信頼を高めていくのである。

そしてまた、これらのローカル・アカウントは、社内の他のローカル・アカウントと競い合うことによって、お互いに刺激を与えているのだ。どのくらいの「いいね!」を得られたか、どのくらい顧客とのエンゲージメントを高められたかなどを、競うのである。

この「社内競争(フレンドリーな)」により、マーケターはより魅力的なコンテンツを作ろうと努力することになり、活気に満ちた現場になるのだ。

どのようにコントロールしていくかが課題

このように、コンテンツマーケティングを細分化し、それぞれのマーケターに責任を持たせると、社内に活気が生まれ、顧客の細かなニーズにも対応できる。これは企業の成長を維持していく原動力になるが、1つ疑問が湧いてくるのではないだろうか。

果たして、そんなに多くのアカウントを持って、コントロールしきれるのか?

こんなに多くのアカウントを持っていては、企業として「統一性のあるメッセージ」を発信していくことが難しいのではないかと考える人が多いだろう。

その点、ホールフーズは「30%ルール」というものを設けて、コンテンツマーケティングをコントロールしている。これは、「ローカルのマーケターが制作するコンテンツのうち30%は、本部からのマーケティングメッセージを元にした内容にすべき」というものである。

このようにして同社は、各ローカル・アカウントのコンテンツがまるっきり「バラバラな内容」になることを防いでいるのだ。

今後も、「ローカルで親しみやすい」と同時に「Whole Foods」の理念やイメージを反映するコンテンツを制作することが、同社の課題となってくるだろう。

まとめ

今回ご紹介したホールフーズのコンテンツマーケティングの特徴を整理すると、次のようになる。

1. 顧客の細かなニーズに対応するため、テーマ別・地域別に分けてコンテンツを制作している。 2. ローカルのマーケターにコンテンツ制作の責任を持たせ、多店舗と競争させることによって、お互いに刺激を与え合うようにしている。 3. 店舗別のコンテンツが発信するメッセージが全てバラバラなものにならないように、本部からのメッセージを反映させる比率を決めている。

このような戦略により、顧客からの信頼が高まり、社内が活性化し、いいコンテンツを作れる土壌ができ上がっていった。その結果、現在ホールフーズのTwitterフォロワーは350万人以上。Facebookの「いいね!」は140万近い。今後更に事業規模を拡大し、2020年までには店舗数を1,000店にまで増やすことを目標としている。

このようなコンテンツマーケティング戦略は、日本の企業でも応用できる。例えばチェーン展開している企業などで、地域に密着したコンテンツを制作していけば、より地元の住民に親しみをもってもらえるだろう。

今回の例を参考にしながら、ローカライズの可能性なども視野に入れ、有意義なコンテンツマーケティングを実現していってほしい。

参照元 ・How Big Brands Are Using 2013 ‘s Top Content Marketing Strategies5 Creative Brands with Advertising Content That Their Fans LikeWhole Foods Harnesses the Power of Local SocialWhole Foods Looks to Keep Social Marketing Local

Photo: Some rights reserved by Jobmouse, flickr