インフルエンサーを巻き込もう!炭歯ブラシのユニークなマーケティング・キャンペーン事例

コンテンツマーケティング

「好奇心は猫をも殺す」

これは、なんでもかんでも興味を持ってあちこち首を突っ込むと命がいくつあっても足りない、つまり「過剰な好奇心は身を滅ぼす」という意味のことわざだ。しかし、マーケティングにおいては、好奇心は猫を殺さないどころか、キャンペーンを成功に導く。

Colgate India(コルゲート・インディア)が、インドで初めての炭歯ブラシを紹介する際に行ったユニークなキャンペーンは、インフルエンサー(影響力のある人)である有力ブロガーをはじめ人々の好奇心を煽(あお)りたて、話題を集めた。今回は、この大成功をおさめたキャンペーンを紹介しよう。

キャンペーンの概要

Colgate Indiaの炭歯ブラシは、歯垢や細菌の除去を助ける木炭が注入されたマイクロスリムチップ毛で作られ、製品としても非常に優れている。その画期的な新商品を広めようと、広告会社レッドヒューズ・コミュニケーションズは、斬新なキャンペーンを企画した。

キャンペーンはインドのブロガーたちや、ブロガーのコミュニティサイトであるBlogAddaのブログコンテスト、ダイレクトメールなどを用い、インタラクティブに展開された。

このキャンペーンでキーパーソンとなるブロガーたちは、白いものと認識されているアイテムの黒いバージョンを受け取ったのだった。初日は、黒い紙コップと黒い卵型のチョコレートだ。

2日目は、最初と最後のページに架空の記事を紹介した、12ページにわたる黒い新聞(黒字に白い文字の)「WhatTheBlack Times」が届けられた。

インフルエンサーであるブロガーたちは、先に送られたものをヒントに最終的なアイテムを読み解くことに骨を折り、キャンペーン最終日となる3日目に炭歯ブラシを受け取った(開封は4日目)。

このキャンペーンを伝える動画を紹介しよう。ブロガーたちの好奇心に満ちたわくわく感が伝わってくる。

#WhatTheBlack ColgateSlim Soft Charcoal toothbrush

 https://youtu.be/GTQoHCbB9ns

 

 

ハッシュタグ#WhatTheBlack

このインフルエンサーたちを取り込んだ、白いものと認識されているアイテムの黒バージョンを送るというキャンペーンと平行して、BlogAddaはブランド名や実際の商品名を明かすことなく、#WhatTheBlackのハッシュタグを利用したブログコンテストを開催した。

BlogAddaのメンバーは、黒いアイテムを5つまで予想することができ、優勝商品として10人にiPadがプレゼントされた。また、投稿者のなかから抽選で、オンラインショッピングモールであるフリップカートの割引券500ルピー(約1,000円)相当が送られた。さらに、新たにBlogAddaにサインアップすれば、3日間のプロモーション活動に参加することができた。

最終選考に残ったブロガーや、キャンペーン期間中にブロガーたちに送られるアイテムの写真がツイートされ、#WhatTheBlackの謎は盛り上げられた。最終的に炭歯ブラシが公開されるまで、「ダークチョコレートではないか?」「新しいBlackberry端末ではないか?」といったさまざまな憶測が飛び交い、それがバズを巻き起こした。

画期的なキャンペーン

このキャンペーンで、コルゲートの炭歯ブラシを予測できた人はいるだろうか? 黒という色から想像しやすいものは、電子機器であったり、ダークチョコレートの新製品であったりで、歯ブラシに関連付けることはまずない。

通常は「白いもの」という固定概念を打ち破るヒントが手掛かりとして与えられても、それでもなお想像が及ばない意外な結果であったことが、大きな話題を呼んだといえる。

ハッシュタグ#WhatTheBlackは、オフラインとオンラインが融合することでバズを生み出した。また、ブログ、Twitter、Facebookなどを利用してインフルエンサーたちが成功に導いた、記憶に残るキャンペーンともいえる。

前述したように、この炭歯ブラシは製品として非常に優れているのだが、白い歯のイメージからなのか、一般に歯ブラシは白いものだという印象が強い。こうしたキャンペーンを抜きにして、新製品として発売しただけなら、どんなに優れていても黒い歯ブラシが一般的に受け入れられるまでに時間がかかっただろう。

Colgate Indiaのキャンペーンは、人のもっと知りたいという好奇心を利用した。普通白いものとして認識されているアイテムであっても、黒もありえると固定概念を覆し、黒い歯ブラシという新しい市場を切り開いた画期的な成功例である。

好奇心を利用したインパクトのあるキャンペーンとして、今後の参考にしてほしい。