マーケティングにおけるペルソナの意味と役割、作り方について説明します

デジタルマーケティング

自分たちの商品やサービスを誰に購入してもらいたいのかの明確化は、マーケティングを行ううえで非常に重要なポイントとなります。そこで必要となるのがペルソナの作成です。自分たちが行っているビジネスの対象を象徴化したペルソナが明確になっていれば、商品・サービスの企画開発にも大きな効果を発揮します。そこで今回は、マーケティングにおけるペルソナとはどういったものなのか、その意味や役割、成果を上げるためのつくり方についてお伝えします。

マーケティングにおけるペルソナとは

マーケティングにおけるペルソナとは、自社の商品やサービスを購入もしくは利用してもらいたいと考えている、「個人」を具体的に描いたものです。人格はもちろん、家族構成や仕事、ライフスタイルまでを明確に描く必要があります。

ここで、注意すべきはペルソナとターゲットの違いです。両者とも自社の商品やサービスを販売する対象という点では変わりません。では、何が違うのか、そのポイントは次の2つです。

  1. ターゲットは「群」ペルソナは「個」

一般的にターゲットとは、「20代男性学生」「30代女性主婦」など特定の集団を設定したものです。そのため、それぞれの人格やライフスタイルまで細かい設定はしません。

これに対し、ペルソナは、「名前・年齢・性別・家族構成・職業・役職(仕事内容)・収入・趣味・週末の過ごし方・個人としての悩み・課題(B2B企業でのペルソナであれば会社で抱えている悩み・課題)」など事細かに設定を行います。

  1. ターゲットは「リアル」ペルソナは「架空」

ターゲットは、基本的に実際に自社の商品やサービスを購入・利用しているなかでももっとも典型的な顧客層をまとめたものです。そのため、リアルに実在している層を設定する必要があります。

これに対し、ペルソナは必ずしもリアルに存在している人物像を設定する必要はなく、架空の人物像でも構いません。例えば、自社が既存事業での新商品を企画する場合、これまでの自社の主力の顧客像をターゲットに設定可能です。しかし、新規事業やこれまでにない商品・サービスの企画となると、誰をターゲットに設定すればよいかがわかりません。

この場合、新規事業や新商品の競合となる他社を参考に、顧客像を新たに想定してつくり上げる必要があります。そこで、つくられた架空の人物像がペルソナです。つまり、ターゲットは常に現時点で存在している顧客の層を設定しますが、ペルソナは実在している必要はありません。自社の商品・サービスを購入・利用して欲しいと考える人物像、もしくはターゲットとなる層が、この商品・サービスを使うことによってなりたいと考える人物像をペルソナとして作成します(例えばターゲット:30代中盤、年収500万円の男性層。ペルソナ:ターゲットが憧れる40歳、年収1,000万円の男性など)。

B2BとB2Cのペルソナの違い

ペルソナの概要、ターゲットとの違いについて見たところで、次はB2B企業におけるペルソナとB2C企業におけるペルソナの違いについて説明します。

B2B、B2Cそれぞれのペルソナと違いを知るうえでのポイントは、商品やサービスの購入。利用を行う際の決済権は誰が持っているかの理解が欠かせません。B2Cの場合は、基本的に商品を探している人がそのまま決済権も持っています。「シャンプーを買いたくてスーパーに行く」「フィットネスクラブに入会したくて複数のクラブをインターネット上で比較検討する」など、その本人がペルソナです。

これに対し、B2Bの場合は、商品やサービスを探している人が決済権を持っていないケースも少なくありません。例えば、経理部の社員が複数の経理システムのなかから自社の最適なものを選択したとしても、購入時の決済権を持っているのは上司です。

そのため、B2B企業に対して商品やサービスの販売を行う場合は、商品を探す社員に加え、購買担当者、最終意思決定者などのペルソナ設定も必要になります。

また、B2Bの場合、個人のペルソナを作成する際、個人の人格や職業などのほか、会社の業績や企業規模といった、「会社属性」も考慮しなくてはなりません。自社の商品・サービスの価格に適した企業規模で働く個人といった形でペルソナを作成しないと、どんなに個人の人物像を細かく設定しても適切なマーケティング活動は行えないでしょう。

ペルソナを作成するメリット

ペルソナの作成はマーケティングにおいてどういったメリットがあるのでしょう。ここではそのなかでも主なものを紹介します。

  • 一貫したマーケティングが行える

ペルソナが曖昧な状態では、誰に向かって企画をすればよいのか、誰が快適と感じる商品を製作すればよいのか、誰に対して販促を行えばよいのか、それぞれの段階での戦略が定まりません。そのため、誰も求めていない商品ができあがってしまう可能性が高まるでしょう。

ペルソナが明確になっていれば、企画開発、商品の製作、販売促進に至るまで一貫したマーケティングが行えます。

  • ユーザー視点によるマーケティングが行える

ペルソナを作成する目的の一つに、ユーザー視点の獲得があります。ユーザーが求めているのは、ユーザーが欲しいと思う商品・サービスであり、企業が売りたいと思う商品・サービスではありません。しかし、このユーザー視点の獲得は難しく、ユーザー視点に立っているつもりでも気がつくと企業視点になっているケースがほとんどでしょう。

仮に天然水を扱っている企業の場合、「ペルソナはどういった時に水道水ではなく天然水を必要と考えるのだろう」「スーパーとコンビニ、どちらで買い物をすることが多いのだろう」など、ペルソナのライフスタイルについて徹底的に掘り下げれられるようになって初めてユーザー視点を獲得できるのです。この視点はターゲット設定だけではなかなか獲得が難しく、ペルソナならではのメリットといえます。

 

ペルソナ作成のポイント

ペルソナを作成する際には、いくつか注意すべき点があります。ここではそのなかでも主なものとして2つのポイントを紹介します。

  1. 実際にいる人物に限りなく近い人物像を設定する

ペルソナは架空の人物で、必ずしも実在する人物でなくても構わないと説明しました。しかし、これはありえない設定の人物像を設定するわけではありません。自社がターゲットとしている、現時点で確かに存在する人物像でなくても構わないという意味です。そのため、本当に実在しているような人物像をできるだけ詳細に設定することが重要になります。

ポイントは、自社の顧客へのアンケート、競合他社がターゲットとしている顧客層の分析、SNSやブログ調査などのデータを収集し、リアリティのある人格、ライフスタイルの設定を行うようにしましょう。

  1. 定期的の見直し・改善を行う

ペルソナとなる人物像は時代や生活環境によって変わる場合があります。その際、最初の設定のままだと戦略がブレてしまう可能性が生じます。そのため、ペルソナは定期的に見直しを行い、時代や生活環境に応じて改善を行っていきましょう。

ペルソナの活用はカスタマージャーニーとのセットで行うことが重要

ペルソナは、マーケティングに欠かせないものの一つですが、あくまでも、「個人」にかんすることであり、点の情報でしかありません。そこで、ペルソナの効果をより高めるためには、カスタマージャーニーの作成が重要です。

「作成したペルソナがさまざまな情報に触れ、収集を行って比較検討して購入に至る」この一連の流れを捉え、「点」を「線」にすることで顧客理解が高まります。その線となるのがカスタマージャーニーです。

なお、カスタマージャーニーについて深く知りたい方はこちらを参照ください。

カスタマージャーニーとは?意味とマップの作り方を徹底解説|INNOVA

 

マーケティング効果を高めるにはペルソナの作成が必須

自社の商品やサービスを購入・利用する主力層であるターゲット。しかし、ターゲットだけでは具体的な顧客像が見えてきません。また、新規ビジネスや新規商品開発の際には、自社の既存顧客以外の顧客像を想定する必要があります。

その際、ポイントになるのがペルソナです。現時点で存在するしないにかかわらず設定できるため、企画開発、販促時の重要な指針となります。これまで以上にマーケティングの効果を高めるための施策を検討している際は、ペルソナ、そしてカスタマージャーニーの作成をおすすめします。