「編集者のように考える」とは?オウンドメディア立ち上げ前に準備するべきチーム体制

オウンドメディア

"Think Like a Publisher(編集者のように考えろ)"

こんにちは。イノーバマーケティング部の亀山です。

上記のフレーズ、オウンドメディアの運営やコンテンツマーケティングに興味を持たれた方であれば、一度は耳にしたことがあるではないでしょうか?

自社がターゲットとするユーザー層にとって“有益な情報”をオウンドメディアで継続的に発信し続けることで、製品やサービスへのニーズが顕在化する前の潜在顧客に"見つけてもらい”、コンテンツを通じたコミュニケーションを重ねる事で自然と購買行動を促すコンテンツマーケティングにおいて、情報発信は常に顧客目線で。自社語り、自分語りは厳禁、とされています。

その情報発信のスタンスを端的に顕したのが

"Think Like a Publisher(編集者のように考えろ)"

今回は、この「編集者のように」考え、オウンドメディアを立ち上げる際のはじめのステップについてご紹介します。

オウンドメディアを活用したコンテンツマーケティングという手法は、Webマーケティングの“新しいハヤリモノ”のように捉えられている節もありますが、本来、もっと本質的・思想的なモノ。成果を出すには、情報発信や顧客獲得に対する考え方を、少々転換する必要があります。

コンテンツマーケティングに、本気で取り組もうとされている方は、ぜひ読み進めていただけたらと思います。

読み手のことを、とことん考えよう

あなたがこれから、コンテンツ=情報を届けようとしている相手、それはいったいどこの誰ですか?

既存顧客? 見込み顧客? 業界関係者? はたまた同業他社でしょうか?

「ペルソナ」というマーケティング用語があります。

あなたやあなたの会社が提供する製品・サービスを必要とする、もっとも象徴的な“理想の顧客”
それが、あなたのペルソナです。

あなたがこれから作るコンテンツは、“どっかのだれか”を対象にしてはいけません。

あなたのペルソナは、どこに住んで、どんな仕事をし、いったいどんな部屋に住んでいますか?
年齢は? 食生活は? 子供は何人? 休日は、なにをして過ごしているでしょう?
最近、気になっていることや、困っていることは……?

ペルソナが具体的であればあるほど、それを基に作られるコンテンツは一貫性・指向性を増し、あなたが理想とする顧客層にとって“説得力のある”コンテンツとなります。

あなたがコンテンツを届ける相手=読み手のことを、とことん考えてみましょう。

オウンドメディアのテーマとメッセージを決めよう

ペルソナ作りを通して、あなたがオウンドメディアでコンテンツを届ける相手のことが見えてくると、その人達に“興味を持ってもらえそうな”コト、日々の生活の中で“あったらいいな”と思っていそうなコトが見えてきませんか?
彼ら・彼女らは、あなたの製品・サービスの潜在顧客ですが、いますぐにその情報を欲しているとは限りません(むしろ、そんなケースは少ないでしょう)。

ペルソナ作りを通して見えてきたあなたのコンテンツの読み手=ターゲットは、未来のあなたの優良顧客です。
あなたが提供できて、彼ら・彼女らの生活を今より少しだけ豊かに出来るようなコンテンツとはなんでしょう?

それを考えることが、あなたのコンテンツのテーマ、メッセージを決める助けとなるでしょう。

あなたと一緒に走る“チーム”を作ろう

オウンドメディア運営はしばしば、「マラソン」と例えられます。

その要諦は、“続けること”。「三日坊主」では、成果は期待できませんし、逆に顧客の信頼を失いかねません。
(ご主人の“禁煙宣言”をまったく信じない奥さまのように。。。)

そのために必要なのが、あなたを励まし、一緒に走ってくれる“チーム”です。

“オウンドメディア編集部”には、下記のようなメンバーが必要と言われています。

CCO(チーフ・コンテンツ・オフィサー)

いささか大仰な肩書きですが、要は組織における、全コンテンツ発信の最終責任者です。“コンテンツストラテジスト”と呼ばれることもあります。

その役割には、大きく分けて下記のようなものがあります。

・コンテンツ、編集
・デザイン、アート、写真
・コンテンツ用のWebリソース
・マーケティングとコンテンツの統合(ソーシャルメディア含む)
・プロジェクトの予算編成
・フリーランサーとの契約交渉
・オーディエンスの開拓
・調査と評価
(出典:『エピック・コンテンツマーケティング』Joe Pulizzi著)

COOという役職は、日本ではまだ聞き慣れませんが、マーケティング先進国の米国などでは大企業から徐々に増えてきています。専任がいない場合には、マーケティング担当役員などが兼任しているケースが多いようです。

編集長

その名の通り、組織が発信するコンテンツの編集を管理し、マネジメントするのが編集長の役割です。
社内リソースが限られている場合など、外部ライターにコンテンツ制作を依頼する場合には、そのサポートなどを行います。

・コンテンツ制作
・コンテンツのスケジュール管理
・SEOのキーワード選定
・投稿記事の検索エンジン最適化
・文体の修正
・タグ付けおよび画像
(出典:『エピック・コンテンツマーケティング』Joe Pulizzi著)

ご覧の通り、一部COOと重複する業務もありますが、編集長の守備範囲は“より制作寄り”、と言えるでしょう。COOのポジションには編集や執筆の経験がない人材が就くこともありますが、編集長は多くの場合、コンテンツ制作経験がある人がつとめるようです。

コンテンツクリエーター

彼ら無くして、あなたの組織のコンテンツマーケティングは成り立ちません。

ライターやエディターやデザイナー、フォトグラファー……。
最近では動画を使った情報発信も盛んですので、そういったクリエーターたちも含まれます。

ほとんどの組織の場合、このようなクリエーターは社内にいないでしょうから、必然的に外部リソースを組み合わせることとなります。

運用担当者

折角作ったコンテンツも、しかるべき場所で、しかるべき時に発信されなくては、効果が半減してしまいます。

また、コンテンツは“発信したら終わり”ではなく、むしろコミュニケーションのはじまりです。ブログ記事ならばコメント、ソーシャルメディアであればシェアの状況やRT(リツイート)など、読み手からのレスポンスにも素早く対応することが、運用担当者には求められます。

発信した情報が間違って伝わったり、“炎上”と呼ばれるような事態が発生した場合にも、運用担当者の初動の速さが事態の沈静化のカギを握ります。

分析担当者(アナリスト/SEOエキスパート)

“コンテンツはマラソン”と書きましたが、目標も道標もなくただ闇雲に走っていても、ゴールは近づいてきません。日々のコンテンツ発信の効果を測定し、改善へとつなげるサイクルを作れるかどうかが、コンテンツマーケティング成功の秘訣です。

コンテンツへのアクセス数や、新規/リピート率は? 流入キーワードはなにか? そのコンテンツを読んだあと、次に読み手はどこへ行ったのか? ソーシャルでの拡散状況は……?

こういったデータの積み重ねが、あなたと読み手との間のコミュニケーションそのものです。

現代人は忙しく、情報は溢れています。時間を割くに足る情報でなければ、あなたの読み手は離れていってしまうでしょう。常に慢心することなく、よりよいコンテンツを発信し、そしてビジネスへとつなげるために、効果測定と改善は欠かせないプロセスです。

オウンドメディア運用は外注すべき?内製すべき?

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(出典:『B2B CONTENT MARKETING Benchmarks, Budgets, and Trends-North America 2014』Content Marketing Institute)

2014年の調査によると、米国ではB2B企業の43%がコンテンツ制作に社内リソースとアウトソーシングを組み合わせているようです。また、取り組み規模が小さな中小企業では内製化率が高くなっています。小さくはじめて、取り組み規模を拡大する段階で一部外注を取り入れることでスケールアップを果たすケースも多そうです。

ここでポイントとなるが、コンテンツ制作を完全外注(丸投げ)している企業はほとんどいない(1%)という結果です。しっかりしたい社内体制が組めない場合においても、オウンドメディアの方向性確認や品質保持のため、コンテンツ発信の責任をおう立場の社員を置くことをおすすめします。

まとめ

いかがでしたか?

対象を決め、テーマを決め、体制を整える……

思っていたよりも大変そう…とお感じになったかもしれませんが、実際のマラソンも事前準備が重要なことは言うまでもありません。

今回取り上げたJoe Pulizzi著作「エピック・コンテンツマーケティング」はコンテンツマーケティング先進国である米国の事情を反映した洋書であるため、「CCO(チーフ・コンテンツ・オフィサー)」と「編集長」が別のポジションとして併記されていたり、そのまま日本での実施には取り入れにくい部分もあるかもしれません。

しかし、コンテンツマーケティングは、長期間継続してこそ、真の価値を発揮する考え方です。

そして誰もが知るように、“続けること”には“覚悟”と“忍耐”が必要です。

読者の皆さんにはぜひ、よい準備をして、成功に向かってスタートを切っていただきたいと思います。

Photo Credits: Jimmy Baikovicius


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