コンテンツを制するものはWebマーケティングを制す! ~今だからこそ知っておきたい「コンテンツ」のイロハ~

コンテンツマーケティング
数年前に実施された主要検索エンジンのアルゴリズム変更により、Webサイトの評価基準として「コンテンツ」の良し悪しがことさら重視されるようになりました。コンテンツマーケティング、コンテンツSEOといったマーケティング手法もお目見えし、まさに世はコンテンツ全盛時代を迎えつつあります。
Webマーケティングに関わっていながら「コンテンツ」という言葉を知らないという人は、おそらくいらっしゃらないでしょう。けれども、「そもそもコンテンツって何?」と問われると、明確に答えられない方は少なくないのではないでしょうか。
この記事では、コンテンツの本質的な意味を改めて見直した上で、Webマーケティングにおけるコンテンツの重要性、押さえておくべきコンテンツの種類等について解説します。
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そもそもコンテンツとは
コンテンツ(contents/単数形はcontent)は本来、「何らかの入れ物の中に含まれるもの(中身)」というニュアンスを含む言葉です。本や雑誌、ドキュメントなどに書かれている「内容」といった意味合いもあり、書籍の目次をコンテンツと呼ぶのはよく知られています。
近年では、電子的に利用可能な情報を指して「コンテンツ」と呼ぶことが増えてきました。ビジネスやマーケティングの文脈でコンテンツという言葉が使われる場合は、この意味であることが大半だと言えるでしょう。テキストデータやGIFやJPEGなどの画像、動画、アプリ、PDF形式のカタログなど、様々な形のコンテンツがビジネスシーンで活用されています。
なぜコンテンツが重要なのか
「コンテンツマーケティング」という言葉が日本で注目を浴び始めたのは、2010年台の前半だと言われています。その引き金の一つとなったのが、2011年頃から行われたGoogleの大幅なアルゴリズム変更です。
一般に「パンダアップデート」という名で知られるこの変更では、低品質なコンテンツが検索結果の上位に表示されにくくすることを主な目的として行われました。言い換えると、検索ユーザが求める高品質なコンテンツを上位に表示しようというGoogleの姿勢が、このパンダアップデートによって明らかにされたのです。
ご存知の通り、検索エンジンはWebサイトへユーザを誘導するための重要なルートの一つです。この検索エンジンからの集客を増やすため、Webマーケターは日夜SEO対策に取り組んでいるわけですが、SEO対策にはある意味、検索エンジンのリバースエンジニアリング(※)のような側面があります。検索エンジンの動作を観察し、何が重視されているかを導き出した上で、その方針に従ってWebサイトに対策を施す、というのが伝統的なSEO対策の流れでした。
※リバースエンジニアリング:機械やソフトウェアの動作を観察することによって、その構造を解析しようとする試み。
パンダアップデート以前のGoogleは、Webサイト内のキーワード含有率や内部/外部リンクの数、質などを評価の重要な指標として採用していました。このため、SEO対策でもこうした施策に重点が置かれ、その結果、SEOのためだけに相互リンクを行う「リンクファーム」のようなスパム的な施策が横行することになりました。
このような本質を外れたスパム的なSEOをブラックSEOと呼びますが、ブラックSEOによって質の低いWebサイトが検索結果の上位に表示されてしまうと、検索ユーザの満足度は当然ながら下がります。Googleの主要な収入源は検索結果ページに表示する広告ですが、満足度が下がってユーザが離れていけば、Googleの広告収入も減少してしまいます。
そこでGoogleはビジネスの本質に立ち返り、キーワード数や被リンク数、HTMLソースコードの妥当性といったテクニカルな指標だけではなく、検索ユーザの求める良質なコンテンツを高く評価していこうという方針を定めたのです。
こうした変化を受けてSEO対策のあり方にも徐々に変化が現れはじめ、昨今では「良質なコンテンツを作ることこそが最良のSEOである」という概念がWebマーケティングの世界に定着しつつあります。
Webマーケティングとコンテンツ
このような風潮は、マーケティングの本質を考えれば非常に納得の行く話です。
マーケティングとは、ひとことで言えば「見込み顧客を自社に惹きつけるための一連の取り組み」です。Webサイトを通じてマーケティングを行うのであれば、見込み顧客を惹き付ける――すなわち、見込み顧客が求めるような良質なコンテンツを提供するのが一番の早道なのです。前項ではSEO対策に視点を絞って説明しましたが、「Googleのアルゴリズムが変わったから」というだけではなく、マーケティングのあるべき姿を考えれば、コンテンツに力を入れるのはごく自然なことだと言えるでしょう。
このような本質的な理解が進んだことにより、マーケティングにおけるコンテンツの活用が活発化しつつあります。
Webマーケティングで活用されるコンテンツの種類
ところで、Webマーケティングにおいて活用されるコンテンツには、具体的にどのようなものがあるのでしょう?
前述の通り「電子的に利用可能な情報」であればどんなものでもコンテンツと呼ぶことができますが、一般的に用いられているコンテンツとしては、以下のようなものを挙げることができます。
▼Webページ:
HTMLで記述されたいわゆるWebページ。テキストや画像、音声、動画などを埋め込むことができ、表現力の高いコンテンツを作成することができます。
▼動画:
ビデオカメラなどで撮影された動画。前述のようにWebサイトに埋め込む他、YouTubeのような動画配信サイトにアップロードして活用されることも少なくありません。
ネットワーク環境の向上やスマホの普及などにより、手軽に動画を閲覧できる環境が整ったことで、近年注目を集めているコンテンツです。
▼アプリ(ソフトウェア):
スマホアプリやWebサイト上で提供されるソフトウェアも、立派なコンテンツの一つです。特にスマホアプリは、Webサイトに変わるユーザとの接点として、活用シーンが広がりつつあります。
▼eBook/ホワイトペーパー :
特定のテーマに沿って書かれた記事や画像をPDF形式にまとめた、小冊子的なコンテンツ。特にBtoBのマーケティングにおいて、新規見込み顧客の獲得のために活用されます。
コンテンツ作成時に重視すべきポイント
Webマーケティングにおいて利用するコンテンツを作成する際にぜひ意識していただきたいのは、「誰に、何を伝えるためのコンテンツなのか」ということを常に念頭に置くということです。どんな名文、名画、あるいは素晴らしい動画を作成しても、この点がずれてしまっていると、マーケティング用コンテンツとしては役に立ちません。
たとえば、エンゲージリングの重要性について説明した文章を、建設用の重機を販売する企業のWebサイトに載せてもあまり役には立ちません。エンゲージリングに関する話は、エンゲージリングに関心を持つユーザが訪れるWebサイトに載せてこそ本領を発揮するのです。
これは極端な例ですが、「誰に、何を伝えるか」を明確に意識しなかったがために、似たような状況で公開されているコンテンツは少なくありません。
もう一つのポイントは、「量より質」を基本姿勢とすること。
「コンテンツを大量に作ればSEOに役立つ」という誤った理解により、プログラムで自動作成したWebページや、他社Webサイトからコピーしたようなコンテンツが量産されるケースをしばしば目にします。確かに、コンテンツの数が多ければSEO的に有利なようにも思えますが、内容の薄いコンテンツを量産してアクセス数だけ稼いでも、訪問してくれたユーザに喜んでもらえなければ骨折り損のくたびれ儲けです。それどころか、品質の低いコンテンツは自社の評判を悪化させかねません。
コンテンツは自社の大切な資産です。
無意味なコンテンツを量産するくらいなら、数は少なくとも、ユーザが真に求めるよいコンテンツだけをじっくり腰を据えて開発していきたいものです。
コンテンツを活用してマーケティングを強化しよう
以上、本稿ではコンテンツの本質的な意味を解説し、Webマーケティングにおけるコンテンツ重要性、コンテンツ制作のポイントをご紹介しました。
コンテンツは今後のWebマーケティングにおいて、非常に重要な鍵を握るアイテムです。本質を正しく理解し、コンテンツをうまく活用してマーケティングを有利に進めていきましょう。
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