ABMとは?マーケター必見のBtoBマーケティング手法を紹介

BtoBマーケティング

たくさんのリード獲得に成功しても、将来に結びつく優良な顧客が見つからない。案件化の見込みがあると思ったリードを営業に渡しても、無視されてしまう。そんな悩みを持たれているマーケターの方はいませんか?

アカウントベースマーケティング(以下ABM)は、従来のインバウンドマーケティングが抱える欠点の解決策となる手段として注目されているマーケティング手法です。獲得した多数のリードにアプローチする従来の手法に対して、ABMは、有望だと見極めた「企業・組織」の見込み客に絞り込み、集中してマーケティング活動をおこないます。この記事では、ABMが注目される理由と実現出来ること、注意する点と手順を紹介します。

ABMと従来のマーケティング手法との違い

対象は企業・組織のキーマン

従来のインバウンドマーケティングとABMにはどのような違いがあるのでしょうか?
ABMは、不特定多数の見込み客を集め、アプローチして最終的に優良顧客に育てるのではなく、最初の分析段階で優良顧客になる見込み客を選定します。

55図1.png

従来の手法では、できるだけ多くのリードを獲得することが中心です。重要なのはリードの量で、対象はセグメントされた市場内にいる企業全体です。

ABMが対象とするのは、具体的なアカウント(企業・組織)で、量よりも質が重視されます。ABMでは、自社にとってポンテンシャルが高いと判断したターゲット企業に絞り、最適化したキャンペーン展開を実施します。

従来の手法では、ぼやけて明確にならないターゲット「層」に向けたキャンペーン展開となりますが、ABMでは明確にパーソナライズされた特定のアカウント企業(もしくは企業担当者)に向けたキャンペーン展開が可能です。

ABMは高い収益をもたらすアカウント企業に、最適化した施策がおこなえるため、高い効果とリターンが期待できます。

ABMが注目される理由

ABMが注目される背景には、テクノロジーの発達によりABMを実践する基盤が整いつつあることがあげられます。ABMは新しい概念ではなく、アカウント営業(法人営業)の世界では当たり前とされる概念です。

アカウント営業は、大口の顧客となる企業を絞り込み、長期的で深い関係性を築いて、顧客企業の持つ課題への解決策を提案していく営業スタイルです。アカウント営業は、高い契約金が期待できますが、顧客課題の理解と解決が必須となります。

顧客課題を理解し解決するには、幅広い情報を収集・分析することが必要です。しかし、営業マン一人が人力で出来ることには限界があります。

そこで期待されるのが、ABMです。

近年はテクノロジーの進歩により、様々なマーケティングツールが登場し、営業マンの限界を補うことが可能になりました。ABMは、これらのマーケティングツールを駆使しながら、営業部とマーケティング部が連携しておこないます。

営業・マーケティングの3ステップとツール

営業とマーケティングのプロセスは、「リード獲得・育成」「商談」「顧客維持」の3つに大きく分けられます。それぞれの段階に適したマーケティングツール、インサイドセールス・フィールドセールス・マーケティングの領域と役割を整理すると以下のようになります。

55図2.png

インサイドセールスはフィールドセールスと異なり、メールや電話で営業活動をする内勤型営業です。営業活動をフィールドセールスと分業化する際に、マーケティングチームと連携して業務をおこないます。

それぞれのツールの特徴は以下のようになります。

55図3.png

具体的なMAツールにはFORCASやSansanがあげられます。

FORCAS

独自の企業データと分析アルゴリズムで、成約確度が高い企業を特定できるクラウドサービスです。
エクセルの企業リストをアップロードするだけで、保有する約144万社のデータと照合し解析、確度が高い企業属性を特定します。アップロードした企業リストは自動的に名寄せされます。利用中のMAツールやCRMツールと連携することで、マーケティング施策の成果や効率がアップします。

Sansan

Sansanは、法人向けクラウド名刺管理サービスです。名刺をスマホアプリやスキャナーで読み取りデータ化します。データは、部門を超えて可視化・共有できます。
Sansan Data HubはSansanのデータ統合機能で、社内の名刺データの整理・統合を行います。自動で名寄せとデータクレンジングができ、現在使用しているMA・CRM・SFAツールの二重登録を防ぎます。名刺データに、帝国データバンクの情報を付与することで、マーケティングに適した精度の高いデータにグレードアップさせます。

ABMで実現できること

営業部とマーケティング部が連携してABMを行うことで、どのようなことが実現できるのでしょうか。

費用対効果が高いマーケティング活動

高い売り上げを見込める企業に集中できるので、費用対効果の高いマーケティング活動が可能になります。

リソースの無駄を減らせる

ターゲットが絞られて明確となるため、優良なクライアントに自社リソースを注力できます。コストや手間がかかっても、高いリターンで取り戻せます。

最適化されたメッセージの発信

特定の企業や企業担当者をターゲットにするため、個人のニーズに最適化された高い効果が期待できるメッセージが発信できます。

リードの追跡と測定がしやすい

ターゲットが絞られるため、個別のターゲットに適した効果測定と精度の高いマーケティングが可能になります。

営業との連携がスムーズになる

営業との連携がスムーズになり、営業のもつデータの活用が進みます。マーケティングは営業が追いかけたいと思う見込み客を提示できるようになり、営業の無視率の改善が期待できます。

ABMには向き不向きがある

ABMは、ロングテールになりにくい商材や検討から購入までの期間が短い商材は不向きです。また、営業部とマーケティング部の連携は必須となるため、連携が無理なら実施できません。
ABMより従来の手法の方がいい場合もあります。どちらも優良顧客を抽出することは同じなので、必要に応じて補強するとよいでしょう。

ABMの5つの手順

自社商材がABMに適していると判断した場合は、以下の手順で進めていきます。

1.   アカウントの設定

これまでの売り上げや見込み度などのデータを活用し、ポンテンシャルが高く将来の優良顧客となりそうな企業を設定します。

2.   キーマンの特定

アカウント内で購買に関わるキーマンを特定します。特定ができたら、社内にキーマンとのコンタクトポイントがあるか確認します。ない場合は、営業にコンタクト創出を依頼するのも一つの方法です。

3.   チャネルとメッセージの決定

キーマンの持つ課題やニーズを想定し、解決策になるようなメッセージを考えます。さらに、メッセージを発信するのに適切なチャネルを検討します。

4.   キャンペーン実施

キャンペーンを実施。複数のチャネル間で、キャンペーンが連動し、共通したメッセージが配信されるようにします。

5.   PDCAサイクルでさらなる最適化

キャンペーンが終了したら効果測定し、次のキャンペーンに向けて改善を行います。

まとめ

ABMは、従来の見込み客創造活動の欠点を補うことができるマーケティング手法として期待されますが、扱う商材やビジネスタイプにより向き不向きがあります。

弊社イノーバもコンテンツマーケティングのリーディングカンパニーとして、長年インバウンドマーケティングに取り組んできましたが、企業を「面」でとらえるインバウンドと「点」で攻めるABMはそれぞれメリットデメリットがあるということを強く実感しています。

ABMの特性を理解した上で、自社の商材に合わせてどのようなマーケティング施策を導入すべきか慎重に判断することが大切です。