Zoom MeetingsとZoom Webinars その違いと正しい使い方、わかっていますか?

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新型コロナ感染症拡大の影響で直接的な対面が制限され、一気に普及したオンラインミーティングツール。制限は徐々に緩和されつつありますが、事業の効率を考えればオンラインミーティングツールを今後も積極的に活用して行くべきでしょう。オンラインミーティングツールにはいくつかの種類がありますが、代表的なツールであるZoomにはミーティングに特化した機能とウェビナーに特化した機能があるのをご存じですか?今回はZoom MeetingsとZoom Webinarsの違いや使い方、新しく追加されたZoom Sessionsの機能についても解説していきます。
目次
Zoom MeetingsとZoom Webinars
Zoomは、米国のZoomビデオコミュニケーションズが開発・提供しているオンラインミーティングツールの総称です。Web会議のシステムとしては現在世界トップクラスのシェアを保持しており、オンラインミーティングツールとしては標準的なものになっています。Zoomはパソコンのブラウザと専用アプリに加えタブレットやスマートフォン用のアプリも用意されているので、ビジネスユースはもちろん、個人でも使うことができます。
Zoomにはレコーディング機能や画面共有機能、ダッシュボード機能、ブレイクアウトルーム機能(ミーティングの参加者が、少人数のグループに分かれて議論できる機能)、ユーザー管理機能などが用意されています。例えば、ビジネスでミーティングを行う場合に、議事録代わりにレコーディング機能を使ったり、お互いのプレゼンのために画面共有機能を使ったりとビジネスに活用できる機能が多く実装されているのです。
Zoomには無料版と有料版があり、有料版のプランでは3種類(プロ、ビジネス、エンタープライズ)用意されています。無料版には時間的な制限(1ミーティングにつき40分)が設けられているので、ビジネスで使うのであれば有料のプランを選択する場合が多いことでしょう。有料版のプランは、主に以下のような違いがあります。
- プロプラン
・契約可能ライセンス数 5~9
・会議参加可能人数 100
・録画容量 1ライセンスあたり5GB
・ウェビナー機能 有料オプション
- ビジネスプラン
・契約可能ライセンス数 10~49
・会議参加可能人数 300
・録画容量 1ライセンスあたり5GB
・ウェビナー機能 有料オプション
- エンタープライズプラン
・契約可能ライセンス数 50~
・会議参加可能人数 500
・録画容量 無制限
・ウェビナー機能 無料
有料プランの違いは主に契約できるライセンス数や会議参加人数、録画の容量なのですが、ここで注目したいのはウェビナーの機能です。プロプランやビジネスプランでは有料オプションとなりますが、新型コロナ感染症拡大以降、ウェビナーの開催はとても注目されているのです。
ウェビナー開催のメリット
オンラインミーティングツール普及の契機が、新型コロナ感染症の拡大だったことは多くの人が知るところです。感染症の感染拡大を防止するために、人と人との直接的な対面や、密となる会議の開催が制限されたためでした。ところが徐々に制限が緩和されはじめた現在でも、オンラインミーティングツールは使われ続けています。それは、オンラインミーティングツールには主に以下のようなメリットがあるからです。
- 移動時間が不要で会議室確保も必要ない
自席のパソコンや外出先からでも参加でき、主催者も会議室を用意する必要がありません。
- 交通費のコスト削減
支社や支店からの会議参加であっても、移動のための交通費がかかりません。
- 会議の所要時間の削減
録画機能があるので、遅れた人を待つ必要がなく、会議を時間通りに始めることができます。
そしてこれらの特徴は、ウェビナー開催でも活かされます。ウェビナーとはウェブ(Web)とセミナー(Seminar)を組み合わせた造語で、オフラインで行われていたセミナー(講演や説明会)をオンラインで行うようにしたものです。セミナーは一般的には自社外の人を招いて行われますが、ウェビナーには、上記のようなオンラインミーティングの特徴に加え、以下のようなメリットがあります。
- 来場のための交通費が発生しない
セミナー会場に来場するための、交通費や宿泊費が発生しません。遠方からセミナーに参加しようとする人にとっては、とても大きなメリットです。
- 悪天候や交通事情に来場数が左右されない
台風や大雨、電車の遅れ、運休などに来場者が影響を受けません。セミナー主催者にとっても参加者にとっても,これらに影響受けないウェビナーはとても利用価値の高いものです。
- 会場費や設備費が発生しない
参加人数や借りる場所に比例して高くなってしまう会場費や設備費(音響や映像機器)を削減できます。有料の場合はまだしも、無料で開催するセミナーや説明会などの場合はとても有効です。
- 運営の人件費を最小限に抑えられる
会場を用意する必要がないので、受付や会場整理のための人も用意する必要がありません。ウェビナーは、開催のための人件費も最小限に抑えられます。
- 世界各地、全国に同時に配信できる
Web上で開催するので、日本各地はもちろん、世界中にセミナーの内容を同時配信できます。新製品を世界同時に発売するような場合には、とても重宝することでしょう。
Zoom社では、Web会議のシステムを「Zoom Meetings」、ウェビナーの機能を「Zoom Webinars」と呼んで区別しています。
Zoom MeetingsとZoom Webinarsの違い
ではZoom MeetingsとZoom Webinarsには、機能的にどのような違いがあるのでしょうか?
Zoom Meetings
- 画面共有機能
参加者のパソコン画面、もしくはタブレットなどの画面を他の参加者に共有する機能です。発表資料を用意していたり、参考資料を表示したりする場合に便利な機能です。
- 映像表示は参加者全員
任意でオフにすることもできますが、基本的に参加者全員の顔の画像が画面に表示されます。
- 参加者全員が発言可能
Zoom Meetingsでは、主催者に許可されなくとも基本的に全員が発言できます。
- 双方向コミュニケーション
上記のようにZoom Meetingsは、基本的に双方向のコミュニケーションができるWeb会議システムです。
- 最大参加人数
100名まで無料のプランが用意されているほか、有料プランの選択により101~1000人がミーティングに参加できます。
- チャット機能、投票機能など
上記の他、参加者が文字で発言できるチャット機能や投票機能がZoom Meetingsには用意されています。
Zoom Webinars
- 画面共有可能
Zoom Meetingsと同じく、講演者のパソコン画面、もしくはタブレットなどの画面を参加者(聴取者)に共有する機能です。発表資料や参考資料を表示します。
- 映像表示は基本的に講演者のみ
Zoomを使用しているパソコンやタブレットの画面に映るのは、基本的に講演者(スピーカー)のみです。
- コミュニケーションは基本的に一方向
Zoom Webinarsでは通常の講演と同じように、講演者が参加者に話しかけます。コミュニケーションは基本的に一方向で行われます。
- 最大参加人数
有料プランによって変化しますが、参加者は500~50000人まで選択できます。
- チャット機能、Q&A機能、投票機能など
講演者、もしくは主催者がコントロールしますが、チャット機能やQ&A機能、投票機能などが実装されています。
Zoom Meetingsは商談や社内外の打ち合わせ、面接のように比較的小規模で、双方向のコミュニケーションが必要な場合に利用します。Zoom Webinarsはウェビナーやオンラインイベント、各種説明会、入社式など、比較的大規模で双方向のコミュニケーションが必要ない場合に利用されます。またこのようなZoom社のオンラインミーティングツールに2023年2月、イベントに特化した「Zoom Sessions」が追加されました。
シングルセッションのイベントに特化したZoom Sessions
Zoom Sessions は、Zoom Meetings または Zoom Webinars を使用してバーチャルイベントやハイブリッドイベントを主催できる機能です。Zoom Sessionsには、顧客の登録機能、PayPal や Stripeと連携したチケット発券機能、イベント後に出席状況やチケット収益を分析できる機能などが実装されています。他にもZoom Sessionsには、ホストを最大5人まで設定する機能やステージのバーチャル背景制作機能、マーケティングオートメーションツールとの連携機能などが用意され、Zoom Sessionsだけでシングルセッションのイベント運営ができるようになっています。
またZoom Sessionsを活用すれば、これから予定されているイベントと過去のイベントを 1カ所で管理することができます。Zoom Sessions はZoom WebinarsやZoom Meetingsの機能を拡張し、効果的なイベント運営を容易に行える機能なのです。
Zoom MeetingsとZoom Webinarsはあらゆるミーティングを効率化するツール
Zoom MeetingsとZoom Webinarsはそれぞれ違った機能を持っていますが、どちらも時間と場所の問題を超えたコミュニケーションを実現するツールです。この2つのツールを適切に使い分ければ、社内外のあらゆるミーティングを効率的に開催することができるでしょう。
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