これからのプロモーションは物理的距離・環境の壁を越えたソリューションで差別化を !【WhatsApp使用事例】

デジタルマーケティング

インターネットやモバイル端末が普及しはじめたのは、ほんの一昔前。それまでの人々の情報源は伝統、口コミ、書籍など本当に限られたものしかなかった。

世界中の情報が数クリック・数タッチで収集可能となった現代。それをうまく生かし、ユーザーにとって利益のある情報提供を行うことをモットーとしたサービスの、未来への可能性は計り知れない。

そこで今回は、今までなら物理的な距離や環境が壁となって不可能であった「我が家の献立をプロの料理人と相談」というサービスを、アプリを通すことで可能にした海外のマヨネーズメーカー「Hellmann’s」のWhatsApp活用事例を紹介。ヒットサービスとなったその理由を探ってみよう。

なお、Hellmann’sについては、以前に当サイトで「食材をツイートするとレシピを返信!ヘルマンズ・ブラジル(Hellmann’s Brazil)の1日で2200万インプレッションを獲得したキャンペーン」という記事も掲載しているので、合わせてご覧いただきたい。

「困っちゃったな……」に焦点を当てたサービス展開

人々がネットにアクセスして情報を検索する理由には、どんなものがあるだろう。圧倒的に多いのはやはり何かわからないことがある場合や、問題に対する解決策が必要な時ではないだろうか。 そこに目をつけた米国の大手マヨネーズブランドHellmann’sのブラジル社は、「料理が苦手で……」「何を作ったらいいかアイディアが浮かばない」「レシピを見ただけじゃ手順がよくわからない」という消費者のためのサービスの提供を開始した。

以下がそのサービス内容をまとめた動画だ。

WhatsCook. The first live recipe service via WhatsApp.

大まかなサービス内容は、消費者が前もって予約しておいた時間になると、プロの料理人とリアルタイムでチャットをしながらさまざまなアドバイスをもらえるというもの。各利用者の平均コミュケーション時間は65分で、冷蔵庫の中身から何の料理を作れるかの相談から、野菜の切り方や調理方法がわからないところまで写真や動画を使ってプロとのリアルタイム・コミュニケーションが可能となった。

サービス開始からたったの10日で8,000人以上が登録を行ったこのサービスだが、Hellmann’sがその宣伝に使った費用は900ドル(約9万円)以下。口コミ効果で世界中、400万人へのシェアが行われたというから大したものである。

最も適切なプラットフォームを見抜く力

サービスのプラットフォームに選ばれたのはメッセンジャーアプリ、WhatsApp。テキストのみでなく画像、ビデオ、グループチャットなど多機能を備え、多くの機種に対応しており、世界中に6億人を超えるユーザーを誇るアプリだ。

南米ではスマートフォン人口の79%がこのアプリを使用しており、これはうまくいけば総計3200万人を超える消費者に情報をリーチさせるポテンシャルを秘めているということだ。すでに人々に浸透しているテクノロジーやプラットフォームと自社が提供できる情報をかけ合わせるという巧みな戦略が、このサービスが大きな反響を呼んだ根底となったことは間違いないだろう。

「押しつけ感」のないプロモーション

このサービスでもっとも「うまくやったな」と感じるのは、自社ブランド製品の押しつけを感じさせずにさりげないプロモーションに成功していることだ。

消費者の最終目的は「おいしい料理を作ること」であるが、プロの料理人に指導を受けながら献立を立てたり料理の技術を学んだりしているうちに、気がつかない間にマヨネーズを使っているのである。

消費者側はサービスの便利性や料理を作り上げた達成感に注目しているので、マヨネーズ企業にマヨネーズを売りつけられたと感じる人はほとんどいないだろう。これは日常生活に自社製品をさりげなく取り入れてもらうことをアピールするうえで、なんとも自然で圧迫感や嫌味を感じさせないスマートなマーケティングと言える。

場所や環境にとらわれる必要のない未来

テクノロジーの進化は日々続いている。その情報量の多さに、最新情報についていくのは一苦労と感じるかもしれないが、新たな技術の中に自社商品やサービスと相性の良いものが出てくる可能性を無視してしまうのはもったいない。

今までは「夢」だったサービスも現実となり得る現代。場所が違う……環境が違う……そういった足かせが取り払われた今、マーケティングの未来をさえぎる壁はない。

Hellmann’sがみせてくれたその見事なソリューションを参考に、「消費者にとって利益のある場を設けながら自社のプロモーションも行える」、そんな魅力的なマーケティングに挑戦してみよう。

参考元:?Chefs Coach Foodies On New Recipes Via WhatsApp?Hellmann’s delivers cooking lessons on demand via WhatsApp?Hellmann’s successfully taps WhatsApp?Hellmann’s chef cooking advices on WhatsApp?WhatsApp

関連記事:?売れるデザイン・稼げるデザイン?ありふれた情報でも興味を持って受け入れてもらう方法―「世界最小のTESCO」って何だ??Cadbury Glowの巧みなマーケティング戦略:チョコレート+カスタマイズされたギフト?食材をツイートするとレシピを返信!ヘルマンズ・ブラジル(Hellmann’s Brazil)の1日で2200万インプレッションを獲得したキャンペーン

人気記事