「社員」に自社のブランドアンバサダーになってもらう方法

デジタルマーケティング
ブランドの良さを人々に広めてくれる「ブランドアンバサダー」。このブランドアンバサダーの良いところは、実際に商品やサービスを利用していることが前提となっており、その意見の信ぴょう性が高いということ。「あの人が使っているなら……」「あの人がオススメしてくれるなら……」と、顧客の購買意欲をアップさせてくれる力強い味方となるのだ。
では、ブランドアンバサダーは誰に務めてもらうべきか? 自社の製品やサービスを愛用している芸能人や有名人がいれば、この役を務めてくれる場合もあるだろうが、そうではない企業のほうが多いだろう。
そんなときに、忘れてはならないブランドアンバサダー候補がいる。自社の社員だ。そこで今回は、ブランドアンバサダーとして自社の社員を育て上げる方法を見ていこう。会社全体でコンテンツマーケティングを実践していくうえで、ぜひ取り入れてみたい。
社員の信用度はCEOのそれより高い!
世界最大のPR会社であるEdelmanが行った「2014 Edelman Trust Barometer」という調査によると、「一般社員の情報は信用できる」と考える人の割合は半数を超える52%であった。これは、2009年の32%と比較すると大きな飛躍を見せている。
また、「CEOは信用できる」と答えた人はそれを下回る43%となっており、人々は企業の顔と呼べる存在よりも、実際に現場で働く人々の生の声をよりリアルで信用できるものとして捉えていることがわかる。
ポジティブ社員はいかに育むか?
信用度が高い=影響力のある社員たち。
ブランドにポジティブな影響を与えるアンバサターとして、社員たちを育みたければ、取り組むべきはまず社員に愛される企業になること。そして、社員が胸を張って自慢できる商品やサービスを提供することだ。
そのときに押さえておきたいのは、社員が企業のコンセプトやゴールを明確に理解しているということ。「自社のセールスポイントはここだ!」「これだからオススメ!」という点が社員にきちんと伝わっていれば、社員も言動に自信が持てるようになり、企業イメージを良くするインフルエンサー(影響力のある人)として活躍できる。
ブランドアンバサダーは1万人超え:Adobeに学ぶ
アクロバットリーダーでおなじみの大手ソフトウェアメーカーAdobeは、世界中に計1万人を超える数のソーシャルメディア・ブランドアンバサダーを保持している。
Social Media Examinerの「4 Ways to Turn Your Employees Into Brand Ambassadors」という記事によると、同社の最近のフォロワー数はおよそ次のとおりであった。
- Twitter:33万4820フォロワー
- Google +:29万5633フォロワー
- Facebook:25万6569フォロワー
- Insrtagram:3万356フォロワー
- Pinterest:1万7364フォロワー
- YouTube:1万1000登録者
このような膨大な数のフォロワーを生み出すことに成功した大きな要因の一つに、ブランドアンバサダーの活躍があった。その戦略は以下のようなものである。
ハッシュタグ作成:「#adobelife」のハッシュタグを使用して、Adobe社員がそのライフスタイルをコンテンツとして発信しやすい環境を整えた。写真や動画付きの投稿を奨励し、実際に働く人から見た企業の魅力をうまく広めている。
社員トレーニング:ソーシャルメディアに投稿するという行動を社員がより身近なものに感じられるよう、ソーシャルメディアとは何か、投稿するために必要な知識やマナーとは何かのトレーニングを行った。また、トレーニング後半には、実体験をコンセプトにしたシミュレーションも実施。これによって社員は、「こういうケースではどう投稿するか」「どういうアイデアが出せるか」などを学んだ。
社員を信じる:Adobeには、社員のソーシャルメディア利用に対する規制は存在しない。上記トレーニングのはじめに、「社員の意見が世間に与えるインパクトは大きい」という企業の考えを伝えている。社員の自己判断に信頼を置いていることを知ってもらえば、一人ひとりが自信を持ってアンバサダーの任務を果たすことができる。
社員の向上心を尊重する:基本のトレーニングを受けた社員の中には、さらに詳しく知りたい、もっといろいろ学びたいと感じる者も出てくるだろう。Adobeではそういう社員のために、より上級者向けのトレーニングプログラムを作り出した。この方法のほか、外部のセミナーに参加させたり、ゲストスピーカーを招いて講習会を開いたりすることでも、社員の向上心アップをねらえるだろう。
信頼の置けるコンテンツはプライスレス
ブランドのイメージや信頼度を上げようと企業がいくら頑張っても、そのコンテンツが消費者の心に届かなければ意味がない。
もともと信用度の高い「社員」という存在をその伝達役にできれば、コンテンツの信ぴょう性が上がり、より多くの消費者に自社の魅力を知ってもらうことができる。このとき、まず大切なのはその柱となるアンバサダーを育むこと。
自分たちが作り出す商品やサービスに誇りを持ち、周りにそのポジティブな影響を広げていける。そんな次期売れっ子アンバサターは、実はあなたの目の前にいるあの人かもしれない。
参考元:?4 Ways to Turn Your Employees Into Brand Ambassadors?Three Steps For Transforming Employees Into Brand Ambassadors?Your Brand Ambassador is probably sitting right next to you.
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