オウンドメディアを活かしたマス広告不要のマーケティング戦略

オウンドメディア
今、オウンドメディアを活用したマーケティング手法が注目を集めている。従来の広告依存型を見直し、それ以外のメディア(トリプルメディアと呼ぶ)を有機的に利用する手法だ。
※トリプルメディアマーケティングの最新記事は左記のリンクにありますので、ぜひそちらをご確認ください。
一般的に、トリプルメディアは以下のように役割分けされる。
・ペイド(広告)メディア:認知の拡大、集客
・オウンド(自社)メディア:理解・販売促進、ファン化
・アーンド(ソーシャル)メディア:拡散・ファン化
広告費にあまり予算を割けないとしても、トリプルメディアをフルに活かすことができれば、オウンドメディアへのトラフィックが増加し、広告効果が劇的に飛躍する。それでは、広告を使わずにトリプルメディアを活かす3つのステップを順番に見ていこう。
Step.1:刺激的なオウンドメディア経験を創出する
掲載するコンテンツを自社でコントロールできるという意味で、オウンドメディアは今、ブランドにとって最も使い勝手の良いメディアチャネルである。その上で、オウンドメディアの経験を、どうやってソーシャルに拡散させるかというのが大切になってくる。
「日産ソーシャルメディアプロジェクト(通称:にっちゃん)」というキャンペーンを紹介しよう。
2012年7月より日産自動車が放送作家の鈴木おさむ氏を編集長として迎え入れ、WebサイトやFacebookからワクワクするようなコンテンツを毎日発信している。
「検証『クルマでモテるのか!?』」「日産車ネイル」など消費者のアイデアを日産が買い取り、検証・実現させてくれるというおもしろい試みまである。Facebookでのいいね!は600万を超え、自動車産業としては圧倒的な数を叩きだした※。
オウンドメディアにおもしろいコンテンツをたくさん用意し、これまでのマスメディアや企業のソーシャルメディアにはなかった新しいメディア経験を創出した好例だ。このキャンペーンそのものがペイドメディア経由でほとんど発信されていない、というところにも注目したい。
※Facebook Japanを越え、国内第7位のいいね!数。
Step.2:アーンドメディア(ソーシャルメディア)を活用する
Step.1では、ソーシャルな拡散を意識しながらオウンドメディアのコンテンツを豊かにすることが大切だという話をした。今度は、ソーシャルな拡散を促すには具体的にアーンドメディアをどう活用すればいいのか、について考えてみたい。
マーケティングキャンペーン
新商品のリリースなどに合わせて、年に少なくとも3~4回はマーケティングキャンペーンを開催するだろう。その際に、もっとも焦点を当てるべき「ターゲット層」のソーシャル経験を構築しよう。消費者の認知や興奮を上手く喚起できれば、バズらせることも夢ではない。
ソーシャルシェアボタン
ニュースサイトやブログ記事などで、TwitterやFacebookのアイコンをクリックすると簡単にシェアすることができるボタン機能を、目にする機会が増えていると思う。ソーシャルシェアボタンだ。THE CONTENT MARKETINGでも左上に設置しているが、実装するのはとても簡単なので、今すぐ設置したい。
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アーンドメディア上で見られる消費者からの反応に、1つひとつリアクションをしよう。
ドミノピザの公式Twitterアカウントや、NHKの広報用Twitterアカウントが好例である。実際に運用するのは骨が折れるかもしれないが、できる限り懇切丁寧に対応することで消費者のココロをキャッチできるだろう。
Step.3:ペイドメディアでコンテンツ拡散を行う
消費者がオウンドメディアやアーンドメディアを介して認知・理解した段階で、ペイドメディアが活きてくる。ファン化していれば、なお効果的である。ペイドメディアは、リスティング広告やバナー広告、印刷広告などが挙げられる。いずれも、費用をかければかけるほど効果は大きくなるが、その分維持費もかかってしまう。広告費が経営を圧迫してしまうことも考えられるため、なるべくコストは抑えたい。
リスティング広告を打つときは、費用とクリック回数の関係に気をつけたい。SEO対策にも通じてくるが、もしかしたら費用・クリック回数ともに少なくても、数を集めればその方が効率的かもしれない。バナー広告も同じだ。ターゲティングがものを言ってくる。
印刷広告を使う場合は、オウンドメディアへ誘導できるURLかアーンドメディアへ誘導できるハッシュタグなどを載せるためのスペースを確保しよう。小さな努力を重ねることが、消費者が購入に踏み切る最後の大きなひと押しとなるのだ。
まとめ
従来の広告依存(ペイドメディア依存)を見直し、オウンドメディアやアーンドメディアなどにシフトしていくのがトレンドとなっている。実際には、どれか一つを使う訳ではなく、それぞれを使いわけながら、バランス良く施策を打っていく事になる。参考にして欲しい。
Photo: Some rights reserved by:Jose Carlos Figueiredo, flickr
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