【ソーシャルメディアマーケティング事例】ソーシャルエンゲージメントでさらに存在感をアップしたティファニー

コンテンツマーケティング
アメリカを代表する、老舗ジュエリーブランドの一つであるティファニー(Tiffany & Co.)は、1837年にニューヨークで創業されて以来、世界中で多くの女性たちの心を虜にし続けている。
そして、長年の実績とクオリティの高い商品により、幅広いターゲット層から、1年を通して高い需要を見込むことができる安定したブランドでもある。
このように、高級ジュエリーブランドとして揺るぎない地位を確立しているティファニーだが、近年はソーシャルメディアマーケティングに力を入れることで、さらなる成長を目指している。
ここでは、実際にユーザーから大反響を得た、同社のソーシャルメディアマーケティング戦略の成功事例を考察する。
出典:Tiffany&Co. Official Website
ソーシャルメディアでの立ち位置
ティファニーは現在、Facebook、Instagram、Pinterest、Twitter、Tumblr、YouTube、Google+ といったソーシャルメディアのアカウントを保有している。
Facebookではすでに、690万人のファンを獲得している(2014年10月時点)。質の高いコンテンツを適度な間隔で投稿しているため、ファンのエンゲージメントも高い。
ソーシャルメディア管理システムを提供しているエクスピオン(Expion)社の調査報告によると、全米トップリテールブランド50社のうち、ティファニーは2013年のFacebookエンゲージメント率で最高値を記録している(第2位はVictoria’s Secret)。
同社は調査対象期間の2013年上半期、それぞれの投稿について平均で約3万にも及ぶエンゲージメント(「いいね!」やコメント、シェア)をユーザーから獲得している。
パスワードで「特別感」を提供
ティファニーの「Blue Book」というカタログは、1845年に初めて出版されて以来、毎年発表されている同ブランドのジュエリーコレクションブックである。
2013年のBlue Bookキャンベーンでは、Facebookファンだけが正式発表前のコレクションをプレビューすることができるという特典を用意した。
同社のFacebookページでは、キャンペーン内容が告知され、リンクが貼られている。Facebookファンは、そのリンク先のティファニーWebサイトに用意されている「特別タブ」をクリックし、Facebook上で明かされた「パスワード」を入れる。
以下の投稿例を見て分かるように、「いいね!」が12万3,820、コメント数は1,902、シェアが5,972といった驚異のエンゲージメントを獲得している。
このようにティファニーは、応援してくれるファンに「感謝」を表す一つの方法として「特別」な招待券を「パスワード」と共に提供し、ファンの心をつかむことに大成功している。
愛の季節に「おねだり」戦略
ご存知の方も多いと思うが、アメリカのバレンタインデーは、男性から女性にプレゼントを贈るのが主流だ。女性へのプレゼント選びに頭を抱えている男性が多いのに対して、バレンタインにキッチン用品や自分の趣味ではないプレゼントをもらい、困惑してしまう女性も多い。
このような問題をシンプルに解決すべく、ティファニーは「実際に欲しい物を相手にねだろう」という、目的が明確なマーケティングを実施した。
それが、バレンタインデーの季節がやってくると、「欲しい物ヒント」を相手の男性にメールで送ることができる「Drop a Hint」キャンペーンだ。
Webサイト上の各アイテム欄には「Drop a Hint」ボタンが設置してあり、女性は気に入ったアイテムを選んで、そのボタンをクリックする。そうすると、カスタマイズ可能なEメールメッセージが含んであるポップアップ画面が表示される。そこに自分と相手の名前、Eメールアドレスを記入し、送信する。
メールを受け取った男性は、自分の大切な人が欲しがっているアイテムをメッセージに添えられたリンクから見ることができ、プレゼントに迷わずに済むというわけだ。
まとめ
長い歴史を持つティファニーだが、従来のマーケティング手法にとらわれず、常に新しく効率的なマーケティング戦略を繰り広げている。
あなたの会社も、ティファニーのソーシャルメディアマーケティング戦略を一つの参考に、ぜひ積極的にファンとインタラクティブな関係を築いていただきたい。
人気記事