上場できるベンチャー企業の3つのビジネスモデルとは?(1/3)

経営・ビジネスハック

ベンチャー企業にとっての最大のゴールは、株式市場に上場する事である。上場によって、創業者メンバーは大きな上場利益を手に入れる事もできるし、また、上場企業ともなれば、社会的な信用が生まれるので、会社をよりいっそう大きくできる。

では、上場を目指すベンチャー企業が考えるべき、ビジネスモデルとは何だろうか?海外の情報を参考にして、大きく3つのモデルを考えてみた。

上場できるベンチャー企業の3つのビジネスモデルとは?

それは、1.高い「顧客生涯価値」を生むビジネス、2.口コミ・ネットワーク効果を活用した集客、3.コンテンツマーケティングによる集客、の3つである。以下、一つずつ説明していこう。

1.高い「顧客生涯価値(LTV:Life Time Value))を生むビジネス

ベンチャー企業が目指すべきビジネスモデルのひとつめは、高い「顧客生涯価値」を生むビジネスである。

顧客生涯価値(LTV)とは?

「顧客生涯価値」とは何だろうか?顧客生涯価値とは、顧客が生涯の取引期間でもたらしてくれる利益の合計を指す。言葉で説明すると分かりにくいので、具体例で説明しよう。

例えば、あなたのビジネスが自動車販売業だとする。自動車一台の売値は、150万円で、一台当たりの利益は50万円だ。お客さんは、一生涯に車を2回買ってくれるとする。この時の、顧客生涯価値は、以下の通りだ。

顧客生涯価値=50万円x2回=100万円

どうだろう?簡単ではないだろうか?

サブスクリプション・コマースの顧客生涯価値

では次に、最近流行りのサブスクリプション・コマース(参考:海外でホットなサブスクリプションコマース43選)を考えてみよう。サブスクリプション・コマースとは、毎月一定の金額を支払って定期的に商品が届くサービスである。

このサブスクリプション・コマースが近年海外を中心に人気が高まっているのだが、その理由は、顧客の解約率が低く、顧客生涯価値が高いからなのだ。

さて、サブスクリプションの顧客生涯価値を計算してみよう。もし、仮に月間の支出額が1万円だとして、利益率が25%、毎月全体の5%程度が解約するとする。この場合の顧客生涯価値は以下の数式で計算できる。

顧客の月間支出金額 1万円 x 利益率 25% / 毎月の解約率 5% = 5万円

顧客生涯価値は5万円となる。この事例の場合だと、一人のお客さんから将来にわたって、5万円の利益を期待できる事になる。このように、サブスクリプションコマースは、顧客生涯価値が高いので、おいしいビジネスだとされている。

顧客生涯価値が高いビジネスは、成果報酬型の広告で成長させる

では、顧客生涯価値が高いビジネスは、どうやってビジネスを成長させるのだろうか?

答えは簡単。広告宣伝である。特にGoogleやYahooのリスティング広告、Facebook広告などの成果報酬型のインターネット広告を活用する事になる。

このような成果報酬型の広告は、1クリック単位で広告費が設定される。このため、顧客の獲得費用が計算しやすいというメリットがある。

例えば、Googleのリスティング広告の単価が100円だとしよう。そして、あなたのウェブサイトを見た人のうち、実際に申込を行う人の割合が全体の1%だとする。もし、仮に1万円の広告費をかけると、広告予算 1万円 / クリック単価 100円 = 100となり、およそ100名をウェブサイトに誘導する事が出来る。そして、申込の割合が1%だから、100人中の1人が申込を行う。

この場合の顧客獲得費用は1万円となる。この顧客獲得費用という考え方がすごく重要だ。ぜひ、抑えておいて欲しい。

顧客獲得費用は、顧客生涯価値の1/3に抑える

では、広告宣伝に一体いくらまで費用を投入すればいいのだろうか?

シリコンバレーのベンチャーキャピタルの間では、新しい投資案件を見るときに、顧客生涯価値と新規顧客獲得にかかるコスト(顧客獲得費用)を比較して評価する。一般的には、投資対象に値するビジネスは、顧客生涯価値が顧客獲得費用の3倍以上の案件だという。すなわち、顧客獲得コストが1万円で、顧客生涯価値が3万円以上なら投資対象になるという事だ。

先ほどの事例だと、顧客獲得コストが1万円で、顧客の生涯価値が5万円なので、投資対象だという事になるだろう。

顧客生涯価値が高いビジネスの例

高い顧客生涯価値を生むビジネスとは何だろうか?リピート率が高く、めったに解約されない事が条件になる。ざっと思いつくままにリストアップすると、

サブスクリプション・コマース(月額課金のECビジネス)
月額課金で利用できるウェブサービス(例:DropboxやEvernote)
月額課金の有料コンテンツサービス(例:占いなどのケータイの有料サービス)
健康食品の通信販売
毎月教材を届ける学習教材販売(例:英会話のスピードラーニング)
などなど。

最後の方に書いた健康食品や学習教材などは顧客生涯価値が高いビジネスの典型だ。このような会社は、よくテレビCMや新聞の一面広告を出しているが、このように高額な広告を出稿できるのも、顧客生涯価値が高いからなのである。

キャッシュフローはマイナスになる可能性がある

一方で、気をつけないといけないのは、顧客生涯価値が高いビジネスは、将来の利益を期待して広告宣伝を行うので、出費が大きく膨らむという点である。現金の収支をキャッシュフローと呼ぶが、顧客生涯価値の高いビジネスでは、キャッシュフローがマイナスになりやすい。特に、成長を加速させようと広告宣伝を行えば行うほど、現金が出ていく事になる。

顧客生涯価値が高いビジネスを成功させるには、この成長フェーズの資金をどうやって安定的に調達するかがポイントになりそうだ。ベンチャーキャピタルから出資を受けるか、あるいは、成長のスピードをある程度抑える必要が出てくるかもしれない。

しかし、投資する側から見ても、顧客生涯価値の高いビジネスは、投資しやすい案件だ。ビジネスモデルが安定的で将来の事業計画を正確に見積もる事が出来るからである。ベンチャーキャピタルからの投資を考えるのも選択肢のひとつになるだろう。

まとめ

どうだろう?参考になっただろうか?
今回は、上場を目指すビジネスモデルとして、顧客生涯価値の高いビジネスを紹介した。残り二つのビジネスモデルについても、次回以降の記事で紹介するので、楽しみにして頂きたい。

記事執筆:(株)イノーバ。イノーバでは、コンテンツマーケティングのノウハウを詰め込んだ無料のebookや事例集をご提供しています。ダウンロードはこちらからどうぞ→https://innova-jp.com/library/