バイラルを科学する!思わずコンテンツをシェアしたくなる「感情」とは?

デジタルマーケティング

TwitterやFacebookでシェアしたコンテンツを思い出してほしい。シェアしたときのあなたは、どんな感情を抱いていただろうか?

コンテンツマーケティングサービスを提供している会社「Fractl」は、コンテンツがシェアされるとき、人々はどのような感情を抱いているかを調査した。

方法は800名を対象に、23枚の画像と簡単な説明文を見せたときの感情を、対象者自らリポートしてもらうというもの。“ウェブで最も人気のある画像のホーム”をテーマにするバイラルメディア「Imgur」による画像を用い、その感情を非バイラルな画像を見たグループと比較した。

今回は、その結果をまとめたKelsey Libert氏の記事「The Science of Viral Content : Which Emotions Make Us Share?」などをもとに、思わずシェアしたくなるのは、どんな感情を抱いたときかを紹介しよう。YouTube動画もあるので、あわせてご覧いただきたい。

バイラルなコンテンツに共通する感情は「オー・マイ・ゴッド」

Fractl社:「Which Emotions Go Viral for All Ages and Genders?」

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人々がシェアしたくなるときに抱く感情のなかで、最も多いのは「喜び」「興味」「期待」「信頼」というポジティブな感情である。まずは大前提として、バイラルするためには、肯定的な感情が必要不可欠といえる。

また、非バイラルな画像に比べ、バイラルな画像に顕著に見られたのが、感情の多様性である。その感情はポジティブなものに限らず、ネガティブな感情も同時に起こるケースが多い。

さらに、「驚き」の感情も大きな役割を果たしている。「驚き」は、ポジティブとネガティブの両方の意味がある。

この感情にピッタリな言葉が、英語のネット用語である「OMG」だ。ベースのポジティブな感情に、スパイスのようなネガティブな感情、そして驚いたときに思わず口にしてしまう、「オー・マイ・ゴッド(なんてことだ)」の感情が生まれるコンテンツこそ、人々がシェアしたくなるのである。

ミレニアル世代には「より斬新に」そして「よりダイナミック」に

では、年齢別ではどのように違ってくるのだろうか。「Fractl」の調査によると、年齢によって感情の反応に違いがあることがわかった。

マーケティングにおいても、18歳から24歳はカギを握る世代だ。この世代は、「喜び」「信頼」というポジティブな感情と「驚き」の感情が、他の世代と比べて少ないことがわかった。

デジタルネイティブとも言える彼らのまわりには、オンラインの画像が溢れているため、とりわけ新しくて、よほどの好奇心を惹きつけるものでないとシェアしてくれない。この世代にシェアしてもらうには、圧倒的な驚きの要素が、バイラルさせる切り札となる。より斬新で、ダイナミックなコンテンツにする必要がありそうだ。

男性は「ワクワク系」を、女性は「感動系」をシェアしたくなる傾向に

性別による決定的な違いはなかったが、男女によって、傾向の違いが見受けられたそうだ。

男性は女性に比べて、よりワクワクする「喜び」の感情が伴うとシェアしたくなる傾向があるという。また、ポジティブな感情とネガティブな感情の多様性は、女性に比べ、わずかながら少ないことがわかった。

女性はどうかというと、男性に比べて、1つの画像でも幅広い感情を抱く傾向があり、若干、ネガティブな感情も伴いやすかった。また、なかでも、「信頼」の感情がシェアに大きく影響していた。

まとめ

このように、バイラルさせるコンテンツと人間の感情は密接に関係している、ということが今回の調査で明らかになった。世代や性別によってもシェアを導く感情は異なるため、対象をしっかりと把握したうえで、その感情を刺激するコンテンツをつくり出すことが重要といえる。

この調査結果をもとにすると、たとえば20代前半の女性に、よりシェアしてもらうには、

(1)大前提としてポジティブな感情を呼び起こす
(2)若干のネガティブな感情を引き出す
(3)びっくりするような驚きの要素を盛り込む

ことを意識する。

この3点の「オー・マイ・ゴッド」的な条件を取り込むことによって、コンテンツは今より多くシェアされるようになるだろう。

また、今回の調査では行われなかったのだが、ソーシャルメディアの媒体によってバイラルすしやすい感情に違いがあるかもしれない。たとえば、Twitterでリツイートされやすい感情や、Facebookでこそシェアや「いいね!」されやすい感情があるのでは、と感じる。

媒体別に人々の感情がどう動くか調査しても、興味深い結果が出るのではないだろうか。

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