その手があったか!!世界初?「写真」で支払いがタダになるレストラン

コンテンツマーケティング

イギリスの冷凍食品メーカー「Birds Eye」が、ロンドンに「The Picture House」なる、「あることで世界初」と思われるレストランをオープンした。

何が世界初かというと、このレストラン、提供された食事の写真を撮り、指定のハッシュタグをつけて、InstagramやFacebook、Twitterに投稿すると、「食事代がタダ」になってしまうというシステムをスタートさせたのだ。

この斬新なプロモーションはすぐに話題を呼び、マンチェスターとリーズにも拡大中だ。

そのマーケティングの仕組みから、成功に至った秘訣を検証してみよう!

この企画の「狙い」は?

もともとこの企画は、Birds Eyeが行っている「Food of Life」というキャンペーンの一環で開始されたものだ。

2014-0159挿入画像2出典:Birds Eye Food of Life

同社では、まず「52%の人が、定期的に食事の写真を撮影する」「週に最低1回、食事の写真を撮影する人が全体の11%にものぼる」という調査結果に注目した。

これを受けて、Birds Eyeのマーケティング・ディレクター、マーガレット・ジョブリン氏は、「人々は、食事の写真を撮ることで、それを他人に披露したり、食事の瞬間を他人と共有することができます。私たちは、そのことを利用して、人々がBirds Eyeの新メニューについて語り合い、実際にそれを舌で確かめるための、新しいきっかけを作りたかったのです。」と語っている。

つまり、人々の「自分の食事内容をシェアしたい!」という欲求をうまく突き、それをソーシャルメディアと連動させることによって生み出した自社PR戦略というわけだ。

成功要因がいっぱい。

しかし、この大胆すぎる戦略の陰には、緻密に計算された成功要因がいくつも見え隠れしているのにお気付きだろうか?

今回は、筆者の個人的視点も加え、3つの要因をご紹介したい。

1.腕自慢もできる!? 誰もが「プチ・カメラマン」

2014-0159挿入画像1 出典:Birds Eye

「積極的に食事の写真を撮って、シェアしたい!」という人々には、ある傾向が見られる。当たり前のようだが、「食事をすることが好き」ということと、「写真を撮ることが好き」ということの、2つの要素だ。

特に、「写真が好き」という要素は、SNSの普及によって「発表の場」を得たことで、ますます人気が高まっている。

今回の企画では、偶然かはたまた戦略か、ディナーメニューが2つしかないのがポイントだ。

結果、同じ条件、同じ被写体で数多くの写真が撮られ、それらが同じタグを付けて投稿されるのだから、ネット上で開催される「写真コンテスト」の意味合いが強まる。

食事代がタダになるうえ、撮影の「腕自慢」もできるのだから、ソーシャルメディア好きのユーザーにとっては、たまらない設定なのだ。

これを後押しするような形で、プロの料理写真家Marte Marie Forsbergさんから、撮影のコツを直接聞ける機会があるというのも魅力的である。

2.冷凍食品だからこそできた「費用対効果」の絶妙なバランス

この企画、冷凍食品メーカーだからこそ実現できたといっても過言ではない。

大手のレストランチェーンがこれと同じ企画を行った場合、ここまでうまく費用対効果のバランスを保つのは難しいはずだ。

冷凍食品だからこそ、「早く」調理でき、時間コストがかからない。冷凍食品だからこそ、「誰にでも」調理でき、シェフの人件費を抑えられる。冷凍食品だからこそ、予想に反して「おいしい」というギャップが生まれ、人々に驚きと好感を与えやすい(「冷凍食品ってまずい」という人々の既成概念からギャップが生まれやすい)。

冷凍食品メーカーという自社の特性を活かし、しかもマイナス要素さえ、うまく逆手(さかて)にとったこの企画は、「自社の調査・研究」を怠らなかった賜物だと言えるだろう。

3.“ポップアップ・レストラン”というムーブメント

今回の企画では、「ポップアップ・レストラン」という形態が採用されたことも大きな成功要因だ。

その名の通り、空き店舗や既存店の空き時間を利用して、「突然現れる」(=ポップアップ)レストランが、ここ数年注目されている。

もとはといえば、この不景気の中、店舗の有効活用を目的として生まれたのだ。しかし、コスト面でのリスクが少なく、「期間限定」であることがイベント感を盛り上げるため、このような各種プロモーションのスタイルとしてムーブメントになっているのだ。

必要最小限のコストで、顧客に新商品を試してもらい、顧客の生の声をとても近い位置でキャッチできる。

また、「話題性」もあることから、特にソーシャルメディアでの拡散が期待できるのも特徴だ。

刺激的で楽しい情報を待ち受けているユーザーにとって、うれしいネタである一方、企業側にとっても開店する期間が短い店舗だからこそ、店舗情報など、素早い情報伝達は欠かせない。

この両者のニーズをうまくつなげたソーシャルメディアは、ここでも大きな役割を果たしていることがわかる。

まとめ

マーケティングは、ポーカーに似ている。世界一有名なビーグル犬、「スヌーピー」はこう言った。

「You play with the cards you're dealt.(配られたカードで勝負するしかないよ!)」

配られてもいないカードのことを考える暇があったら、まず手元にある自社のカードをよく見つめ、研究してみてほしい。

良いカード、悪いカードにもそれぞれの「使い道」があることに気付くはずだ。それらは、成功への道を開く突破口になる。

さあ、じっくり考えたら“繊細かつ大胆に”勝負してみよう。

参考元: Now you can pay for dinner using INSTAGRAM: Pop-up restaurant lets diners settle the bill by uploading photos Birds Eye open doors to world’s first pay-by-Instagram restaurant Birds Eye

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