これがストーリーテリングのお手本!世界のファンを魅了するリーバイスの「The Live in Levi’s Project」

コンテンツマーケティング

世界中で愛されているジーンズの老舗ブランド「リーバイス」の新しいキャンペーン、「The Live in Levi’s Project」が注目を集めている。

キャッチコピーは、「A Billion Jeans. One Of A Kind Stories. This Is How The World Lives In Levi’s(無数のジーンズ。ひとつのストーリー。世界が、Levi’sと共に生きている)」

つまり、無数にあるリーバイス商品の愛用者それぞれが、たった1つの、ユニークなストーリーを持っているということだ。

本記事では、このキャンペーンの巧みな戦略をのぞいてみよう。

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出典:「The Live in Levi’s Project」の日本語公式サイト

「The Live in Levi’s Project」ってどんなキャンペーン?

「The Live in Levi’s Project」は、一言で言うと、世界中のファンによる、リーバイスのさまざまな着こなしを紹介しているプラットフォーム。リーバイスと広告代理店AKQAが、共同でつくったものだ。

「今の時代のほとんどの人間が、リーバイスのジーンズを所有している。または、所有したことがある」~AKQAのエグゼクティブ・クリエイティブ・ディレクターであるStephen Clements氏は、これがキャンペーンのスタート地点だったと語っている。

しかし、キャンペーンサイトで取り上げられているのは、愛用者による着こなしだけではない。彼ら一人ひとりのライフスタイルを、動画や画像を通して紹介しているのだ。スターでもセレブでもない、絶妙な人選がすごい!

選ばれているリーバイス愛用者は、多種多様だ。バンド「Sleigh Bells」のボーカルAlexis Krauss・レストラン創始者・音楽プロデューサー・ダンサー・ファッションエディター・アーティスト・雑誌編集長・モーターサイクリスト・理髪師……などなどが紹介されている。

誰でも知っているようなスターやセレブを、あえて取り上げないという選択が絶妙だ。ファンがもっと身近に感じ、自分と重ねられるような人物を選んでいる。

さらに、彼らの一人ひとりが、リーバイスと共にどのように生活し、働き、人生を楽しんでいるかを語っている。魅力的な生き方をしている個人のユニークなストーリーが、共感を呼ぶことは間違いないだろう。

リアルなストーリーほど強力で、説得力のあるものはないからだ。

人選は、バラエティに富んでいるだけでなくグローバル

リーバイスが、グローバルマーケティングを仕掛けている点にも注目したい。紹介されている愛用者の拠点は、アメリカだけでなく、ロンドン・パリ・上海、そして、東京まで含まれている。

取り上げられている日本人は、4人。画家のMHAK氏・プロボクサーの土山直純氏・ウェブプロデューサー/メディアアイコンのまつゆう*氏、そして、リーバイスのセールスマーケティングディレクターの大坪洋介氏だ。

筆者は、日本人による日本語のメッセージが登場した瞬間、動画にぐっと引き寄せられた。魅力的な人物たちのストーリーに聴き入るなか、自分にとって一番なじみ深い母国語が、突然耳に入ってきたからだ。グローバルマーケティングの効果の高さを、改めて実感させられた次第である。

こちらは、ビンテージ501を愛用する画家、MHAK氏の動画だ。故郷である福島県湯野上温泉駅で、壁画を描く姿と共に、プロジェクトに対する情熱やリーバイスへの愛が語られている。日本語なので、安心して見ていただきたい。

MHAK — Tokyo | THE LIVE IN LEVI’S PROJECT

http://www.youtube.com/watch?v=M06Zol_h8PY

すぐに買える工夫と、シェアの呼びかけ

もちろん、紹介されている商品をすぐに購入できる工夫もされている。

例えば、先ほどご紹介したMHAK氏のお気に入りは、501。彼のコンテンツ内に、「SHOP 501 JEANS」と書かれたリンクがちゃんと用意されている(日本語ページでは、「今すぐショップへ」)。

コンテンツを見て気になった商品があれば、手近にあるリンクをクリックすると、すぐにオンラインストアの該当ページに飛べるわけだ。リンクは、とても自然に存在しているので、売り込み感を感じさせることはないだろう。

また、「The Live in Levi’s Project」は、コンテンツをただ提供しているだけではなく、お客さんにもキャンペーンへの参加を促している。

ファンは、自分のストーリーもハッシュタグ「#LiveInLevis」を使って、Facebook・Twitter・Instagramに投稿できるというわけだ。愛用者であれば思わず、自分がどれだけリーバイスを愛しているかを語りたくなってしまうのではないだろうか?

「The Live in Levi’s Project」は、ユーザー参加型マーケティングの良い例でもあるのだ。

最後に

「The Live in Levi’s Project」で目を引くのは、やはり、ストーリーテリングを効果的に取り入れている点だ。

しかし、グローバルマーケティング・ソーシャルメディアを活用したユーザー参加型マーケティング、そして、ECもうまく融合させたキャンペーンであることがわかる。

まだ始まって間もないが、マーケティング界ではかなり注目が集まり、さまざまなメディアで取り上げられている。今後のさらなる盛り上がりを期待しながら、見守りたいと思う。

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