テクノロジーがインテリアデザインの世界を変える!?

EC(Eコマース)
テクノロジーの進化とともに、さまざまな分野において人々の生活は日々便利になっている。
なかでも、イマジネーションを必要とするエンターテイメントやクリエイティブな分野でのその進歩は凄まじい。ほんの10年前には夢物語だったことが、今では指先をほんの少し動かすだけで実現させるのが可能だ。
その代表的なジャンルとして挙げられるのが、インテリアデザインの世界。オンラインでプロによるコーディネートサービスが受けられたり、便利なアプリやテクノロジーを駆使したマーケティングが行われたりなど、昔は「特別」な存在だったインテリアデザインを、より多くの人が気軽に楽しめるようになった。今回は、その例をいくつか紹介してみよう。
プロのサービスをもっと気軽に
「我が家のインテリアは全部プロにお任せ」
一昔前は、そんなことを言えるのは、金銭的にかなり余裕のある人々ばかりだった。
しかし、最近では、プロがお手頃な価格で一般住宅や商業施設のインテリアコーディネートを行ってくれるオンラインサービスが普及。今回はそのなかでも、低価格とサービス内容に定評のある「Laurel & Wolf」を紹介しよう。
以下がその価格表だ。
(画像出典:Laurel & Wolf)
一般住宅のインテリアコーディネートは、「クラシック」で$299(約3万円)、「プレミアム」は$499(約5万円)。商業施設でも、クラシックが$499(約5万円)でプレミアムは$899(約9万円)と、どれも「ちょっと頑張れば貯められる金額」という設定である。
価格が低いと内容が良くないのでは……と心配になるが、一人の顧客に対して複数のデザイナーによりコンペ形式でデザインを提出してくれるので、決してそんなことはない。
サービスの初めに、カスタマーが自分の好みや簡単な情報を入力し、デザイナーたちはその情報を基にデザインを行う。実際のデザインを顧客が確認した後に、さらにやり取りを交わして、納得いくデザインになるまでこだわり続けることが可能だ。
デザインが決まったら、使用された商品をまとめたパーソナライズド・ショッピングリスト、どこに何を設置するかを説明するフロアプラン、そして取扱説明書が、カスタマーに送られてくるという仕組みになっている。
「自分でトライしたい」派のためのアプリ
Apple Storeのアプリ検索で「Interior Design」と検索してみると、無料・有料合わせて優に100を超える数のアプリが登場する。
(画像出典:Apple App Store)
スマートフォンのカメラ機能で撮った写真を使い、さまざまな色のペンキをその写真の壁に塗ってくれたり、どんな家具や照明器具が似合うかをシミュレーションしてくれる便利なアプリたち。
挑戦してみたいけれど失敗したら怖いから手を出せない……。そう言ってインテリアデザインの世界に足を踏み入れるのを躊躇(ちゅうちょ)していた消費者に、より気軽にデザインを楽しめるようにしてくれたのは、間違いなくテクノロジーの進化である。バーチャルの世界を利用することで、それが実現可能となったのだ。
テクノロジーを生かして最先端を行く企業
こういったテクノロジーをいち早く取り入れて、最先端の技術を使いながら自社商品やサービスをプロモートしている企業も多い。下にその実例をいくつか挙げてみよう。
IKEA(イケア):常に新しいマーケティングに取り組んでいることで有名なこのブランド。そのウェブサイトやアプリでは、デジタルプランナー(画像参照)やバーチャルカタログなどが勢ぞろい。自社の製品を使って、顧客が自由にインテリアデザインを楽しめるコンテンツがずらりと並んでいる。
インテリアデザイン自体を楽しめるツールを提供することで、「商品を売りつけられている」抵抗感をうまく排除。トータルコーディネートで丸ごと購入に持っていきやすい、かしこい戦略である。
(画像出典:IKEA planning tools)
Furnish: Furnishは、メジャーな家具メーカーの商品のキューレートを行い、消費者にさまざまなブランドの家具を紹介しているサイトだ。また、家具を置きたいと考えている場所の写真を撮って、カタログ内の家具をバーチャルに設置することが可能。そうすることで、「もし我が家に合わなかったらどうしよう……」という不安を取り除いてくれる。
消費者に便利なサービスだが、企業にとっても、おいしいサービスである。このアプリ内で取り扱ってもらうことで、自社製品が消費者の目に触れる機会が増えるからだ。
(画像出典:Furnish)
想像の世界をよりリアルに
「想像力が乏しい……」
クリエイティブな分野が苦手だと感じている人の口から聞くことが多い、この言葉。
しかし、テクノロジーの進化により、想像の世界を簡単にリアルに近づけることができるようになり、人々の可能性はどんどん広がってきている。
ここから学べるのは、消費者が「自分には○○が足りない」と感じているものを補えるテクノロジーの需要は、これからもグングン伸びていくということ。
この、現状で足りていない「○○」とは何なのかを考えることを忘れずに、テクノロジーを有効利用して、消費者に寄り添ったコンテンツやサービスを開発していくのを心がけたいものだ。
参考元: Laurel & Wolf 5 Ways Technology Has Impacted Interior and Home Design Autodesk Homestyler 16 Best Online Home Interior Design Software Programs
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